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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2021年1月


1945年、父を戦争で亡くし、聡一は一家を支えるために大学をやめて、鉄道総局の研究所に入所する。そこには、戦争中に軍で戦闘機の設計や製作に関わり、多くの命を奪う結果を生んでしまったことを悔いる壮年の技術者たちがいた。
技術を、人を殺すために使いたくない。平和への想いを込め、不可能と言われながら、東京―大阪間を数時間で結ぶ高速鉄道の開発に取り組む彼らを手伝ううち、聡一もいつしか想いに共鳴し、没頭していく。
子どもたちを抱え未亡人となった母親、満州での辛い経験を胸に秘める同僚女性、様々な人が、過去を乗り越え、未来へ向かう様を描いた、希望の物語。

                 (ポプラ社HPより)



新幹線を作った人たちの物語。
1964年開業した東海道新幹線が、こんな人たちの努力で出来たことを知れて
良かった。


主人公の松岡聡一は19歳で鉄道技術研究所に入所。
大学を途中で辞めなくてはならない家庭の事情だったけれど、常に前向きな
姿勢は応援したくなる。

聡一は、最初、設計班に。
班長は元は戦闘機の設計をしていた木崎正道。
ぶっきらぼうな様子に最初は、ビビッていたけれど、木崎の新幹線作りに
思う気持ちに触れ、尊敬の気持ちを持って接する。

戦争に関わった元軍人ならではの思いがよくわかった。
安全な乗り物をつくりたい。
平和な乗り物をつくりたい。

木崎が聡一に語る言葉「一緒に美しい列車をつくろう!」もいい。


聡一が好意を寄せた堀川寧子との話も良い方向に向かってよかったが
満州からの引き上げ時の苦労話には、胸が痛んだ。
本当に戦争は惨い。
人間の醜い部分がむき出しになる。


今も大きな事故なく運行している新幹線、すごい技術が継承されて安全な
乗り物として世界に誇れるもののひとつ。


表題もいい。



                       ★★★★★
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発行年月:2020年1月


賑やかな町を離れ、国道沿いにある通称「国道食堂」。
ドライブインというより、大衆食堂という感じだからか、そう呼ばれている。
おまけに、店の中には、リングがある。
そう、プロレスで使うヤツ。
なぜかというと、店主が元プロレスラーだからだ。
この店の食事は、どれも旨くて美味しい。
だからか、近隣だけでなく、遠くからも客が来る。
その中には、ちょっとワケありな客も……。
ちょっとドキドキわくわくな展開のハートフル小説。

                   (徳間書店HPより)



2冊目も発行してるんだ!
早く続きが読みたい!!


元プロレスラーが営む国道沿いにあるそのまんまの店名「国道食堂」。

最初の話の二方将一(33歳)は、配置薬の営業マンで独身。
優秀だったのに、父親の急死で大学進学をあきらめ、就職。
学生時代付き合っていた彼女は、東大進学。自ら別れを切り出した。
高校時代は演劇部で、今も芝居が好きで、国道食堂にあるリングで一人芝居の
練習をする。



ほかにもここを訪れるお客の話が続き、その人たちの人間関係が
繋がっていく様子が心地いい。

店主の本橋の父親は、店内での喧嘩の仲裁にはいったとき、運悪く、一人が持っていた
フォークが胸に刺さり死亡。
刺した本人は、逃げて逮捕されていないという。


母親も亡くなっているけれど、この刺した人を恨んでいない様子の話は
じ~んと来た。
恨んでもいいと思うけれど、逆にその人のことも気に掛ける優しさ。

本橋もそんな人柄を受け継いでいそう。


二方の俳優としての道も開けそうなかんじで、ウキウキ。




                         ★★★★


発行年月:2020年11月

私の仕事は無罪にすることで、
真相を明らかにすることではない。
御子柴が元〈死体配達人〉だと知る
事務員・洋子が殺人容疑で逮捕された。
大人気「御子柴弁護士シリーズ」衝撃の最新刊!
12ヶ月連続刊行企画 第11弾!
一度心に巣くった獣は簡単に消えはしない――
めぐる因縁そして〈復讐〉の結末は!?
三十年前に少女を惨殺した過去を持つ弁護士・御子柴礼司。
事務所に〈この国のジャスティス〉と名乗る者の呼びかけに応じた八百人以上からの懲戒請求書が届く。
処理に忙殺されるなか事務員の洋子は、外資系コンサルタント・知原と夕食をともに。
翌朝、知原は遺体で見つかり、凶器に残った指紋から洋子が殺人容疑で逮捕された。
弁護人を引き受けた御子柴は、洋子が自身と同じ地域出身であることを知り…….。

                   (講談社HPより)




やはり、御子柴シリーズはおもしろい。

今回は、唯一の事務員・日下部洋子が殺人事件の容疑者として逮捕され
その弁護に、御子柴が立つ。



御子柴が14歳の時、園部信一郎として起こした当時4歳の佐原みどりちゃん
殺害事件が関わってくる。


少年法に守られて、凄惨な事件を起こしたのに社会復帰している元殺人者が
弁護士として法曹界で活躍していると知れば、誰でも多少の違和感を抱くだろう。

ましてや殺された側の家族としたら・・・


家族の心情を考えたら、やったことはいけないことでも同情は出来る。
けれど、被害者の家族でもないのに、偏った正義感で御子柴を攻撃する人たちは
愚かだと思う。


洋子という女性は、その点、凄い人だなと思う。
これからの御子柴との関わり方も楽しみになってきた。
長く続いて欲しいシリーズ。



                       ★★★★★


発行年月:2021年1月


☆迷走する恋、疾走する小説。
☆恋愛における、ありとあらゆる感情を味わえる媚薬小説。
☆『エンキョリレンアイ』の著者が15年ぶりに放つ、せつない胸キュン小説。
++++++++++++++++++++++++++++++++++
結末がなかったら、作品は「いつまでもつづく」になってしまうか、あるいは、
単なる「書きかけ」のままで終わってしまう。書き上げられないまま、作者が
死んだってこともあるかもな(言っておくけど、僕は死なないし、主人公も彼
女も死なない。どっちかが死んで終わるラブストーリーほど、僕の嫌いなもの
はない! ラブストーリーで片方を死なせるのは、作者の怠慢である! 鼻息
荒いぞ)。ーーーー本文より

                  (ポプラ社HPより)



舞台は、大学の文学部の夏期特別講座。


彼氏に振られたばかりの堂島ことりと、その元カレの親友・熊野涼介。
二人が同じ講座を受講。

講師の現役小説家がペアを作り、それぞれが書いた短編小説をお互いに
添削するように指示。



20人ほどの受講生。
そのなかで二人がペアを組むことに。



こんな出来た設定・・・笑


小説のなかで小説を書く二人を描くのは面白い設定だった。



で、もうこの二人のコイバナだとわかり、最後はハッピーエンドなんだろうなと
予測つく。
でも、そのベタさが安心して読めた。

ササッと読み終えたけど、まあまあ楽しめた。



                      ★★★


発行年月:2020年12月


27人による短編アンソロジー。
自転車にまつわるエッセイ、小説、詩、漫画。
乗り始めた頃、思い出の風景、走るとは……
最も身近なのりものが、私たちの生活にもたらす喜び・愉しみを味わう。


                (河出書房新社HPより)




作家さん、漫画家さん、芸能人などいろんな分野で名の知られた人たちが
語る自転車話。



自転車に乗るまでの話を書いたものがいくつかあって面白かった。

夏目漱石とか萩原朔太郎は、自転車日記として、自転車の練習をする話が
書かれていて、なんだかおもしろかった。


角田さんの体験は、ちょっと気の毒。
それが原因で自転車に乗らなくなったんだとしたら本当に可愛そう。



最後も益田ミリさんの話は、ほのぼのしていて、情景が浮かぶし
自分もそんな場面に遭遇したら同じ行動して、同じ感情になるだろうなと
思った。


自転車・・・もう20年以上乗ってないなぁ~。
小学生の頃はほぼ毎日。
中学は、塾や少し離れた友人宅には自転車で。
高校は自転車通学だったのに。



面白いアンソロジーだった。



                       ★★★
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