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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2021年3月


長年連れ添った夫のPCで見つけたのは、若い女との親密なやり取りだった。
人を好きになってしまうことに、解などないのだ――。
恋愛小説の名手・谷村志穂が描く大本命不倫小説!
息子が就職して家を出たことを機に部屋を片付けていた香菜子。
クローゼットの奥にしまわれたPCを開き、夫のメールを見つけてしまう。
そこには、夫と女が親密に名前で呼び合い、
2人が子供のように育てていた猫が死んでしまったなど、
21年以上にわたるやりとりが書かれていた。
おかしい。21年前といえば、香菜子が必死に幼い息子を育てていた頃なのに。
夫と女の間に何があったのか。その後、彼女は「不倫小説の傑作」とも評価された
1冊の小説を出版していることが分かって――。

                    (角川書店HPより)



なかなか面白い設定だったなぁ~。

60歳になり、夫婦二人の生活が始まる。
自分と同じような状況なので、妻の香菜子の立場で読みすすむ。


20年ほど前の夫と不倫相手のメールを偶然、見つけてしまったという状況。
みなきゃいいのにね~(笑)。


で、相手の女性・玲依が夫との不倫を元に小説を出したというので
それも読む・・・よまなきゃいいのにね~(笑)。


夫が悪い!断然、悪い!
不倫した時期に腹が立つ!
上の子は3歳になるところで生まれたばかりの赤ちゃんがいる状況。
妻は母親オンリーにならざるを得ないとき!

仕事だからを言い訳に、不倫して、海外旅行にまで一緒に行くとは!!


60歳の今、知っても、その時にそんな裏切りがあったと知ったら
夫に対する気持ちは、もう軽蔑しかない。恨みなんて通り越して
蔑みの気持ちしかない。


香菜子は、夫に気持ちをぶつけることはなく、玲依という女に会いにいく。
顔をみただけで帰ってきたけれど、それでいい。
ママと呼ぶ女の子を見て声を掛けずに帰ってきたと。
良識ある女性のままでいてくれてよかった。

偶然、声をかけてくれた子ども食堂の手伝いが、安らぎになってくれたらいいな。


しかし、相手の女・玲依、2さ目の小説を香菜子に読ませるために書くという。
こちらの女性は、好きになれない。
結婚したんだから、その家族と向き合う時間を大切にしてほしい。


まあ小説としては面白かった。



                     ★★★
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発行年月:2021年9月  (1947年刊行)


194*年4月、オラン市に突如発生した死の伝染病ペスト。病床や埋葬地は不足、市境は封鎖され、人々は恋人や家族と離れた生活を強いられる。一方、リュー医師ら有志の市民は保健隊を結成し、事態の収拾に奔走するが.......。不条理下の人間の心理や行動を恐るべき洞察力で描いた長篇小説。
アルベール・カミュ    Albert Camus
[ 1913 - 1960 ]   
仏領アルジェリア出身のフランスの作家。家庭の貧困や結核に苦しみながら、アルジェで大学までの教育を受ける。演劇活動や新聞社での仕事などを経て、1942年に人間存在と世界の不条理を主題として小説『異邦人』と哲学エッセー『シーシュポスの神話』を刊行。戦中・戦後はパリでレジスタンス的姿勢の新聞「コンバ」の編集に携わり戦争についての論説を発表した。1947年に小説『ペスト』で高い評価を得た後も、長篇『転落』、短篇集『追放と王国』、戯曲『戒厳令』『正義の人びと』、哲学エッセー『反抗的人間』などを発表し、1957年にノーベル文学賞を受賞した。1960年、自動車事故により46歳で死去。

                  (光文社古典新訳文庫HPより)



有名だけど、なかなか手を出せずにいた本が幾つかあるけれど、これもそのひとつ。

光文社の古典新訳で読んでみた。


今のコロナの時代をそのまま描いているようで驚く。
この時代のペストの方が、1日の死者数からみて、凄く深刻な状況だけれど。
そんな時代でも、今のように情報がすぐに得られなかったことが幸いしてか人々は
割と呑気。

けれど、やがて身近に迫る死を誰もが感じとるようになると恐怖心から
いろいろな混乱が生じてくる。

そんななか、冷静に行動する医師・リュー。
淡々と自分の職務に向かうのだけど、段々と苦悩が。
自分のしていることは治療ではなく、ただ診断し、人々を隔離するべきか否か
選別することのみだと。
それも立派な仕事だと思うけれど、快方に向かうことなく死に向かう人たちの
姿だけを見ているのは、相当なストレスだろう。

それでも、仲間がいるのが救い。
ペストに襲われた街の様子を詳細に記録するタルーや、他所から来た新聞記者のランベール。
文筆の隙間時間に役所の保険隊の仕事を手伝うグランなど。


神父のパヌルーは、ペストは神から出たもの。我々は懲罰を受けていると民衆に説く。
自身もペストに倒れるわけだけど、純真無垢の幼い子どもが
苦しんで亡くなる姿を読むと、この説法に反感を抱く。


最後は、やや収束に向かうような場面で終わる物語だけど、最後の最後に
リューにとっては辛い友との別れは、辛い。
そして最後の文に底知れない不安感を漂わせて終わる。
凄い小説だ!

読むのに多少の根気を要したけれど、読んで良かった。


このシリーズでまだ未読の作品を色々、読んでみたい。



                      ★★★★★




発行年月:2021年9月


シリーズ第十弾。最新長編。
今、明かされる「ガリレオの真実」。
房総沖で男性の銃殺遺体が見つかった。
失踪した恋人の行方をたどると、関係者として天才物理学者の名が浮上した。
警視庁の刑事・草薙は、横須賀の両親のもとで過ごす湯川学を訪ねる。
「愛する人を守ることは罪なのか」
ガリレオシリーズ最大の秘密が明かされる。

                   (文藝春秋HPより)



房総沖で見つかった男性の遺体は銃殺されたあと、海に落ちたもの。
遺体の身元は判明したが、その同居していた女性・島内円香が行方知れず。

島本円香と親しくしていたらしい、絵本作家・松永奈江も消息不明で二人は
一緒に行動しているらしいとわかる。


そして、円香のことを最近、気にかけていたという根岸秀美という
銀座のバーのママの存在が浮かぶ。

円香と二人の70歳代の女性との関係が、わかると事件の真相もわかってくる。


科学的な推理は必要なく、今回は人情的な話。
でも湯川教授が大きく関わってくる。


湯川教授の生い立ち。
両親のことが、少しわかったのが事件を追うより、興味深かった



でも、やはりガリレオシリーズは面白い。
警察官・草薙や内海薫の顔はやはりドラマで馴染みがある俳優の顔が浮かんで
しまうけど^m^

最新作も図書館での順番待ち。
早く読みたいなぁ~




                        ★★★★




発行年月:2020年7月


「幸せになりたいから働いているんだ」谷原京子、28歳。独身。とにかく本が好き。現在、〈武蔵野書店〉吉祥寺本店の契約社員。山本猛(たける)という名前ばかり勇ましい、「非」敏腕店長の元、文芸書の担当として、次から次へとトラブルに遭いながらも、日々忙しく働いている。あこがれの先輩書店員小柳真理さんの存在が心の支えだ。そんなある日、小柳さんに、店を辞めることになったと言われ……。『イノセント・デイズ』『小説王』の著者が、満を持して放つ働く全ての人々に捧げるノンストップエンターテインメント。驚愕のラストが待ち受けています。「リアルすぎます」「爆笑のち号泣」「元気が出ました」「トリックもすごい!」、『ランティエ』連載時より全国の書店員さんはじめ、話題騒然!

                   (角川春樹事務所HPより)


書店員のお仕事話。
面白かった。

主人公の谷原京子は、最初、店長の言葉、態度にすべて否定的。
まあ、少し空気を読めないところはあるけれど、悪い人ではなさそうだし
そんなに嫌いほどでもないかなぁ~と思って読み始めた^m^


クレーマー的なお客さんへの対応は、苦笑。
どこにもいるいるこういうお客。
理不尽だと思いながらも丁寧な対応はいい。
心の声(本音)は毒舌で笑えるけど、心のなかで思うのはいいと思う!!


京子が毛嫌いする店長は、すごく京子のことを見ているし、正しく評価もしてくれて
いる。
もう少し、二人の関係が変わっていくといいのになぁ~と思っていたら・・・
終盤、ちょっといいかんじになってきて、おぉ~?と思う。


覆面作家の正体がわかったとき、想像してなかった人だったので驚いたけど
最初から最後まで楽しめた。

店長は異動することになったけど、このままおしまいの関係では
終わってほしくないなぁ~。

続編を読むのが楽しみ♪


                    ★★★★



発行年月:2021年3月


口入屋『佐賀屋』の主夫婦が惨殺された。死体は何かに驚いたまま死んだようだった。北町奉行所定町廻り同心の木暮信次郎は岡っ引きの伊佐治に命じて事件の謎を追わせる。すると、小間物問屋『遠野屋』主・清之介の周囲に繋がりが。浮かんでくる事実の裏にまたも意外な真相が――。最後に待つ大どんでん返しの衝撃。100万部を突破した人気シリーズ、驚愕の第十弾。    

                             (光文社HPより)
 



弥勒シリーズも10作目なんだぁ~。
まだまだ続いて欲しいシリーズ。


今回も面白かった!

同心・小暮信次郎と岡っ引きの伊佐治親分。
そして元暗殺者で小間物問屋を営む遠野屋清之助。


殺された夫婦・主の徳重と妻のお月。
2人の死に顔は、何かに驚いた表情。


事件の真相を追ううちに、気になる過去の事件が浮かび、そこに掛かってくる
信次郎の亡き母・瑞穂。
母親の生前の言葉、態度が事件のカギを握ることになる。


信次郎の母を想う、ちょっと人間ぽいいつもと違う姿も楽しめた。


最初から最後まで無駄な場面が何もなく、最後に見事に色々な謎が回収されるのは
気持ちいい。


最新刊も楽しみ♪




                          ★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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