発行年月:2020年11月
殆どの人が訪れたことのない平凡で小さな町。寂れた観光地。
ようやく射した希望の光をコロナが奪い、さらに殺人事件が……。
(光文社HPより)
誰からも慕われていた元教師・神尾英一が何者かに殺された。
娘の真世は、父親も含め、近く開催される中学の同窓会に呼ばれていた。
父の元・教え子(真世の同級生)たちも同窓会の打ち合わせで何度か
英一とも連絡をしていた。
突然、現れた、英一の弟で真世の叔父・武史が犯人探しに奔走する。
アメリカに渡り、名の知れたマジシャンとして活躍していた過去がある
武史に振り回されつつも、どんどん真相に近づいていく姿は、警察官たちより
優秀かもと思わせてくれる。
同級生たちの周りにも色々な問題が出てくる。
不倫だったり、仕事絡みのお金の話だったり・・・・
しかし、犯人は、そういうのとは違うところで、英一に世間には知られたくない
ことを知られていると思った人だった。
殺すつもりはなかったのだと思う。
真世が犯人を知ったあとで言っていたけれど、正直に話していれば
きっと生涯、秘密を守り続けてくれたと思う。
なんとも哀しい真実だったなぁ~。
東野さんの話としては、ありきたりかな?
★★★
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発行年月:2021年9月
死に場所を求め、生きる女が、裏切りの果てに辿り着いた終焉の地とは。
ブルースに続く、『新たなダークヒロイン』の誕生!
釧路の街を、裏社会から牛耳る影山莉菜。
亡父・博人の血をひく青年を後継者として育て、官僚から代議士への道を歩ませようとしていた。
「男と違って、女のワルには、できないことがない」
亡き父の言葉を胸に、重い十字架を背負った女が、幾度もの裏切りの果てに――。
『ホテルローヤル』『家族じまい』を経てデビュー20年目の桜木 紫乃が放つ最高傑作!
(文藝春秋HPより)
ブルースは既読だけれど、そんなに覚えていない。
ブルースの主人公・影山博人の娘として裏社会を牛耳る影山莉菜が主人公の本書。
博人の用心棒だった弥伊知が莉菜の元でも用心棒として働いている。
莉菜の野望は、博人の愛人の子・松浦武博をゆくゆくは政界に押し上げること。
同じような野望を持つ外科医の儀俄内あすみと知り合い、あすみが先ず、政界へ。
そして武博は、衆議院議員に初出馬で初当選。
巧く行ったなぁ~と思っていたけど・・・
ああ、女は怖いね。
え?と思う人がまさかの裏切り。
それでも武博を遠くから見守ろうと決める莉菜は潔い!
北海道から離れるが、そこで手助けしてくれた人もまさかの裏切った女の
指示でのことだった!
あぁ~、そこまでして邪魔者にしなくても・・・(;O;)
怖すぎる。
気づいた莉菜も凄かったけど。
北海道から瀬戸内に住処を変えたのは良かったと思う。
温暖な気候でこの先は静かに暮らしていけるのか?
続編で、また武博と再会するような話があるのか?
それはそれで楽しみだけど。
莉菜は強くて人情が厚くて、魅力的な女性だった!
★★★★★
(文藝春秋HPより)
ブルースは既読だけれど、そんなに覚えていない。
ブルースの主人公・影山博人の娘として裏社会を牛耳る影山莉菜が主人公の本書。
博人の用心棒だった弥伊知が莉菜の元でも用心棒として働いている。
莉菜の野望は、博人の愛人の子・松浦武博をゆくゆくは政界に押し上げること。
同じような野望を持つ外科医の儀俄内あすみと知り合い、あすみが先ず、政界へ。
そして武博は、衆議院議員に初出馬で初当選。
巧く行ったなぁ~と思っていたけど・・・
ああ、女は怖いね。
え?と思う人がまさかの裏切り。
それでも武博を遠くから見守ろうと決める莉菜は潔い!
北海道から離れるが、そこで手助けしてくれた人もまさかの裏切った女の
指示でのことだった!
あぁ~、そこまでして邪魔者にしなくても・・・(;O;)
怖すぎる。
気づいた莉菜も凄かったけど。
北海道から瀬戸内に住処を変えたのは良かったと思う。
温暖な気候でこの先は静かに暮らしていけるのか?
続編で、また武博と再会するような話があるのか?
それはそれで楽しみだけど。
莉菜は強くて人情が厚くて、魅力的な女性だった!
★★★★★
発行年月:2021年10月
誰かの言葉に傷ついたり、わけもなく心細くなったり…。
そんな眠れない夜を過ごすあなたに、森の中からのお届けするエッセイ集です。
(出版芸術社HPより)
薄い本なので、アッと言う間に読み終わってしまった。
傷ついた人へのアドバイス的なお話があったり、ご自身の話だったり
薄い本だけれど、内容は濃かった。
アメリカの郊外(森のなか)の暮らしを楽しんでいらっしゃるのは知っていた。
自然のなかで、自然とともに暮らすって想像できないけれど、
人付き合いで疲れることは減りそうだな。
ご主人が2年前に亡くなっていたのは、本書で知った。
寂しいだろうな・・・。
寂しいけれど、共に今も生きていると思える瞬間があるのは素敵だなとも。
色々な人の悩みにこたえる部分で、なるほど・・・と思ったのが
もしも、友人から不倫相談を受けたらという話。
友人になんと言えばいいか?との問いに
「あなたは不倫している自分自身がすきなの?」と問う。
友人の答えが YESなら、祝福を。
NOなら「一刻も早く卒業してね。不倫という名の嘘つき学校を」と。
ああ、こんな相談してくる友人はいないけれど、恰好いい受け答えだな。
不倫によって親友が幸せだけを感じるなら、一緒に喜べばいいのか~。
そのことによって、どうなるかはわからないけど、それは友人自身の
問題だもんね。
大好きな作家のひとり、小池真理子さんとの親交が深いんだとわかる話も
素敵だった。
小池さんの文庫「贅肉」是非、読んでみたい!!
★★★★
発行年月:2020年12月
明石家は夫婦あわせて、もうすぐ180歳。一家の主、新平は散歩が趣味の健啖家。妻はそんな夫の浮気をしつこく疑っている。長男は高校中退後、ずっと引きこもり。次男は自称・長女のしっかり者。末っ子は事業に失敗して借金まみれ。……いろいろあるけど、「家族」である日々は続いてゆく。飄々としたユーモアと温かさがじんわりと胸に響く、現代家族小説の傑作!
(双葉社HPより)
90歳の新平さん。元大工で明石建設会社社長だった。
同居の長男(孝史)は定職に就いたことがなく、引きこもり。
次男の健二は、フラワーアーティストで、女性として生活。
三男の雄三は、グラビアアイドルの撮影会を主催する会社を興しているが
いつもお金を貸してくれと新平を頼る。
三人の息子たちは独身。
妻の英子が認知症になり、放っておけない。
若い頃は愛人も何人かいたが、今はいない。
けれど、英子は新平が外出の度に、浮気相手と会ってきたと疑う。
はたから見てもなかなか大変そうな家族だけれど、淡々とユーモア混じりに
描かれているので深刻さは薄め。
それでも、実際問題、これはなかなか大変だと思う。
90歳で妻の介護をしている男性。
実家の両親もまさにコレだから、いろいろ考えながら読んだ。
英子が倒れて、このまま家で看取ると言った新平の気持ち、尊重しても
いいかもと思った。
子ども(次男)に叱られて救急車を呼んだけれど。
入院して意識が戻って、遺漏を作って、栄養補給してリハビリして・・・・
英子はその後、回復して会話もまた出来るようになった。
子どもたちは、ホッとしたかもしれないけれど、新平のことを考えたら
なんだか切ない気持ちにもなってしまった。
老人用、ホスピスみたいな延命治療はしない看取りの施設が沢山、欲しいかも。
なんて考えてしまった。
★★★★
発行年月:2021年5月
『マチネの終わりに』『ある男』と、ヒットを連発する平野啓一郎の最新作。
舞台は、「自由死」が合法化された近未来の日本。最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた息子は、「自由死」を望んだ母の、<本心>を探ろうとする。
母の友人だった女性、かつて交際関係にあった老作家…。それらの人たちから語られる、まったく知らなかった母のもう一つの顔。
さらには、母が自分に隠していた衝撃の事実を知る――。
ミステリー的な手法を使いながらも、「死の自己決定」「貧困」「社会の分断」といった、現代人がこれから直面する課題を浮き彫りにし、愛と幸福の真実を問いかける平野文学の到達点。
読書の醍醐味を味わわせてくれる本格派小説です。
(文藝春秋HPより)
夢中で最初から最後まで読んだ。
時代は現在より少し先、30年後くらいの話。
主人公の朔也は、事故死した母親が生前「自由死」を望んでいたことを拒否し
続けていた。
結局、自分が海外に出張中、母親は墜落してきたドローンに驚き、側溝に落ち
命を落としてしまう。
自分が自由死を受け入れていれば、母親は自分に看取られながら希望する
死を迎えることが出来たのに・・・・
朔也の後悔は理解できる。けれど、それは仕方ない。朔也が苦しむ姿は痛々しい。
そして母親のVFを300万円で作って貰う。
母親の過去の資料を製作者側に渡し、それらから母親の人格を生前と近い物に
作製してあるという。
VFが間違った言い回しなどをしたときは訂正してあげれば次回からは
それを学習した言い方に変えて段々と本来の母親に近づくのだと。
けれど、所詮、本当の母とは違う。
当たり前のことだけれど・・・。
朔也は、生前、母親が親しくしていた人に接触し、母親の本心を探ることの方に
力を入れる。
朔也は、優しいし、理性的で、良い人だと思う。
彼のことを好ましく思う人たちが周りには増えていく。
その人たちとの関わりの中で、少しずつ母親の本心を知りたいと
思っていた彼の心が変わっていく気がした。
本心なんて、わからないでいいじゃない。
案外、実際の母親が前に居てもうまく表現できないものじゃないかな?
SFの要素もあったけれど、そこには近い将来こんな世の中に実際なるのかも。
と思えるリアルさがあった。
格差社会とか、外国人労働者の話とかの問題も絡んでいて、
盛りだくさんのものが巧くまとまっていたと思う。
そして読みやすかった。
面白かった。
★★★★★
(文藝春秋HPより)
夢中で最初から最後まで読んだ。
時代は現在より少し先、30年後くらいの話。
主人公の朔也は、事故死した母親が生前「自由死」を望んでいたことを拒否し
続けていた。
結局、自分が海外に出張中、母親は墜落してきたドローンに驚き、側溝に落ち
命を落としてしまう。
自分が自由死を受け入れていれば、母親は自分に看取られながら希望する
死を迎えることが出来たのに・・・・
朔也の後悔は理解できる。けれど、それは仕方ない。朔也が苦しむ姿は痛々しい。
そして母親のVFを300万円で作って貰う。
母親の過去の資料を製作者側に渡し、それらから母親の人格を生前と近い物に
作製してあるという。
VFが間違った言い回しなどをしたときは訂正してあげれば次回からは
それを学習した言い方に変えて段々と本来の母親に近づくのだと。
けれど、所詮、本当の母とは違う。
当たり前のことだけれど・・・。
朔也は、生前、母親が親しくしていた人に接触し、母親の本心を探ることの方に
力を入れる。
朔也は、優しいし、理性的で、良い人だと思う。
彼のことを好ましく思う人たちが周りには増えていく。
その人たちとの関わりの中で、少しずつ母親の本心を知りたいと
思っていた彼の心が変わっていく気がした。
本心なんて、わからないでいいじゃない。
案外、実際の母親が前に居てもうまく表現できないものじゃないかな?
SFの要素もあったけれど、そこには近い将来こんな世の中に実際なるのかも。
と思えるリアルさがあった。
格差社会とか、外国人労働者の話とかの問題も絡んでいて、
盛りだくさんのものが巧くまとまっていたと思う。
そして読みやすかった。
面白かった。
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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