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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2022年4月


なぜ、私たちは社会と噛み合わないの?
分かるし、刺さるし、救われる――自由になれる7つの物語。
編集者にダメ出しをされ続ける新人作家、女性専用車両に乗り込んでしまったびっくりするほど老けた四十五歳男性、男たちの意地悪にさらされないために美容整形をしようとする十九歳女性……などなど、なぜか微妙に社会と歯車の噛み合わない人々のもどかしさを、しなやかな筆致とユーモアで軽やかに飛び越えていく短編集。
目次
Come Come Kan‼
渚ホテルで会いましょう
勇者タケルと魔法の国のプリンセス
エルゴと不倫鮨
立っている者は舅でも使え
あしみじおじさん
アパート一階はカフェー

                  (文藝春秋HPより)



どれも面白かった。
最初の話は、文藝春秋サロンにある菊池寛の銅像がデビュー後、なかなか
新作が書けない(書いても編集者にダメ出しの連続)に話しかける話。
菊池寛って、こういうかんじ?
ユーモアあるなぁ~^m^

そして最後の話は、文藝春秋そばにあるアパートメントの1階にあるカフェが
舞台で、そこに出入りするのは文藝春秋絡みの人たち。
ここでも最後に菊池寛が登場。
今回は1931年の話で、リアル菊池寛!
うんうん、ここでもいいかんじ。
そういえば、作品、ちゃんと読んでないな・・・・(^^ゞ


他の話も面白かった。
特にふたつ
<エルゴと不倫鮨>は、変わったタイトルだなと思って読んだけど
いい。こういう話はスカッとする。
赤ちゃんを抱っこして寿司屋に来た女性、恰好いいな。
周りの女性たちもいい。下心を抱いて女性を連れて来た男が憐れだけど
いい気味^m^

<立っている者は舅でも使え>
夫の離婚が原因で離婚を決め、実家そばに息子と引っ越した女性。
そこに何故か元夫の父親が。
別れたから、もう気兼ねはしないと舅を使いまくる女性。
いいじゃん!こういう関係も。
案外、幸せな日常を送れそう。




                    ★★★

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発行年月:2023年4月

俳句と小説の新しい出会い。17音の奥に潜む繊細で彩り豊かな12の物語。
宮部みゆきが深い洞察力と鑑賞力で12の俳句から紡ぎだした玉手箱。社会派からホラー、SFに至るまで、あらゆるジャンルに足跡を残してきた宮部文学の新たなる挑戦!
※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。
もくじ
1. 枯れ向日葵呼んで振り向く奴がいる
2. 鋏利し庭の鶏頭刎ね尽くす
3. プレゼントコートマフラームートンブーツ
4. 散ることは実るためなり桃の花
5. 異国より訪れし婿墓洗う
6. 月隠るついさっきまで人だった
7. 窓際のゴーヤカーテン実は二つ
8. 山降りる旅駅ごとに花ひらき
9. 薄闇や苔むす墓石に蜥蜴の子
10. 薔薇落つる丑三つの刻誰ぞいぬ
11. 冬晴れの遠出の先の野辺送り
12. 同じ飯同じ菜を食ふ春日和

                (角川書店HPより)


ひとつの話が短くて読みやすく、面白かった。
内容的には、切なかったり、気持ち悪かったり、怖かったりというのが
多かったけれど・・・

印象に残ったのは、二番目の
<鋏利し庭の鶏頭刎ね尽くす>
この俳句を読んだだけで、なんだか恐ろしいかんじ。
内容も予想通りで、鶏頭を刎ね尽くした知美に「よくやった!!」と拍手したい。
こんな人たちと一緒に居たらダメ!絶対!!

しかし、これを読んだ 薄露さん、どういう想いでこれを詠んだんでしょう?
それがとても気になるのだけど・・・。


<薔薇落つる丑三つの刻誰ぞいぬ>
も何やら不気味な俳句。
でも、これは、幽霊に救われる話で、ちょっとファンタジーっぽくて良かった。


最後の<同じ飯同じ菜を食ふ春日和>
これは、家族が数年おきに訪れる夫婦の故郷の話。
娘さんがまだ幼児だったときから成人したころまでを描いていて
ほんわか。
これが最後なのもいい。


後ろに、この本が出来る経緯が書かれていた。
仲間とやっている俳句の会の作品を元に宮部さんが短編を書いたそう。

また新しい作品集、読めたらいいな。



                  ★★★★



発行年月:2009年3月 (単行本/2006年4月)


お待たせしました! 伊良部シリーズ第3弾登場
町営の診療所しかない都下の離れ小島に赴任することになった、トンデモ精神科医の伊良部。そこは住民の勢力を二分する町長選挙の真っ最中で、なんとか伊良部を自陣営に取り込もうとする住民たちの攻勢に、さすがの伊良部も圧倒されて……なんと引きこもりに!?  泣く子も黙る伊良部の暴走が止まらない、絶好調シリーズ第3弾!


                   (文藝春秋HPより)



イン・ザ・プール  空中ブランコに次いでの伊良部シリーズ。

今回も笑える話の連続。

やはり前2つ同様に、表題作が一番、印象に残る面白さ。

東京都の伊豆諸島のなかにある千寿島の町長選挙に巻き込まれる伊良部。
都庁職員の24歳・宮崎良平が離島研修として役場の職員に在籍していて
二分する小倉派と八木派の板挟みになり、自律神経が壊れる。

伊良部が宮崎に助言したりしていたけれど、父親が権力者と知ったら
伊良部を選挙陣営に取り込もうと2派が争い、伊良部もまさかの引きこもり。

看護師のマユミちゃんがいい!
ダメ(弱気になる)な伊良部には喝を入れる。

そして、まあ、なんとかなるのか???
最後は、ちょっと曖昧な終わり方だけど、それもいい。


最新作の伊良部シリーズは、まだ図書館の順番待ち状態。
待ち遠しいなぁ~^m^



                     ★★★★



発行年月:2022年10月


これを書くことをお別れの挨拶とさせて下さい――。思いがけない大波にさらわれ、夫とふたりだけで無人島に流されてしまったかのように、ある日突然にがんと診断され、コロナ禍の自宅でふたりきりで過ごす闘病生活が始まった。58歳で余命宣告を受け、それでも書くことを手放さなかった作家が、最期まで綴っていた日記。

                   (新潮社HPより)



58歳ですい臓がんで余命4か月の宣告。
宣告が4月で、そのすぐ後から、本書の元になる日記を書き始め
亡くなる前まで綴られた。
10月13日 午前10:37 自宅にて永眠。

最後の日記は10月4日。


淡々と語られる日常のなかに、色々な思いがあって
今後、書きたかったものの話があったり、ああ、ここで逝かなくては
いけないのは悔しかっただろうな・・・。と


自宅で最期を迎えたいと思うのは多くの人も同じだけど、一緒に最期の
時を迎えてくれる家族にも覚悟がなくてはできないこと。
ご主人の支えは、本当に大きかったと思う。
凄い、いい夫婦だな。



好きな作家さんだけど、全部の作品を読んではいない。
遺作となってしまった作品を、近いうちに読んでみよう。



                          ★★★★★


発行年月:2022年11月


困ったことが起きたら、「なんとかしなくちゃ!」
「これは、梯結子の問題解決及びその調達人生の記録である。」
大阪で代々続く海産物問屋の息子を父に、東京の老舗和菓子屋の娘を母に持つ、梯結子。幼少の頃から「おもろい子やなー。才能あるなー。なんの才能かまだよう分からんけど」と父に言われ、「商売でもいけるけど、商売にとどまらない、えらいおっきいこと、やりそうや」と祖母に期待されていた。その彼女の融通無碍な人生が、いまここに始まる――。

                 (文藝春秋HPより)




梯 結子の幼少期から大学卒業して就職先が決まるまでの話。

幼稚園の時から、考え方が素晴らしい。

近くの公園の砂場が、いつもいない子たちに占領されていて自分は入れない。
こんな状況になったら・・・大抵は諦めるだろうな。
でも、結子は違う。
なぜこんな状況になっているのか?
そして、その状況から、どうすれば前のようになれるか?

それを誰も困らない、むしろ喜ばれることで解決してしまう。
賢いなぁ~と感心。

小学校の時の誕生会でのことも、同じ。
その後の中学、高校、大学と、色々な困りごとを持ち込まれても
鋭い洞察力と考察力で切り抜ける。

将来、こういう人に国のトップに立って欲しい!!
なんて思って読んでいた。

大学では城郭愛好研究会に所属。

そこで行われる毎年、恒例の城攻め。
守りの組と攻めの組に分かれて、いろいろな解釈でバトルする。

ここでの結子の説は先輩たちをも唸らせる。
独特だね~と称賛され カケハシ・ドクトリンの名を貰う。


そう!結子の考え方は、独特で面白い。
幼少期から既に カケハシ・ドクトリン!!

中学時代から知り合う人たちのなかに、将来、結子のよき理解者になりそうな
人たちが登場してきて、今後が益々、楽しみ。


続編、早く読みたい!!

でも他の本を既に刊行されている。
すごいな恩田さん!



                       ★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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