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読んだ本の感想あれこれ。
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68dc4fa6.jpg発行年月:2009年1月


不思議な建築物にまつわる4つの物語。
廃墟は現代人の癒し空間。だが、人が住んでいることが発覚し「偽装廃墟」が問題になって・・・

表題作ほか、ありそうでありえない建築物を舞台に繰り広げられる、不思議で切ない三崎ワ-ルド

                    
(集英社HPより)

「となり町戦争」以来の三崎さんの作品。
最初に読んだ、この作品では不思議な世界のすぐには目で確かめられない恐怖みたいなものを
感じ、面白いものを題材にする作家さんだなぁ~と思った記憶。

そして、この本の4つのお話も、似たような雰囲気。
どれも不思議なことが常識としてある設定。

『七階戦争』では、全ての建物の7階を撤去することに決まり転居を強いられる人々。
『廃墟建築士』では、廃墟を建築することは国も認めることだという。
『図書館』では、深夜零時になると図書館の本は野生に目覚めるのだとか。
『蔵守』では、何も中に入ってないと言われている蔵を守り続けなければならない人がいる。


今の社会では、そんな馬鹿な!?ということが、それぞれの話の中では常識としてある。
そんな世界に自分が入ってしまったような感覚でその不思議さを楽しめました。

最初から3つの話は、結構、不思議さを楽しみながら読みましたが、
最後の『蔵守』は、ちょっと切なかったなぁ~。

★★★★
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e683880f.jpg発行年月:2009年3月


4回ふられても
わたしはまた、恋をした。

なんてことだろう。
あんなにつらい思いをしたというのに。

                       (本の帯文より)

7つの恋のおはなし。
表題作「くまちゃん」は、最初に登場。
くまのTシャツをいつも着ている男性に毎年恒例の花見の席で初めてあう苑子。
「くまちゃん」は、苑子がいつも着ているTシャツを指して呼んでいる。

「くまちゃん」は、よくわからない人。何を考えているのやら??
苑子はくまちゃんの何処がすきなのか??本当に好きなのか??
でも、くまちゃんは去ってゆく・・・・・

この最初の恋物語を読んで「なんじゃこりゃ???」でしたが

次のお話でその「くまちゃん」が別の女の子と出会い、今度は最後、ふられる。
最初の「くまちゃん」は、ややク-ルな印象だったのに、ここでは結構、必死にその恋にすがろうとしている。
そのギャップがおもしろい。

そして、次の話では・・・・と次々、前に登場の人が、また違う人と出会い、恋に落ちふられる。

6作目の「光の子」だけ、ちょっと異質で、切なかったかな?

帯文にあった4回ふられても・・・は最後の「乙女相談室」の山里こずえのこと。
4回ふられても恋をして、結婚。しかし、それも離婚という結果。
考えれば、ふられっぱなしの人生で、これって異常?と悩むこずえ。

ここで、登場した人、もしかして前の話に出てきた人?なんて思って、また前の方をパラパラめくって確かめたり・・・・^^;

最後まで楽しく読みました。
こういう進行おもしろいな。

★★★
c76ff85a.jpg発行年月:2006年4月


トライアスロンに賭ける少年たちの青春!

市町村合併を控えた、北関東のとある海岸近くの村。
村に住む中学三年生の優太・姫・モ-次郎は、ひょんなことからトライアスロン大会に出場するはめに・・・・・。
ちょっぴりスラップスティックな傑作少年小説!
第22回坪田讓治文学賞受賞作

                                          (集英社HPより)

長女に薦められて読みました。
国語の問題にこの一文があり、どんな話か興味あると図書館で探して借りた本。

三人の中学生の話ですが、この年頃の悩みって結構、いろいろ。
悩みのタネは恋であったり、部活動であったり、家族であったり。

優太は、小学校時代は、サッカ-でちょっと周りに名の知れたプレ-ヤ-だったが、膝を痛めてから全くサッカ-の技が冴えなくなり挫折した経験あり。

モ-次郎(の家は、牛乳屋さん。
いつも明るいモ-次郎だけど、過去には、ちょっとものあり。

姫は、美形で女子からの人気NO1!水泳部で200m自由形の県中学記録保持者。
引きこもりの父親と二人暮らし。


それぞれ、悩みを抱えながら、ひょんな事から一緒にトライアストンの大会に向けて頑張る日々が始まる。
優太とモ-次郎の仲は最初から悪くないけど、姫の態度が二人には気に障る部分あり、喧嘩やお互いを罵る事が多かった。
それが、段々と本音で思っている事を言い合える仲になり、やがては、かけがいのない友情で結ばれる。
その過程が、なんとも言えず、いい!

最後は、ちょっと衝撃的、事件もあったり、単純な青春小説とは違う深い感動がありました。

感動で泣けます。

中学生には特にお薦めです!

 
★★★★★
                                                          
449b20d5.jpg発行年月:2008年10月


どうして人は美貌に惑わされ
容姿にこだわるのだろう。

目の前に現れた男が、美しい顔で港子を誘う。
母親の恋人に唇がそっくりなその男・・・・。
警戒心がやがてその魅力に
打ち砕かれるとき、彼女は--------。

                                      
(本の帯文より)

ササ~ッと読めちゃうかな?
林さんの本では、よくある、いわゆるセレブな世界の人たちが物語の登場人物。

主人公の唐谷港子は30歳でテ-ブルコ-ディネ-タ-である52歳の母親が通う美容整形クリニックの院長と三人の食事の席で、「うちで働かないか?」の誘いで院長の秘書としてクリニックに勤務している。

クリニックに来る客は、女優であったり、モデルであったり・・・。
外見の美を何より重んじる人たちが集まる。

そんな港子自身も外見を磨くことは、女性として当然とした考えで、その美貌を求める妻子持ちの男性・室田と作家志望の美形の男性・翔一を両てんびんにかけて楽しむ日々。

あまりにも、自分の現実とかけ離れた世界であり、考え方の人たちの話なので、あまり考え読んでいましたが・・・・
大学院生でモデルのバイトをしている・泰生と出遭ったところから、面白くなりました^^;

そして、ラストは、ちょっと酷い。可哀相。

泰生って外見より中身で十分、ステキな男性だったのかも?
相手の事を気遣っていたし・・・。

でも、港子を冷たい女と責めきれない部分もあって、なんとも後味がスッキリしないお話でした。

モヤモヤ感だけが尾を引いたかんじ。


★★★

c0f8b2e6.jpg発行年月:2007年7月


社宅に隠された秘密とは?

5年生に進級する春、森(シン)は父親の転勤で東京から北九州へ転校することになった。わんぱくで怪我は絶えないし、物は壊すし、友だちは泣かせるしで、いじめっ子で乱暴者というレッテルをはられていた森の転校を聞いても、先生どころかクラスメイトのほとんど誰も残念がってはくれなかった。そんな森だったが、引っ越し先の社宅の子どもたち----ココちゃん、あや、竹本兄弟、パックとは不思議に気があった。彼らは森をまるごと受け入れてくれた。しかし森は次第に感じていた。この社宅には何か秘密がある。もしくは謎が・・・・・・。

                                        (講談社HPより)

最近、ちょっとマイ(ファミリ-)ブ-ムの加納さん。
過去作品をあれこれ借りて読んでます。

分類でいうと児童書なのかな?
絵も多かったし、字も読みやすいよう行間が広くあり、ふり仮名もあったので。

でも、これは、大人のわたしが読んでも十分面白かった。
只今、次女に本を渡して・・・・多分、その後、本は主人へ行くでしょう(笑)

小学5年生の高見森(たかみ しん)君が主人公。
東京の小学校では、腕白でガキ大将というかんじ。
そんな彼が父親の転勤で北九州のとある場所にある社宅での暮らしを始めます。

相変わらずの腕白ぶりですが、周りの子ども達は森をすんなり受け入れてくれます。

自分の居心地の良い環境にいることって、すごく幸せですからね~。
あ~よかったよかった!なんて思ったりして。

でも、その社宅には、ちょっと不思議な子がいて・・・・・

子ども達が大切なものを団結して守り抜こうとしている気持ちには感動でした。
実際問題で考えると、ちょっとそれって難しくない?もっと良い解決方法あるはずじゃない?
なんて思ってしまうけど、純粋な子ども達の気持ちを尊重したまま終わるのも良いと思う。
変に大人が絡んで来ちゃうとつまらなくなっちゃうだろうし。


最後まで読んで、物語の最初のエピロ-グをもう一度、読み返しました。

最後の方に、ちょっとした驚きの真相があり、それを確認するために最初の方をササッと再読。

やはり加納さんの作品は、いいなぁ~

家族で楽しめる作品ばかり(^^)


著者のちょっと長めのあとがきも、よかった。
物語の森くんと似た様な転校の経験あったとか。
作中の九州弁を話す子どもたちがすごく可愛かったけど、ご自身も使っていたんですね~。


森君たちがもうちょっと大きくなった続編も書いて欲しいなぁ~。


★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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