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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2012年8月


マルキ・ド・サドをもじって名づけられた、書籍編集者の鳴木戸定。 彼女は幼い頃、紀行作家の父に連れられていった旅先で、誰もが目を覆うような特異な体験をした。 その時から彼女は、世間と自分を隔てる壁を強く意識するようになる。 愛情も友情も知らず不器用に生きる彼女は、愛を語ってくる盲目の男性や、必死に自分を表現するロートル・レスラーとの触れ合いの中で、自分を包み込む愛すべき世界に気づいていく。第1回河合隼雄物語賞受賞作。「キノベス!2013」1位

                 (朝日新聞出版HPより)



主人公の鳴木戸 定(25歳)は編集者。
新たに担当になったプロレスラーで週刊誌にコラムを書いている守口廃尊(ばいそん)
との関わり方が愉快。


そして、道で白杖を振り回していた武智次郎と知り合い、猛烈にアタックされる。


どんな相手にも、その人の本質を見抜いて冷静に対処する主人公がいい!
表情が乏しく喜怒哀楽が殆どない定だけど、
人と関わり、少しずつ変化していく様子がいい。


最後は、ちょっとびっくりの行動だったけど・・・(^^ゞ
幸せそうならいいか?
このあと、どうなったんだろ?気になるけど。



表題のふくわらいの意味もわかった。
人の顔でそんな想像して楽しめるって特技だな・・・笑



過去作品で気になっていたのがあるので、それも早々に読みます!



                     ★★★★



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発行年月:2019年5月


「思い出のとき修理します」シリーズの著者が贈る、優しくも愛おしい物語
忘れていた幸せの味、思い出してみて。
子供のころの記憶に苦しむOLや、父の再婚に悩む少女──
迷える人々の心を、絶品サンドイッチが癒やします。
大阪の靱公園にある『ピクニック・バスケット』は、
開店して三年を迎える手作りサンドイッチの専門店。
蕗子が、姉の笹子──笹ちゃんのこの店を手伝いはじめて、半年になる。
笹ちゃんは店を訪れた人たちの、具材への思いや記憶、
そして物語をやさしくパンにはさんで、誰が食べてもなつかしいような
新しいような、そんなサンドイッチをつくっているのだ……。
おっとりした姉としっかり者の妹、店を訪れる個性的な人々──
常連客の小野寺さんやパン職人の川端さん──が織りなす、優しくも愛おしい物語。


                   (角川書店HPより)



表紙の絵に惹かれて・・・・
表紙の絵の通り、ほんわか癒される物語でした(^^)


姉妹で営むサンドイッチ専門店。。
姉妹と言っても血のつながりはなく、再婚した両親のそれぞれの連れ子。
それでも姉妹はお互いを思いやっていて素敵な関係。


5つのお話には、ちょっとした謎があり、その真相を探る過程も楽しい。


たまごサンドって関西は厚焼き玉子が挟んであるのが主なんだ~。
わたしはゆで卵を潰したたまごサンドも両方、同じくらい好きだけどな。
甘い玉子焼きも塩味だけの玉子焼きも、どちらもそれぞれ美味しいと思うし・・・。


続編もあるようなので、また近いうちに読んでみよう。



                       ★★★



発行年月:2021年4月


最終話に仕掛けられた一話目への伏線。
気付いた瞬間、心を揺さぶる、鳥肌モノの衝撃が襲う!!
読売新聞、日経新聞、本の雑誌……各紙書評で絶賛の声続々!
「驚きの完成度!」――瀧井朝世さん(『スモールワールズ』公式HP書評より) 
「BL界の鬼才恐るべし」――北上次郎さん(日本経済新聞 5月6日書評より)
夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。人知れず手紙を交わしつづける男と女。向き合うことができなかった父と子。大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。

                       (講談社HPより)


6つの短編。
どれも楽しめる。
覚書として記すので、ネタバレあり。


<ネオンテトラ>
広告代理店に勤める夫と暮らしている美和。
流産を繰り返し妊活中だが、夫は浮気?
ふとしたことから中学生の姪・有紗の同級生という蓮沼笙一とコンビニで
たびたび夜、会うことに。
両親と良い関係にない笙一を気に掛けるが・・・
姪は笙一の子を妊娠。
その子どもを自分の子どもとして育てる美和。夫も承知で。


最初から随分、凄い話だな。ちょっと怖いな・・・と思う。
飼っているネオンテトラの繁殖に例えるのは巧いなぁ~。



<魔王の帰還>
夫と別れたと姉の真央が実家に戻ってきた。
身長188cmで態度も大きい姉だから、か細く弱弱しい夫とは元から
合わないと思ってた弟の鉄二。
しかし、真相は、真央の夫・勇が難病にかかっていることを知り
真央に別れを切り出したのだと知る。


真央=魔王・・・最高にカッコいい!!



<ピクニック>
希和子は、単身赴任中の夫の元へ孫の未希〈生後10か月)を預かるからと
娘の瑛里子を送り出す。
が、その間に未希は亡くなってしまう。
気づいたときには息をしていなかったと。
病院からの通報で駆け付けた警察官は、虐待の疑いがあるという。
希和子は逮捕されてしまう。
信じられない瑛里子は、母が虐待をするはずがないのだと主張し続け
やがて釈放。同時に瑛里子は妊娠していることが判る。



一見、不幸なことはあったけど、まあ良かったかな?と思いかけたけれど
えぇ~!!そういうことだったのか?
瑛里子には妹がいた。生後6か月のとき、急性心不全で亡くなっているが
心因は瑛里子が妹を抱きかかえ落としてしまい、その上に瑛里子自身が
乗ってしまったためと・・・・ギャ~なんてこと!?
希和子自身はそのショックで精神的に参り、後々、トラウマに
それが今回の未希の死に関係してくるとは・・・(◎_◎;)
平和そうな冒頭の場面から真逆の話。



<花うた>
兄を殺された新堂深雪とその兄を殺した向井秋生の往復書簡の形式で
進む。

最初は、憎しみをぶつける深雪だが、秋生の返事を読むうちに
その境遇やら考え方に理解をし始める。
ある日、秋生は刑務所内で転倒し、記憶の一部が飛んでしまう。
収監されている者のなかに秋生のことを恨んでいる者がいてその者が
秋生を故意に転倒させた。
10年後、出所した秋生を引き受けることに決めた深雪。


こういう関係は実際にあるのかな?
罪は憎むけれど、その人のことを知ると人としては憎めないってこと?
なんとなくわかるような気もするけど、こんな風に生きることに
なるなんて、ちょっと切ないな。


<愛を適量>
高校教師をしている慎悟の元に見知らぬ男性が。
なんと12歳の時に別れた娘だという。
27歳になった娘・佳澄は、トランスジェアンダーで男性に!
タイで手術を受けるので、その準備期間は、居候させてほしいという。

これは、ちょっと面白かった。
手術費用500万を父親から奪ってタイへ向かう。
でも、きっと帰国後は父親の元にきて、報告するんじゃないかな?
娘の今後のためと思えば500万は諦められるでしょう。


<式日>
後輩から父親が亡くなったから式に参列してほしいと連絡を貰う俺。
俺は定時制の高校に通っていたが、ある日、教室に「試験前なのに辞書を忘れて
しまって・・・」と来たのが後輩。
大変だなとメモを渡し、持っていた豆菓子の小袋を1つ渡すと
机のなかに翌日、紙切れのメモで「おいしかったです・・・・」と返事が。
その後、連絡先を交換し親しくなった関係。
後輩の父親は飛び降り自殺。中学3年の時両親は離婚して母と姉とは
それ以来、会っていないという。
後輩の元にも会いに来たことがあったがドアを閉めたきり警察を呼んで
父親を拒否したのだと。



え~と、この後輩は第一話<ネオンテトラ>の笙一ってことかな?
そうかぁ~。両親が離婚して、父親と二人。
高校2年で中退したということは、その後も結構、苦労したんだろうな。
付き合っていた有紗との関係は絶ったままだったのか?
子どもには会えてないんだな。
バイク事故で死んじゃったと有紗が一話で言っていたけど、父親の葬儀後
そんなに経たずにかな?
衝動買いでネオンテトラは買ったのかな?

いろいろ、考えちゃう。



色々な人生あるな・・・という短編集。
初めて読んだ作家さんだけど、他のも読みたくなる。



                      ★★★





発行年月:2021年12月


75年の時を超えて発見された奇跡の日記文学――田辺聖子版「アンネの日記」
我が家の焼失、敗戦、早すぎる父の他界……。
すべてを失った彼女はそれでも、小説家への夢だけは諦めなかった。
2019年に惜しまれつつこの世を去った国民的作家・田辺聖子。
没後2年の今年、1945年から47年までの青春期を綴った日記が発見された。
記されていたのは、「大空襲」「敗戦」「父の死」「作家への夢」……。
戦時下、終戦後のままならない日々を、作家志望の18歳はいかに書き過ごしたのか。
月刊「文藝春秋」に掲載されるや、たちまち新聞・テレビ等で大反響となった、
田辺文学の源泉にして、一級の時代の証言。
雑誌未掲載原稿、中短篇4作を収録したほか、梯久美子氏の解説をはじめ、
注釈、年譜なども加えた完全版、ついに刊行。

                    (文藝春秋HPより)



田辺さんの小説は若い頃によく読んでいたなぁ~。
親しみやすい文章で好きだった。


そんな田辺さんの死後、見つかったという日記。
18歳のとき終戦の年の4月1日から書き始めている。
少女らしい日常の一コマから、段々と戦況が厳しくなり、空襲警報が鳴り
住んでいる町も甚大な被害を受ける(大阪大空襲)。


この頃は、日本各地で空襲の被害を受けているけど、大阪は7回も空襲を
受けていたとは、知らなかった!
リアルな空襲のあとの街の様子は、胸が痛くなる。
遺体があちらこちらに・・・
興味本位で見に行く様子も。
もう日常になってしまうと人の感覚も変わってしまうということなのか?
凄い恐怖を感じた。


若いころから小説家になることを夢見て、勉学に励もうとしていたのに
そんなことよりやらなけれはいけないことが出来てしまうなんて。



日記のなかにあったという短編
<蒙古高原の少女><公子クユクの死><ある男の生涯><無題>
も18歳でこの筆力は・・・と圧倒される。
日々の日記も結構長いし、本当に書くことが好きなんだなぁ~



この日記が世の中に出てくれたことに感謝!

また沢山の田辺さんの小説を読みたくなった。



                      ★★★★★



発行年月:2020年8月


『アリス殺し』の鬼才が仕掛ける、予測不能の脱獄SFミステリ!
ここは監獄だ。
さあ、脱出ゲームを始めよう――。
サブロウは森に囲まれた老人ホームらしき施設で、平穏な日々を送っていたが、
自分は何者でいつ入所したのか、そもそもこの施設は何なのか、全く記憶がないことに気づく。
不審に思っていると、謎の「協力者」からのメッセージが見つかった。
「ここは監獄だ。逃げるためのヒントはあちこちにある。ピースを集めよ」
サブロウは情報収集担当のエリザ、戦略策定担当のドック、技術・メカ担当のミッチという仲間を集め、施設脱出計画を立ち上げるが……!?
想像を超える「未来」の真相に辿り着けるか?
楽園(サンクチュアリ)から逃れ、本物の自由を手に入れろ。

                   (KADOKAWA HPより)



訃報のニュースがあって、名前は聞いたことあるけれど作品は
読んだことないなぁ~と。


老人施設に入所しているサブロウは、ある日、自分はなぜ、ここにいるのか?
自分は何歳だ?老人なのか?
あらゆることに何ら記憶がないことを疑問に感じ、あれこれ探り始める。


そして、自分の書いた過去の日記からあるメッセージを発見。

施設内に自分の考えを共有できそうな仲間を3人見つける。

エリザ・・・情報担当
ドック・・・戦略策担当
ミッチ・・・メカ担当

4人はチーム名を「ハンドレッズ」と決めて施設内から外への脱出計画を
企てる。



未来のSF脱出劇、人類に代わって世の中を支配しているのは、見た目は
人間と変わらないAIロボット。
そして人類が変異して生まれた蠅人間など。


結果的には、これは脱出成功?
施設に逆戻りのループ?

よくわからない。

でも、なかなか、面白かった。
映像化しても面白そう。



著者の過去の作品も読んでみよう。



                      ★★★

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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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