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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2021年10月


 過去、生徒間の事件を解決したことからメディアに取り上げられ、「鉄腕先生」と呼ばれて、コメンテーターとしても活躍する教師・湯川。彼はある日、自分が女生徒とホテルで密会したという週刊誌報道が流れていることを知る。
 さらに、「ディープフェイク(AIによる画像合成技術)」で精巧につくられた、湯川が生徒に暴力を振るっている動画もネット上に拡散。出勤停止、テレビ番組の降板、さらに妻子が家を出ていく中、ネット上では湯川に対する大炎上が巻き起こる。果たして、湯川を陥れようとしているのは誰なのか。
 そんななか、湯川の働く学校ではさらなる事件が起き――。
 
 誰にでも、あなたにも起こるかもしれない。
 一人の「普通」の人間が追い詰められ、仕事、家庭、社会的信用……全てを失っていくさまをリアルに描きつつ、昨今のSNSでの炎上や匿名による誹謗中傷、メディアの報道のあり方などの問題に切り込んだ傑作サスペンス小説!

                    (PHP研究所HPより)
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発行年月:2021年10月


貧困と虐待の連鎖――。
母親という牢獄から脱け出した少年は、
女たちへの憎悪を加速させた。
ジャンルを超えて文芸界をリードする著者の新たな傑作
予定調和を打ち砕く圧倒的リアリズム!
小学校にも通わせてもらえず、日々の食事もままならない生活を送る優真。
母親の亜紀は刹那的な欲望しか満たそうとせず、同棲相手の男に媚びるばかりだ。
そんな最悪な環境のなか、優真が虐待を受けているのではないかと手を差し伸べるコンビニ店主が現れる――。
ネグレクトによって家族からの愛を受けぬまま思春期を迎えた少年の魂は、どこへ向かうのか。
その乾いた心の在りようを物語に昇華させた傑作長編小説。

                   (朝日新聞出版HPより)



なんとも重たい物語。
でも、こういう現実も世の中には沢山、あるんだろうなと思う。

子どもは、親によって生きる環境を決められてしまう。
そんななかで生活していたら、性格も考え方もどんどん捻じれていくだろうな。
食べるものが十分にあって自分を大切に想ってくれる人の存在が常にそばにあるって
子どもにとってはとても大切なこと。

主人公の小森優真は小学6年生。
母親が恋人と外出したきり数日帰ってこない日々のなか4歳の弟・篤人と
ともに、生きるために必死。

コンビニ経営の目加田浩一(50歳)は、そんな優真を気にかけ
声をかけ、廃棄する弁当を内緒で分けてあげる。

そして、やがて妻と同じ考えで、里親として預かる決断をする。

なかなか出来ないことだし、この夫婦、凄いと思った。

優真は、最初は感謝するが、段々と鬱陶しいと感じるようになる。
警察沙汰まで起こすが、目加田夫妻の自分に対する気持ちに、最後に気づいたかな?


少年がこのあと、どんな成長をするのかも気になるところ。

重たく苦しい物語だったけど、少しだけ光が見えるラストに救われた。



                       ★★★★



発行年月:2021年10月


 
古い友人も、ノーベル賞作家も、「岬」に消えた。神無き時代の新たな黙示録
古くからの友人も、ノーベル賞作家も、その「岬」に消えた――
この物語はあなたを、思いもよらぬところまで連れて行く。
人が人であるというのは、どういうことなのか。
練熟の著者が今の時代に問う、神無き時代の新たな黙示録。
 以前から美都子が夫婦ぐるみで付き合ってきた、憧れの存在である友人・清花。だが近年、清花夫妻の暮らしぶりが以前とは異なる漂白感を感じさせるようになり、付き合いも拒否されるようになったのち連絡がつかなくなった。清花たちは北海道に転居後、一人娘・愛子に「岬に行く」というメッセージを残し失踪したようだ。彼女の変貌と失踪には肇子という女性が関わっているようだが、その女性の正体も分からない。
 時は流れ約二十年後の二〇二九年、ノーベル文学賞を受賞した日本人作家・一ノ瀬和紀が、その授賞式の前日にストックホルムで失踪してしまった。彼は、「もう一つの世界に入る」という書置きを残していた。担当編集者である駒川書林の相沢礼治は、さまざまな手段で一ノ瀬の足取りを追うなかで、北海道のある岬に辿りつくが――。
 やがて明らかになる、この岬の謎。そこでは特別な薬草が栽培され、ある薬が精製されているようで……。
 近未来から戦時中にも遡る、この国の現実の様相。
 岬に引き寄せられる人々の姿を通して人間の欲望の行き着く先を予見した、著者畢生の大作。


                        (角川書店HPより)



長かったぁ~。
面白くないわけじゃないけど、ちょっと疲れた。


途中までの親しくしていた夫婦の所在がわからなくなり、探すまでは興味深かった
けれど、不明の夫婦が最後に行ったという北海道のとある岬の話になると
戦時中は、軍の施設として、その後は、ある考えを持った人たちが暮らす
場所になりもう少し先の時代になると、ノーベル賞作家がその地を訪れてと
色々な人たちが岬に入ったことを綴る。


その岬にたどり着くまでは容易ではないという。
人を襲う熊が多く生息していて、実際に犠牲になった人も。

そして突然の爆破騒ぎ。


不穏な出来事が満載で心休まることがない物語。


特に戦時中、その岬で行われていたという薬の製造の話は、恐ろしかった。
戦争はただでさえ、悲惨なことだけど、人の意識まで薬で操ってしまおうと
考える国になってしまうとは!
そんな風にしないと生きて戦おうとは思えないってとだろうか?



なんとも気味が悪い話だったな・・・。



                       ★★★



発行年月:2021年10月


中学で登校拒否になった沙羅は、一年遅れで入学した通信制の高校で
幼馴染だった万葉に再会。読書好きの万葉に読書の楽しさを教えられ、
自分なりに本を読むように。一方で、大学に進学した万葉は、
叔父さんの古本屋を手伝いながらも将来に迷いを感じていた――。
宮沢賢治「やまなし」、伊藤計劃「ハーモニー」、福永武彦「草の花」など、
実際の本をあげながら描く瑞々しい連作短編集。

                    (文藝春秋HPより)




早朝のラジオ番組でゲスト出演されて、この本のことについて話されていて

興味が湧き、図書館で予約。
先に読んだ「残りものには過去がある」も良かったけれど、こちらも
面白かった。


それぞれ、やや生き難さを感じているような、万葉と沙羅。
幼い頃、家が隣同士で仲良く遊んでいた過去がある。
そんな二人が通信制の高校で再会。
沙羅が話しかけても最初はつれない態度の万葉。
それでも本を通じて二人が再び、親しくなる。

万葉は叔父の営む古本屋でバイトしていて、本に詳しく、お薦め本を
沙羅に勧め、読んだ感想などを言い合う。

読んだことがある本も出てきたけれど、読んでない本の方が多かった。


高校を先に卒業した万葉。
2人は少し離れたが、それぞれ新しい人間関係を築き、また再会したときには
以前と変わらぬ感じで接する。

素敵な青春小説。


恋人ではないけれど、とても素敵な二人。
このままずっと、この関係が続いていくといいな。


出てきた作品。

福永武彦の 「草の花」 「廃市」
遠藤周作の 「砂の城」


これらは、ぜひ、読んでみたい!


中江さん、続けて2冊読んだけれど、いいですね!
ファンになりました♪



                        ★★★★★



発行年月:2019年1月


まだ肌寒い春の、とある結婚式場。美しく若い花嫁とカバのような花婿という、年の差婚カップルの披露宴に集った客たちはそれぞれ、偽装、詐欺、婚前不貞という闇を抱えていた。そして一見、幸せの絶頂にいるように見える新郎新婦には、2人だけの秘密の約束があった……。恋人、夫婦、家族の新しい関係を提案する連作短編集。

                    (新潮社HPより)



タレントとしての中江さんという認識だった。
作家としても活躍されているのは知っていたが・・・・

先日、某ラジオ番組で新刊の話をしていて、ああ、今まで読んでなかったけど
先ずは過去本から読んでみようと図書館で借りてみた本書。


面白かった!
こんなに素敵な小説を書かれるんだぁ~と。


冒頭は1組のカップルの披露宴会場。
新婦側のレンタル友達として祝辞を述べる女性の話から。
その女性の感じたように、読みながらこの夫婦は本当にお互いが好きで
結婚するのかなぁ~とやや不安になった。

けれど、披露宴会場にいた色々な人の話を順番に読むうち、新郎新婦の人柄や
それぞれの過去を知り、この二人ならきっと温かい素敵な家庭を
築いていけるんじゃないかなぁ~と思うようになった。


読む終えて、なんだか嬉しい気持ちになる素敵な物語でした!


ラジオで紹介していた新作も読むのが楽しみに。



                     ★★★★★
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