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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2021年6月

できないことは、できません。
やりたくないことも、やりません。
三葉雨音は他人に感情移入できない26歳。
同僚星崎くんの退職を機に、仕事を辞める。
他人に興味を持たない長所を見込まれ三葉は
「お見舞い代行業」にスカウトされ、
移動手段のないお年寄りの病院送迎や
雑用をする「しごと」をはじめる。
文芸界の注目著者が
「めんどうな人」の機微を描く!
【著者からのコメント】
「雨夜の星」は目に見えません。
でもたしかにそこにあります。
空気を読むという言葉があります。
空気は目に見えません。
見えないけれどそこにあるものは、
良いものとはかぎりません。
その場の空気を読むことばかりに心を砕き、
いつのまにか決定的に間違った方向へ
進んでいく。そんな危険だって、
とうぜんあるのではないでしょうか。
空気は読めなくてもいい。
あるいは読めても従わないという選択肢だって
きっとあると信じて、この物語を書きました。
【主な登場人物】
◆三葉雨音 26歳。職業はお見舞い代行。
他人に興味がない。
◆霧島開 三葉の雇い主。
喫茶店の店主で、ホットケーキが苦手。
◆リルカ スナックで働く、
感情豊かで共感能力が高い霧島の彼女。
◆星崎聡司 三葉の元同僚。
湯気の立つ食べものが苦手。失踪中。
【依頼人たち】
◆田島セツ子 病院への送迎。聞き上手な80代。
◆権藤 肝臓の病気で入院中の70代。
因縁の相手。
◆清川好美 手術の付き添い。
配偶者なしの42歳。

                       (徳間書店HPより)





ちょっとあの人、変わってるよね?と言われてしまうだろう主人公の雨音。
自分の性格をよくわかっている。
けれど、それを直せない。


雇い主の霧島に出会えてラッキーだったと思う。
自分が困った性格だとわかっているけれど、どうしようもないと
いうことも理解して、その性格が合うと雇ってくれたのだから。
しかも住むところまで与えて貰って・・・。
喫茶店の二階なんていいなぁ~。


お見舞い代行が霧島から頼まれた仕事。
確かに雨音みたいな人に付き添って貰うのは、気を遣わずいいかも。
雨音は他人に気遣いが全くできないわけでもないし、
根はやさしく真面目だと思う。


他人のことばかり気にしすぎて疲れてしまう人も多いとおもう世の中
雨音みたいな人が居てもいいと思う。

自分の価値観でなんでも「あの人は変わっている」と思うことは
したくないな。



寺地さんの物語は、いつも何かを気づかせてくれる。



                      ★★★★
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発行年月:2021年3月


「これは新しい形のバードウォッチングではないかと思った。アウトドアとは無関係の、ごく個人的な内界を覗き込む形の」(梨木香歩/本書「あとがき」より)。作家・梨木香歩による四季の野鳥と植物をめぐるエッセイ集。梨木が綴る鳥と草木を画家・ユカワアツコが古い抽斗の中に描く。その抽斗を写真家・長島有里枝が街に連れ出し、撮影した。言葉、絵、写真が織りなす三重奏で、暮らしに身近な自然が輝き出す。オールカラー、函入り、クロス装。

                        (福音館書店HPより)


素敵な1冊。
図書館で借りたものなので、残念ながら綺麗なこの紅い函入りは見られず
残念だったけれど。。。


梨木さんの鳥に対する愛情は凄いな。
鳥はどちらかというと苦手ですが、草木の絵が素敵で楽しく絵と共に文章を追えた。
写真も素敵。


ユカワさんの古い抽斗の中に描くというアイデアは面白い。
どこにでも立て掛けられていいかも。

だから、普通飾らないような場所が背景にあったりして面白かった。



                      ★★★★★





発行年月:2020年11月


ワインバーを営んでいた母が、突然の事故死。落ち着く間もなく、店を引き継ぐかどうか、前原葵は選択を迫られる。同棲しているのに会話がない恋人の港、母の店の常連客だった幸村、店を手伝ってもらうことになった松尾、試飲会で知り合った瀬名、そして……。楽しいときもあった。助けられたことも。だけどもう、いらない。めまぐるしく変化する日常と関係性のなかで、葵が選んだものと選ばなかったもの――。直木賞受賞後長篇第一作。

                     (中央公論新社HPより



なんとも奔放な女性だったなという主人公・葵の印象。
近づく男性とすぐに親しくなって、別れるの繰り返し。

最初に同棲していた港が引きこもり、別れを一方的に告げて家から出て行くのを
なんでだろ?何があった?と疑問だったけれど、
後半に経緯が語られ・・・唖然。
そりゃ、葵が悪いよ。


母親が遺したワインバーを一緒に始める松尾君とは、お互いよき理解者という
間柄で始終、通していたけれど、今後、変わることはあるのかな?
と思ったら・・・葵には新たな男性が現れておしまいという
「えぇ~!?」と心のなかで叫んじゃった(^^ゞ

こういう人、東京には多くいそう・・・偏見か?(笑)


   

                    ★★★




発行年月:2021年4月

従順な妻と優秀な娘にめぐまれ、完璧な人生を送っているように見える大澤正樹には秘密がある。有名中学に合格し、医師を目指していたはずの長男の翔太が、七年間も部屋に引きこもったままなのだ。夜中に家中を徘徊する黒い影。次は、窓ガラスでなく自分が壊される――。「引きこもり100万人時代」に必読の絶望と再生の物語。

                   (新潮社HPより)



この物語は、8050問題と少し違うけれど、こういう状況の延長線上が8050問題に
繋がっていくんだろうな~。

この物語の家族は裕福な家族。
虐めによって中学2年生の時から引きこもって7年の長男・翔太。

イジメってホント、犯罪。
やっている方には、その認識がなく単なる悪ふざけくらいの気持ち。
やったことを忘れて大人になって何食わぬ顔で生活している。
学校は、不登校になっている子のことは、切り捨てる。

こういうの何とかならないかな?
学校の大人たちから、意識を変えてくれないと。

読んでいて、腹が立つ。

自分の子どもがこんな状況になったら・・・
どんな行動をするべきか、悩む。


翔太が、ずっと見捨てないでそばにいてくれたと両親のことを言っていたのが
印象的。
もがき苦しみながら、親のことをよくみている。
暴言をはいたり、暴力的なこともしてしまうけれどやはり最後まで子どもの側に
居るってことが一番、子どもの立ち直る力になるのかな?

翔太みたいな子どもが今も沢山、実際、居るんだと思うと何とも言えない
暗い気持ちになる。

でも読んで良かった。



                      ★★★★



発行年月:2019年12月


マンションの屋上庭園の奥にある「縁切り神社」。
そこを訪れる<生きづらさ>を抱えた人たちと、「わたし」の物語。
『流浪の月』の凪良ゆうが贈る、救いに満ちた感動作!
<内容紹介>
小学生の百音と統理はふたり暮らし。朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。
百音と統理は血がつながっていない。その生活を“変わっている”という人もいるけれど、日々楽しく過ごしている。
三人が住むマンションの屋上。そこには小さな神社があり、統理が管理をしている。
地元の人からは『屋上神社』とか『縁切りさん』と気安く呼ばれていて、断ち物の神さまが祀られている。
悪癖、気鬱となる悪いご縁、すべてを断ち切ってくれるといい、“いろんなもの”が心に絡んでしまった人がやってくるが――

                    (ポプラ社HPより)



「流浪の月」は、まだ読んでいないので、今回初めて著者の作品を読んだ。

表紙の絵、そのままの雰囲気のお話。
登場人物たちは、少し過去の出来事により胸の奥に痛みを抱えているけれど
その分、他者の痛みがわかるのかちょうどいい感じのいたわり方が出来る
人たちで、すごく素敵な人たちという印象。


別れた妻とその夫との子ども・百音を大切に育てている統理。
男性が好きで失恋した統理の親友・路有。
高校生のとき亡くなった彼を今も想っている桃子。


同じマンションに暮らしていて仲のいいご近所さん。
こんなところで生活できたら、一人暮らしでもいいかも。


しかし、路有の元恋人ってよくわからない人だな。
なんで路有は好きだったんだ??
再会して、吹っ切れたかな?



桃子の彼だった弟・坂口基の今後もちょっと心配だけど、桃子と再会して
自分の苦しみを吐き出す相手が出来たかな?
桃子だったら基のこと理解してあげられそうだけど・・・。
桃子には素敵な性格を分かってくれる人と幸せになってほしいな。


そして、こんな大人たちに囲まれた環境で成長していく小学生の百音ちゃんは
きっと素敵な女性になるんだろうな。


今後の彼らがどうなるのか、気になる良いお話でした。
「流浪の月」も早く読みたいな・・・図書館の予約数が凄くて
いつになったら読めるのやらだけど・・・(^^ゞ



                       ★★★★

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