発行年月:2009年1月
リストラ寸前の中年サラリ-マンは、ある日「今日が自分のサ-ビスデ-」なのだと知らされる。神様が世界中の人間に与えているサ-ビスデ-。
表題のほかは「東京しあわせクラブ」 「あおぞら怪談」 「気合入門」「蒼い岸辺にて」の5つのお話。
どれも面白かった。
何処かで読んだことあるような、聞いたことあるようなお話が多いけど、朱川さんの語り口がすきなので楽しく読みました。
表題作の「本日、サ-ビスデ-」では、冴えないサラリ-マンが主人公。
リストラ寸前のサ-ビスデ-の登場で、大逆転の予感。
でも、自分の願いが何でも叶う局面で、ふと考える。
リストラされない状況が果たしてベストなのか!?
苦しい状況や辛い状況でも、考え方を変えたら、違う明るい未来が開けることもあるということかな?
なかなか良いお話で、最初から爽やかな読後感。
「東京しあわせクラブ」は、ちょっと不可解なクラブの話で、少し不気味。
あまり関わりたくないわ~
これだけ、ちょっとほかの作品にはない、雰囲気でした。
「あおぞら怪談」は、題名のように、ちょっと爽やかな怪談話。
幽霊の女性を大事に接する大学生の優しさが良かった。
「気合入門」の主人公は、小学1年の男の子。
いつも自分をバカにしてるような3つ年上のお兄ちゃんに、なんとか認められようと、一人、ザリガニ釣りに奮闘する様子が可愛くて・・・。
そういえば、わたしが子どもの頃、男子はザリガニ釣りやっていたっけ。
うちの弟も大きめの空き缶に、いっぱいザリガニを入れて泥だらけで夕方、帰宅してきた昔を懐かしく思い出して、楽しかった。
最後の「蒼い岸辺にて」は、自殺してあの世に来た女性がそこの門番みたいな者と接するうちにもう一度、やり直したい!と思う話。
寿命まで生きないまま、自分の命を絶つと、その後、関わるはずだった人の将来まで変えてしまうことになるという話は、なるほど!と思いました。
生きていれば、いろいろあるけど、気持ちを常に前向きにして歩いていけたらいいな。
リストラ寸前の中年サラリ-マンは、ある日「今日が自分のサ-ビスデ-」なのだと知らされる。神様が世界中の人間に与えているサ-ビスデ-。
表題のほかは「東京しあわせクラブ」 「あおぞら怪談」 「気合入門」「蒼い岸辺にて」の5つのお話。
どれも面白かった。
何処かで読んだことあるような、聞いたことあるようなお話が多いけど、朱川さんの語り口がすきなので楽しく読みました。
表題作の「本日、サ-ビスデ-」では、冴えないサラリ-マンが主人公。
リストラ寸前のサ-ビスデ-の登場で、大逆転の予感。
でも、自分の願いが何でも叶う局面で、ふと考える。
リストラされない状況が果たしてベストなのか!?
苦しい状況や辛い状況でも、考え方を変えたら、違う明るい未来が開けることもあるということかな?
なかなか良いお話で、最初から爽やかな読後感。
「東京しあわせクラブ」は、ちょっと不可解なクラブの話で、少し不気味。
あまり関わりたくないわ~
これだけ、ちょっとほかの作品にはない、雰囲気でした。
「あおぞら怪談」は、題名のように、ちょっと爽やかな怪談話。
幽霊の女性を大事に接する大学生の優しさが良かった。
「気合入門」の主人公は、小学1年の男の子。
いつも自分をバカにしてるような3つ年上のお兄ちゃんに、なんとか認められようと、一人、ザリガニ釣りに奮闘する様子が可愛くて・・・。
そういえば、わたしが子どもの頃、男子はザリガニ釣りやっていたっけ。
うちの弟も大きめの空き缶に、いっぱいザリガニを入れて泥だらけで夕方、帰宅してきた昔を懐かしく思い出して、楽しかった。
最後の「蒼い岸辺にて」は、自殺してあの世に来た女性がそこの門番みたいな者と接するうちにもう一度、やり直したい!と思う話。
寿命まで生きないまま、自分の命を絶つと、その後、関わるはずだった人の将来まで変えてしまうことになるという話は、なるほど!と思いました。
生きていれば、いろいろあるけど、気持ちを常に前向きにして歩いていけたらいいな。
★★★★
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発行年月:2006年2月
できたてのセカイと、憂鬱なわたしたちの物語。
いま、最も鮮烈な7人の書き手がおくる
青春文学ベスト・トラック集
(本の帯文より)
以前、読んだ作品は 「クジラの彼」と「夜は短し歩けよ乙女」は、文句なしによかった!
何度読んでも、いいなぁ~(^^)
ほかの作品は、今回はじめて。
全く初めて読む作家さんは、日向さんと三羽さん。
以前、読んだ作品は、大好きなので、もう一度読みたくて。
そしてほかの作品も読んでみたかったものが多かったので読み始めから期待度が大きかった書。
読後その期待は、外れることなく、大満足の1冊でした!
アンソロジ-は、なかには好みじゃないのもあって普通ですが、これは、どれもいい。
あくまでもわたしの好みには、ドンピシャ!だったというわけですが・・・・。
初めて読む、日向さんの「涙の匂い」は、中学生時代、少しだけ住んだ東北の町の様子を思い出したように書かれた話。
ほのぼのとした暮らしの中で起こる、出来事。
甘酸っぱい初恋。
懐かしいような不思議なかんじがしました。
そして、やはり初めて読む三羽さんの「ニ-ト・ニ-ト・ニ-ト」あまり明るい現実ではないですが、登場人物たちのやりきれない感情が伝わってくるようで、なかなか興味深かった。
アンソロジ-で初めて読んだ作家さんの作品が気に入ると、その方の他の作品を読みたくなります。
自分にとっての新しい作家さん、発掘にはいいですね~♪
この表紙写真もちょっと今の季節っぽくて好き!
できたてのセカイと、憂鬱なわたしたちの物語。
いま、最も鮮烈な7人の書き手がおくる
青春文学ベスト・トラック集
(本の帯文より)
角田光代 あの八月の、
有川 浩 クジラの彼
日向 蓬 涙の匂い
三羽省吾 ニ-ト・ニ-ト・ニ-ト
坂木 司 ホテルジュ-シ-
桜庭一樹 辻斬りのように
森見登美彦 夜は短し歩けよ乙女
有川 浩 クジラの彼
日向 蓬 涙の匂い
三羽省吾 ニ-ト・ニ-ト・ニ-ト
坂木 司 ホテルジュ-シ-
桜庭一樹 辻斬りのように
森見登美彦 夜は短し歩けよ乙女
以前、読んだ作品は 「クジラの彼」と「夜は短し歩けよ乙女」は、文句なしによかった!
何度読んでも、いいなぁ~(^^)
ほかの作品は、今回はじめて。
全く初めて読む作家さんは、日向さんと三羽さん。
以前、読んだ作品は、大好きなので、もう一度読みたくて。
そしてほかの作品も読んでみたかったものが多かったので読み始めから期待度が大きかった書。
読後その期待は、外れることなく、大満足の1冊でした!
アンソロジ-は、なかには好みじゃないのもあって普通ですが、これは、どれもいい。
あくまでもわたしの好みには、ドンピシャ!だったというわけですが・・・・。
初めて読む、日向さんの「涙の匂い」は、中学生時代、少しだけ住んだ東北の町の様子を思い出したように書かれた話。
ほのぼのとした暮らしの中で起こる、出来事。
甘酸っぱい初恋。
懐かしいような不思議なかんじがしました。
そして、やはり初めて読む三羽さんの「ニ-ト・ニ-ト・ニ-ト」あまり明るい現実ではないですが、登場人物たちのやりきれない感情が伝わってくるようで、なかなか興味深かった。
アンソロジ-で初めて読んだ作家さんの作品が気に入ると、その方の他の作品を読みたくなります。
自分にとっての新しい作家さん、発掘にはいいですね~♪
この表紙写真もちょっと今の季節っぽくて好き!
★★★★
発行年月:2009年6月
西洋名画に秘められた恐るべき怨念・冷酷・非情を、歴史の裏の裏まで知り尽くした著者が、鮮やかな筆致でとき明かす、知的でスリリングな美術エッセイ。「絵ってすごい」と各メディア、シリ-ズ大絶賛!
「もっと読みたい」との読者の期待に応え、さらに怖い、待望の第三弾!
(朝日出版社HPより)
シリ-ズ完結編らしいですが、わたしは、これが最初。
絵画は好きでよく美術館にも行きますが、ちゃんとした解説をいつも聞かず、自分の感性のみで見ていました。
が、この著者の解説を読むと、今まで自分が見て感じていたことは、薄っぺらだったんだ!と思います。
本書で紹介されている絵画は20作品。
見たことある絵も幾つか。全く初めてみたものも多かったです。
「怖い絵」とありますが、見たからに怖い絵は意外と少なくて、この表紙のフュ-スリの「夢魔」も怖いですが、ほかには、ル-ベンスの「メドュ-サの首」くらいかな?
ほかは、多少不気味なものもありますが、そんなに絵そのものには怖さはないのです。
一番最初のボッティチェリの「ヴィ-ナスの誕生」は、有名なので、多くの方が見たことあると思いますが、これの何処が怖いの?とわたしは思いました。貝殻の中央に立つヴィ-ナスも綺麗だし、周りの風景も明るめで花が舞ってる。
でも、解説を読んでビックリ!
何度も解説文と絵を交互に見ながら・・・へえ~なるほど~と感嘆!
著者は西洋史に詳しい方なので、絵画の書かれた時代背景や、絵画を描いた画家の境遇などにも触れて、その絵の持つ隠れた意味を解き明かしてくれます。
憂いを含んだ可愛い少女の笑顔が何となく哀しげで惹かれた「ベアトリ-チェ・チェンチ」という絵の真実を知ったときは、なんとも言えない気持ちになりました。
絵の中の可愛い少女が父親殺しの罪で斬首される前の表情だと書かれていて・・・。
父親を殺さなければいけなかったその境遇も可哀相だが、父親を殺したのだから斬首されなければならないというその当時の考え方が怖い。
その斬首の場面の記載も・・・・ゾゾッ~
兎に角、こういう解説を読むと、今のこの時代にこの国で生きていることをありがたく思います。
ひとつ、ひとつの絵画、解説を読むと・・・ものすごく怖かった。
絵画なんてあまり興味がないという方にもお薦め!
怖いもの見たさで、1と2も読んでみようかな?
また、この著者のほかの書物にも興味が沸きました。
西洋名画に秘められた恐るべき怨念・冷酷・非情を、歴史の裏の裏まで知り尽くした著者が、鮮やかな筆致でとき明かす、知的でスリリングな美術エッセイ。「絵ってすごい」と各メディア、シリ-ズ大絶賛!
「もっと読みたい」との読者の期待に応え、さらに怖い、待望の第三弾!
(朝日出版社HPより)
シリ-ズ完結編らしいですが、わたしは、これが最初。
絵画は好きでよく美術館にも行きますが、ちゃんとした解説をいつも聞かず、自分の感性のみで見ていました。
が、この著者の解説を読むと、今まで自分が見て感じていたことは、薄っぺらだったんだ!と思います。
本書で紹介されている絵画は20作品。
見たことある絵も幾つか。全く初めてみたものも多かったです。
「怖い絵」とありますが、見たからに怖い絵は意外と少なくて、この表紙のフュ-スリの「夢魔」も怖いですが、ほかには、ル-ベンスの「メドュ-サの首」くらいかな?
ほかは、多少不気味なものもありますが、そんなに絵そのものには怖さはないのです。
一番最初のボッティチェリの「ヴィ-ナスの誕生」は、有名なので、多くの方が見たことあると思いますが、これの何処が怖いの?とわたしは思いました。貝殻の中央に立つヴィ-ナスも綺麗だし、周りの風景も明るめで花が舞ってる。
でも、解説を読んでビックリ!
何度も解説文と絵を交互に見ながら・・・へえ~なるほど~と感嘆!
著者は西洋史に詳しい方なので、絵画の書かれた時代背景や、絵画を描いた画家の境遇などにも触れて、その絵の持つ隠れた意味を解き明かしてくれます。
憂いを含んだ可愛い少女の笑顔が何となく哀しげで惹かれた「ベアトリ-チェ・チェンチ」という絵の真実を知ったときは、なんとも言えない気持ちになりました。
絵の中の可愛い少女が父親殺しの罪で斬首される前の表情だと書かれていて・・・。
父親を殺さなければいけなかったその境遇も可哀相だが、父親を殺したのだから斬首されなければならないというその当時の考え方が怖い。
その斬首の場面の記載も・・・・ゾゾッ~
兎に角、こういう解説を読むと、今のこの時代にこの国で生きていることをありがたく思います。
ひとつ、ひとつの絵画、解説を読むと・・・ものすごく怖かった。
絵画なんてあまり興味がないという方にもお薦め!
怖いもの見たさで、1と2も読んでみようかな?
また、この著者のほかの書物にも興味が沸きました。
★★★★★
発行年月:2009年1月
「珈琲屋」の主人・行介は、人を殺した。行介の恋人だった冬子は、別の男と結婚した。行介が刑期を終えたとき、冬子は離婚した。そんな二人の間には、時だけが静かに流れていた------。商店街で暮らす人々が「珈琲屋」で語った人間ドラマを七編収録。読み終わる、きっとあなたにも熱い珈琲が飲みたくなる・・・・。人間の微妙な心理を描き、じんわり温かい読後感があなたを包む。連作短編集。
(双葉社HPより)
以前、「真夜中の運動会」を読み、この著者では2作目に読んだ本。
商店街の古い珈琲屋を舞台に、そこを訪れる人たちの話が連作で7つ。
店の主人は、かつて、この商店街を悪質な方法で地上げしていた男を殺した罪を背負っている。
みなが恨む男を殺した為、刑期を終えた行介を商店街の住人は皆、以前と変わらず接してくれる。
かつての恋人、冬子も度々、店にお客として通い、そこに来るお客(多くは商店街の人々)の話に、必要なら、自分も関わる。
二人の静かな落ち着いた関係は、大人の雰囲気で好ましかった。
訪ねてくる人々の話は、介護問題あり、浮気問題あり。
笑って聞ける話というより、一緒に悩んじゃうような物が多いが、それゆえ、考えさせられる部分も多かった。
2編目の「シャツのぬくもり」は、クリ-ニング屋の夫婦の話で、妻が夫の浮気に気づくのだが、夫の言い分を知ったとき、ちょっとショックでした。
なるほど・・・・こういう事が浮気に走った原因だったのね?と。
浮気をした方を責めたくなるけど、妻としては、わたしもちょっと考えを改めなければいけないかな?なんて少し思いました。
話自体は地味ですが、こういうのは、ある程度の経験を積んだ大人なら、そこに登場する人々の話に共感したり、反感を抱いたりと、楽しめそう。
ラストは、行介と冬子の将来に明るいものがありそうで良かった。
でも、冬子さん、こんなに行介が好きなら結婚しなくて待てばよかったのに・・・・。
出所に合わせて、離婚したなんて、ちょっと都合良過ぎかも・・・・。
この部分だけ、最後まで引っかかりました。
この表紙の絵は、物語を読み終えてみると、雰囲気出てる絵だなぁ~と思います。
今は夏で蒸し暑いし、元々コ-ヒ-は苦手なのですが、アイスカフェオレが飲みたくなった^^;
★★★★
「珈琲屋」の主人・行介は、人を殺した。行介の恋人だった冬子は、別の男と結婚した。行介が刑期を終えたとき、冬子は離婚した。そんな二人の間には、時だけが静かに流れていた------。商店街で暮らす人々が「珈琲屋」で語った人間ドラマを七編収録。読み終わる、きっとあなたにも熱い珈琲が飲みたくなる・・・・。人間の微妙な心理を描き、じんわり温かい読後感があなたを包む。連作短編集。
(双葉社HPより)
以前、「真夜中の運動会」を読み、この著者では2作目に読んだ本。
商店街の古い珈琲屋を舞台に、そこを訪れる人たちの話が連作で7つ。
店の主人は、かつて、この商店街を悪質な方法で地上げしていた男を殺した罪を背負っている。
みなが恨む男を殺した為、刑期を終えた行介を商店街の住人は皆、以前と変わらず接してくれる。
かつての恋人、冬子も度々、店にお客として通い、そこに来るお客(多くは商店街の人々)の話に、必要なら、自分も関わる。
二人の静かな落ち着いた関係は、大人の雰囲気で好ましかった。
訪ねてくる人々の話は、介護問題あり、浮気問題あり。
笑って聞ける話というより、一緒に悩んじゃうような物が多いが、それゆえ、考えさせられる部分も多かった。
2編目の「シャツのぬくもり」は、クリ-ニング屋の夫婦の話で、妻が夫の浮気に気づくのだが、夫の言い分を知ったとき、ちょっとショックでした。
なるほど・・・・こういう事が浮気に走った原因だったのね?と。
浮気をした方を責めたくなるけど、妻としては、わたしもちょっと考えを改めなければいけないかな?なんて少し思いました。
話自体は地味ですが、こういうのは、ある程度の経験を積んだ大人なら、そこに登場する人々の話に共感したり、反感を抱いたりと、楽しめそう。
ラストは、行介と冬子の将来に明るいものがありそうで良かった。
でも、冬子さん、こんなに行介が好きなら結婚しなくて待てばよかったのに・・・・。
出所に合わせて、離婚したなんて、ちょっと都合良過ぎかも・・・・。
この部分だけ、最後まで引っかかりました。
この表紙の絵は、物語を読み終えてみると、雰囲気出てる絵だなぁ~と思います。
今は夏で蒸し暑いし、元々コ-ヒ-は苦手なのですが、アイスカフェオレが飲みたくなった^^;
★★★★
発行年月:2008年10月
自分の知性をひた隠し、アパルトマン管理人の典型を生きようとする未亡人ルネ。大人たちの世界のくだらなさに幻滅し、自殺を志願する12歳の天才少女パロマ。二人は並外れた感性と頭脳を持ちながらも、世間との係わりを拒み、自らの隠れ家にこもっていた。しかし、ミステリアスな日本人紳士オヅとの突然の出会いによって、二人の未来は大きく開かれるのだった-----哲学、映画、音楽、絵画、文学、そして日本文化へ自由自在に言及しながら、パリの高級アパルトマンに住む人々の群像をユニ-クに描き上げ、今世紀フランス最大のベストセラ-を記録した感動物語
(本の解説文より)
文芸誌に載っていて、今世紀最大のベストセラ-というので、ちょっと読んでみました。
舞台はパリの高級アパ-ト。
主人公は、そこの管理人。
前に読んだ、物語も偶然にもアパ-トの管理人が主人公だった!
こちらの主人公・ルネもとても常識的な人。
最初、自分をひどく卑下する言葉で自己紹介的な文がありますが、それは謙遜だと、読み進めていく段階で理解できます。
しかし、その生い立ちや結婚生活(夫は若くして癌で亡くなった)から負った諸々のことが彼女を本来の彼女の良さを、表面に出さないことで守ろうとしていたかんじ。
主人公はルネだと思いますが、アパ-トの住人のうち12歳のパロマがもう一人の物語の語り手として、登場します。
彼女は、優秀な頭脳の持ち主ですが、両親や姉、周りの人たちに対して、幻滅しています。
そして、日にちを決めて、その日に自殺しようと自身の日記に記します。
彼女が多くの人に対して、幻滅しているのですが、管理人のルネに対しては「優雅なハリネズミ」と形容しているあたり、二人には、何やら通じるものがありそうと予感させます。
優雅なハリネズミ=外見は棘でおおっていても心は高貴 とパロマの予想。
そして、二人があるとき、出会い、会話をする場面は、ジ~ンとしました。
ルネ54歳。パロマ12歳。
二人は親子以上の年の差ですが、友情には年齢なんて関係ないのだ!と思わせてくれました。
自分を理解し、認めてくれる人の存在が心を明るくする。
パロマの自殺願望が少しずつ薄れていく様子は、爽快。
そして、更に、日本人男性、オヅ氏の登場。
ルネは、いろいろな知識が豊富な人で、日本の映画、小津安次郎の作品「宗方姉妹」のファンであったことから、すぐにオヅ氏にも興味を持ちます。
オヅ氏は小津安次郎とは無関係な人なのですが、日本のいろいろな話を二人でして盛り上がる様子は楽しい。
著者自身もルネ同様、その映画が好きだそう。
わたしは、まだ、見ていない作品ですが、ちょっと見てみたくなりました。
人間関係に稀薄だったルネとパロマに更なる友人の登場で、ちょっと楽しくなってきたのに・・・
終盤あたりで・・・・えぇ~っ!?という事件!
なんだか、読んでいたわたしまで、ショックでした。
なんで、こんな展開にしちゃうのぉ!
でも・・・・・よく考えたら、これもありかな?
自殺願望を持ち、本当に死のうとしていたパロマが、生きるということに今度は力強く向き合うためには、こういう事も物語的には必要だったのかも。
最初は、やや難しい哲学的な話などで始まった物語でしたが、読んでいるうちに段々と引き込まれて行きました。
おもしろかったです!
自分の知性をひた隠し、アパルトマン管理人の典型を生きようとする未亡人ルネ。大人たちの世界のくだらなさに幻滅し、自殺を志願する12歳の天才少女パロマ。二人は並外れた感性と頭脳を持ちながらも、世間との係わりを拒み、自らの隠れ家にこもっていた。しかし、ミステリアスな日本人紳士オヅとの突然の出会いによって、二人の未来は大きく開かれるのだった-----哲学、映画、音楽、絵画、文学、そして日本文化へ自由自在に言及しながら、パリの高級アパルトマンに住む人々の群像をユニ-クに描き上げ、今世紀フランス最大のベストセラ-を記録した感動物語
(本の解説文より)
文芸誌に載っていて、今世紀最大のベストセラ-というので、ちょっと読んでみました。
舞台はパリの高級アパ-ト。
主人公は、そこの管理人。
前に読んだ、物語も偶然にもアパ-トの管理人が主人公だった!
こちらの主人公・ルネもとても常識的な人。
最初、自分をひどく卑下する言葉で自己紹介的な文がありますが、それは謙遜だと、読み進めていく段階で理解できます。
しかし、その生い立ちや結婚生活(夫は若くして癌で亡くなった)から負った諸々のことが彼女を本来の彼女の良さを、表面に出さないことで守ろうとしていたかんじ。
主人公はルネだと思いますが、アパ-トの住人のうち12歳のパロマがもう一人の物語の語り手として、登場します。
彼女は、優秀な頭脳の持ち主ですが、両親や姉、周りの人たちに対して、幻滅しています。
そして、日にちを決めて、その日に自殺しようと自身の日記に記します。
彼女が多くの人に対して、幻滅しているのですが、管理人のルネに対しては「優雅なハリネズミ」と形容しているあたり、二人には、何やら通じるものがありそうと予感させます。
優雅なハリネズミ=外見は棘でおおっていても心は高貴 とパロマの予想。
そして、二人があるとき、出会い、会話をする場面は、ジ~ンとしました。
ルネ54歳。パロマ12歳。
二人は親子以上の年の差ですが、友情には年齢なんて関係ないのだ!と思わせてくれました。
自分を理解し、認めてくれる人の存在が心を明るくする。
パロマの自殺願望が少しずつ薄れていく様子は、爽快。
そして、更に、日本人男性、オヅ氏の登場。
ルネは、いろいろな知識が豊富な人で、日本の映画、小津安次郎の作品「宗方姉妹」のファンであったことから、すぐにオヅ氏にも興味を持ちます。
オヅ氏は小津安次郎とは無関係な人なのですが、日本のいろいろな話を二人でして盛り上がる様子は楽しい。
著者自身もルネ同様、その映画が好きだそう。
わたしは、まだ、見ていない作品ですが、ちょっと見てみたくなりました。
人間関係に稀薄だったルネとパロマに更なる友人の登場で、ちょっと楽しくなってきたのに・・・
終盤あたりで・・・・えぇ~っ!?という事件!
なんだか、読んでいたわたしまで、ショックでした。
なんで、こんな展開にしちゃうのぉ!
でも・・・・・よく考えたら、これもありかな?
自殺願望を持ち、本当に死のうとしていたパロマが、生きるということに今度は力強く向き合うためには、こういう事も物語的には必要だったのかも。
最初は、やや難しい哲学的な話などで始まった物語でしたが、読んでいるうちに段々と引き込まれて行きました。
おもしろかったです!
★★★★
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kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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