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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2021年11月


小鳥店を営む檀野家の平穏な日常は、突然終わりを告げた。息子が通り魔事件で刺殺され、犯人は自殺。地獄に突き落とされた父、母、姉の三人が、悲しみと怒りを抱えながらも足搔き、辿り着いた先にあるものとは。次々に明かされる家族の秘密、ラスト20ページの戦慄、そして驚嘆の終曲(フィナーレ)。震えるほどの感動が待つ、著者渾身の飛躍作。

                    (新潮社HPより)



通り魔によって刺殺された小学生の息子・奏太。
父親の三千男は、体調を崩していた妻・響子に代わってその日、息子を
見送っていた。
「ここでいいよ」と息子に言われ別れた直後、男に刺される。


妻の響子は、大事に育てていた小鳥がかごの中で死んでいるのを見つけ
あの日のことを三千男に責める。
自分なら止めていたのにと。


妻は、やがて合唱隊に参加するようになり明るさを取り戻す。
娘の花音も連れて。


合唱隊は、カルト教団だった。
最初は、そこから妻と娘を取り戻そうとする三千男だったが、共に活動に
参加するように。

そして、事件が起きる。
花音は、母親と一緒にいるために行動を共にしていたが冷静に周りを
見ていたんだな。
辛かっただろうけど、そのおかげで家族は、再び絆を取り戻せそうかな?



なんとも気持ちが沈む話で、最後に少し救いはあったけど
精神的に落ち込んでいる人は読まない方がいい内容だな・・・(^^ゞ

今までの川村さんの作品とは、違う印象で、個人的には、こういうの
あまり読みたくないなと思ってしまった。



                      ★★☆
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発行年月:2021年11月


あなたの周りに誰かの助けを必要としている人はいますか? あなたは困ったことがあったら周りにSOSを出すことはできますか? サヘル・ローズさんが自らの体験をたどりながら、他者を思いやり、寄り添うことの大切さを伝えます。森山誉恵さん、慎泰俊さん、三好祐也さん、ブローハン聡さんなど、10代の居場所づくり、病気の子どもの教育など様々な支援に携わる方々の活動も紹介します。

                   (岩波書店HPより)



ラジオでサヘル・ローズさんが自分の活動について話しているのを聞いて
本書を読んでみた。

ご本人も色々、苦労されて成人したみたい。
同じように、誰かに助けられたことで自分も誰かを助けたいという思いで
活動を始めた若者たちの活動内容が紹介されていた。
自分の体験をこういう活動に活かすって凄いな。


                     ★★★




発行年月:2021年8月

 二子玉川グレース病院で看護師として働く堤素野子は、31歳になり今後のキャリアについても悩みながら忙しい日々を過ごしていた。患者に感謝されるより罵られることの方が多い職場で、休日も気が休まらない過酷なシフトをこなすが、整形外科医である恋人・翔平と束の間の時間を分かち合うことでどうにかやり過ごしていた。
 あるとき素野子は休憩室のPCで、看護師と思われる「天使ダカラ」という名のツイッターアカウントを見つける。そこにはプロとして決して口にしてはならないはずの、看護師たちの本音が赤裸々に投稿されていて……。心身ともに追い詰められていく看護師たちが、行き着いた果ての景色とは。
 映画「いのちの停車場」やNHK連続ドラマ「ディア・ペイシェント」など、数々の話題作を送り出してきた、現役医師でもある著者の最新作!終末期の患者が多く入院する病棟で働く女性看護師の目を通して、医療現場の現実や限界をリアルに描いたエンタメ長編!
 患者さんに、最期まで笑顔でいてほしいから--

                    (小学館HPより)



卒業して最初の職場は総合病院で3交代勤務をしていた。
まさに、ここに書かれている通りのことを4年間続けて、一緒に働く人たちには
申し訳ないけれど、こんな労働していたら、壊れると感じて転職した。

感謝されることもあって、その時は嬉しいけれど、そうじゃないことの
方が断然、多い職場。


主人公・素野子(31歳)は、良い看護師だと思う。
でも、あまりにも理不尽なクレームが続けば精神的にかなり追い詰められる
のは当然。
人間だから、感情のコントロールが難しいときも出てくる。
読んでいると、辛くなる。


恋人の翔平との別れもダメージ大。
優しくて素野子のよき理解者だと思っていたのに、がっかり。


新人看護助手の小山田貴士(29歳)は、いい助手になりそうで
素野子のよき理解者にもなっていて、唯一の希望かな?



                        ★★★




発行年月:2020年10月


「明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」一ヶ月後、小惑星が地球に衝突する。滅亡を前に荒廃していく世界の中で「人生をうまく生きられなかった」四人が、最期の時までをどう過ごすのか――。圧巻のラストに息を呑む。2020年本屋大賞作家が贈る心震わす傑作。

                 (中央公論新社HPより)



あと1か月でみんな死ぬって凄い状況のなかでの話。

どうせ死ぬんだからとハチャメチャなことを平気でする人たち。
主人公・江那友樹は17歳(高校2年生)は、ぽっちゃり体形で大人しく
同級生の井上のパシリ。

その友樹が憧れる校内イチの美形藤森雪江を守るために、残りの1か月を過ごす。

友樹の母親・静香(40歳)と目方信士(40歳)も加わる後半は楽しい。
もうすぐ滅亡する世の中だから生まれた絆。

最期がこんなんだったら、いいかも。

全然、悲壮感がなく、楽しい物語。

スピンオフの巻末にあった付録の物語も良かった♪



                       ★★★★


発行年月:2021年12月


たいせつなひとの死、癒えることのない喪失を抱えて、生きていく――。凍てつくヘルシンキの街で、歴史の重みをたたえた石畳のローマで、南国の緑濃く甘い風吹く台北で。今日もこうしてまわりつづける地球の上でめぐりゆく出会いと、ちいさな光に照らされた人生のよろこびにあたたかく包まれる全6編からなる短篇集。

                      (新潮社HPより)




6つのお話、それぞれ良かった。
親しい人を亡くした喪失感から再生していく過程が描かれている。


<夢の中>
この話は、親しかったというわけではないけれど、BFと30年前に訪れた
金沢での夜の話。
喧嘩別れした彼を置いてひとりで食事を摂っていたときに出会ったおじさん達
との思い出。


<SINSIN  AND  THE  MOUSE>
2人暮らししていた母が亡くなり落ち込んでいたら
新婚の友人夫婦が台北への旅行に誘ってくれて同行する。

旅先のちょっとしたことが良い再生のキッカケになって良かった



<ミトンとふびん>
お互いの母親に結婚を反対されていたけれど・・・
フィンランドの凍てつく寒さのなかでも旅行を楽しみながらそれぞれの
母親のことを思い出す。

レストランのクロークのおじさんからの話は、本当に二人には宝物の
ような思い出になるだろうな~。
天国ではそれぞれのお母さんも温かく見守っていてくれると思う。
ファッツェルのチョコ、食べてみたくなった!



<カロンテ>
イタリア留学中に交通事故死した親友で幼馴染の真理子。
その真理子の婚約者・マッテオに会うため、イタリアへ。
再会し、二人で真理子を思い出しては泣く。
マッテオの友人・ジャンルーカが偶然、通りかかり話に加わったことに
よって、悲しみから現実に戻される。

真理子が日本人の男性と親しくなっていた話を聞いていたが、その人・細田健一
にも偶然、会えて、彼はゲイで真理子とは友達として親しくしていたことを
知り、思いがけないプレゼントも貰い、それはマッテオにも渡される。

真理子って素敵な人だったんだろうな。



<珊瑚の指輪>
おばあちゃんの形見の珊瑚の指輪をリメイクして付けていた母。
その母が亡くなり、その指輪は自分がつけている。

遺品の整理について。
一挙に何もかも片付けてしまいたい人とじっくり時間をかけて
整理したい人がいるんだな。
自分は、どちらだろう。じっくり派かな?



<情け嶋>
夫に好きな人が出来て、子どもまで出来たと知り、離婚。
ゲイの友達・春夫がここに住めばいいよと。お言葉に甘える。
その後、春夫の恋人・義人も一緒に暮らすことに。


こんな暮らしも気楽そうで、ちょっといいな。


死がテーマだけれど、温かい気持ちになれるのはいい

                       ★★★★

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