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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2020年10月


1988年夏の終わりのある日、高校に迷い込んだ一匹の白い子犬。「コーシロー」と名付けられ、以来、生徒とともに学校生活を送ってゆく。初年度に卒業していった、ある優しい少女の面影をずっと胸に秘めながら…。昭和から平成、そして令和へと続く時代を背景に、コーシローが見つめ続けた18歳の逡巡や決意を、瑞々しく描く青春小説の傑作。

                 (双葉社HPより)


6話からなる連作集。

高校内で飼われることになった、コータローは、約10年、学校内の様子を見てきた。
一番最初に、コータローを飼うことに関わった塩見優花と
コータローの名前の元になった早見光司郎。


二人のお互いに好意を持ちながら別々の進路へと卒業後、別れてしまう様子に
寂しさを感じた。

が・・・それは、後の章でも、それぞれのその後の様子がわかる仕掛けなのは
嬉しかった!


高校生たちが、卒業後、成長して再び集う最終章のラストは最高!



それぞれコーシローに関わる生徒たちの話も、「ああ、青春だね~♪」という
感じで、とても良かった!


時々、コーシロー目線の語りが入るのも楽しかった。
捨てられたのは、可愛そうだったけれど、その後の暮らしが幸せで良かった!




                    ★★★★
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発行年月:2020年11月


列車の旅を愛する人たち垂涎の豪華寝台列車「ななつ星」は、開業7年目を迎えるいまも、予約が取れない状況が続いています。ゆったりと流れる時間、車窓を眺めながらの豪華なディナーは、日本の旅を変えたとさえ言われます。その「ななつ星」に現代を代表する作家、井上荒野、恩田陸、川上弘美、桜木紫乃、三浦しをん、さらには旅を愛するふたりのクリエーター、糸井重里、小山薫堂が乗車、新しい旅から生まれた極上のストーリーをお届けします。

                    (文藝春秋HPより)


5つの短編と随筆と随想。
どれも素敵だった。

本の表紙、装丁からして素敵で、これは、クラフト・エヴィング商会によるもの
だろうと予測できた。


<さよなら、波留   井上荒野>
二人で行くはずだった特別列車の旅。
夫は3か月前に心筋梗塞でこの世をさる。
予定通り、旅に出た妻を見守っている夫の語りは、とてもやさしい。
妻の波留さんも恰好いい。
結婚生活は3年だったけれど、お互いを想う気持ちがとても素敵。



<ムーン・リヴァー>
小学生の頃、両親を事故で亡くし、母の妹・キミコ姉が育ててくれた。
兄弟と3人で行くはずだったのに、キミコ姉はその前に他界。
キミコ姉のかたみのハーモニカを連れて豪華列車の旅に。

いい兄弟だな。
キミコ姉のおかげだ。



<夢の旅路  三浦しをん>
夫と行くはずだった列車の旅を夫が行けなくなり、親友と。

こんな親友関係は理想だな。
わたしも友とこんな風に旅をしたい。


<帰るところがあるから、旅人になれる  糸井重里>
なるほどね、
人はいつでも旅立って、ぐるぐる廻って同じところに帰ってくる。

帰るとことがなければ、旅とは言わないもんね。



<旅する日本語   小山薫堂>
美しいイラストと共に語られる素敵なことば。


<アクティビテーは太極拳   川上弘美>
母親から誘われた3泊4日の豪華列車の旅。
けれど、コロナ禍で出発が中止に。
母から「リモートで決行しよう」と。

アクテビティーなお母さんだ。



<ほら、みて   桜木紫乃>
夫が定年退職祈念にと豪華列車の旅に誘ってきた。
妻は、卒婚を言い出そうとしていたのに・・・。
旅行の最中にそれを言い出す。

卒婚か~。いいね。理想的。
でも経済力がないと難しいな・・・。
この夫婦の場合は、可能かな?
この旅のあとの暮らしぶりが気になる。



豪華列車は、「ななつぼし」。
旅番組などで、ときどき見て、「いいなぁ~」とひそかに憧れている。



スラスラと読めて、楽しい1冊だった!


                       ★★★★



発行年月:2020年7月


気ままな連中が”昨日”を改変。世界の存続と、恋の行方は!?
水没したクーラーのリモコンを求めて昨日へGO! タイムトラベラーの自覚に欠ける悪友が勝手に過去を改変して世界は消滅の危機を迎える。そして、ひそかに想いを寄せる彼女がひた隠しにする秘密……。
森見登美彦の初期代表作のひとつでアニメ版にもファンが多い『四畳半神話大系』。ヨーロッパ企画の代表であり、アニメ版『四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』『ペンギン・ハイウェイ』の脚本を担当した上田誠の舞台作品『サマータイムマシン・ブルース』。互いに信頼をよせる盟友たちの代表作がひとつになった、熱いコラボレーションが実現!

                 (角川書店HPより)


この物語の時代背景は昭和っぽいな。

大学生たちの暮らす下宿「下鴨幽水荘」の住人プラスその仲間たちの話。


残暑厳しいなか、リモコンをコーラで水没させた彼ら。
そんなとき、タイムマシンで25年後から現れた青年・田村くん。


壊れる前のリモコンを前の日から持ってくればいい。


その発想から始まる、ドタバタ劇。




面白かった。
馬鹿だね~と思いながらも。
クスッと微笑ましく思いながら楽しんだ。



こんな大学生活は、大人になっても忘れないだろうな~。
彼らは、この先、ずっと親交が続くんだろうか?そうであってほしいな。



                     ★★★★




発行年月:2020年8月


公安部のエリート刑事・幣原は、イスラム国関連の極秘捜査から突然外された。間もなく、息子の秀樹がテロリストに志願したとして逮捕された。妻や娘からは息子を売ったと疑われ、組織や世間には身内から犯罪者を出したと非難される。公安刑事は家庭と仕事の危機を乗りきれるのか!? 衝撃の社会派長編ミステリー!

                  (双葉社HPより)



公安部刑事の幣原の息子がテロリスト志願で逮捕。
やがて釈放されるが、監視は続き、幣原が家庭内での監視役に。


辛い仕事だな。
家族を被疑者として監視しなければならないって。



テロリスト志願したことで、既に殺人を犯したかのような世間のバッシング。
責める人の気持ちもわかるけれど、彼はまだ志願しただけ。
なぜ、志願したのか?をきちんと聞くことが大事なのに。


と思って読んでいたら・・・起きてしまった悲劇。


ああ、なんてこと!


そして終盤、わかった事実に愕然。

なんだか辛くて、やりきれない話だった。

この先、妹・可奈絵は、どんな気持ちで日々、過ごすのだろう。



安定の読みやすさで、あっという間に読了したけれども。

    


                      ★★★



発行年月:2020年9月


これは私の最後の恋、なのだろうか。
妻でもなく、母でもなく、娘でもなく、ひとりの女になりたい。
恋愛小説の名手があなたを揺さぶる。
赤澤奈美は47歳、美容皮膚科医。カメラマンだった夫とは別れ、シングルマザーとしてひとり息子を育て、老いた母の面倒を見ながら仕事一筋に生きてきた。ふとしたことから、元患者で14歳年下の業平公平と、事故に逢うように恋に落ちてしまう。心を閉ざすように生きてきた奈美の、モノクロームだった世界が、色と音を持ち始めた。
もう一度、軽やかな私へ
美しい人生讃歌小説

                 (講談社HPより)




奈美が公平に惹かれる理由がよくわからず・・・。
個人的に関西弁の男性が苦手なのもあるけど。
会話がイチイチ、気になり、どんどん公平と深い関係になっていくが
「まずいんじゃないか??」とドキドキ。
案の定、それはまずい状況になり・・・ヤレヤレというかんじ。


今までの窪さんの作品とは雰囲気違うので途中で「あれ?誰の本だっけ?」と
思ったほど。


それでも最後は、良い方向に落ち着いてホッとした。


主人公の奈美には全く、共感できるところはなかったけれど
私は女になりたい」って思えるエネルギーを持っていることは羨ましいかも。




                      ★★★
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