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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:1996年7月


小学校の帰り道、怪しげなてきやから買った“まほうカード”と“踊るマッチ箱”
。心のアキレス腱だったマラソン大会…。
テーマは「子供時代」。
歯切れのいい名調子はもはや芸術。三部作第一弾

               (集英社HPより)


家の本棚にあった懐かしい本。
久しぶりに読んだけれど、可笑しい・・・^m^

昭和40年生まれなので、子どもの頃の話が自分にも当てはまるものが
多くて・・・わかるわ~と心の中でうなずきながら読む。


今は、もうこの世に居ないんだなぁ~としみじみ・・・。

大人になってからのも続けて読もう。



                   ★★★★
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発行年月:1963年5月



「贅沢貧乏」「紅い空の朝から…」「黒猫ジュリエットの話」「マリアはマリア」など、
森茉莉のゆるぎない個の精神が反映した連作小説集。

                  (発行/新潮社)


初版が60年前の本。
買ったのは、いつだったっけ?

森鴎外の娘で晩年まで文筆活動をしていたらしい。
ほかの小説は読んだことがないけれど、この本が何となく好きで
今回、また何年かぶりに読んでみた。


安アパートで一人暮らしをしながら、貧乏だけど空想の世界では贅沢品に
囲まれて生活していると空想する生活。
短篇集だけど、この本の中の牟礼摩利(マリア)の日常が描かれている。

特に二番目の<紅い空の朝から・・・>がすき。
硝子窓を通して入ってくる朝の光の色の表現が綺麗。

オリイヴ色(実際は難しい漢字)、鈍く透き通った紅、黄薔薇色
薄れた黄金などと光を表現している。

<黒猫ジュリエット>では、自身のことを愛猫の目線でやや自虐的に
書いているのも可笑しい。


最後の<青い栗>は、結婚していて息子たちや女中さんたちと賑やかに
奥様として暮らしていたころのことを書いていて、ああこういう暮らしも
していたのか・・・・と


森茉莉さん、最期は安アパートで死後2日ほど経過しているのを見つけられた
そうだけど、若い頃は、そういうのは寂しいなとか思ったけれど
今は、そういうのある意味、理想的かもと思ってしまう。



さて次に手に取るのはいつかな?


                    ★★★★★


発行年月:2022年4月


◎第167回直木賞候補作◎
◎各書評で大絶賛!!◎
東京、炎上。正義は、守れるのか。
些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。
たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男は取調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。
直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物”か。さらに男はあっけらかんと告げる。
「ここから三度、次は一時間後に爆発します」。
警察は爆発を止めることができるのか。
爆弾魔の悪意に戦慄する、ノンストップ・ミステリー。

                (講談社HPより)



酔っ払って酒屋前の自販機を蹴飛ばし、その酒屋の店主を殴って捕まり
野上署で取り調べを受けるスズキタゴサク。
その最中、東京都内での爆発の予感がすると話し、実際に秋葉原で爆発。
その後もスズキは取り調べの警察官相手に、次の爆破予想など告げていく。
まだまだこれは続くと。


スズキと警察官の取調室でのやり取りは、正直、長いなぁ~と思った。
東京の土地勘がないので余計に・・・(^^ゞ

最初の爆破では軽傷者3名だったが、その後、東京ドーム付近の爆破では
ウォーキング中の夫婦が巻き込まれ妻が死亡。

代々木公園での爆破では、炊き出し中の時間帯で60名以上が巻き込まれ
死者11名。


取り調べをしながら、警察は、爆弾の捜査に奔走。

それに絡んでくる一人の警察官の不祥事のちの自殺。
その不祥事というのが、ちょっと理解し難いことだけど、本人もかなり
悩んでいたというから少し気の毒。
それでも電車に飛び込み自殺という方法が、家族を更に苦しめることになる。
そのくらい考えて欲しかった、
自殺の方法が違えば、もしかしたら、残された家族は金銭面ではここまで
苦しまず、爆破事件にも発展しなかったかもと思えてしまう。


スズキタゴサクは、爆破事件にどうかかわっていたのかは、終盤わかってくる。


う~ん。
事件の背景にあるものがダーク過ぎて、真相がわかっても全くスッキリしない。
爆弾ももしかしたら、まだ残されたまま?

モヤモヤするぅ~!



まあ、面白くなくはないけど、好みじゃないな。
話題になったから、読めた作品。



                      ★★★


発行年月:2002年3月


読者が待ち望んだ、初の書き下ろし短編小説集。凛々しくて、
切なくて、幸福な女たちが生きるとりどりの人生を、
著者独特の冴えた筆で切りとった、贅沢な珠玉の小説10編を収録。

第15回山本周五郎賞受賞作。

                 (発行/集英社)



10の短編。
大事なことは起きない。
色々な環境で生きている女性たちの日常の一コマ。

表題作は一番最初。
93歳の祖母が肺炎で入院したと知り、ある程度の覚悟をして駆けつけると
そこに妹と母もいて、祖母は、意外と元気そう。
酸素マスクも外していいでしょうと。
ホッととしながら3人で病院を後にする。

たった、それだけのことなのに、江國さんの文章では、その時の情景とか
それぞれの心の内の言葉なんかが、ス~ッと入ってくる。



他の9編も同様。

すごく幸せな環境というわけではないなかで、それなりに幸福を感じる瞬間が
あったり、ホッとする瞬間があったり。

表題のことばは、誰の人生にも意外と沿う言葉なのかも・・・・
と読み終えたら、あとがきで江國さん自身もそんなことを書いていて
ちょっと嬉しくなった。

一番気に入ったのは<動物園>かな?
息子が「しまうまをみたい」と言ったから小雨が降ったり止んだりする
なかを動物園に行き、偶然、そこの今は別に暮らす夫から連絡がきて
動物園のしろくまの前で1時間半ごに待ち合わせするという話。

どうして離れて暮らすことのなったのか、サラッとしか書かれていないけれど
この家族には、この状態がきっと心地いいんだろうな。
こういう家族の在り方もありかな?と思った。


江國さんは、短篇もいい。
まだ読んでいないものがあるので、また探して読もう!



                     ★★★★



発行年月:2022年9月


「私たちはどうしようもなく、別々の体を生きている」
夫婦。血を分けた子を持ち、同じ墓に入る二人の他人。
かつては愛と体を交わし、多くの言葉を重ねたのに、今はーー。
夫が何を考え、どんな指をしているのかさえわからない。
「私のかんむりはどこにあるのか」

                  (幻冬舎HPより)


16歳、光の学校に虎治が父親(自衛官)の転勤で転校してきた。
2人は付き合い始め高校卒業後、一時は別れるが5年後の21歳で再会し再び
付き合い始め、結婚。
それから息子・新が生まれ、虎治が70歳過ぎに亡くなるまでのことが
光の目線で語られる。


ごく普通の夫婦の物語だけれど、そこにある生活の描写はとてもリアル。

子どもが成長し、子どもにも社会のなかで色々な人間関係が出来てきて
そこに発生する問題について、夫婦で意見が違うと、まず
「え?この人こんな人だったっけ?」と思うこと、どこの夫婦にも
あると思う。
その時、夫婦が同じような考え方をする場合は良いけれど・・・
そこから始まる相手への違和感。

でも、まあそれは仕方ないことだよ・・・と10年後くらいのはわかること。
夫婦なんて元々は育った環境の違う他人なんだから。


そういう違和感を抱えながらも大抵は、別れるのも面倒で夫婦を持続させて
いくんだろうな~。
でも子どもが独立して親の役目をほぼ達成した後は、やはり近くに
他愛もない話を出来る存在として夫(妻)がいてくれたらそれは、それで
いいことかな~?


夫婦ってなんだろうな・・・・・
よくわからないね~。


表題の意味もよくわからなかったな。



                       ★★★
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