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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2021年4月


幸せな日々は、もう手放さなければならない。
遺体で発見された善良な弁護士。
一人の男が殺害を自供し事件は解決――のはずだった。
「すべて、私がやりました。すべての事件の犯人は私です」
2017年東京、1984年愛知を繋ぐ、ある男の"告白"、その絶望――そして希望。
「罪と罰の問題はとても難しくて、簡単に答えを出せるものじゃない」
私たちは未知なる迷宮に引き込まれる――。

                      (幻冬舎発行)




読み応えありはさすがだな・・・。


善良な弁護士・白石健介(55歳)が何者かに殺されたところから始まる。


なぜ、彼は殺されたのか?

そして、倉木達郎(66歳)が逮捕。



白石健介の娘・美令と倉木達郎の息子・和真は、それぞれが父親の事件前の
言動に疑問を抱き、それぞれが真相を知ろうと探り始め、二人は偶然に
出会い、お互いの疑問や情報を共有し合う。

加害者と被害者の子どもが、こんな風な関係になることは、普通では
ありえないけれど、この二人ならあり得ると思わせてしまうのも
著者の凄さだと思う。


そして、真相が徐々に明かされていく。


事の発端は30年前の殺人事件からだった。
白石健介と倉木建郎は、その事件の関係者だった!


うわ~。真相を知ると何とも辛い。

白木健介を殺害した犯人の気持ちだけがちょっと「え?」と首をかしげるもの
だったけど。



見逃した罪の重大さが後でわかる話。

罪は、ちゃんと認めて向き合うことをしないといけないということ。
逃れらると思っても後からもっと大きな罰として返ってくるのだから。



しかし、30年前の事件で警察が誤認逮捕さえしなければ・・・
ちゃんと操作して犯人を逮捕して罪を償わせていれば今回の殺人事件は
起きなかったんだから・・・。



最後、和真と美令がよき理解者として支え合っていく姿が浮かび、
それは良かったかな?


厚い本だったけど、スラスラ読ませてくれた。


                      ★★★★
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発行年月:2021年6月


さまざまな人たちと案内人が織りなす、最後の再会を描いた感動小説。
「あなたが、最後に会いたい人は誰ですか」
さよならの向う側と呼ばれる場所にいた男、案内人はそう言った。
人は亡くなった時、最後に一日だけ現世に戻って会いたい人に会える時間が与えられる。
ただし、その中で会える人は、
『あなたが死んだことをまだ知らない人だけ』。
人は最後に大切な人に会いに行く。
きっとどんな困難が待っていても、人はそれでも大切な人に会いに行く。
そんな、さまざまな人たちと案内人が織りなす、最後の再会を描いた純度100%の温かい感動の物語。
今すぐ、大切な人に会いたくなる物語が、ここにある――。

                    (マイクロマガジン社HPより)



号泣間違いなしみたいな謳い文句があったけど・・・・正直そこまでは・・・(^^ゞ

でも、まあ楽しめた。

5つのお話、それぞれ主人公は違うけれど、少しリンクしていたりする。


亡くなった人に案内人が問う
「あなたが、最後に会いたい人は誰ですか?」
ただし、会えるのは、あなたが死んだことをまだ知らない人だけ。



こんなこと言われたら困る。
自分の死を知らないような関係の人に、会いたい人なんていない。

実際、登場するに5人も、困惑する。

けれど。。。なるほどね。
そういう意味でなら会いたい人いるかも!
そのアイデアは面白かった。


三番目の同棲していた恋人に会いたいと会いにいく幸太郎の話のオチは
やられた!(笑)
猫だったんかい!


最後の話、案内人が案内人になった経緯。
これは一番、感動的だったかも。
泣けるほどではないけれど・・・。
良い話だったなぁ~。
ここまで愛されている奥さんはきっと素晴らしい人だったんだろう。




                      ★★★



発行年月:2021年6月


大人になる途中で、私たちが取りこぼし、忘れてしまったものは、どうなるんだろう――。封じられた時間のなかに取り残されたあの子は、どこへ行ってしまったんだろう。
かつてカルトと批判された〈ミライの学校〉の敷地から発見された子どもの白骨死体。弁護士の法子は、遺体が自分の知る少女のものではないかと胸騒ぎをおぼえる。小学生の頃に参加した〈ミライの学校〉の夏合宿。そこには自主性を育てるために親と離れて共同生活を送る子どもたちがいて、学校ではうまくやれない法子も、合宿では「ずっと友達」と言ってくれる少女に出会えたのだった。もし、あの子が死んでいたのだとしたら……。
30年前の記憶の扉が開き、幼い日の友情と罪があふれだす。
圧巻の最終章に涙が込み上げる、辻村深月の新たなる代表作。

                    (文藝春秋HPより)



ミライの学校跡地から、少女の遺体が発見という衝撃から始まり
その少女が居た時代に、少女と同じ時を同じ場所で過ごした子どもたちの
話へと移る。


ミカは、学校内で生活している。
そして、自分よりずっと年上のシゲル君のことを慕っている。

ノリコは、同級生の親子から誘われて夏の間、1週間の体験としてミライの学校に
参加。
学校では、特に親しい友達はいないので、誘ってくれた友達と仲良くなれる
チャンスになればい嬉しいなと思いながら・・・・。


ミライの学校では、大人と子どもは別々に住み、学校内で母親が教師として働いている
子どももいる。


ノリコは、突然、生理になり困っているところをミカに声かけして貰い、
巧くその場をしのぐ。
優しい言葉をかけてくれるミカのことが好きに。
ミカから友達だと言われ嬉しかったけれど、次の夏の体験では、ミカに
姿がなかったのが哀しかった。


大人になって・・・
ノリコは弁護士として働いている。
そこに未来の学校の女児遺体発見に絡んでの仕事をすることになる。


亡くなった女児は誰なのか?
ミカ?
その予想は外れてホッとする。


そして、大人になったミカとノリコは再会する。


亡くなった女児とミカとのやり取り、なぜ、女児は亡くなったのか、直接の原因は
わからないけれど、ミカは自分のせいだとずっと胸を痛めてきた。


大人が居ない場所で起きてしまった悲劇だけれど、それを隠蔽した大人たち。
自分たちの居場所を守るために。
しかし、ミカに心は置き去りにされてしまった。


大人の理想とか思惑に振り回される子どもたち。

ラストは、ミカとノリコがあの夏の思い出を大事に思いながら大人になって
いたんだと思えたこと。
2人が今後も親友として、ずっと交流を続けていけるだろうと思えたのは
救いだった。


読み応えある1冊だった!



                       ★★★★



発行年月:2021年4月


私たちずっと一緒だと思っていたのに。彼女は脱獄犯の男と、島から消えた。
小学校最後の年を過ごした島で、葉は真以に出会った。からかいから救ってくれたことを機に真以に心を寄せる葉だったが、ある日真以は島に逃げ込んだ脱獄犯の男と一緒に島から逃げ出し、姿を消してしまう。裏切られたと感じた葉は母に連れられ東京へ戻るが、大人になって会社で日々受けるハラスメントに身も心も限界を迎える中、ある陶芸工房のHPで再び真以を見つける。たまらず会いに行った葉は、真以があの事件で深く傷ついていることを知り――。女であることに縛られ傷つきながら、女になりゆく体を抱えた2人の少女。大人になった彼女たちが選んだ道とは。

                     (角川書店HPより)




都会から祖父母の元に来た葉(よう)と離れ島に祖父と暮らす真以。


島に来て、なかなか雰囲気に馴染めない葉だったけれど、表情が乏しいけれど
優しい真以と親しくなる。
が、ある時、窃盗か何かの犯罪で捕まった青年が逃亡犯として島に来ているらしいと
警察が見回りに。
そして真以と葉は、その青年と知り合う。
名前を知らず、お兄さんと呼び、おにぎりなど食料を渡したりしていたが
ある日、お兄さんと真以は島からいなくなる。



第二部は第一部から20年後。

大学を卒業し飲料メーカーの販売促進部で働く葉。
上司の男性から理不尽ないやがらせを受けながらも仕事はきちんとこなして
いた。
ある時、任された企画に関連する資料を見ていて、焼き物の作者として
横顔の顔写真から真以だと知り、再会。

2人は離れていた間もお互いを大切に思っていた。
職場で辛いハラスメントを受けていることも打ち明け、葉は、強くなる。


心強い理解者の存在が踏み出す勇気をくれる。

真以自身も辛い思いをしてきたからこそ、人の痛みに敏感なのかな?と
思うと少し辛いけれど、二人はこの先もお互いを支え合って
強く生き抜いて行ってくれると信じたい。


しかし、ホント、最低最悪の上司だな。
もっと痛い目に遇わせてやりたいわ!(怒)



                      ★★★



発行年月:2020年5月


この国から「おじさん」が消える――会社に追いつめられ、無職になった30代の敬子。男社会の闇を味わうも、心は裏腹に男が演出する女性アイドルにはまっていく。新米ママ、同性愛者、会社員、多くの人が魂をすり減らす中、敬子は思いがけずこの国の“地獄”を変える“賭け”に挑むことにーー女性アイドルに恋する三十女の熱情が、日本の絶望を粉砕!著者初長篇にして最強レジスタンス小説。和田彩花(アイドル)感激 小さな叫びでこの世界のバランスは整えられる! 私は勇気をもらった。幾原邦彦(アニメーション監督)仰天 その革命が見える者は勇気を得られ、見えぬふりを生きる者は吐き気を催すだろう。あなたはどっちだ?

                      (中央公論新社HPより)



おじさんがこの世から消える(見えなくなる)世界の話から始まる。

見えなくなるのはいいけど、見られているのに気づかないのも嫌だなと
個人的には思った。


職場である男性から、嫌がらせを受ける敬子。
人事課に訴えたが取り合ってもらえず、同じ職場の非正規職員・歩に話すと
「わたしが倒す」と。

実際、その男性は会社を辞めることに。
女たちの敵が女たちの結束によって、退治させられた様は痛快であった!


けれど、事態は深刻に。

国が縮小国に選ばれてしまって政府は、女性が子どもを産み難い国へと
色々な政策を企てる。
そして実際、国が畳まれてしまうという。


物語としては、なかなか面白かったけど、実際は、こうならないことを祈る。



                     ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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