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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2019年8月


最初にお父さんがいなくなって、次にお母さんもいなくなって、わたしの幸福な日々は終わりを告げた。すこしずつ心が死んでいくわたしに居場所をくれたのが文だった。それがどのような結末を迎えるかも知らないままに――。だから十五年の時を経て彼と再会を果たし、わたしは再び願った。この願いを、きっと誰もが認めないだろう。周囲のひとびとの善意を打ち捨て、あるいは大切なひとさえも傷付けることになるかもしれない。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。本屋大賞受賞作。

                 (東京創元社HPより)




図書館本なので、読みたい!と思ってから随分待ったなぁ~(^^ゞ

でも、期待以上に良かった!

主人公の家内更紗は、9歳の時、19歳の佐伯文と出会う。
2人が出会えたのは、本当に運命だと思う。
お互いがお互いの存在に救われる。

けれど、世間は、ロリコンという性癖を持つ男の犯罪と決めつけ、二人は離れて
生きることを余儀なくされる。

ネットって本当に恐ろしい。
事実とは違うことがいつまでも、残って、広がってしまう。
事実を知らないのに、誰かわからない人が言っていることを正しいことと
思い込んで更にその考えを広げる。


更紗と文が15年後に再会できたのは良かったけれど、再び、攻撃される。

でも、唯一の味方が出来たのは良かった。
更紗の職場の同僚の娘・安斎梨花。
8歳の梨花を更紗と文で預かった時期の3人の暮らしが本当に楽しそうで
成長した梨花は二人を認めてくれている。
そういう人たちが今度は広がって、二人の生活が、穏やかなものに
なっていくといいのにな・・・・。


映画化決定で、更紗を広瀬ずずさん。
文を松坂桃李さんが演じるらしい。

松坂さんの文は、雰囲気ぴったりなかんじがする。
いつか映画も見てみたい!!



                         ★★★★★
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発行年月:2017年3月


「火の神様に、人の強さを思い知らせて下さい」
江戸随一と呼ばれた侍火消の、再生と再起の物語。
「ぼろ鳶」と蔑まれるがクセ者揃いの火消集団の、
一発逆転ストーリー!
かつて、江戸随一(ずいいち)と呼ばれた武家火消がいた。その名は、松永源吾(まつながげんご)。別名、「火喰鳥(ひくいどり)」――。しかし、5年前の火事が原因で、今は妻の深雪(みゆき)と貧乏浪人暮らし。そんな彼の元に出羽新庄(でわしんじょう)藩から突然仕官の誘いが。壊滅した藩の火消組織を再建してほしいという。「ぼろ鳶(とび)」と揶揄(やゆ)される火消たちを率(ひき)い、源吾は昔の輝きを取り戻すことができるのか。興奮必至、迫力の時代小説。

                      (祥伝社文庫HPより)



主人公の松永源吾(30歳)が格好いい。

火消には、いろんな役目があってひとつのチームになっているんだと知った。
風を読み、火がどちらの方へ移っていくか?
そして火を食い止めるため、どの建物を壊すか?

元力士の寅次郎、天文学者の星十郎たちが、ぼろ鳶組の一員になっていく過程から
楽しかった。

男たちも個性があって魅力的だけど、源吾の妻・深雪がいい!
男たちに負けていないキャラクターで源吾と夫婦になる経緯は、素敵。

これはシリーズなのかな?
また図書館本で読んでみようかな。



                    ★★★



発行年月:2017年11月


県警内部、全員敵!? 千葉県警の警察官が殺された。捜査にあたるのは、県警捜査一課で検挙率トップの班を率いる警部・高頭冴子。陰で〈アマゾネス〉と呼ばれる彼女は、事件の目撃者である八歳の少年・御堂猛から話を聞くことに。そこで猛が犯人だと示したのは、意外な人物だった……。
 思わぬことから殺人事件の濡れ衣を着せられた冴子。自分の無実を証明できる猛を連れて逃げ続ける彼女に、逆転の目はあるのか!? 冴子は真犯人にどう立ち向かうのか? どんでん返しの帝王と呼ばれる著者が贈る、息をもつかせぬノンストップ・ミステリー。

                (PHP研究所HPより)


高頭冴子警部、恰好いいぃ~!!

警察官殺しがまさかの警察官。
しかも高頭の直属の上司・玄葉。

殺人現場を偶然、見ていたのは、養護施設から脱走した8歳の少年・御堂猛。
上司の濡れ衣を着せられた高頭冴子と猛の逃亡劇!


猛が冴子のことを信頼できる大人だと認めていく。
そして逃亡の手助けをするのが、ヤクザ・宏龍会、ナンバー3の山崎。

逃亡先の大阪のある地区で潜伏生活。
そこは底辺の生活をする者たちのたまり場。
そこでも冴子と猛は、住人の佐古じいとセンセイに助けられる。


冴子の部下・郡山も頼りになる男。

でも敵が大きすぎる。
絶体絶命のピンチに追いやられ、ハラハラするけど、最後は気持ちいいどんでん返し。
スカッとした!


猛との別れは少し寂しかったけれど、猛の最後の言葉がいい。

本当にそうなったらいいな。
そんな話もまた読みたい。



                     ★★★★



発行年月:2016年9月


圧倒的な評価を集めた、第36回横溝正史ミステリ大賞大賞受賞作!!
二〇二〇年、人工知能と恋愛ができる人気アプリに携わる有能な研究者の工藤は、優秀さゆえに予想できてしまう自らの限界に虚しさを覚えていた。そんな折、死者を人工知能化するプロジェクトに参加する。試作品のモデルに選ばれたのは、カルト的な人気を持つ美貌のゲームクリエイター、水科晴。彼女は六年前、自作した“ゾンビを撃ち殺す”オンラインゲームとドローンを連携させて渋谷を混乱に陥れ、最後には自らを標的にして自殺を遂げていた。
晴について調べるうち、彼女の人格に共鳴し、次第に惹かれていく工藤。やがて彼女に“雨”と呼ばれる恋人がいたことを突き止めるが、何者からか「調査を止めなければ殺す」という脅迫を受ける。晴の遺した未発表のゲームの中に彼女へと迫るヒントを見つけ、人工知能は完成に近づいていくが――。

                  (角川書店HPより)



少し前に読んだ恩田さんのエッセイで、この作品を推していたので興味を覚えて
読んでみた。

最初は衝撃的!少女・水科晴が自ら作ったゲームで自死するというシーンから始まる。

そして、人工知能研究者の工藤は水科晴の人工知能を作ることを目的に彼女の
ことをあれこれ調べる。
晴の高校時代の同級生たちの話などから、個性的な性格だとわかる。
感情を殆ど出さず、人とコミュニケーションをとることが苦手なかんじ。
でも、そんな晴と特に親しくなり共同生活をした人物・間宮紀子(雨)。

2人の会話から、普通の親友とは違う空気を感じて、それが、なんだろ?と
思いながら読んだら・・・なるほど・・・。


工藤はどんどん晴に惹かれていくけれど、もし生きている晴がいても叶わぬ恋に
なったということか?


物語は、SFっぽく、ちょっと好みのものではなかったけれど、まあまあ
楽しめた。

横溝正史ミステリ大賞受賞作ということで、巻末に色々な人の選評が
載っている。
恩田さんはやはり良い評価を与えているな・・・。

表題は、応募時は「虹になるのを待て」だったそう。
やはり「虹を待つ彼女」の方がいい。


                     ★★★



発行年月:2022年5月


かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける短編集。
コロナ禍のさなか、婚活アプリで出会った恋人との関係、30歳を前に早世した双子の妹の彼氏との交流を通して、人が人と別れることの哀しみを描く「真夜中のアボカド」。学校でいじめを受けている女子中学生と亡くなった母親の幽霊との奇妙な同居生活を描く「真珠星スピカ」、父の再婚相手との微妙な溝を埋められない小学生の寄る辺なさを描く「星の随に」など、人の心の揺らぎが輝きを放つ五編

                  (文藝春秋HPより)


5つの短編集。
それぞれの主人公たちに、がんばれ!とエールを送りたくなるようなお話。


<真夜中のアボカド>
32歳の綾は、婚活中。マッチングアプリで親しくなった男性と会い
良い感じになるのかと思ったら・・・
双子の妹が急死し、その恋人だった彼とは飲み友達のようにあっている。


<銀紙色のアンタレス>
16歳の真は、夏休みは祖母の家で過ごすことに決めていて予定通り
祖母の家で、海で泳ぐ毎日を満喫。
そこに幼馴染の朝日も泊りにくる。
祖母の家の近所のおばさんの家に来ている娘と孫。
その娘のたえに恋心を抱き・・・・


<真珠屋スピカ>
みちるの母は2か月前に交通事故死。
中学になってすぐに小2まで住んでいたこの町に越して来た。
小学校時代の仲良しは、皆、私立中に進学し、学校に馴染めず
虐めも受けている。
今は保健室登校。
そして、みちるには母の幽霊が見える。言葉は交わさないけれど
ジェスチャーで意思疎通ができる。
ある日、流行っているこっくりさんをやるからと屋上に誘われて・・・


<湿りの海>
沢渡は37歳。
妻は突然、好きな人とアリゾナに行くと3歳の娘を連れて出て行った。
マンションの隣の部屋に女性が3歳の娘を連れ越して来た。
その親子と親しくなる沢渡だが・・・


<星の随に>
小学4年の想。
両親が離婚し、新しい母親・渚と父との間に生まれた赤ちゃん海と暮らしている。
渚は子育てに疲れていて寝不足ぎみ。
帰宅してもドアストッパーが外されていないため中に入れない日が
続くため、夕方までマンションのエントランスで星の図鑑を眺めて時間を
潰すことに。
そんなとき、同じマンションに暮らすおばあさん・佐喜子さんが自分の
部屋で待てばいいと言ってくれる。



最後の話が一番、印象に残った。
表紙の絵もたぶん、想君でしょう。
小4なのに、気遣いの出来る優しい良い子だな~。
こんなにいろいろ、気を遣って考えて、泣けてきた(/_;)
きっと素敵な青年に成長するだろうなぁ~。



本を半分くらい読んだ頃、ニュースで直木賞受賞を聞き、嬉しかった!
受賞にふさわしい、素敵な短編集でした!
おめでとうございます!


                    ★★★★★



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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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