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読んだ本の感想あれこれ。
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b0046507.jpg発行年月:2000年2月(文庫)


妙な振る舞いをする女の子、噂の幽霊を実地検証した顛末、受付嬢に売り子に奮闘した学園祭、クリスマス・イブの大事件・・・・・文章修行を始めた駒子だが近況報告のように綴る物語は。謎めいた雰囲気に満ちている。ややあって届く返信には、物語が投げかける謎に対する明快な答えが!
デビュ-作『ななつのこ』に続く会心の連作長編ミステリ。

                        (東京創元社HPより)

少し前に『ななのこ』を読みました。
物語は、今回も駒子が日常で感じたことを綴る形式。
ただし、物語にしてという設定。
そして、それを読んだ感想を瀬尾さんが手紙で送ってくる形式。

このやりとりは第一作とさほど変わらない。
駒子の日常の少し疑問に持つ出来事に対して、その予測みたいなものを瀬尾さんが送ってくるのもおんなじ。
日常の出来事はどれも読んでいて楽しい物なので、いいのですが、この形式にやや飽きました^^;

今回は、更に、瀬尾さんの感想文の後、謎の第三者が駒子の日常を覗き見ているかのような手紙を送って来るほうが気になりました。

その謎は最後に明かされて・・・なるほど!と最後に楽しめたので、読んだ甲斐はあったかな?


シリ-ズ3作目も一応、手元に借りてあるので、読んでみたいと思いますが、今までの加納さんの作品とは違い大した感動がないのはどうしてだろ?
わたしだけかな?と思ったら、同じく既に三作読んでいる主人も同様の感想でした。

★★★
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f0885778.jpg発行年月:2009年4月


現実と幻想のアヤフヤな存在で未熟者だから念力は3分間しか続かないけど、困った人を助ける為に旅をしているのだという足みじかおじさんのお話

副題どおりの おとなのメルヘン



35編の短いお話。
足ながおじさんは有名だけど、目立つのはイヤだという足みじかおじさん。

困っている人の側にいつの間にか現れ、どうして困っているのか?話を聞いてあげる。
そして、助けてあげる。
助けたあとで、自分は困った状況に陥ることもあるのに、助かった人の事を喜んであげる。

人間以外の者(動物だったり妖精だったり・・・)にも手助けしているのも面白い。

以前は人気者だったTVの人気キャラクタ-・おたすけキットがもう一度、人気者になりたいとおじさんにお願いする話は愉快であり、それに応えるおじさんの言葉はなかなか奥が深い。

自分も同じような立場だけど「助ける人は目立たない方がいい・・・・」と。

おじさんは、アドバイスした後、一人になって「あれで良かったのかな?」と度々するのですが、ここでは「そういう方法があれば、自分も一度くらい人気者になりたかった」と洩らすのが、面白くもあり切なくもあり・・・。


最後のあとがきで、やなせさん90歳になられたんですね?
ビックリ!

★★★★
1df9b899.jpg発行年月:2001年6月


1960年、小学校4年生のマリは、プラハのソビエト学校にいた。男の見極め方やセックスのことを教えてくれるのは、ギリシャ人のリッツァ。ル-マニア人のア-ニャは、どうしようもない嘘つきのまま皆に愛されていて、クラス1の優等生はユ-ゴスラビア人のヤスミンカだ。30年後、激動する東欧で音信の途絶えた彼女たちと、ようやく再会を果たしたマリが遭遇した真実とは-----。

                       
(本の帯文より)

先日、読んだ、「打ちのめされるようなすごい本」が、すごく面白かったので、過去の出版物に大いに興味を持ち先ずはこちらの書を読みました。

これもまた引き込まれるように、読みました。

米原万里さんは、お父様が日本共産党員でそこからの派遣でプラハの『平和と社会主義の諸問題』という雑誌の編集局勤務をしていたそう。

同じように父親が共産党員である子ども達が多く、ここで登場するリッツア、ア-ニャ、ヤスミンカの家族も共産主義こそ人類最高の考え方をしている。

みんな同年齢なのだが、国はバラバラ。
ソビエト学校には、実に多くの国々の子ども達が集まって学んでいたらしい。
生まれた時から祖国を離れている者も多いけど、愛国精神は皆、とても強く自分は国の代表としてここに居るのだと思っているからスゴイ。

そして国は違っても、かけがえのない友情は育つものだと思いました。
しかし、激動の時代ゆえ、元々は差別な平等な理想社会をめざし闘う仲間同士の親たちが、国が違いその考え方にズレが生じると相手の事を汚く罵りあう。
子ども達の育んだ友情も哀しいことに隔てられたり・・・・。

米原さんがプラハに居た時代に知り合った人たちを30年後に訪ねるのもすごい。

日本に帰国した米原さんは友人たちと文通をはじめるのだが手紙が届かなくなりありそれは資本主義の国とは関わりを禁じられていたからとソ連崩壊後に知ったとか。

それでも、友人たちの安否が気になり、再会を願って訪ねて行く。
絶対、会えないでしょ?というような状況にも関わらず、運よく、皆と再会出来て、読みながらこちらまで感動しちゃいました。
再会した友だちはそれぞれ、社会的にも立派に活躍されていたのもすごい!
そうなるまでの苦労も並じゃなかったでしょうに・・・・・。

激動の東欧社会(最近は中欧に分類される国もあるそうですが)の歴史も万里さん自身が体験してきた事実と照らし合わせて読むと、、頭に整理されて入ってくるかんじがして、いろいろと学ぶ事が多い書でした。


う~ん、やはり米原さんってスゴイ方だわ!

文章が読みやすく、時にはユ-モアで笑わせてくれます。

これもお勧めの本です!


★★★★★


6e813a69.jpg発行年月:2009年7月

ともしびマ-ケット鳥居前店に集まる人々のそれぞれの日常を描いた連作短編集








9つの短編の主人公たちが、ともしびマ-ケットという共通の場所を介して、繋がっていく。
最初の「いい日」では、ネスカフェの大瓶をよく買う女性と遭遇する女性がある日を機に顔見知りになる話。
他にもマ-ケット内で働く人、マ-ケットの前の郵便ポストに寄りかかり、洋書を読んでいる男性、女子高校生などが登場するが、最初のお話のネスカフェをいつも買う女性と繋がっていたり、また違うお話の人同士が実は・・・みたいな関係だと明かされていく。

朝倉さんの独特の言い回しも、人と人の不思議な縁のようなものをより、可笑しいものにさせてくれるよう。
ひとつひとつは他愛もない話なのに、繋がっていくことで、どんどん面白くなる。

最後の話では偶然が偶然を生むかんじで、一同勢ぞろいとなるのがまた可笑しい。
少々、やり過ぎじゃない?と思いつつも、こういうのも愉快でいい。
わたしは好き♪

後ろのあとがきに、この本が出たのは最近だけど、新人賞を取って間もなく、ある編集者さんに勧められて掲載するあてもないが、トレ-ニングの意味で連作短編を書いたそうで、この本は、それらが元になっているのだとか。
だから、朝倉さんにとって、この本はすごく、すごく大事だそうです。

そして、フリ-の編集者になった、そのお世話になった編集者さんが担当でなきゃイヤだと言い講談社さんがその願いを聞き入れてくれたのだとか。

う~ん。いい話じゃない!
その部分だけでも物語になってる!
なんて、最後の最後でなんだか良い気分になりました(^^)

★★★★

ff0029b9.jpg発行年月:2004年8月


失恋の痛手から立ち直れず、もう二度と人を好きになるまいと決めていたぼくだったが・・・・。鉱物を売る店で働く大学生の「ぼく」を主人公に、美しい石に託された人の心を描きだす。
青春純愛小説。


                     
(集英社HPより)


鉱物を売るお店って、ちょっと珍しいなぁ~なんて最初に思いました。
物語のなかに沢山の鉱物の名前が出てきて、それらは、わたしにとって全く知らない物でしたが、どんな石なんか実際に見てみたくなりました。

物語の主人公桜井君は、優しい青年。
失恋の顛末はあまりにも彼にとっては酷な状況。
相手の女の子はちょっと酷いよ(怒)!

そんな彼が惹かれたバイト先のお店にお客として来た雪衣。
初対面から雪衣は桜井君に不思議なまなざしを送り「?」と思うのですが、その理由は後で出てきました。
う~ん、桜井君、またしてもその優しさを利用されちゃうの?なんてハラハラ・・・。

お店のオ-ナ-と奥さんの思い出話がステキ。
お店を始めた経緯も。

そして、お店の先輩アルバイト類家さんも良い人だったなぁ~。

物語の男性陣がみんな良い。

新しいバイト人の安斉くんも最初は何やら危ないかんじの人かと思ったけど、結局、人の心を救っていた。

過去に傷ついても新しい出会いで、人はほかの人の癒しになったり癒されたりしていくんだなぁ~。
人との出会いって面白い。ステキ♪
そんな風に思わせてくれる物語でした!


★★★★
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