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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2022年12月


仏映画の巨匠ジャック・タチによる名作映画「ぼくの伯父さん」の小説版。大人になった少年が変わり者の伯父さんとの日々を回想する物語。ピエール・エテックスによる線画イラストも収録。
仏映画の巨匠ジャック・タチによる名作映画『ぼくの伯父さん』の小説版。大人になった少年が変わり者の伯父さんとの日々を回想する物語。タチ映画のポスターイラストを手がけたピエール・エテックスによる線画イラストも魅力。


               (発行/KTC中央出版)


映画の名前は知っていた。
面白そうだなと思っていたけれど・・・

今回、その映画を元にした小説が出たとしり、手に取った。
イラストも満載で素敵だった!!


物語は、ジェラールが8歳の時、母の兄である伯父さんと接したことを回顧する
形の物語。
ジェラールの父親はプラスチック工場の工場長で、自宅は最新の電化製品が揃い
メイドもいる裕福な家庭。

ユロ伯父さんは、定職にも就かず、街中をぶらぶらと歩き回る日常。
木曜日になるとジェラールの学校まで迎えに来て、二人で過ごす。
とはいえ、伯父さんは特にジェラールに気を遣うかんじもなく、自分の思うまま
行動し、それにジェラールが付いていくかんじ。

風変りなおじさんと少年のいるその風景がなんとも和むかんじ。
これは映画で観たいなぁ~。

最後は、伯父さん、どこか遠くの地に行ってしまうのだけど、その後のジェラールとの
交流とかはなかったのかな?


素敵な1冊でした♪



                    ★★★★
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発行年月:2008年6月


稲穂が金色に輝き、風に揺れてシャラシャラと唄を奏でる山陰の秋。
娘の奈緒子、孫の嫁・美代子、曾孫・東真、近所の花屋の店員・史明の四人に送られ、九十二歳の松恵は息を引き取ろうとしていた。
松恵は、先だった夫が今際の際に発した残酷な言葉を思い出す。
奈緒子は、だれの子だ…。
「百年近くを生きれば、全て枯れ、悟り、遺す思いもなくなり、身軽に旅立てるとばかり信じておりましたが、どうしてどうして、人間って簡単に軽くはならないようです」
多くの人の心を受けとめ救った大おばあちゃんが、美しい風景に送られ、今日旅立ちます。

                  (小学館HPより)




藤崎松恵92歳の臨終の場面から始まる。

悲壮感はない。
松恵が穏やかな表情で、静かにその時を待っている様子がいい。

松恵の子どもたち
そのまた子どもたちとその子どもたち。

子ども、孫、ひ孫・・・誰にとっても松恵は大切な存在だった。

松恵とそれぞれのエピソードからも、皆に優しく接した様子がわかる。
素敵な人だな~。


家族以外にも慕われて、なんと幸せな臨終。

そして葬儀の様子もうえから眺め、それにしてもほんとうに、いい日和です。
とても美しい一日です。と言っている松恵。


こんな穏やかな気持ちで最期を迎えられたら理想的だな。


表紙の絵とタイトルも素敵。



                        ★★★★★






発行年月:2022年4月


解決の糸口すらつかめない3つの殺人事件。
共通点はその殺害方法と、被害者はみな過去に人を死なせた者であることだった。
捜査を進めると、その被害者たちを憎む過去の事件における遺族らが、ホテル・コルテシア東京に宿泊することが判明。
警部となった新田浩介は、複雑な思いを抱えながら再び潜入捜査を開始する――。
累計495万部突破シリーズ、総決算!

                  (集英社HPより)


ホテル・コンテシア東京で繰り広げられる警察官とホテル従業員と容疑者たちの
あれこれ。
今回もホテルのなかでは殺人事件は起きなかった。
でも最初から最後までドキドキ。

今回は、過去に起きた殺人事件(犯人によって殺されたという意味も含め)の
被害者遺族たちがホテル内に同日宿泊。


3つの過去の事件とその被害者遺族が捜査によって浮かぶ。
それぞれの遺族たちの動きを注視する警察官たち。
警部の新田浩介とホテル従業員の山岸尚美は、映画の木村拓哉、長澤まさみが
やはり浮かんでしまう(^^ゞ


彼らはどうして同じ日に集まったのか?
そこには、もうひとつの過去の事件が関係してくる。

恋人を刺殺した長谷部奈央。
2人でホテルで大量の薬物を摂取し、奈央も発見時は怪我を追っていた。
そして自分が刺殺したこ自覚は全くなく、奈央自身が真相を警察から聞かされ
ショックを受けた。
裁判では、事件当時の精神状態が正常でなかったとして不起訴処分に。
しかし、奈央は心身のバランスを崩しサポート施設で生活を送っていた。
自分の犯したことを認められず、どうしたら罪を償えるのかに苦しむ。



奈央が死ななくて良かったと思いつつも、奈央はまだまだ苦しみ続けなければ
ならなくなったのだなとも思い、なんとも複雑な気持ち。


そして新田は、警察官を辞職して、ホテルマンになるの~?
そうなった後の話も読めるのかな?



                   ★★★★



発行年月:2022年9月


美しい妻は、夫の殺害を依頼したのか。家族の間に疑心暗鬼が広がって
【第168回 直木賞候補作】
ベストセラー作家、雫井脩介による「究極のサスペンス」
この美しき妻は、夫の殺害を企んだのか。
息子を殺害した犯人は、嫁である想代子のかつての恋人。被告となった男は、裁判で「想代子から『夫殺し』を依頼された」と主張する。犯人の一言で、残された家族の間に、疑念が広がってしまう。
「息子を殺したのは、あの子よ」
「馬鹿を言うな。俺たちは家族じゃないか」
未亡人となった想代子を疑う母親と、信じたい父親。
家族にまつわる「疑心暗鬼の闇」を描く、静謐で濃密なサスペンスが誕生!


                   (文藝春秋HPより)



雫井さんの今までの作品とちょっと雰囲気違ったけれど、面白かった。

息子が殺され、その犯人が法廷で最後に叫んだ言葉に惑わされる母親の暁美。
以前、偶然に想代美の腕に痣をみつけ「どうしたの?」と尋ねたときに
それが、息子の康平によるものだと気づいていた暁美。
日ごろから妻に対して強い口調で物を言ったりしているのも見ていて
実際、息子にも注意している。

それを想代子のほうに声かけしていたらなぁ~とちょっと思った。

息子の死に妻の想代子が関わっているんじゃないか?の疑念をもちながら
同居を始めるのもよくないし・・・。
想代子も犯人の言ったことは偽りだと否定しているけど、一度、疑った目でみて
しまうとなかなか変えられないのかも。


そして家族、暁美の姉夫婦となんだかややこしいことがあれこれ。


結局、事件のあと、誰も平穏に暮らせていないのは本当に不幸なことだ。

最後、皆が亡くなり、陶磁店・土岐吉平は、想代子が若女将として切り盛りし
なんとかうまくやっている場面で終わっていて
想代子にしてみれば、DV夫から逃れられ、こうして幸せな日が来たのだから
ラッキーな人生だったのか?
最後まで想代子という人の本性だけがよくわからず、モヤモヤ。



面白かったけど、これ直木賞候補?
あまり好みじゃないな。



                        ★★★
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