発行年月:2009年6月
すべての日本人が忘れられない記憶。
荒廃したビルに青年と子供たちが起こした奇跡。
そこには生き抜こうとする命が美しく輝いている。
(講談社HPより)
長い話だから、読むのに時間がかかるかと思いましたが、面白くアッという間に上巻を読了しました。
上巻では、大手家電メ-カ-を自主退職した八木沢省三が、次に選んだ職場での最初の仕事が老朽化したビル内に未だ住んでいる者を立ち退かせるという任務。
家族と離れ、単身、ビルの一室に住みながら、その任務を果たす事が目的なのだが、強制的に立ち退かせることはしないらしい。
八木沢の性格上のものなのか、ある種の作戦なのかはわからないけれど・・・・。
そこに居る、住人とかつてそこに住んでいた住人たちは、そのビルに大きな思い入れがあった。
まだ子どもだった戦後まもなくの時代。
何らかの理由で孤児になった彼らを故人・阿部轍正と今も住人として残る茂木泰造が彼らを育てた過去があった。
かつてそこで育った者たちの生き様を聞く、八木沢。
戦後の混沌とした時代を振る返る彼らの話はリアルで重く苦しいものがありますが、ビルの中で、みなで協力して食料になる野菜を育てる様子などはのどかで明るい。
上巻では、ビルが存在した意味を知った。
かつての住人や今の住人たちとの関わりもナンともほのぼのした感じで楽しい。
ビルの側で「みなと食堂」を営む湊比呂子の作る料理は美味しそう(^^)
八木沢の元に届いた脅迫めいた手紙の出所は?
ビルのこの後は?
気になる部分もいろいろの上巻。
さて、下巻ではどういう展開が待っているのか?
続きを早く読もう!
すべての日本人が忘れられない記憶。
荒廃したビルに青年と子供たちが起こした奇跡。
そこには生き抜こうとする命が美しく輝いている。
(講談社HPより)
長い話だから、読むのに時間がかかるかと思いましたが、面白くアッという間に上巻を読了しました。
上巻では、大手家電メ-カ-を自主退職した八木沢省三が、次に選んだ職場での最初の仕事が老朽化したビル内に未だ住んでいる者を立ち退かせるという任務。
家族と離れ、単身、ビルの一室に住みながら、その任務を果たす事が目的なのだが、強制的に立ち退かせることはしないらしい。
八木沢の性格上のものなのか、ある種の作戦なのかはわからないけれど・・・・。
そこに居る、住人とかつてそこに住んでいた住人たちは、そのビルに大きな思い入れがあった。
まだ子どもだった戦後まもなくの時代。
何らかの理由で孤児になった彼らを故人・阿部轍正と今も住人として残る茂木泰造が彼らを育てた過去があった。
かつてそこで育った者たちの生き様を聞く、八木沢。
戦後の混沌とした時代を振る返る彼らの話はリアルで重く苦しいものがありますが、ビルの中で、みなで協力して食料になる野菜を育てる様子などはのどかで明るい。
上巻では、ビルが存在した意味を知った。
かつての住人や今の住人たちとの関わりもナンともほのぼのした感じで楽しい。
ビルの側で「みなと食堂」を営む湊比呂子の作る料理は美味しそう(^^)
八木沢の元に届いた脅迫めいた手紙の出所は?
ビルのこの後は?
気になる部分もいろいろの上巻。
さて、下巻ではどういう展開が待っているのか?
続きを早く読もう!
★★★
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発行年月:2009年8月
日本文学界を撃つ、イランからの新しい才能
イラン・イラク戦争下の恋を描き文學界新人賞を
非漢字圏から初めて受賞した作者。
留学生文学賞を受賞した「サラム」も注目作
(文藝春秋HPより)
著者のシリン・ネザマフィさんはイラン生まれで日本には10年余り住んでいるそう。
神戸大学、同大学院で情報知能工学を学び、現在は大手電気メ-カ-でシステム・エンジニアとして勤めているそうです。
文學界新人賞を受賞した「白い紙」では、イランで戦争が緊迫した日常を脅かすなか、淡い恋心を抱く高校生の男女の話。
戦争さえなければ・・・・・
優秀な成績のハサンは将来は医師になるんだと希望する通りの道を進めたでしょう。
日本のような、本人の努力でどうにでも道が開ける国に生まれている若者たちは、こういう現実もあることを知るべきだ!と思います。
表題の「白い紙」は、文字通り、白い紙のことで物語の所々に出てきました。
「サラム」では、アフガニスタンからおじさんを頼って逃れてきた少女・レイラの話。
母親は惨殺され、父親もタリバンに狙われている身。
日本で難民許可が得られなければ強制送還になるという。
その審査の為、弁護士の田中先生と通訳である主人公が少女に面会し、いろいろな質疑応答をする様子を描いていました。
先の「白い紙」でも、感じた、なんとも虚しい感じになりました。
どうする事も出来ないこの現実。
でも、知らなかった現実。
知っただけでも意味があるのか?
でもこれからは、内戦のニュ-スを見る目も変わりそう。
ただ漠然と見るのではなく、そこで暮らしている人々の事を心から案ずることが出来そう。
だから、沢山の人にこういう本は読まれるべきだと思う!
そんなに長い文章ではないし、これは子ども達にも読ませよう!
日本文学界を撃つ、イランからの新しい才能
イラン・イラク戦争下の恋を描き文學界新人賞を
非漢字圏から初めて受賞した作者。
留学生文学賞を受賞した「サラム」も注目作
(文藝春秋HPより)
著者のシリン・ネザマフィさんはイラン生まれで日本には10年余り住んでいるそう。
神戸大学、同大学院で情報知能工学を学び、現在は大手電気メ-カ-でシステム・エンジニアとして勤めているそうです。
文學界新人賞を受賞した「白い紙」では、イランで戦争が緊迫した日常を脅かすなか、淡い恋心を抱く高校生の男女の話。
戦争さえなければ・・・・・
優秀な成績のハサンは将来は医師になるんだと希望する通りの道を進めたでしょう。
日本のような、本人の努力でどうにでも道が開ける国に生まれている若者たちは、こういう現実もあることを知るべきだ!と思います。
表題の「白い紙」は、文字通り、白い紙のことで物語の所々に出てきました。
「サラム」では、アフガニスタンからおじさんを頼って逃れてきた少女・レイラの話。
母親は惨殺され、父親もタリバンに狙われている身。
日本で難民許可が得られなければ強制送還になるという。
その審査の為、弁護士の田中先生と通訳である主人公が少女に面会し、いろいろな質疑応答をする様子を描いていました。
先の「白い紙」でも、感じた、なんとも虚しい感じになりました。
どうする事も出来ないこの現実。
でも、知らなかった現実。
知っただけでも意味があるのか?
でもこれからは、内戦のニュ-スを見る目も変わりそう。
ただ漠然と見るのではなく、そこで暮らしている人々の事を心から案ずることが出来そう。
だから、沢山の人にこういう本は読まれるべきだと思う!
そんなに長い文章ではないし、これは子ども達にも読ませよう!
★★★★★
発行年月:2009年7月
その名はミハル。破棄された冷蔵庫から発見された。愛くるしい彼女がその寺に来た日から、集落は変わってゆく。そして猫の死、母の死。冥界に旅立ってゆく者を引き止めようと、ミハルは阿弥陀様に全身全霊でぶつかっていった。その夜、愛し愛された者たちが彼女に導かれて激しく交錯する。冷蔵庫から生まれたミハル、一体おまえは・・・・・!?
(新潮社HPより)
悠人は、不思議な耳鳴りのようなものに導かれるように、廃車置き場に辿り着き、そこで近所の寺の住職だという浄鑑と出会う。
二人で、どうやらこの中に何者かが居るらしいと、廃棄された冷蔵庫の扉を開けたところ、5歳の少女・ミハルが現れる。
浄鑑は、悠人にミハルの声に二度と惑わされる事があってはならない。遠くに離れているようにと忠告し、ミハルは浄鑑の寺で生活することになる。
物語は、その後、自分の日常に戻った悠人と寺に連れ帰ったミハルを自身の母親・千賀子と育てる日々を綴ったパ-トが交互に描かれる。
悠人は、ミハルに再び呼ばれる事をどこかで待っていながら、平穏に暮らす。が、ずっと昔、ある事件から絶縁状態であった祖父と偶然、会い、そこから何とも妙な人間関係が育ってゆく。
ミハルは、すくすく成長し、浄鑑と千賀子に可愛がられ平穏で明るい寺での日常を送るのだが、可愛がっていた猫のクマの死をキッカケに、何やら常軌を離れ闇のようなものに覆われてしまうようだった。
寺の中だけに留まらず、周辺の集落全体がその何か得体の知れない力によって、凶事が続く。
その様子は、なんだかわけがわからないけど、怖かった。
背筋のあたりが寒くなるような・・・・。
なんとな~く嫌なかんじが、暫く続き、この話の結末はどうなるんだろ?なんて思いながら読みました。
ミハルは、何者なのか?
この不思議ないや~な感じを引き出すのは、どんな力?
どんな意味があるのか?
ミハル自身は可愛く屈託がないだけに、逆にその辺も不気味でした。
で、結局・・・・・・。
正直、本当のところはよくわからなかった。(わたしだけ?^^;)
でも、わたしは、最後、なんとなく、これはハッピ-エンドって事だろうな・・・と解釈しました。
同じ本を読んだ人の感想を聞きたい!
なので、取りあえず、主人にも読んで貰って、その辺を確認してみようと思ってます。
でも、文章は引き込まれる物があり、夢中になりました。
その名はミハル。破棄された冷蔵庫から発見された。愛くるしい彼女がその寺に来た日から、集落は変わってゆく。そして猫の死、母の死。冥界に旅立ってゆく者を引き止めようと、ミハルは阿弥陀様に全身全霊でぶつかっていった。その夜、愛し愛された者たちが彼女に導かれて激しく交錯する。冷蔵庫から生まれたミハル、一体おまえは・・・・・!?
(新潮社HPより)
悠人は、不思議な耳鳴りのようなものに導かれるように、廃車置き場に辿り着き、そこで近所の寺の住職だという浄鑑と出会う。
二人で、どうやらこの中に何者かが居るらしいと、廃棄された冷蔵庫の扉を開けたところ、5歳の少女・ミハルが現れる。
浄鑑は、悠人にミハルの声に二度と惑わされる事があってはならない。遠くに離れているようにと忠告し、ミハルは浄鑑の寺で生活することになる。
物語は、その後、自分の日常に戻った悠人と寺に連れ帰ったミハルを自身の母親・千賀子と育てる日々を綴ったパ-トが交互に描かれる。
悠人は、ミハルに再び呼ばれる事をどこかで待っていながら、平穏に暮らす。が、ずっと昔、ある事件から絶縁状態であった祖父と偶然、会い、そこから何とも妙な人間関係が育ってゆく。
ミハルは、すくすく成長し、浄鑑と千賀子に可愛がられ平穏で明るい寺での日常を送るのだが、可愛がっていた猫のクマの死をキッカケに、何やら常軌を離れ闇のようなものに覆われてしまうようだった。
寺の中だけに留まらず、周辺の集落全体がその何か得体の知れない力によって、凶事が続く。
その様子は、なんだかわけがわからないけど、怖かった。
背筋のあたりが寒くなるような・・・・。
なんとな~く嫌なかんじが、暫く続き、この話の結末はどうなるんだろ?なんて思いながら読みました。
ミハルは、何者なのか?
この不思議ないや~な感じを引き出すのは、どんな力?
どんな意味があるのか?
ミハル自身は可愛く屈託がないだけに、逆にその辺も不気味でした。
で、結局・・・・・・。
正直、本当のところはよくわからなかった。(わたしだけ?^^;)
でも、わたしは、最後、なんとなく、これはハッピ-エンドって事だろうな・・・と解釈しました。
同じ本を読んだ人の感想を聞きたい!
なので、取りあえず、主人にも読んで貰って、その辺を確認してみようと思ってます。
でも、文章は引き込まれる物があり、夢中になりました。
★★★★
発行年月:2008年7月(第1刷)
ニュ-トンよりも、ライト兄弟よりも
偉大な奇跡を為し遂げた
男の物語。
「死ぬくらいなら、その前に一回は
バカになってみたらいい」
(本の帯文より)
主人が先に読み、面白そうなので、読みました。
本書は2006年NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に登場したリンゴ農家の木村さんの無農薬のリンゴ栽培に臨む壮絶な闘いの経緯を紹介しています。
野菜の無農薬栽培は、結構、目にしますが、リンゴの無農薬栽培は、リンゴづくりを知ってる人から見たら信じられないことらしいです。
その辺の事も説明されていて、木村さんがどんな無謀な事をやり始めたのかが解り、木村さん自身は勿論ですが、それを見ながら非難することなく寄り添って来た奥様にもスゴイ!と思いました。
リンゴを完全な無農薬に変えてから、実がつかないのは勿論、枯れたようになり、害虫が増大。
そんななかただただ、害虫を1つずつ除去するだけの日々なんて、想像しただけで肉体的にも精神的に参りそう。
実際、木村さん自身も参ってしまった時期があった。
貧困生活、家族に満足な暮らしをさせてあげられない事の不甲斐なさに打ちのめされてしまった。
一人なら何処までも自分の思うように進めればいいけど、家族(娘も三人)居て
婿養子なので、義父母もいて・・・・
山の中に入り自らの命を絶つことが一番良いとさえ思ってしまう・・・・自殺は駄目だよなんて簡単に言えない状況でしたので、読んでいて苦しかった。
でも、そんな事があったから?とも思えるような偶然のひらめきで、救われる木村さん!
結果、無農薬のリンゴ栽培に成功するという奇跡を生み出したわけです。
人柄がすごくいいんだなぁ~と思える話が沢山。
今は無農薬野菜は高いけど、それではいけない。
裕福な人だけが買うようなままでは普及していかないと。
今は難しくても、自分の栽培方法で作った物を肥料や農薬を与えて作った農作物と競争できるくらいの安い価格で出荷出来るようにするのが夢なのだと。
現在は、リンゴ栽培のかたわら、国内外を飛び回り講演や農業指導を続けているそうです。
この本の表紙の笑顔はステキですが、歯がないんですね。
その経緯もまたスゴイんです・・・・本を読んでからのお楽しみですが・・・(^^)
とにかく、いろいろな意味でスゴイ人でした!
ニュ-トンよりも、ライト兄弟よりも
偉大な奇跡を為し遂げた
男の物語。
「死ぬくらいなら、その前に一回は
バカになってみたらいい」
(本の帯文より)
主人が先に読み、面白そうなので、読みました。
本書は2006年NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に登場したリンゴ農家の木村さんの無農薬のリンゴ栽培に臨む壮絶な闘いの経緯を紹介しています。
野菜の無農薬栽培は、結構、目にしますが、リンゴの無農薬栽培は、リンゴづくりを知ってる人から見たら信じられないことらしいです。
その辺の事も説明されていて、木村さんがどんな無謀な事をやり始めたのかが解り、木村さん自身は勿論ですが、それを見ながら非難することなく寄り添って来た奥様にもスゴイ!と思いました。
リンゴを完全な無農薬に変えてから、実がつかないのは勿論、枯れたようになり、害虫が増大。
そんななかただただ、害虫を1つずつ除去するだけの日々なんて、想像しただけで肉体的にも精神的に参りそう。
実際、木村さん自身も参ってしまった時期があった。
貧困生活、家族に満足な暮らしをさせてあげられない事の不甲斐なさに打ちのめされてしまった。
一人なら何処までも自分の思うように進めればいいけど、家族(娘も三人)居て
婿養子なので、義父母もいて・・・・
山の中に入り自らの命を絶つことが一番良いとさえ思ってしまう・・・・自殺は駄目だよなんて簡単に言えない状況でしたので、読んでいて苦しかった。
でも、そんな事があったから?とも思えるような偶然のひらめきで、救われる木村さん!
結果、無農薬のリンゴ栽培に成功するという奇跡を生み出したわけです。
人柄がすごくいいんだなぁ~と思える話が沢山。
今は無農薬野菜は高いけど、それではいけない。
裕福な人だけが買うようなままでは普及していかないと。
今は難しくても、自分の栽培方法で作った物を肥料や農薬を与えて作った農作物と競争できるくらいの安い価格で出荷出来るようにするのが夢なのだと。
現在は、リンゴ栽培のかたわら、国内外を飛び回り講演や農業指導を続けているそうです。
この本の表紙の笑顔はステキですが、歯がないんですね。
その経緯もまたスゴイんです・・・・本を読んでからのお楽しみですが・・・(^^)
とにかく、いろいろな意味でスゴイ人でした!
★★★★★
発行年月:2009年4月
魔法のように『失われた時間』が浮かびあがる------
絶賛された、川端康成文学賞受賞作。
都会で働き続けることに不安を抱き始め、志摩半島の一角に小さな土地を買い、家を建てて、新しい生の感覚を見いだしてゆく40代後半の女性を主人公に、人を救い再生へ向かわせるものを瑞々しく描き、「光る比喩」 「正確で細密な描写」 「静かな戦慄」と絶賛された川端賞受賞作「海松」、その続編「光の泥」 ほか2編。
(新潮社HPより)
主人が知人が「面白い」と言っていたので興味を持ち、先に読み「なかなか面白い」という事で、わたしも読みました。
4つの作品が収められていますが、表題作の「海松」と「光の泥」は、同じ主人公で、
「海松」では、東京で仕事をする自立した彼女が、母親と妹と訪れた志摩半島に魅せられて、そこに土地を買い、家を建て、東京とその家とを行き来するまでの経緯。
「泥の光」は、半島の家に行き来してから7年の歳月が過ぎたが、それまでの自身の身辺の出来事を思い出しながら、自身を見つめなおすようなかんじ・・・かな?
女性が40代後半ということもあり、自分の今の立場とは、かけ離れたものではあるものの共感できる部分もありました。
あまり人が多く登場するわけでもなく、静かな物語なのですが、周りの自然の描写がリアルで頭の中に情景が浮かんでくるようでした。
土地のいたるところにはびこったフユイチゴ・・・それを摘んでジャムを作る。
あ~ステキなんて思うと、蛇の抜け殻、窓や洗面所の排水管から侵入するムカデなどもいて、わたしにはムリだ~なんて思いましたが・・・^^;
切り立った絶壁の上にあるような家で、周りの人からも「なんであんな場所に家なんか・・・」と呆れられながらも彼女はその場所を気に入っていて・・・
東京に居るときには、遠くの恋人を想うように半島の家の事を想う。
家のそばを手入れしていて見つけた「沼」を見ながら、そこで早くに亡くなった友を想う場面は
なんだかジ~ンとしました。
上手く説明できないけれど・・・・
言葉の使い方、物ごとの表現がちょっと今まで読んだことの無いようなものでわたしにとっては新鮮でした。
表題になっている「海松」は ミルと読みます。
海藻の一種で、松の枝みたいな形をしているから、こう呼ばれ、万葉の歌にもこれを詠んだものがあり「海松色」とはオリ-ブグリ-ンのような色で昔から着物の色になっていたり昔から親しまれていたものだとか。
知らなかったなぁ~。
4作中、先の2作がやはりとても良いですが、他二作「「桟橋」 「指の上の深海」も良かった。
ちょっと過去作品も読んでみたい!と思いました。
魔法のように『失われた時間』が浮かびあがる------
絶賛された、川端康成文学賞受賞作。
都会で働き続けることに不安を抱き始め、志摩半島の一角に小さな土地を買い、家を建てて、新しい生の感覚を見いだしてゆく40代後半の女性を主人公に、人を救い再生へ向かわせるものを瑞々しく描き、「光る比喩」 「正確で細密な描写」 「静かな戦慄」と絶賛された川端賞受賞作「海松」、その続編「光の泥」 ほか2編。
(新潮社HPより)
主人が知人が「面白い」と言っていたので興味を持ち、先に読み「なかなか面白い」という事で、わたしも読みました。
4つの作品が収められていますが、表題作の「海松」と「光の泥」は、同じ主人公で、
「海松」では、東京で仕事をする自立した彼女が、母親と妹と訪れた志摩半島に魅せられて、そこに土地を買い、家を建て、東京とその家とを行き来するまでの経緯。
「泥の光」は、半島の家に行き来してから7年の歳月が過ぎたが、それまでの自身の身辺の出来事を思い出しながら、自身を見つめなおすようなかんじ・・・かな?
女性が40代後半ということもあり、自分の今の立場とは、かけ離れたものではあるものの共感できる部分もありました。
あまり人が多く登場するわけでもなく、静かな物語なのですが、周りの自然の描写がリアルで頭の中に情景が浮かんでくるようでした。
土地のいたるところにはびこったフユイチゴ・・・それを摘んでジャムを作る。
あ~ステキなんて思うと、蛇の抜け殻、窓や洗面所の排水管から侵入するムカデなどもいて、わたしにはムリだ~なんて思いましたが・・・^^;
切り立った絶壁の上にあるような家で、周りの人からも「なんであんな場所に家なんか・・・」と呆れられながらも彼女はその場所を気に入っていて・・・
東京に居るときには、遠くの恋人を想うように半島の家の事を想う。
家のそばを手入れしていて見つけた「沼」を見ながら、そこで早くに亡くなった友を想う場面は
なんだかジ~ンとしました。
上手く説明できないけれど・・・・
言葉の使い方、物ごとの表現がちょっと今まで読んだことの無いようなものでわたしにとっては新鮮でした。
表題になっている「海松」は ミルと読みます。
海藻の一種で、松の枝みたいな形をしているから、こう呼ばれ、万葉の歌にもこれを詠んだものがあり「海松色」とはオリ-ブグリ-ンのような色で昔から着物の色になっていたり昔から親しまれていたものだとか。
知らなかったなぁ~。
4作中、先の2作がやはりとても良いですが、他二作「「桟橋」 「指の上の深海」も良かった。
ちょっと過去作品も読んでみたい!と思いました。
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女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
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★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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