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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:1970年6月


あかちゃんが生まれた、
私はお姉さんになった-この事実を受け止め、
納得しようと揺れ動く幼い主人公の心が、淡い水彩の絵に託されている。

                   (至光社HPより)



タイトルに惹かれて久しぶりに岩崎さんの絵本を手に取った。
やはり、いいな。

淡い色使いが優しい絵を引き立てている。


あかちゃんが来る日のお姉さんになろうとしている女の子の様子が
微笑ましい。



自分の3つ下の弟が家に来た日のことを思い出す。
不思議とその時の一瞬の様子はしっかり覚えている。

まさにこの絵本の通り。

ああ懐かしい。



廊下から顔をそっと出しているうしろ姿の絵がすき。


                       ★★★★★
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発行年月:2021年5月


風花はもうじき小学校3年生。ある日,たおれかけている桜の木を見かけて,家に飾られている一枚の絵を思い出します。その絵は,アメリカの森に住む,ママの妹のあかりちゃんが描いたものでした。やがて,風花はママといっしょに,あかりちゃんの森の家を訪ねます。みずみずしい夏の森で,風花をむかえてくれたのは……

                  (光村図書出版HPより)



これは児童書なんだろうけれど、大人も楽しめる本。
絵も素敵。


小学3年生の風花がアメリカの森に住む母親の妹の元に行き、森から色々な
ことを学ぶ話。


この夏も大雨で大きな災害が起きたけれど、こういうの読むと
もう森には、あまり人の手を入れてはいけないんじゃないかなと思う。

人間の都合で自然を壊し過ぎている。



大人になった風花は、きっと自分が得た知識を多くの子どもに伝えて
いくんだろうな。


小手鞠さん自身も似たような生活しているのかな?




                       ★★★★★



発行年月:2021年3月


30余年を経て甦る「早すぎた名作」
現在を加筆し、堂々復刊
舞台は1989年、東京・中野。その一角だけ武蔵野の面影を残すような樹木の生い茂る洋館のアパート。
ここに暮らすのは6歳から66歳までの男女7人。
世代も境遇も異なるが、生まれた家や婚家などで家族に傷つき、偶然にここに集まってきた。
大家族のように暮らしながら、それでいて個の生活に踏み入らない節度に、住人は癒やされ、強くなっていく。樹々や草花、鳥や昆虫、そして手作りの料理の数々…。
日常をいとおしむような場面に彩られた小説は、今こそ輝きを放つ。
いろんな家族があるのよ。本当にいろんな、ね。
あなたは、まだ知らないけど…。
『血縁の家族に疲れ切って、「結縁」の家族を新しくつくりあげる人々を書いた『偶然の家族』。この小説には、年が離れたゲイの恋人同士も登場する。(中略)。親しい文芸関係の編集者から、言われた。「なぜ、敢えてゲイを書く必要があるのだ」。なぜと問われても、わたしが心惹かれるのは、書きたいのは、社会の枠組みから、ともするとはずれがちなひと、はずされる人々なのだ。』( 『「わたし」は「わたし」になっていく』=東京新聞= より)

                 (東京新聞HPより)





30年前に書かれたもの加筆して復刻なんだ~。

落合恵子さんの本は、あまり読んでこなかったので、この作品も知らなかった。
でも、復刻してくれたおかげで読めた。

理想的な人間関係。
7人の住人たちが、それぞれ、ちょっとした心の痛みを抱えている。

今は家族の在り方も30年前と少し変わってきている。
いろいろな家族の在り方があってもいいと思う。


30年後、現在の7人のことが最後に書かれていたし、冒頭は当時、唯一の子ども
だった志賀滋の手紙も。

小学生の滋の父親参観日に、大学生の宗太以外が出向く場面が
なんとも微笑ましかった。

これ、ドラマ化しても面白そうだな・・・なんて思った。



                       ★★★



発行年月:2020年9月


【第164回直木賞受賞作】
「誰の心にも淀みはある。でも、それが人ってもんでね」
江戸、千駄木町の一角は心町(うらまち)と呼ばれ、そこには「心淋し川(うらさびしがわ)」と呼ばれる小さく淀んだ川が流れていた。川のどん詰まりには古びた長屋が建ち並び、そこに暮らす人々もまた、人生という川の流れに行き詰まり、もがいていた。
青物卸の大隅屋六兵衛は、一つの長屋に不美人な妾を四人も囲っている。その一人、一番年嵩で先行きに不安を覚えていたおりきは、六兵衛が持ち込んだ張形をながめているうち、悪戯心から小刀で仏像を彫りだして……(「閨仏」)。
裏長屋で飯屋を営む与吾蔵は、仕入れ帰りに立ち寄る根津権現で、小さな唄声を聞く。かつて、荒れた日々を過ごしていた与吾蔵が手酷く捨ててしまった女がよく口にしていた、珍しい唄だった。唄声の主は小さな女の子供。思わず声をかけた与吾蔵だったが――(「はじめましょ」)ほか全六話。
生きる喜びと生きる哀しみが織りなす、著者渾身の時代小説。

                     (集英社HPより)



心町(うやまち)にある貧乏長屋の人々の暮らしを描いた連作短編集。

長屋の差配は茂十。
茂十が、この長屋の差配として来た経緯は最後の章<灰の男>にある。


長屋の人たちの暮らしぶりが目に浮かぶ。
長屋のそばに流れる川は淀んで何かが溜まっている匂いが漂っている。
それでも人々の暮らしのそばにいつもあるもの。



最初の<心淋し川>の、ちほは好きになった人と別れることになり
この長屋を出ることは叶わなかったけれど、最後の章で別の人と結婚して
ここを出て行くことになったんだなぁ~とわかり良かった。

次の話<閨仏>の、りきは、ほかの妾3人と自分の暮らしの行く末を
考えた行動をとる。閨仏ってなんだ?と思ったら・・・( ゚Д゚)

<はじめましょ>は、この6つの話のなかでは、ほっこりする話。
飯屋を営む与吾蔵は昔、捨てた女から教わった歌を歌う少女に出会う。
かつて捨てた女との再会。
最終章で少女と3人で家族になっていると知り、これも嬉しかった。

次の<冬虫夏草>は、ちょっと哀しいとうか、複雑な気持ちになる話。
元は薬問屋の商いで成功した家のおかみさんと息子だった吉と富士之助。
商いが傾いたのは、息子の結婚と夫の急死が引き金。
息子は侍にたてつき大怪我を負い立ち上がることも出来ない大怪我。
嫁とは離縁させ、息子の面倒を見ながら長屋で暮らしている。
吉は、はた目には気の毒な人なのだけど、本人だけは喜々としているという
なんとも子離れ出来ない女性なのかなぁ~?理解に苦しむ女性。


<明けぬ里>は、元遊女の、ようは、偶然、同じ世界にいた明里に会う。
一番の売れっ子で、見た目の美しく誰にでも優しいのは変わりなく。
お互いにお腹の子の誕生が楽しみねと話したのに、その後、旦那とは
違う人と心中したと知る。


最後の<灰の男>は、長屋の差配人・茂十の話。
長屋に来たのは、一人の男を見張るため。
今は呆けたただの老人で皆から楡じいと呼ばれている男。
だが、その男は、間違いなく、息子の命を奪った男。

息子が先に楡じい(吉次郎)の息子の命を奪っていた。


どれも読みやすく、主人公たちのこれからが気になる話だった。




                     ★★★★


発行年月:2021年1月


婚約したばかりの美咲が、彼の実家のある京都に移住した途端に浴びる数々の洗礼。また実家で豹変する彼に幻滅し、美咲は昔からの趣味であるTシャツ作りにのめり込む。徐々に美咲は京都の地で個人ブランドの独立・起業への道を歩き始める。自分らしい生き方を模索する一人の女性の物語。

                  (朝日新聞出版HPより)




婚約者の実家を訪れたことから皮肉にも別の生き方を見つけた主人公・美咲。

京都の人って付き合うの難しそう。
著者は京都生まれなんだなぁ~。


美咲の元婚約者も決して悪い人じゃないと思う。
でも結婚となると本人以外に親族も関わってくるし、更に家業を継ぐとなると
面倒くさそう。
結婚前に実家の状況とかもっと聞いておくことが大事だよね~。


Tシャツに刺繍やアレンジを加えてっていうのはいいな。
表紙の女性が着ているTシャツは、実際、モデルになった女性が作成した
ものだろうか?
そんなに奇抜じゃなく、素敵なTシャツだな。

実際の Read  Therad  のHPに飛んでみたら、ほぼ完売の表示だった!
制作にも時間かかりそうだから、出品数も多くないし、出たらすぐ売れて
しまうんだろうな。


モノづくりをする女性のサクセスストーリー、楽しく読めた。


                         ★★★
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