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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2021年6月


少女の成長と再生を描く、スイス文学の名作。
作品
これまで世界各国で翻訳され、その総売上部数は5000万部以上と言われる『アルプスの少女ハイジ』。17回も実写映像化され、1974年放送の日本のテレビアニメも、その後各国で放送され大人気となった。味わい深いルドルフ・ミュンガーの挿画も50点以上収録した完訳版!
物語
両親を亡くしたハイジは、アルプスの山小屋で暮らす祖父のもとに預けられる。月の光が差す干し草の寝床、山羊たちとの触れ合いなど、山の生活を満喫するハイジだったが、ある日、足の不自由な令嬢の遊び相手を務めるため、下山して都会の裕福な家に住み込むことに……。挿絵多数、完訳版。

                      (光文社HPより)



子どもの頃、アニメを見て、本も読んだけれど、最近、美術館でハイジの展示を
みて、改めて読んでみたくなった。
色々な訳で出ているけれど、今回は光文社古典新訳文庫にて。
この表紙が好き。


内容は、もう記憶通り。
アルプスの山の景色が目に浮かぶ。


そして、やはりハイジが本当に可愛い。
天使みたいな子。
純真で朗らかで、接した人たち、皆がその魅力に惹かれるかんじ。


おじいさんの過去のことは、今回、知って(知った気になっていた)
ハイジが来るまで本当に
辛いことが色々あったんだろうなと。
人と関わらずにあえて厳しい冬の季節も山の生活に耐えてきた、おじいさんが
ハイジと共に暮らすことで、少しずつ、また人と関わりを持ち始める。
元々、思慮深く、愛情深い人だったんだと感じて、おじいさんの変化に
心を打たれた。
これは今、読んだから強く感じたことかも。
子どもの頃、読んだときは、クララが立ち上がったときが一番、感動した
場面だったけれど・・・。



子どもの頃、読んだものを読み返してみるのもいいな。
この古典新訳シリーズ、気に入ったので、色々な作品を読んでみよう!



                      ★★★★★
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発行年月:2020年7月


医大の解剖学実習で組まれたのは、異例ともいえる女性4人だけの班だった。
城之内泰子教授の指導の下、優秀な成績で卒業した彼女たちは、真摯に医療の道を歩む。
長谷川仁美・高いオペ技術を持つ眼科医。けれど医局での出世すらできない現実に突き当たる。
坂東早紀・循環器内科医だったが、認知症の父親のためにフリーランスの健診医となる。
椎名涼子・救命救急医。夫との不仲に悩む折、エスコート・ドクターの依頼が舞い込む。
安蘭恵子・新生児科医であり、一児の母。勤務中、突然身体に異変が生じて……。
それぞれが直面する現実との闘いは、いつから始まっていたのだろう。
やがて明らかになる城之内教授が秘め続けた衝撃の真実とは――。

                     (光文社HPより)


医大時代、同じ解剖学実習の班だった4人は、大人になった今も連絡を取り合う
仲間。


女性医師って独身時代はいいけれど、結婚して子どもを持ってとなると途端に
自分のやりたいことを考えなおさないとならない時が来る。
それって、すごく不公平。
出産は仕方ないことだけど、その他は、女性ばかりが担うことでもないのに・・・


4人の女性医師も、それぞれ立ち止まって、この先のことを考える時期が来る。
それでも、医師であり続けるために努力する姿は本当に凄い!

社会問題になった大学医学部の入学試験での女子受験生に対する不正操作。
合格ラインに達していたにも関わらず女子が不合格になりその分、
男子受験生を合格としていたという事実。


今はどうなんだろう?

優秀な女性の医師が、医師して望む分野で活躍できるようになってほしい。


                       ★★★


発行年月:2017年8月
人と狐の間に生まれた者の末裔と噂され、並外れて大きな体と美しい顔をもつ妖女、美濃狐。ある日市に現れ、凄まじい剛力で暴虐非道に振舞う姿に、人々は恐れおののき、市は寂れてゆくのだが――。(表題作)ほか、日本最古の説話集『日本霊異記』を下敷きに繰り広げられる、不可思議で妖艶な物語の数々。古典を大胆に紡ぎ直した「知らぬ火文庫」シリーズ第一弾。


豪族の跡継ぎ・真桑が林で出会ったのは、異形な美しさを持つ女。真桑は女を納屋に匿い世話を焼くうち、次第に愛情を感じるようになる。ある夜、強引に女を抱いた真桑。幸福感に浸っていたが、翌日から女はまったく笑わなくなる。
「サカズキという女」

妻の初産を待ちわびていた広公。しかし産屋で産婆から手渡されたのは、蹴鞠のような肉の玉だった。広公は複雑な思いをいただいたまま、山の奥に肉玉を捨てに行くが――。
「舎利菩薩」

                           (光文社HPより)




知らぬ火文庫を新しい物から読み、これが最後。
順番としては最初のもの。

こちらが一番、読みやすく面白かった。

ただ表題作は、ちょっと・・・・謎。
話は分かるけど、これを表題とした意図は?と考えてしまう。

次の<蛇よ、来たれ>も同類かな?
まあ、色々なお話が<日本霊異紀>にはあるということだね・・・( ´∀` )


お話としては<塵芥にあらず> <舎利菩薩>が好き。
親ほど年の差がある友人のために、その死の原因となったものを訪ねて行って
自分にとってどれほど大事な人を亡き者にしたのだと怒る男・阿久多。

酷い名前は悪い鬼に連れ去られぬように、親の愛だと教えてくれた友。



<舎利菩薩>は不思議な話。
肉の塊のような玉から生まれ麻佐利の話。



日本には、昔から面白い書物があったんだなぁ~。

朱川さんの書く話が、不思議でちょっと懐かしいかんじがするのは、こういう書物が
元になっているのかな?


また新刊が出て読むのが楽しみな作家さんです。



                              ★★★★★



発行年月:2022年6月


江戸で噂の、「持つ者は子宝に恵まれる」という宝船の絵。しかし、赤子を失ったある家の宝船の絵から、なぜか弁財天が消えたという。
 時を置かずして、北一もよく知る弁当屋の一家三人が殺される。現場で怪しげな女を目撃した北一は、検視の与力・栗山の命を受け、事件の真相に迫っていく。
 本書は、江戸深川の富勘長屋に住み、小物を入れる文庫を売りつつ岡っ引き修業に励む北一が、風呂屋の釜焚きなのに、なぜかめっぽう強い相棒・喜多次の力を借りながら、不可解な事件を解決していく物語。
 北一の文庫づくりを手伝っているのは、欅屋敷の「若」や用人の青海新兵衛、そして末三じいさん。岡っ引き見習いとしての北一を応援しているのが、亡き千吉親分のおかみさんや大親分の政五郎、政五郎の元配下で昔の事件のことをくまなく記憶している通称「おでこ」たちだ。
 北一応援団とともに謎解き×怪異×人情が愉しめる、著者渾身の大人気シリーズ第二弾!

                  (PHP研究所HPより)



北一と喜多次コンビのきたきた捕物帖・・・第二弾。
走りまわっているのは、北一のみで、肝心のときに喜多次が助けるってかんじかな?

でも、懐かしい政五郎親分とおでこ(三太郎)が登場は嬉しかった♪
おでこが結婚していて、事件解決にも自慢の記憶力を発揮して関わってくる。

今回の事件は2つ。
最初のは、幼い子どもが突然亡くなり、悲しみにくれる2つの家族の話。
共通しているのが、酒屋の年賀として配った宝船の絵が変化したという。


これは、真相を知れば子どもが亡くなった親の気持ちになってみれば、理解できる話で
解決してホッとした。


でも2つ目の事件は、真相がわかってもなんとも言えない、やり切れなさが残る。
仲良しの幸せな家族が毒により命を奪われるという殺しの内容も酷いもの。

下手人はすぐ捕まるけれど、北一は、本当の下手人は別にいるとの考えで
色々な人の助けを借りて探し回る。
すぐに捕まえて、強引に白状させて事件解決とする役人たちのやり方はひど過ぎるし
そんな世の中、恐ろしい。
今でいう冤罪って、こんな時代ならいっぱいあったのかな?( ノД`)


北一は薄毛という話だけど、挿絵の北一は、そうでもないような・・・
可愛い挿絵に癒される。
次回も楽しみです(^^)


                      ★★★★


発行年月:2021年12月


大晦日の夜、ホテルに集まった八十歳過ぎの三人の男女。彼らは酒を飲んで共に過ごした過去を懐かしみ、そして一緒に猟銃で命を絶った。三人にいったい何があったのか――。妻でも、子どもでも、親友でも、理解できないことはある。唐突な死をきっかけに絡み合う、残された者たちの日常。人生におけるいくつもの喪失、いくつもの終焉を描く物語。

                   (新潮社HPより)


篠田莞爾(86歳)、重森勉(80歳)、宮下知佐子(82歳)
3人は、1950年代の終わりころ、美術系の出版社で一緒に働いていた。
その後、職場が変ったりしながらも3人の親交は続き、ある大晦日の夜、
ホテルで食事をしてお酒を飲みながら、昔話に花を咲かせて・・・
「そろそろ眠くなったね」と同じ部屋に向かい、命を絶つ。


物語には、悲壮感みたいなものが殆どない。
これがもっと若い3人なら違っただろうけど、3人はそれぞれに十分、人生を
楽しんだのだと思う。
猟銃自殺は、ちょっと派手過ぎるけど(3人には似合ってるのかも)
潔くてちょっと羨ましいとさえ思ってしまった。


残された親族や知り合いは驚き、どうして?と思うのだけど、篠田と宮下は
色々な身辺整理を済ませてあり、身寄りがいない重森も後を任せられる人に
遺書を遺している。


親族や知り合いたちそれぞれが代わり代わりに語りながら物語が進む。

知佐子の孫・作家の塔子
莞爾の孫・葉月(コペンハーゲンでアンデルセンの研究をしている)

この二人が印象的だったかな?


時間を置いて、また再読したい本。


                      ★★★★
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