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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2015年11月


 元職場の女子会で知らされる、
恋人に娘が生まれたこと。
その本当の意味に触れたとき、
あなたの「常識」は揺らぎはじめる。
                   
第31回 太宰治賞受賞作 書き下ろし「お気に召すまま」併録

                  (筑摩書房HPより)



受賞作
<名前も呼べない>も<お気に召すまま>も
主人公は、心にトラウマを抱えて悶々としている女性たち。

<名前も呼べない>の主人公は中村恵那。
20歳年上の職場の上司・宝田と不倫関係にあったが、宝田に二人めの
子どもが誕生し、関係が途絶え職場を辞め実家に帰ろうとしている。

驚くのは、体の関係はなかったということ。
恵那は人と触れ合うことに恐怖心を覚えるため宝田ともキス止まり。
そして、宝田の妻・亮子の開くピアノ教室の生徒で亮子とも親しくしていた。

宝田とそんな関係にありながら平気で自宅を訪ねピアノを習い仲良くお喋り
したり・・・・理解不能だったなぁ~。

友人のメリッサの方に興味が強く沸き、彼(彼女?)の物語をもっと読みたいと
思ってしまった。

最後、亮子に思いのたけを全て電話でぶつける恵那は凄かったけど、それを
受ける亮子も凄かった。ふつう同じように激昂するとかだと思うけれど・・・
受け答えが冷静過ぎて怖かった。

まあ、よくわからない人たちばかり出てくる物語でしたが
不思議と面白く読めたかな?


<お気に召すまま>の主人公・羽田美波は高校の英語教師で
英語の弁論部顧問。夫と離婚したばかり。
幼い頃、鬼に変身した母親から逃れるため、ベッドの下に潜り込むのがクセだった。
が6歳のとき、母親が突然、家出して以後、5歳年下の妹と3人暮らし。
妹も今は結婚し、3歳の息子と夫と暮らしている。

美波が顧問の部活の部員・中島文乃が最近、何やら様子がおかしいと
担任の不破から相談され、彼女の抱えているものを探ろうとする美波。

生徒と話をするうちに自分のなかにあった、鬱蒼としたものが少し消えていく
かんじかな?

話としては、こちらの話の方が好きだった。
主人公にエールを送りたくなったから・・・。


1986年静岡県生まれかな~
これがデビュー作なんですね。

これからの作品も期待したい新人さん登場。


                        ★★★★

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発行年月:2015年12月


正門から徒歩一分足らず。家の窓からは教室が、教室の窓からは家が見える――。

先生たちのキャラクター。男子と女子の攻防。隣の学区への小さな旅。PTAと子ども会。行事をめぐる一喜一憂。父との微妙な距離感。連続誘拐殺人事件の影。深まる母の謎――。小学生自身の視点で克明に立ち上がる、ノスタルジーも無垢も消失した、驚くべき世界像! 三島賞作家による、スーパーリアルな「小学生小説」。

                   (新潮社HPより)




表題に興味を覚えて初読みの作家さんのこれを読んでみた。

わたしも実家が小学校のすぐそばで、正に裏門から徒歩1分以内の距離でした^^;

主人公は杉田一善。1981年生まれの小学校5年生。

集団下校とは別に一人で帰っていたのは羨ましかった^m^
わたしは一応、皆と下校していたのでいつも「家、すぐそこなのになぁ~」と
思って居た。

一善が下校の道を少しでも長くするため回り道して帰るのは大いに共感!

この時代、まだ小学生は携帯とか持ってなかった時代。

宮崎勤による連続幼女誘拐殺人事件があったとあるので、リアルに
あの時代の子どもの話なんだ~と思えた。

学校(同じクラス)の友達数人と家族しか登場人物が居なく特別なことも
起きないので物語としては単調。
でも不思議と懐かしい気持ちになれて最初から最後まで心地よく読んだ。

初めての作家さんだったけど、他のも読んでみようかなぁ~。



                    ★★★

 



発行年月:2007年4月

おかしくて切ない、〈在宅〉小説誕生!
ネットオークションにはまる主婦。会社が倒産し主夫となった営業マン。ロハスに凝る妻に辟易する小説家…。ちょっとズレても家庭は続く。夫と妻の心の機微を軽妙に描きだす、6つの物語。第20回 柴田錬三郎賞 受賞作。

                   (集英社HPより)




6つのお話、どれも面白かった♪


<サニーディ>
ネットオークションにはまる主婦。
最初はピクニックテーブル、次はぶら下がり健康器具。
不用品を見つけてオークションへ出す。
自分にとって不要なものも欲しい人には価値ある物として予想以上の金額で
求められる。
やったことないけど、この気持ちはなんとなくわかるな。


<ここが青山>
14年勤めた会社が突然、倒産。
代わりに妻が元の職場に復帰し、自分が家事や子どもの幼稚園送迎などを引き受ける。
「人間いたるところに青山あり」
なるほどなかなか深い話だった。


<家においでよ>
結婚8年で妻と別居することに。
妻は父親所有のマンションに引っ越し、残された自分は少しずつ自分好みの
男の城を作り上げていく。
こういう夫婦関係もいいかもね。


<グレープ・フルーツ・モンスター>
内職の仕事を定期的に持ってくる自分より10歳年下の青年の
柑橘系の香りが印象に残り、その香りの記憶がその夜、淫靡な夢を見せる。
これは笑えた。


<夫とカーテン>
夫が突然、会社を辞めて今度はカーテン屋をするという。
高層マンションが立ち並ぶエリアなら、需要があるはずだから・・・・と
無茶な人だけど、とんとん拍子に上手くいく。
自分の夫だったらついていけないけどね~


<妻と玄米御飯>
ロハスにハマった妻。
毎日の食事は玄米御飯に。肉も食べさせて貰えず、双子の小学5年の息子たち共々
辟易する。
作家の夫は、そんなロハスにハマっている人たちのことをネタに小説を書くが・・・
作家って大変だな。
書いたこと=その人の考え方って取られるし


色んな家庭の話。
結構、危機的状況の家庭もあったけど、夫婦仲は皆、良さそうで結構(^^)
楽しく読めました。



                       ★★★



発行年月:2015年4月


 武道館を目指すアイドルたちの現実と未来 武道館ライブの実現を目指し活動する アイドルグループ「NEXT YOU」。成長する彼女たちをシビアかつ熱を持った視線で描く。

                   (文藝春秋HPより)




武道館でコンサートをする!

それが目標のアイドルグループの少女たちの物語。

主人公は、日高愛子17歳。
幼なじみで同じマンションに暮らす大地とは、アイドルになっても変わらぬ
付き合い。
高校で剣道部に所属し、県大会優勝、インターハイ出場も果たす大地の試合が
武道館であると知り、グループのなかで気の合う碧を誘い応援に駆け付ける。

アイドルグループは6人から5人に。
脱退した子は別の道へ。

人気が出ると注目度も上がり、雑誌で私生活が取り上げられたり
それがネット上で批判のタネになったり・・・
アイドルって大変だ。

犯罪を犯しているわけでもない。同年代の子たちが普通にしていることなのに
アイドルがするのは許されないという風潮は、異常だな。。。

愛子と大地のことも、雑誌で尾ひれがついた形で記事になって・・・
その後、愛子はどうした?と思ったら・・・


終盤、そんなことから12年後、武道館コンサートを警備するバイトの
若者たちの会話から、愛子はその後、引退して今は結婚しているとか。
まあ、幸せになったのなら良かったけど、
その辺の愛子の決断の過程がちょっと知りたかったなぁ~。


でも、アイドルとか芸能界のことよく調べたな~。

若い人が読んだら、もっと楽しめたかもしれないけれど
ちょっと退屈だったな^^;

                        ★★



発行年月:2015年1月


 心に鍵をかけて悪い癖を封じれば、幸せになれるかな? いや、それではダメ――。

新婚旅行から戻って、はじめて夫との食の嗜好の違いに気づき、しかしなんとか自分の料理を食べさせようと苦悶する中で、摂食障害の症状が出てきてしまう女性を描いた表題作他、DV男ばかり好きになる女性、マスクなしでは人前に出られなくなった男性など、シニカルにクールに、現代人を心の闇から解放する荻原浩の真骨頂。

                   (新潮社HPより)



8編から成る短編集。

<ヒット・アンド・アウェイ>
2歳の娘を連れ離婚後、一緒に暮らし始めた男も女を殴る男だった。
ボクシングジムに通って夫の暴力に対抗しようと計画する。

最後の場面は、爽快だったぁ~!


<冷蔵庫を抱きしめて>
新婚旅行から帰り食事を用意するたび、夫の好みが自分と全く違うことに戸惑う。
そして、そんなストレスからか、かつての過食に走ってしまう。

理解ある夫で良かった!食事の好みの違いなんてなんとかなるでしょ?


<アナザーフェイス>
自分にそっくりの人間が居るらしく、とうとう自分そのもの?と思える事実も。

これはSFの世界だな。途中まで面白く読んでいたけど怖い。


<顔も見たくないのに>
浮気性の彼と別れたけれど、その後、彼はイケメン芸人としてデビュー。
1年ほどでテレビから消えたけど、連絡があり・・・

これは可笑しかった!最後の言葉が最高!


<マスク>
風邪をひきマスクをしたら、その意外な効用にすっかりはまる。
けれど、今度はマスクを外せなくなり・・・

ちょっと切ないな。


<カメレオンの地色>
人に嫌われないことだけに気を付けて生きて来た。
自分が本当は何色だったのかもわからなくなった。

思い出した中学時代の遼介と連絡がつくといいのにね。


<それは言わない約束でしょう>
自分が心のなかで言ったことが漏れてしまうことに気づく。
接客の場で、上司との会話で、相手に対して暴言に当たることばを吐いてしまう
らしい。

最後はどうする?と思ったら、開き直りでしたね^^;
でもそれ正解かも!
表裏がない毒舌な人というキャラ成立?


<エンドロールは最後まで>
結婚しない女として生きようと決めた途端に知り合った男は、理想的。
でも、医者だと思ったら違う職業だった。

勝手に思い込んだだけで彼が悪いわけでもないかもね~。
自分が納得できるまで見極めたらいいんじゃないかな?
最後は幸せになって欲しい。


主人公たちが前向きな姿勢なのがよかった。
ただし、<アナザーフェイス>だけは、ちょっと異質か?
ササ~ッと軽く読みました♪


                         ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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