発行年月:2021年4月
最終話に仕掛けられた一話目への伏線。
気付いた瞬間、心を揺さぶる、鳥肌モノの衝撃が襲う!!
読売新聞、日経新聞、本の雑誌……各紙書評で絶賛の声続々!
「驚きの完成度!」――瀧井朝世さん(『スモールワールズ』公式HP書評より)
「BL界の鬼才恐るべし」――北上次郎さん(日本経済新聞 5月6日書評より)
夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。人知れず手紙を交わしつづける男と女。向き合うことができなかった父と子。大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。
(講談社HPより)
6つの短編。
どれも楽しめる。
覚書として記すので、ネタバレあり。
<ネオンテトラ>
広告代理店に勤める夫と暮らしている美和。
流産を繰り返し妊活中だが、夫は浮気?
ふとしたことから中学生の姪・有紗の同級生という蓮沼笙一とコンビニで
たびたび夜、会うことに。
両親と良い関係にない笙一を気に掛けるが・・・
姪は笙一の子を妊娠。
その子どもを自分の子どもとして育てる美和。夫も承知で。
最初から随分、凄い話だな。ちょっと怖いな・・・と思う。
飼っているネオンテトラの繁殖に例えるのは巧いなぁ~。
<魔王の帰還>
夫と別れたと姉の真央が実家に戻ってきた。
身長188cmで態度も大きい姉だから、か細く弱弱しい夫とは元から
合わないと思ってた弟の鉄二。
しかし、真相は、真央の夫・勇が難病にかかっていることを知り
真央に別れを切り出したのだと知る。
真央=魔王・・・最高にカッコいい!!
<ピクニック>
希和子は、単身赴任中の夫の元へ孫の未希〈生後10か月)を預かるからと
娘の瑛里子を送り出す。
が、その間に未希は亡くなってしまう。
気づいたときには息をしていなかったと。
病院からの通報で駆け付けた警察官は、虐待の疑いがあるという。
希和子は逮捕されてしまう。
信じられない瑛里子は、母が虐待をするはずがないのだと主張し続け
やがて釈放。同時に瑛里子は妊娠していることが判る。
一見、不幸なことはあったけど、まあ良かったかな?と思いかけたけれど
えぇ~!!そういうことだったのか?
瑛里子には妹がいた。生後6か月のとき、急性心不全で亡くなっているが
心因は瑛里子が妹を抱きかかえ落としてしまい、その上に瑛里子自身が
乗ってしまったためと・・・・ギャ~なんてこと!?
希和子自身はそのショックで精神的に参り、後々、トラウマに
それが今回の未希の死に関係してくるとは・・・(◎_◎;)
平和そうな冒頭の場面から真逆の話。
<花うた>
兄を殺された新堂深雪とその兄を殺した向井秋生の往復書簡の形式で
進む。
最初は、憎しみをぶつける深雪だが、秋生の返事を読むうちに
その境遇やら考え方に理解をし始める。
ある日、秋生は刑務所内で転倒し、記憶の一部が飛んでしまう。
収監されている者のなかに秋生のことを恨んでいる者がいてその者が
秋生を故意に転倒させた。
10年後、出所した秋生を引き受けることに決めた深雪。
こういう関係は実際にあるのかな?
罪は憎むけれど、その人のことを知ると人としては憎めないってこと?
なんとなくわかるような気もするけど、こんな風に生きることに
なるなんて、ちょっと切ないな。
<愛を適量>
高校教師をしている慎悟の元に見知らぬ男性が。
なんと12歳の時に別れた娘だという。
27歳になった娘・佳澄は、トランスジェアンダーで男性に!
タイで手術を受けるので、その準備期間は、居候させてほしいという。
これは、ちょっと面白かった。
手術費用500万を父親から奪ってタイへ向かう。
でも、きっと帰国後は父親の元にきて、報告するんじゃないかな?
娘の今後のためと思えば500万は諦められるでしょう。
<式日>
後輩から父親が亡くなったから式に参列してほしいと連絡を貰う俺。
俺は定時制の高校に通っていたが、ある日、教室に「試験前なのに辞書を忘れて
しまって・・・」と来たのが後輩。
大変だなとメモを渡し、持っていた豆菓子の小袋を1つ渡すと
机のなかに翌日、紙切れのメモで「おいしかったです・・・・」と返事が。
その後、連絡先を交換し親しくなった関係。
後輩の父親は飛び降り自殺。中学3年の時両親は離婚して母と姉とは
それ以来、会っていないという。
後輩の元にも会いに来たことがあったがドアを閉めたきり警察を呼んで
父親を拒否したのだと。
え~と、この後輩は第一話<ネオンテトラ>の笙一ってことかな?
そうかぁ~。両親が離婚して、父親と二人。
高校2年で中退したということは、その後も結構、苦労したんだろうな。
付き合っていた有紗との関係は絶ったままだったのか?
子どもには会えてないんだな。
バイク事故で死んじゃったと有紗が一話で言っていたけど、父親の葬儀後
そんなに経たずにかな?
衝動買いでネオンテトラは買ったのかな?
いろいろ、考えちゃう。
色々な人生あるな・・・という短編集。
初めて読んだ作家さんだけど、他のも読みたくなる。
★★★
(講談社HPより)
6つの短編。
どれも楽しめる。
覚書として記すので、ネタバレあり。
<ネオンテトラ>
広告代理店に勤める夫と暮らしている美和。
流産を繰り返し妊活中だが、夫は浮気?
ふとしたことから中学生の姪・有紗の同級生という蓮沼笙一とコンビニで
たびたび夜、会うことに。
両親と良い関係にない笙一を気に掛けるが・・・
姪は笙一の子を妊娠。
その子どもを自分の子どもとして育てる美和。夫も承知で。
最初から随分、凄い話だな。ちょっと怖いな・・・と思う。
飼っているネオンテトラの繁殖に例えるのは巧いなぁ~。
<魔王の帰還>
夫と別れたと姉の真央が実家に戻ってきた。
身長188cmで態度も大きい姉だから、か細く弱弱しい夫とは元から
合わないと思ってた弟の鉄二。
しかし、真相は、真央の夫・勇が難病にかかっていることを知り
真央に別れを切り出したのだと知る。
真央=魔王・・・最高にカッコいい!!
<ピクニック>
希和子は、単身赴任中の夫の元へ孫の未希〈生後10か月)を預かるからと
娘の瑛里子を送り出す。
が、その間に未希は亡くなってしまう。
気づいたときには息をしていなかったと。
病院からの通報で駆け付けた警察官は、虐待の疑いがあるという。
希和子は逮捕されてしまう。
信じられない瑛里子は、母が虐待をするはずがないのだと主張し続け
やがて釈放。同時に瑛里子は妊娠していることが判る。
一見、不幸なことはあったけど、まあ良かったかな?と思いかけたけれど
えぇ~!!そういうことだったのか?
瑛里子には妹がいた。生後6か月のとき、急性心不全で亡くなっているが
心因は瑛里子が妹を抱きかかえ落としてしまい、その上に瑛里子自身が
乗ってしまったためと・・・・ギャ~なんてこと!?
希和子自身はそのショックで精神的に参り、後々、トラウマに
それが今回の未希の死に関係してくるとは・・・(◎_◎;)
平和そうな冒頭の場面から真逆の話。
<花うた>
兄を殺された新堂深雪とその兄を殺した向井秋生の往復書簡の形式で
進む。
最初は、憎しみをぶつける深雪だが、秋生の返事を読むうちに
その境遇やら考え方に理解をし始める。
ある日、秋生は刑務所内で転倒し、記憶の一部が飛んでしまう。
収監されている者のなかに秋生のことを恨んでいる者がいてその者が
秋生を故意に転倒させた。
10年後、出所した秋生を引き受けることに決めた深雪。
こういう関係は実際にあるのかな?
罪は憎むけれど、その人のことを知ると人としては憎めないってこと?
なんとなくわかるような気もするけど、こんな風に生きることに
なるなんて、ちょっと切ないな。
<愛を適量>
高校教師をしている慎悟の元に見知らぬ男性が。
なんと12歳の時に別れた娘だという。
27歳になった娘・佳澄は、トランスジェアンダーで男性に!
タイで手術を受けるので、その準備期間は、居候させてほしいという。
これは、ちょっと面白かった。
手術費用500万を父親から奪ってタイへ向かう。
でも、きっと帰国後は父親の元にきて、報告するんじゃないかな?
娘の今後のためと思えば500万は諦められるでしょう。
<式日>
後輩から父親が亡くなったから式に参列してほしいと連絡を貰う俺。
俺は定時制の高校に通っていたが、ある日、教室に「試験前なのに辞書を忘れて
しまって・・・」と来たのが後輩。
大変だなとメモを渡し、持っていた豆菓子の小袋を1つ渡すと
机のなかに翌日、紙切れのメモで「おいしかったです・・・・」と返事が。
その後、連絡先を交換し親しくなった関係。
後輩の父親は飛び降り自殺。中学3年の時両親は離婚して母と姉とは
それ以来、会っていないという。
後輩の元にも会いに来たことがあったがドアを閉めたきり警察を呼んで
父親を拒否したのだと。
え~と、この後輩は第一話<ネオンテトラ>の笙一ってことかな?
そうかぁ~。両親が離婚して、父親と二人。
高校2年で中退したということは、その後も結構、苦労したんだろうな。
付き合っていた有紗との関係は絶ったままだったのか?
子どもには会えてないんだな。
バイク事故で死んじゃったと有紗が一話で言っていたけど、父親の葬儀後
そんなに経たずにかな?
衝動買いでネオンテトラは買ったのかな?
いろいろ、考えちゃう。
色々な人生あるな・・・という短編集。
初めて読んだ作家さんだけど、他のも読みたくなる。
★★★
PR
発行年月:2021年12月
75年の時を超えて発見された奇跡の日記文学――田辺聖子版「アンネの日記」
我が家の焼失、敗戦、早すぎる父の他界……。
すべてを失った彼女はそれでも、小説家への夢だけは諦めなかった。
2019年に惜しまれつつこの世を去った国民的作家・田辺聖子。
没後2年の今年、1945年から47年までの青春期を綴った日記が発見された。
記されていたのは、「大空襲」「敗戦」「父の死」「作家への夢」……。
戦時下、終戦後のままならない日々を、作家志望の18歳はいかに書き過ごしたのか。
月刊「文藝春秋」に掲載されるや、たちまち新聞・テレビ等で大反響となった、
田辺文学の源泉にして、一級の時代の証言。
雑誌未掲載原稿、中短篇4作を収録したほか、梯久美子氏の解説をはじめ、
注釈、年譜なども加えた完全版、ついに刊行。
(文藝春秋HPより)
田辺さんの小説は若い頃によく読んでいたなぁ~。
親しみやすい文章で好きだった。
そんな田辺さんの死後、見つかったという日記。
18歳のとき終戦の年の4月1日から書き始めている。
少女らしい日常の一コマから、段々と戦況が厳しくなり、空襲警報が鳴り
住んでいる町も甚大な被害を受ける(大阪大空襲)。
この頃は、日本各地で空襲の被害を受けているけど、大阪は7回も空襲を
受けていたとは、知らなかった!
リアルな空襲のあとの街の様子は、胸が痛くなる。
遺体があちらこちらに・・・
興味本位で見に行く様子も。
もう日常になってしまうと人の感覚も変わってしまうということなのか?
凄い恐怖を感じた。
若いころから小説家になることを夢見て、勉学に励もうとしていたのに
そんなことよりやらなけれはいけないことが出来てしまうなんて。
日記のなかにあったという短編
<蒙古高原の少女><公子クユクの死><ある男の生涯><無題>
も18歳でこの筆力は・・・と圧倒される。
日々の日記も結構長いし、本当に書くことが好きなんだなぁ~
この日記が世の中に出てくれたことに感謝!
また沢山の田辺さんの小説を読みたくなった。
★★★★★
(文藝春秋HPより)
田辺さんの小説は若い頃によく読んでいたなぁ~。
親しみやすい文章で好きだった。
そんな田辺さんの死後、見つかったという日記。
18歳のとき終戦の年の4月1日から書き始めている。
少女らしい日常の一コマから、段々と戦況が厳しくなり、空襲警報が鳴り
住んでいる町も甚大な被害を受ける(大阪大空襲)。
この頃は、日本各地で空襲の被害を受けているけど、大阪は7回も空襲を
受けていたとは、知らなかった!
リアルな空襲のあとの街の様子は、胸が痛くなる。
遺体があちらこちらに・・・
興味本位で見に行く様子も。
もう日常になってしまうと人の感覚も変わってしまうということなのか?
凄い恐怖を感じた。
若いころから小説家になることを夢見て、勉学に励もうとしていたのに
そんなことよりやらなけれはいけないことが出来てしまうなんて。
日記のなかにあったという短編
<蒙古高原の少女><公子クユクの死><ある男の生涯><無題>
も18歳でこの筆力は・・・と圧倒される。
日々の日記も結構長いし、本当に書くことが好きなんだなぁ~
この日記が世の中に出てくれたことに感謝!
また沢山の田辺さんの小説を読みたくなった。
★★★★★
発行年月:2020年8月
『アリス殺し』の鬼才が仕掛ける、予測不能の脱獄SFミステリ!
ここは監獄だ。
さあ、脱出ゲームを始めよう――。
サブロウは森に囲まれた老人ホームらしき施設で、平穏な日々を送っていたが、
自分は何者でいつ入所したのか、そもそもこの施設は何なのか、全く記憶がないことに気づく。
不審に思っていると、謎の「協力者」からのメッセージが見つかった。
「ここは監獄だ。逃げるためのヒントはあちこちにある。ピースを集めよ」
サブロウは情報収集担当のエリザ、戦略策定担当のドック、技術・メカ担当のミッチという仲間を集め、施設脱出計画を立ち上げるが……!?
想像を超える「未来」の真相に辿り着けるか?
楽園(サンクチュアリ)から逃れ、本物の自由を手に入れろ。
(KADOKAWA HPより)
訃報のニュースがあって、名前は聞いたことあるけれど作品は
読んだことないなぁ~と。
老人施設に入所しているサブロウは、ある日、自分はなぜ、ここにいるのか?
自分は何歳だ?老人なのか?
あらゆることに何ら記憶がないことを疑問に感じ、あれこれ探り始める。
そして、自分の書いた過去の日記からあるメッセージを発見。
施設内に自分の考えを共有できそうな仲間を3人見つける。
エリザ・・・情報担当
ドック・・・戦略策担当
ミッチ・・・メカ担当
4人はチーム名を「ハンドレッズ」と決めて施設内から外への脱出計画を
企てる。
未来のSF脱出劇、人類に代わって世の中を支配しているのは、見た目は
人間と変わらないAIロボット。
そして人類が変異して生まれた蠅人間など。
結果的には、これは脱出成功?
施設に逆戻りのループ?
よくわからない。
でも、なかなか、面白かった。
映像化しても面白そう。
著者の過去の作品も読んでみよう。
★★★
(KADOKAWA HPより)
訃報のニュースがあって、名前は聞いたことあるけれど作品は
読んだことないなぁ~と。
老人施設に入所しているサブロウは、ある日、自分はなぜ、ここにいるのか?
自分は何歳だ?老人なのか?
あらゆることに何ら記憶がないことを疑問に感じ、あれこれ探り始める。
そして、自分の書いた過去の日記からあるメッセージを発見。
施設内に自分の考えを共有できそうな仲間を3人見つける。
エリザ・・・情報担当
ドック・・・戦略策担当
ミッチ・・・メカ担当
4人はチーム名を「ハンドレッズ」と決めて施設内から外への脱出計画を
企てる。
未来のSF脱出劇、人類に代わって世の中を支配しているのは、見た目は
人間と変わらないAIロボット。
そして人類が変異して生まれた蠅人間など。
結果的には、これは脱出成功?
施設に逆戻りのループ?
よくわからない。
でも、なかなか、面白かった。
映像化しても面白そう。
著者の過去の作品も読んでみよう。
★★★
発行年月:2021年12月
「あなたは、この世界に生まれてきたいですか?」
子どもを産むためには、その子からの同意が必要となる世界を舞台にした衝撃作。
『彼岸花の咲く島』で芥川賞を受賞した著者による、芥川賞受賞第一作。
(朝日新聞出版HPより)
先日、読んだ芥川賞受賞作とは、また違う話で衝撃的だった!
未来の日本の法律「合意出生制度」。
胎児が生まれて来たいか否かを調べて、その結果、生まれてきたくないと
診断されたら、強制的に堕胎しなければならないという。
恐ろしい制度だな・・・と最初は思った。
そもそも、その診断結果って、正しいのか?と。
そして、その診断結果に反して出産した場合、それがわかると犯罪者とされて
しまう。
合意出生公正証書を親は子供が成人するまで保管しないといけないが
それが提示されない事実があった場合、出産したものとその配偶者は処罰される。
物語の彩華と佳織は、妊娠手術を受けて彩華が妊娠。
2人の子どもの出産を心待ちにしている。
が・・・まさかの胎児が出生拒否。
どうする?という物語。
それぞれの意見が一致しないと本当に大変だ。
まあ、最後は同一の意見で法律に従うことにした二人だけど
この世の中ならば、仕方ない決断だろうな。
次回の妊娠では無事に合意出産できるといいけど。
読みながら、色々と考えた。
最初は、酷い法律だと思ったけれど、同性同士の結婚が認められ、子どもを
持つことも手術が可能になったこの時代、子どもにとっても生き難さを
計る生存難易計測なんていう数値まで出てくると、考えちゃう。
例えば、生まれても虐待される可能性があるとか、そうなると生まれない方が
いいと判断するのは真っ当だと思ってしまう。
また児に何らかの身体的障害があるとか。
親は生まれたら愛情をもって育てると覚悟しても、児が拒否する場合は
諦めがつきやすいのかな?など。
なかなか、凄い小説だった!
今後の作品(過去のも)も読んでみたい作家さん。
★★★★★
(朝日新聞出版HPより)
先日、読んだ芥川賞受賞作とは、また違う話で衝撃的だった!
未来の日本の法律「合意出生制度」。
胎児が生まれて来たいか否かを調べて、その結果、生まれてきたくないと
診断されたら、強制的に堕胎しなければならないという。
恐ろしい制度だな・・・と最初は思った。
そもそも、その診断結果って、正しいのか?と。
そして、その診断結果に反して出産した場合、それがわかると犯罪者とされて
しまう。
合意出生公正証書を親は子供が成人するまで保管しないといけないが
それが提示されない事実があった場合、出産したものとその配偶者は処罰される。
物語の彩華と佳織は、妊娠手術を受けて彩華が妊娠。
2人の子どもの出産を心待ちにしている。
が・・・まさかの胎児が出生拒否。
どうする?という物語。
それぞれの意見が一致しないと本当に大変だ。
まあ、最後は同一の意見で法律に従うことにした二人だけど
この世の中ならば、仕方ない決断だろうな。
次回の妊娠では無事に合意出産できるといいけど。
読みながら、色々と考えた。
最初は、酷い法律だと思ったけれど、同性同士の結婚が認められ、子どもを
持つことも手術が可能になったこの時代、子どもにとっても生き難さを
計る生存難易計測なんていう数値まで出てくると、考えちゃう。
例えば、生まれても虐待される可能性があるとか、そうなると生まれない方が
いいと判断するのは真っ当だと思ってしまう。
また児に何らかの身体的障害があるとか。
親は生まれたら愛情をもって育てると覚悟しても、児が拒否する場合は
諦めがつきやすいのかな?など。
なかなか、凄い小説だった!
今後の作品(過去のも)も読んでみたい作家さん。
★★★★★
発行年月:2020年11月(単行本は2018年4月)
小国ナスミ、享年43。息をひきとった瞬間から、彼女の言葉と存在は湖の波紋のように家族や友人、知人へと広がっていく。命のまばゆいきらめきを描く感動と祝福の物語。2019年本屋大賞ノミネート作。
(河出書房新社HPより)
表題では気づかなかったけれど、NHKで放送したドラマ「富士ファミリー」の
関連本だったのか!
ドラマはナスミが既に亡くなって時間が経っていたけれど、これはナスミが亡くなる
少し前のことも描かれている。
ナスミって色々な人に影響与えて来たんだなぁ~。
優しくて豪快で、凄い魅力的な人。
小国家の人たちも温かい。
俳優さんの顔が浮かんで来ちゃうけど、
ドラマではナスミの旦那さんが再婚して、その再婚相手の愛子が仲里依紗で
ドラマの中で、ちょっとナスミに似てるなぁ~と思っていたけれど
この小説読んだら、愛子とナスミは知り合いだったんだ!
愛子はナスミに憧れてナスミになりたいと思っていたんだとわかり
なるほど!と腑に落ちた。
物語の最後は、ナスミの旦那・日出男と愛子の子ども・光ちゃんが63歳に
なっている。
ああ、命はこうして繋がっていくんだなぁ~と思った。
木皿泉さんの作品、ドラマも良いけど、活字で読むのも楽しいな。
ほかの作品も読んでみたい。
★★★★★
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女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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