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読んだ本の感想あれこれ。
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efcc11fa.jpg    発行年月:2009年8月


    短編の名手が贈る“世界一うつくしい物語”

    美人だけど性格が悪い僕のおばさん。
    でも彼女は、正真正銘の天使だった。
    なぜなら、自分の命を分け与えることができたから-----


                         
(文藝春秋HPより)


表題作を含む7つの短編集。
どの話も著者独特のノスタルジックな雰囲気の優しくて温かいお話でした。

時代は昭和40年代あたり?
わたし自身の子ども時代にもダブるので、懐かしさ倍増です。
物語の中に、自分も見ていたTV番組「巨泉・前武ゲバゲバ90分!」やら「フィンガ-5」が出てきたり・・・笑

朱川さんの話には、ちょっと不思議な話が多いのですが、今回も幾つか。
表題作の「あした咲く蕾」に出てくる叔母さんは、自分の命を少し相手に分けてあげられる能力を持っていた。
「雨つぶ通信」では人の心が読めてしまう子が居たり

でも全部の話に共通していたのは、人の優しい気遣いが切なくもあり、温かくもありひとつひとつのお話に感動しました。

最後の「花、散ったあと」なんて、もうなんていうか・・・・泣けました。
それは哀しいのか?嬉しいのか?
切ないほどに美し過ぎる優しい気持ち。


短編集って、暫くすると「どんな話だっけ?」と忘れちゃう事多いけど、
これは題名で思い出せるかも。

★★★★★
PR
077e7bdb.jpg発行年月:2009年8月


私の知らない彼の秘密

結婚を約束していた遼平が、アムステルダムで急死した。
一年後、死を受け入れられない美樹は、彼の過ごしたヨ-ロッパを訪れる。
愛をめぐる女性の心の旅を描く、小地真理子の真骨頂。


                   (集英社HPより)

男性は、離婚歴があるが独身。女性も婚約者と別れた過去はあるが独身。
二人の恋に何ら障害はないのだけど・・・男性が突如、仕事先でもある異国で急死の連絡。

なんて、残酷なスタ-トなのぉ~(/_;)

一年後、彼から電話やメ-ルで知ったヨ-ロッパの各地を、男性の幻を追うように旅する女性。
切ないです。
痛々しいです。

彼との幸せだった思い出を頭に描きながら、今、目の前に彼がいるような錯覚を覚えてしまう美樹。

物語は、ヨ-ロッパ各地を旅する様子と、彼が亡くなった後の日本での美樹の行動などが時々、交錯しながら進んでいく。

自分は彼のことが好きだったが、本当の彼はどうだったんだろ?
彼は自分といて、本当に幸せだったんだろうか?
彼の生い立ちには、やや暗いものがあり、その辺での自分には言えない心の闇を抱えていたままだったのでは?
部屋で亡くなって数日後に発見され、事故ではないとされたが、本当の理由は?
などなど悪い方にばかり考えが巡っていく。

これはいったいどういう結末なんだろ?とやや重い気持ちになりながら読みましたが、ラストはそんな状況のなか、少し心が軽くなれたのはホッとした。

ヨ-ロッパ各地の様子も想像しながら楽しかったし。

アムステルダム国立美術館で思い出に浸る場面は映像化されたらステキだろうなぁ~。

でも、どんな美術館だろ?
早速、調べました!   こちらにて。

あ~ステキな美術館!わたしも行ってみたい!!


ロマンチックな大人の純愛スト-リ-というかんじで、素敵でした!

これは、再読したいな。

★★★★★


                         
7dac9950.jpg発行年月:2008年10月


そもそも二人は、なんでもなかったのだ。
あとから考えても線引きはできない。

人生に突如起こる取り返しのつかないこと、日常に潜む不穏との境目を鋭敏に描き出す、注目の作家・椰月美智子の最新作

                 
 (本の帯文より)


以前、『体育館座りで、空を見上げて』を読み、なんとなくこの人の書く文章は好きだな。と思っていて短編ならどうなる?と思い、こちらを読みました。

表題作を含む10編の短編集。

帯文に書かれていた最初の文は、表題作の中にある言葉。
不倫していた夫の相手が妊娠していることを告げられた妻が「どっちが好きなのよ」と問うと夫は
「わからないんだ」と答える。君と過ごした11年と同じ年月を彼女と過ごした後じゃないと比べられないんだ・・・・って。
ここで、逆上して修羅場にならないのが何となく面白い。
万が一自分の夫がおなじ状況を告白したら?なんて想像すると・・・・わたしは案外、この女性と同じ行動パタ-ンかもな。なんて思ったりして(苦笑)。

著者があとがきで書いていたけど、この10編は自身が結婚後に書いた短編を集めたもので、結婚以前に書いたものに『みきわめ検定』という短編集もあるそう。
それも読みたい!と思ったら、図書館に蔵書がなく残念でした(/_;)
リクエストしようか思案中。

10篇の短編はなるほど、そうしてみると、夫婦の日常の事を書いていたりするものが多い。

ちょっと他のとは違う雰囲気だったのは
「プ-ルサイド小景(仮)」と「七夕の夜」かな?
ちょっと異質なものを描いている?

「七夕の夜」は、七夕祭の夜店など賑やかな場に両親と出かけた4歳の女の子・かなえの話。
そこで体験した事は、同じように幼い頃、高校生か大学生の従兄弟に連れられて行った先で、私自身が経験した事に、かなり似ていて、当時の様子が鮮明に蘇ってきて怖かった。
この著者もきっと自身が同じ体験してるんじゃないかな?なんて妙な親近感が沸きました。


10篇とも、かなり面白かった。(↑1つは怖かったんだけど・・・^^;)

やっぱり、この作家さんは好みだと再認識しました!

★★★★
3b15bbba.jpg発行年月:2004年5月


無数の物語が、ギリギリのところですれ違ったり、ときに交錯したりしている。それは誰の身にも、きっと起きる。
もちろん、私自身にだって。
大切なのは、それに気づくかどうかということ。

『ななつのこ』 『魔法飛行』に続く
待望の駒子シリ-ズ第三作

                                        
(本の帯文より)

『ななつのこ』は、独特の形式に驚きつつ感動し、『魔法飛行』は謎の手紙の送り主の真実にまたまた最後、驚き、そして続く三作目。

最初の「スペ-ス」は、いきなり手紙。
これがまた長い手紙で、内容は他愛もない事なので、少々、途中は飽きました^^;
が・・・・今までの加納さんの作品は、これが後で活かされるのだから・・・・となんとか頑張って読みました。
で、次の「バック・スペ-ス」は、駒子と同じ短大に通う、まどかの話。
「スペ-ス」にあった、長い手紙の全ては、まどかが双子のはるかに宛てて書いたものだと途中で気づきました。

そして、まどかの話がなかなか良い話で・・・。
じ~んと胸の奥に温かいものが溢れるかんじでした。

で、またまた最後にびっくり&嬉しい事実!
へ~そうだったんですか!!??

今回は、瀬尾さんと駒子から離れた話だと思いながら読んでいたので、ラストは嬉しかった!

じゃあじゃあ、ダブルで再会という話はないのかしら?なんて一人想像したりして(^^)

駒子シリ-ズはこれで終わりかな?
続きがあっても楽しそうだけど・・・・


わたしは『ななつのこ』~3作をほぼ連続で読みましたが、これらが作品として発行された期間は結構、空いてるんですよね?
『ななつのこ』が加納さんのデビュ-作で、この『スペ-ス』はそれから10年以上、経っている!
著者の加納さんも「はじめに」で、その辺のことを書かれていましたが・・・・。


シリ-ズ3作の中では、まどかさんのお話(バックスペ-ス)が一番好きだな。

★★★★
722ff8e7.jpg発行年月:1993年5月


ジャズピアニストのおふくろは、あいつと再婚するんだろうか?

事故で父親と片腕を失った少年と、母親がつむぐ新しい家族の物語。


                         (偕成社HPより)



『サマ-タイム』の続編ですが、お話は、サマ-タイムのサイドスト-リ-のようなかんじ。
こちらにも2編の話が収められています。

表題作「九月の雨」は、16歳になった広一が、母親の再婚相手になるかもしれない男性・種田との関わりについて語る。
時々、3年前(サマ-タイムの時期)出会った進と佳奈と過ごした夏の思い出を振り返りながら。

種田は、今まで母が付き合ってきたタイプの男性とは、正反対で、見映えもしないし、話をしていても冴えないかんじで、彼といるとイライラ感さえ感じてしまう。

ある日、母の留守に訪ねてきた種田を最初は、疎ましく感じながら接する広一だが、ある事を一緒にやるうち、種田の本当の人間性に気づく。
広一の心の変化が読んでいて、嬉しかった。

きっと新しい家族を広一も温かく迎えるんだろうなぁ~なんて思いました。

もうひとつの話「ホワイト・ピアノ」は、14歳になった佳奈。
広一が引っ越してから届けた手紙は、あまりにもそっけないものでややガッカリしている。
でも、いつも心の中には、弟の進と三人で過ごした夏の思い出は大切にある。

ピアノの修理工場の社長令嬢・亜紀に「ホワイト・ピアノを見に来ない?」と誘われ遊びに行く。
亜紀は大人びた物言いをする子で、ロマンチックな夢を語ったり・・・。
そんな亜紀と話をしていると、やはり広一の事が頭に浮かんで来る。

ホワイト・ピアノを調律している千田という26歳の青年。
初恋の人が、ある日、そのピアノを突然、買いに来たが、気に入らないと言われてしまったのは気の毒だったな。
でも、その後の千田青年の行動は感動。
優しい人なんだなぁ~。

そんな優しい彼に接しながら、佳奈は再び、広一の事を想う。

彼と二年前に喧嘩しちゃったこと。そのまま引っ越して行ったこと。
そっけないと思った手紙だけど、わたしの事をまだ想ってくれているのかも・・・・。

なんだか、切ないな。でもすごくいいな。

実際は前作『サマ-タイム』の最後に、大人っぽくなった広一が佳奈の家を訪ねて二人は再会する場面があるので、この物語は、そこに行くまでの二人の出来事という事かな?


今回の挿絵も毬月絵美さん。どれもステキでした。
色つきで全部見てみたい!

わたしは、単行本で「サマ-タイム」「九月の雨」と読みましたが、文庫本「サマ-タイム」には、単行本にそれぞれ2つずつあった話、全4話が1冊に収められているようです。

これを読んで、ちょっとでも興味を持たれた方は、文庫本で一挙に読むのもいいかな?
その場合の挿絵はどなたでしょう?
そこまで、調べてなくてすみません^^;

★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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