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読んだ本の感想あれこれ。
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c17fcdca.jpg    発行年月:2005年8月


    増加する若年齢層の自殺を防ぐため、
    政府は青少年自殺抑制プロジェクト(YSC)を
    立ち上げた。

    しかし、そのYSCの実態は、実に恐ろしいもの。




小学生~中学生の子ども達には、人気の作家さんみたいですね。
我が家の娘たちもよく読んでいます。

何がいいのか?探りたくもあり、「お薦めがあったら教えて」と、この書を薦められ読みました。

が・・・・わたしには、正直、この作品は、得るものが無かった・・・苦笑。

子ども達が、面白いという意味は、なんとなくわかりましたが・・・。

話の題材は、なるほど、なかなか面白いと思います。
若年齢層の自殺を防止するための、プロジェクトYSC.
その実態は、実に残酷なものなのですが、まあ、そういうのも物語としては良しとしましょう。
しかし、なんとなく矛盾だらけなのです。

冒頭で、そのプロジェクトにより、自殺者減少の確かな効果が表れているとありますが、
この残酷なプロジェクトによって得られたものは、どう使われているのか?
そして、効果があると思われるのに、更にこのプロジェクトを続け、それにより新たな犠牲者を出すのは何のため?

どうも、その辺が、わたしには引っかかり、なんとか最後まで読み終えましたが、正直
「おもしろかった」とは思えませんでした。

しかし、この本の主人公たちと同年齢の子ども達が「おもしろかった」というには、やはり大人には解らない何か魅力があるのでしょうね~。

以前、読んだ「その時までサヨナラ」は、まあまあ楽しめるものだったので、あのような酷な部分もあるけど、何処かで救いのある物語なら、また読んでみたいな。

これは、あまりにも酷な部分ばかりで・・・・^^;

★★
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9f15938e.jpg発行年月:2004年12月


天明六年、江戸を襲った大雨の夜、甥の定次郎を何者かに殺された立原周乃介は、その原因を調べていくうちに、定次郎が米問屋柏木屋のことを探っていたことを知る。柏木屋の主人、仁三郎にはどうにも後ろ暗い過去がある。核心に迫る周乃介の周りで、不穏なことが多発するようになり--------。


鮮烈のデビュ-作、時代劇ミステリ-登場!


                                    
(本の帯文より)

北氏の書は、これで3冊目かな?
やはり時代小説の方がいいなぁ~。

話がわかりやすいので、容易に物語の世界に入り込めます。

最初から、何者かに殺される男の描写。
その殺された男の叔父にあたる男・周乃介が事件の真相と犯人を捜すミステリ-仕立て。

江戸の町の風景もすんなり頭に描写として浮かびます。
長屋暮らしの庶民。

歴史的背景としては田沼意次が罷免され、将軍・徳川家定が没する時。
そして、江戸の各地に起こった大水害。凶作による米価高騰。

そんな時代に庶民が受けた諸々も物語のなかで出てきます。

冒頭で殺された男・定次郎もそんな幕府の大きな変革に巻き込まれたよう。

定次郎と恋仲だった遊女の「沙羅」がなんとも不憫。
遊女になった経緯も、なんとも哀れ。
しかし、どこか落ち着いた品のある佇まい。

甥の定次郎と惹かれあった仲だが、甥の死の真相を追ううちに沙羅とも出会い、周乃介自身も沙羅に惹かれる。
そして、沙羅も。
最初は、定次郎の仇を討って欲しいと願っていたが、やがて周乃介が無事でいてくれる事を願うようになる。

そんな二人が、一時は幸せそうだったのが、少し救いだったかな?
沙羅もその瞬間はきっと幸せだったでしょう。
でも、切なかったなぁ~。

ラストはハラハラドキドキ。

この方の時代物は、やはり素敵!(まだ、これで時代物は2作目ですが・・・^^;)


これ、映像化しても十分、面白そう。

★★★★★

5a18ea62.jpg発行年月:2009年7月

祗園祭宵山の一夜に繰り広げられる6つのお話。

お祭の賑わいのなか、読者も共に不思議な世界に迷い込む。

森見ワ-ルド全開の面白さ!





表紙の絵が、物語の雰囲気にピッタリ!

6つのお話は別々のようで、同じ祗園祭宵山という共通の時間に起こった話。
登場する人々も少なからず関係していて、繋がっている。

京都の祗園祭は、日本三大祭りにも数えられるものですが、実際に見たことはありません。
これを読むと、祭りの賑やかなかんじが目に浮かぶよう。

京都という土地柄もあり、森見氏の今までの物語にあった、どこか懐かしいような不思議な気分も味わえました。

先ず最初の話で、バレエ教室の帰り、幼い姉妹が迷い込む、別世界に連れ去られそうな不思議な体験。
その後も何やら不思議なものが登場。
超金魚だったり、宵山様など。

偽祗園祭りを作る計画の祗園祭司令部の仕業なのか?実際に起こっている出来事なのか?

グルグル時間も戻ったり、先に進んだり・・・・・


まるで、この物語自体が万華鏡のようでした。

楽しい!楽しい!

森見さんの今までの作品の中では、一番好きかも!

まだ森見作品は読んだ事ない方にもぜひぜひ、読んで欲しい!

★★★★★
9db795c5.jpg発行年月:2009年6月


ミステリ-、SF、ファンタジ-、ノンフィクション等々・・・・あらゆる小説の形式と恩田作品がもつ魅力のすべてを投入した「夢十夜」を思わせる全く新しい小説集。フランス文学者・杉本秀太郎による序詞(詩、俳句、短歌)に秘められた謎と、希代の新鋭画家による10のイメ-ジに誘われた摩訶不思議な10の作品世界。本好きであれば手許におかずにいられない恩田ファンには必携の奇書、ここに誕生

                      (朝日新聞出版HPより)



恩田さんの魅力が詰まった10のお話でした!
満足!満足!というかんじ。

10の話、どれもそれぞれ好きでしたが、幾つか特に好きなのを挙げると・・・・

「Y時路の事件」
大きな衝撃音を聞いたという複数の人の証言を辿るはなし。
その音を聞いたときの証言は、殆どの人が、おなじ描写なのになぜか、そこには大きな時間差がある。・・・・不思議。


「窯変・田久保順子」
比類なき、才能を持って生まれた女性。
だが、彼女の才能は見過ごされたまま、彼女はその短い命を終わらせてしまう。・・・異様で切ない。


「夜を遡る」
グレメが上がってくるから川には近づくな。大人に言われても好奇心に勝てず、川に近づく三人の子ども。・・・・人間界の話ではないみたい?ファンタジックな不思議な余韻。


以上3つの話が、わたしには印象深かった。
でも、他の話もそれぞれ良かった。

恩田さんファンなら、この良さを共感できると思います!
が・・・・不可解なものをそのまま置き去りにすることを理解できない(好きではない)方には、もしかしたら・・・・なんじゃこりゃ!?と思われちゃうかも。

けど、わたしは、好きです!この本!


ただ、コラボしてる序詞と絵画の良さはイマヒトツ、わたしには理解出来なかったのが残念。

 
★★★★
c1b36479.jpg   発行年月:2009年2月


  お兄ちゃんが人を刺すなんて・・・・
  <英雄>に取りつかれた最愛の兄を追って、少女は
  物語の世界に降り立った。
  そこで彼女は、すべての物語が生まれ帰する一対の
  大輪を前に、恐るべき光景を目にしてしまう--------。

                      
(毎日新聞社HPより)


冒険ファンタジ-というかんじでしょうか?
前にあった「ブレ-ブスト-リ-」と似た雰囲気だなぁ~というかんじ。

今回、冒険の主人公は11歳の女の子・友理子。
物語の世界(無名の地)では、印を戴く者として、ユ-リと呼ばれる。


上巻では、行方不明になった兄を探しに妹が、無名の地なる場所に出向くまでの話。
まだ冒険と呼べるものは始まっていない。

兄は、心優しく、賢い14歳の男の子。
その兄が、同級生を刺したという衝撃の事件から物語が始まります。

事件の後、すぐに姿を消した兄の消息は?
上巻では、その事件にかかわりある少女の証言はありますが、詳しい事はよくわからないまま。

下巻で、どうこれが展開していくのか?
心優しい少年が人を刺すまでの残酷な行為に走った本当の原因は?


正直、上巻だけは、この物語の評価は難しいなぁ~。

読みやすかったけど・・・・^^;

早く、下巻を読まなきゃ!

★★★
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