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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2016年2月

デビュー作にして25万部を超えるベストセラーとなった「君の膵臓(すいぞう)をたべたい」の著者が贈る、待望の最新作。友達のいない少女、リストカットを繰り返す女子高生、アバズレと罵られる女、一人静かに余生を送る老婆。彼女たちの“幸せ”は、どこにあるのか。「やり直したい」ことがある、“今”がうまくいかない全ての人たちに送る物語。 

                   (双葉社HPより)




「君の膵臓をたべたい」は、衝撃的な感動作でした!
その著者が書いたデビュー2作目ですね。


主人公は、小学生の小柳奈ノ花。
自分は、賢い子と周りの同級生をやや見下した物言いをする文学少女。

隣の席の桐生くんが絵が上手なのに、それを隠したがり、同級生にバカに
されることを恐れているのが理解出来ない。


放課後は、クリーム色のアパートに住むアバズレさんに会いに行ったり、
廃墟ビルの屋上で見つけたリストカットしている高校生の南に会いに行ったり
偶然見つけた大きな木の家に住んでいるおばあちゃんに会いに行ったり。。。。

友だちが学校に居なくても平気と放課後は、3人のうちの誰かしらに会いにいく。

シッポがちぎれた猫をお供に・・・


奈ノ花みたいな子が居たら、クラスで浮くでしょうね。
子どもって、こういう子は排除しちゃうからね~。
でも、感受性は豊かで、隣の席の桐生くんのことを親身になって励まして
自分と違う価値観も認めなきゃと気づいてからは、桐生くんと仲良くなって。

ちょっと大人びた奈ノ花が、アバズレさん、南、おばあちゃんと接しながら
幸せについて考えていく。

担任のひとみ先生が素敵だったのも良かったな。


こういうファンタジーもいい。

このタイトルの意味も前の「君の膵臓をたべたい」と同様、意味あるものでいいと思う。


これからの作品も楽しみにします。



                         ★★★★
 
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発行年月::2015年12月


 建材会社の社長を務める高梨修一郎。
50歳を過ぎ、心に浮かぶのは過去の秘密と忘れがたい運命の人……。
個人と社会の狭間にある孤独を緻密に描き、
成熟した大人に人生の意味を問う長編小説。

                 (集英社HPより)




主人公の過去と現在が交錯しながら進む。
建材会社社長になった経緯には、驚きの過去があり、
あまりにも哀しいこと続きの人生に、こちらの気持ちも塞ぐかんじ。

父親が若い女と蒸発し、母と妹との平和な3人の暮らしのなかで
妹が交通事故に遭う。
幸い、命に別状はないもののその後、少し歩行に困難を来たす。
だけど、その事故の加害者が誠意ある人たちで、主人公が社長になった会社の
経営者だった。
妹の事故後、2年で今度は母親が胃がんで亡くなる。
その時も主人公たち兄妹の後継人となってくれたのは良かった。
が・・・妹は24歳で海外旅行に行き、その先で亡くなる。
スキューバーダイビング中の事故死。

主人公自身は、会社でも責任ある仕事を任されるけれど、結婚した妻との間に
娘をもうけながら、離婚。

やがて知り合う人たちも大きな苦悩を抱えた人たちで、
こんなに重たい人生を抱えた人ばかりが巡り会うって、ありなんだろうか??
とちょっと辟易しちゃう^^;


終盤は、主人公自身が死に囚われそうになり、このまま死んだらあまりにも
哀しすぎると思った。
が・・・そうならずにホッとする。

題名の意味が最後まで読むと、ああ、なるほど・・・と思えたので
読了後の気持ちは、割とスッキリ。



                     ★★★      



発行年月:2014年9月

ラジオ局に入社して4年目の新米アナウンサーの寺島尚人は、ある日、聴取率0%台、誰も聴いていない深夜放送の≪大改革≫に名乗りをあげてしまう。
「みんな小さな人生を生きている。それを伝えたいと誰もが思っている筈です。そんな葉書を……小声で、ただひたすら愚直に読んであげるのはどうでしょうか」と。
大抜擢で番組を任されることになる。しかし自分でスポンサーも探せと命令されたり、ライバル局に邪魔をされたりとトラブル続出。だが新米アナウンサーの青臭い情熱が、それまで傍観するだけだったラジオ局の人々を動かし、団結させていく。
そして、Twitterでもなく、メールでもなく、ファクスでもなく、ラインでもなく、リスナーから届く≪葉書≫で番組を構成していくというやり方が支持を得る。特に、一緒に泣いたり本気で怒りながら読み上げる「ラストレター」という企画が目玉コーナーとなり、人気番組となるのだが……。
ラジオ局で働く仲間たちをめぐる、愉快で心温まる物語。1981(昭和56)年から12年半、文化放送「さだまさしのセイ!ヤング」を続けてきた著者の、経験に基づく深夜ラジオ小説!! 

                    (朝日新聞出版HPより)



リスナーからのハガキで構成されるラジオ番組。

今は、メールだからね・・・。

でも、番組内容は面白かった!
実際、ラジオでこんな番組あったら、聞きたい!
深夜起きて居られないから・・・録音してになるけど・・・笑


ラジオ番組を作るディレクター、プロデューサー、放送作家、アナウンサー
みんなが楽しそうに番組内容を考えたりしている姿が凄く良かった!

番組の打ち上げで通う居酒屋ちょい都での会話も楽しかったなぁ~。

最古参のプロデユーサー・大越大五郎の人柄が特に魅力的。
言葉は下品だったけど・・・。

アナウンサーの寺島と大越が初めて出会った雨の日の出来事も感動的。
『弱い物の味方でなければならない』という大越の考え方は素晴らしい。
言うだけでなく実際その考えで動いているのもいい。

番組最後のコーナー「ラストレター」で読まれるハガキの内容は
全部、素敵な話だったなぁ~。


さださん、凄い。

 

                        ★★★★
 



発行年月:2013年7月

一九八八年、恋人を長崎に残し、ケニアの戦傷病院で働く日本人医師・航一郎。「オッケー、ダイジョブ」が口癖の彼のもとへ、少年兵・ンドゥングが担ぎ込まれた。二人は特別な絆で結ばれるが、ある日、航一郎は……。二〇一一年三月、成長したンドゥングは航一郎から渡された「心」のバトンを手に被災地石巻に立つ。名曲をモチーフに綴る感涙長篇。

                  (幻冬舎HPより)





さださんと親交のある柴田紘一郎医師がモデルの物語だそうです。

さださんは、文章巧いなぁ~。

物語では日本からケニアの名クールにある長崎大学熱帯医学研究所に出向した
島田航一郎医師が主人公。
なかなかユニークな人物で、この辺は実在のモデルを知っている、さださんの
印象で描かれたのかな?

ケニアの過酷な環境のなかで、生きて居る人たちのことも知り
そんな場所での医療もまた過酷なもの。
運ばれる人たちは、内戦で心も体も傷ついた人たち。

治療した少年兵・ンドゥグとの出会いが物語を広げていく。

航一郎と接するうちに自分が生きる道を見つけたンドゥグ少年。
彼が成長して医師となり、東日本大震災で滅茶苦茶になった地にケニアからの医師として
赴任し、そこで航一郎と同じように人々と接し、その姿を見た少年・あつおが
今度はンドッグと同じように志を高く持つ。


感動の物語でした。
映画化されたものを観たくなりました!


                        ★★★★★
 



発行年月:2015年6月


 ある日、高校生の僕は病院で1冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それは、クラスメイトである山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていた。こうして、偶然にも【ただのクラスメイト】から【秘密を知るクラスメイト】となった僕。まるで自分とは正反対の彼女に、僕は徐々にひかれていった。だが、世界は病を患った彼女にさえ、平等に残酷な現実をつきつける――。全ての予想を裏切る結末まで、一気読み必至!

                      (双葉社HPより)




ギョッとする表題でしたが、読み進めていくと、この物語にはピッタリの表題だと
感じる。

高校生の僕は、友達も持たず、休み時間には本を読むクラスでも根暗な目立たない
存在。
そんな彼が自分とは180度違う、明朗快活でクラスの人気者である山内桜良の
秘密を知るクラスメイトとして、桜良と関わって行く。

二人のテンポ良い会話が実に心地いい。
お互いがお互いを思いやりながら、言葉を交わす。
余命短い桜良にとって、彼との日々を最後に楽しむことが出来たのは
大きな喜びだったと思うし、人と関わることを全く避けてきた彼のことも
大きく変えた。

でも、彼女の最期は、衝撃的でした!!
「えぇ~!?」そういう最期!?と。

でも、これまでの話の流れからして、それもまた納得。

『共病文庫』を手にして読む僕の場面は、泣けます。
桜良の本音を知って、嬉しいような切ないような複雑な気持ちになる。


これがデビュー作ですか!?
凄いなぁ~。
次回作に期待しちゃう作家さんがまた増えて嬉しいです!!

これは、皆に薦めたくなる1冊!


                          ★★★★★
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