発行年月:2009年7月
おばあちゃんはあなどれない-----何かが過剰で、何かが足りないこの世の中。今日も出くわす(ばかげた)事象を、宇陀川静子・75歳は見過ごさない。
チャ-ミングで痛快な家族小説。
(中央公論新社HPより)
愉快。愉快。
静子さんの考え方、いいなぁ~(^^)
近くにいたら、お友達になりたい!
ご主人を亡くして、1年ほど前から、息子・愛一郎とその妻・薫子とその娘で高校1年の、るかと同居している静子さん。
週2日はバスでフィットネスクラブに水泳をしに行き、幅広い年齢の方たちと交流している。
フットネスクラブのあちらこちらに貼られる「・・・しましょう」「・・・・しないようにしましょう」の類のものをナンとも馬鹿げたものだと常々思いながらも面と向かって抗議するような事はしない。
ささやかなに抗議しましたが・・・笑
息子夫婦や孫の様子を見ていて、何か普段と違うな~と敏感に察するけど、やはり口出しはしない。
でも、見過ごすのでなく、ちゃんと対策を練って行動する。
誰にも気づかれず、水面下であれこれ画策する様子は、実にチャ-ミング(^^)
こういうおばあちゃんにわたしもなりたい!
静子さん、最高です!
夫の十三が下戸だったから、自分も妻でいるうちは酒は飲まないと決めて十三の通夜の席で、50年ぶりにお酒を口にした静子さん。
思い出を回想するような場面では、ご主人との関係は円満だったとは言えないようなこともあり、悩んだ時期もあったよう。
生きていればいろいろあるけど、年を取ったときに、静子さんみたいな心持ちで居らるのは、その人の考え方ひとつなんだろうなぁ~。
自分が子供の頃の75歳って、もうすごい年寄りって感じだったけど、考えてみれば、自分の母親もそんな年なわけで、未だに運動してるし、海外旅行にも行ったり、すごく楽しそうだものなぁ~。
わたしも75歳頃になったとき、毎日がたのしいって思えるような生き方をしていたいな。
なんだか、未来に勇気をもらえた感じのお話でした♪
★★★★★
おばあちゃんはあなどれない-----何かが過剰で、何かが足りないこの世の中。今日も出くわす(ばかげた)事象を、宇陀川静子・75歳は見過ごさない。
チャ-ミングで痛快な家族小説。
(中央公論新社HPより)
愉快。愉快。
静子さんの考え方、いいなぁ~(^^)
近くにいたら、お友達になりたい!
ご主人を亡くして、1年ほど前から、息子・愛一郎とその妻・薫子とその娘で高校1年の、るかと同居している静子さん。
週2日はバスでフィットネスクラブに水泳をしに行き、幅広い年齢の方たちと交流している。
フットネスクラブのあちらこちらに貼られる「・・・しましょう」「・・・・しないようにしましょう」の類のものをナンとも馬鹿げたものだと常々思いながらも面と向かって抗議するような事はしない。
ささやかなに抗議しましたが・・・笑
息子夫婦や孫の様子を見ていて、何か普段と違うな~と敏感に察するけど、やはり口出しはしない。
でも、見過ごすのでなく、ちゃんと対策を練って行動する。
誰にも気づかれず、水面下であれこれ画策する様子は、実にチャ-ミング(^^)
こういうおばあちゃんにわたしもなりたい!
静子さん、最高です!
夫の十三が下戸だったから、自分も妻でいるうちは酒は飲まないと決めて十三の通夜の席で、50年ぶりにお酒を口にした静子さん。
思い出を回想するような場面では、ご主人との関係は円満だったとは言えないようなこともあり、悩んだ時期もあったよう。
生きていればいろいろあるけど、年を取ったときに、静子さんみたいな心持ちで居らるのは、その人の考え方ひとつなんだろうなぁ~。
自分が子供の頃の75歳って、もうすごい年寄りって感じだったけど、考えてみれば、自分の母親もそんな年なわけで、未だに運動してるし、海外旅行にも行ったり、すごく楽しそうだものなぁ~。
わたしも75歳頃になったとき、毎日がたのしいって思えるような生き方をしていたいな。
なんだか、未来に勇気をもらえた感じのお話でした♪
★★★★★
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発行年月:2006年9月
君だったのか、俺が探していたのは。走るために生まれながら、走ることから見放されかけていた清瀬と蔵原。二人は無謀にも陸上とは無縁だった八人と「箱根」に挑む。走ることの意味と真の〝強さ”を求めて・・・。
超ストレ-トな大型青春小説。
(新潮社HPより)
三浦さんの作品は、いくつか読んでいますが、これは未だでした。
今月末から、映画も公開だそうなので、ちょっと気になり読んでみました。
学生の運動部の物語は、基本的に好きです!
こちらは、大学生。
毎年、お正月に行われる「箱根駅伝」出場を目指して練習に励む10人の学生の物語。
しかし、陸上経験者は二人のみ。
ハイジは膝の故障で、陸上競技から離れていた。
しかし、仲間を集めて「箱根駅伝」に出場する夢を持っていて、密かに準備を始めていた。
仲間は9人。既に確保(?)。
駅伝をやるには、あと一人。その最後の一人は、カケル。
走ることは好きでかつてはその走りに高い定評があったが、過去にある問題を起こし、仲間から離れ、陸上競技からも遠ざかっていた。
そんなカケルとハイジが偶然、出会い、駅伝メンバ-10人が揃う。
10人の仲間たちはそれぞれ個性的。
リ-ダ-として、常に皆を引っ張るハイジだが、時には問題も起き、どうなることか?とハラハラする場面もありました。
でも、やはりハイジの引っ張る力は強かった!
力ずくではなく、皆を納得させながら、ひとつの方向に向かわせる。
なんて素晴らしい統率力!
駅伝当日のひとりひとりの走る場面も感動物で、最後は爽やかな読後感!
やっぱり運動部の話はいいなぁ~。
映画も今月末から公開ですね。
ハイジ役は・・・小出恵介さんらしいです。
そして、双子のジョ-タとジョ-ジは・・・斉藤慶太さんと翔太さん
映画も見てみたい♪
★★★★
君だったのか、俺が探していたのは。走るために生まれながら、走ることから見放されかけていた清瀬と蔵原。二人は無謀にも陸上とは無縁だった八人と「箱根」に挑む。走ることの意味と真の〝強さ”を求めて・・・。
超ストレ-トな大型青春小説。
(新潮社HPより)
三浦さんの作品は、いくつか読んでいますが、これは未だでした。
今月末から、映画も公開だそうなので、ちょっと気になり読んでみました。
学生の運動部の物語は、基本的に好きです!
こちらは、大学生。
毎年、お正月に行われる「箱根駅伝」出場を目指して練習に励む10人の学生の物語。
しかし、陸上経験者は二人のみ。
ハイジは膝の故障で、陸上競技から離れていた。
しかし、仲間を集めて「箱根駅伝」に出場する夢を持っていて、密かに準備を始めていた。
仲間は9人。既に確保(?)。
駅伝をやるには、あと一人。その最後の一人は、カケル。
走ることは好きでかつてはその走りに高い定評があったが、過去にある問題を起こし、仲間から離れ、陸上競技からも遠ざかっていた。
そんなカケルとハイジが偶然、出会い、駅伝メンバ-10人が揃う。
10人の仲間たちはそれぞれ個性的。
リ-ダ-として、常に皆を引っ張るハイジだが、時には問題も起き、どうなることか?とハラハラする場面もありました。
でも、やはりハイジの引っ張る力は強かった!
力ずくではなく、皆を納得させながら、ひとつの方向に向かわせる。
なんて素晴らしい統率力!
駅伝当日のひとりひとりの走る場面も感動物で、最後は爽やかな読後感!
やっぱり運動部の話はいいなぁ~。
映画も今月末から公開ですね。
ハイジ役は・・・小出恵介さんらしいです。
そして、双子のジョ-タとジョ-ジは・・・斉藤慶太さんと翔太さん
映画も見てみたい♪
★★★★
発行年月:2009年8月
5つのリドルスト-リ-に秘められた物語
古書店アルバイトの芳光は、依頼を受けた5つのリドルスト-リ-を探し始める。実は著者は生前「アントワ-プの銃声」事件の被疑者だったことが明らかになり・・・・・・。
著者新境地の本格ミステリ。
(集英社HPより)
少し前に読んだ「春期限定いちごタルト事件」~「秋期限定栗きんとん事件」なども、青春小説の軽いミステリ-で楽しかったのですが、今回の物語は、大人も楽しめる上質なミステリ-だと思いました!
かなり、面白かった!
こういうかんじ大好きです!
伯父の経営する古本を扱う書店に、家庭の経済状況が悪く、一時休学し、学費を自分で稼ごうと身を寄せる大学生の芳光。
そこに、亡くなった父親が生前に書いていた5つの物語がどこかの雑誌に載っていると思うので探して欲しいとやってくる可南子。
1つ見つけたら10万円という報酬に魅せられ、仕事を引き受ける芳光。
ひとつずつ、見つけた物語が語られるのですが、どれも少し哀しい。
幸せな雰囲気はしない話ばかりで重いのですが、独特の魅力があり、どれも好きでした。
物語を探しながら、芳光と可南子の生い立ちのような過去を振り返るような話もあり、二人には共通するものを秘めているかんじでした。
そして、探していた物語が全て揃った後、明らかになる事には、とても辛いものがありました。
明らかにされた事は、今後の可南子にどう影響されていくのだろう?
なんて考えたら、本を閉じた後も、なんともスッキリしない読後感が残りました。
でも、作中作の雰囲気もそれに似たもので、その先の物語を読者が想像して楽しめばいいのかな?
なんて勝手に思い、わたしはきっと今後の可南子はこれを知った上で強く生きて行っただろうと解釈しました。
ある程度、可南子自身もわかっていたのではないかな?
この物語をいずれ娘が手に取り、そこから自ら感じ取るであろう事実を予見しながら書いた父親の気持ちは、どんなだっただろう。
最後まで読んで、すぐ作中作だけを読み返したら、なんだか一層ジ~ンと来ました。
これは今まで読んだ米澤作品では一番!(わたしの好みですが・・・^^;)
5つのリドルスト-リ-に秘められた物語
古書店アルバイトの芳光は、依頼を受けた5つのリドルスト-リ-を探し始める。実は著者は生前「アントワ-プの銃声」事件の被疑者だったことが明らかになり・・・・・・。
著者新境地の本格ミステリ。
(集英社HPより)
少し前に読んだ「春期限定いちごタルト事件」~「秋期限定栗きんとん事件」なども、青春小説の軽いミステリ-で楽しかったのですが、今回の物語は、大人も楽しめる上質なミステリ-だと思いました!
かなり、面白かった!
こういうかんじ大好きです!
伯父の経営する古本を扱う書店に、家庭の経済状況が悪く、一時休学し、学費を自分で稼ごうと身を寄せる大学生の芳光。
そこに、亡くなった父親が生前に書いていた5つの物語がどこかの雑誌に載っていると思うので探して欲しいとやってくる可南子。
1つ見つけたら10万円という報酬に魅せられ、仕事を引き受ける芳光。
ひとつずつ、見つけた物語が語られるのですが、どれも少し哀しい。
幸せな雰囲気はしない話ばかりで重いのですが、独特の魅力があり、どれも好きでした。
物語を探しながら、芳光と可南子の生い立ちのような過去を振り返るような話もあり、二人には共通するものを秘めているかんじでした。
そして、探していた物語が全て揃った後、明らかになる事には、とても辛いものがありました。
明らかにされた事は、今後の可南子にどう影響されていくのだろう?
なんて考えたら、本を閉じた後も、なんともスッキリしない読後感が残りました。
でも、作中作の雰囲気もそれに似たもので、その先の物語を読者が想像して楽しめばいいのかな?
なんて勝手に思い、わたしはきっと今後の可南子はこれを知った上で強く生きて行っただろうと解釈しました。
ある程度、可南子自身もわかっていたのではないかな?
この物語をいずれ娘が手に取り、そこから自ら感じ取るであろう事実を予見しながら書いた父親の気持ちは、どんなだっただろう。
最後まで読んで、すぐ作中作だけを読み返したら、なんだか一層ジ~ンと来ました。
これは今まで読んだ米澤作品では一番!(わたしの好みですが・・・^^;)
★★★★★
発行年月:2009年9月
ラジオパ-ソナリティの真生のもとへ届いた、一通の手紙。それは絶縁し、仲直りをする前に他界した父が彼女に宛てて書いた手紙だった。大ベストセラ-『忘れ雪』の著者が贈る、最高の感動作!
10月映画公開。
(河出書房新社HPより)
この内容紹介だけ読んでも何となく泣けそうな話だなぁ~。と予想できましたが・・・
これ、本当に泣けます!
予想以上に感動しました!
ラジオのパ-ソナリティの34歳の真生。
恋人もいるし、結婚も考えているのだけど、今は仕事に夢中。
ラジオ番組に寄せられるリスナ-からの便りを番組で紹介しながら、悩みに独特の語り口でズバリ答えていく。
そして、番組を聴くリスナ-たちの物語も真生の日常の出来事と平行して進む。
高校三年生で進路に悩む直樹。
美容師を目指していたが挫折し夜はキャバクラで働く水穂。
いろいろな日常に悩みを抱えながら、真生の番組を楽しみに聴いている人たち。
そして番組でリスナ-の悩みに答えながらも自身も父親との関係に重たい気持ちを抱えている主人公の真生。
それぞれの人たちの頑張りにエ-ルを送りながら、その悩みが良い方向に向かうといいなぁ~と思って読んでいました。
仲直りできずに他界してしまった父親からの手紙・・・・・これが泣けます。
人の心の中は、表面上の態度などからはわからないものなのですね・・・・。
面と向かってどうしても言えない気持ち、でも相手に伝えておかなければいけない言葉。
それを紙に向かって書く。
自分もそういう場面が来たら、手紙に書こう!(笑)
物語のラストは、ちょっと都合良くまとまり過ぎな気もしましたが、読めば皆が温かい気持ちになれる素敵な物語だと思います!
この著者の作品、過去にも読んだことあるかな?
過去の作品を見たけど。。。思い出せない。
取りあえず、紹介文にもある『忘れ雪』を次に読んでみようかな?
映画ももうすぐ公開ですね。
主演は、常盤貴子さん。こちらも気になります。
映画館で見るときは、タオルハンカチは必須でしょう!
ラジオパ-ソナリティの真生のもとへ届いた、一通の手紙。それは絶縁し、仲直りをする前に他界した父が彼女に宛てて書いた手紙だった。大ベストセラ-『忘れ雪』の著者が贈る、最高の感動作!
10月映画公開。
(河出書房新社HPより)
この内容紹介だけ読んでも何となく泣けそうな話だなぁ~。と予想できましたが・・・
これ、本当に泣けます!
予想以上に感動しました!
ラジオのパ-ソナリティの34歳の真生。
恋人もいるし、結婚も考えているのだけど、今は仕事に夢中。
ラジオ番組に寄せられるリスナ-からの便りを番組で紹介しながら、悩みに独特の語り口でズバリ答えていく。
そして、番組を聴くリスナ-たちの物語も真生の日常の出来事と平行して進む。
高校三年生で進路に悩む直樹。
美容師を目指していたが挫折し夜はキャバクラで働く水穂。
いろいろな日常に悩みを抱えながら、真生の番組を楽しみに聴いている人たち。
そして番組でリスナ-の悩みに答えながらも自身も父親との関係に重たい気持ちを抱えている主人公の真生。
それぞれの人たちの頑張りにエ-ルを送りながら、その悩みが良い方向に向かうといいなぁ~と思って読んでいました。
仲直りできずに他界してしまった父親からの手紙・・・・・これが泣けます。
人の心の中は、表面上の態度などからはわからないものなのですね・・・・。
面と向かってどうしても言えない気持ち、でも相手に伝えておかなければいけない言葉。
それを紙に向かって書く。
自分もそういう場面が来たら、手紙に書こう!(笑)
物語のラストは、ちょっと都合良くまとまり過ぎな気もしましたが、読めば皆が温かい気持ちになれる素敵な物語だと思います!
この著者の作品、過去にも読んだことあるかな?
過去の作品を見たけど。。。思い出せない。
取りあえず、紹介文にもある『忘れ雪』を次に読んでみようかな?
映画ももうすぐ公開ですね。
主演は、常盤貴子さん。こちらも気になります。
映画館で見るときは、タオルハンカチは必須でしょう!
★★★★
発行年月:2009年6月
自分は何のために、そして誰のために、生きているのか?
心の奥底から溢れ出す人間の讃歌!
(講談社HPより)
下巻もサクサク読みました(^^)
ビルの住居人を説き伏せて、立ち退きを完了させなければならない八木沢ですが、住居人の一番年配者である茂木を始め、かつてそこで茂木と亡き阿部に親同然の事をして育ててもらった者たちとの交流は、より一層、深まっていった。
上巻と同じく、そこでかつて生活していた者の、今の暮らしぶりと昔の出来事の語りが続く。
亡くなった、阿部轍正の言葉を思い出して語るところが印象的。
骸骨ビルの存在理由がわかった箇所でした。
自分の子どもでもないのに、何故、自分が食べていくだけでも精一杯のあの時代、30人もの孤児たちを匿い世話し続けたのか?
それには、戦地での壮絶な体験の中で得た事が関係していたんですね。
まだ青年だった阿部とその友人だった茂木の会話もなかなか深いものがありました。
子ども達を育てて行く事に少し疲れた阿部が茂木に
「俺らは、せんでもええ苦労をしてるなぁ」と話しかけると、茂木が
「自分のことを考えての苦労やから、苦労と感じるんやないのか?」という場面。
う~ん、考えちゃいました。
もしかしてこの物語の核心部分かな?なんて。
ここで、阿部は茂木の言葉に内心、腹を立てるのですが、その事を後からあの時、腹を立てたまま言い返さなく本当に良かったと思うところが、またスゴイ。
自分のなかで損得勘定をしたら駄目なんでしょうね。
相手の為になるからやるんだという考え方でないと。
上巻で謎だった、立ち退きを仕事にする八木沢の元に届いた脅迫文めいた手紙の出所や、夏美の阿部を貶めるような嘘の真意については、はっきりとは明かされませんでした。
(読み落としでしょうか?・・・・^^;)
しかし、そんな事は、別にはっきりあえて書かなくともいいのだと全体の流れで思いました。
脅迫も嘘も相手を貶めるものでは決してなかったとわたしは思います。
皆が骸骨ビルで過ごした時代を心の糧にして、成長してきた事がわかったから・・・・。
人の温かい気持ちを描いた物語でした。
自分は何のために、そして誰のために、生きているのか?
心の奥底から溢れ出す人間の讃歌!
(講談社HPより)
下巻もサクサク読みました(^^)
ビルの住居人を説き伏せて、立ち退きを完了させなければならない八木沢ですが、住居人の一番年配者である茂木を始め、かつてそこで茂木と亡き阿部に親同然の事をして育ててもらった者たちとの交流は、より一層、深まっていった。
上巻と同じく、そこでかつて生活していた者の、今の暮らしぶりと昔の出来事の語りが続く。
亡くなった、阿部轍正の言葉を思い出して語るところが印象的。
骸骨ビルの存在理由がわかった箇所でした。
自分の子どもでもないのに、何故、自分が食べていくだけでも精一杯のあの時代、30人もの孤児たちを匿い世話し続けたのか?
それには、戦地での壮絶な体験の中で得た事が関係していたんですね。
まだ青年だった阿部とその友人だった茂木の会話もなかなか深いものがありました。
子ども達を育てて行く事に少し疲れた阿部が茂木に
「俺らは、せんでもええ苦労をしてるなぁ」と話しかけると、茂木が
「自分のことを考えての苦労やから、苦労と感じるんやないのか?」という場面。
う~ん、考えちゃいました。
もしかしてこの物語の核心部分かな?なんて。
ここで、阿部は茂木の言葉に内心、腹を立てるのですが、その事を後からあの時、腹を立てたまま言い返さなく本当に良かったと思うところが、またスゴイ。
自分のなかで損得勘定をしたら駄目なんでしょうね。
相手の為になるからやるんだという考え方でないと。
上巻で謎だった、立ち退きを仕事にする八木沢の元に届いた脅迫文めいた手紙の出所や、夏美の阿部を貶めるような嘘の真意については、はっきりとは明かされませんでした。
(読み落としでしょうか?・・・・^^;)
しかし、そんな事は、別にはっきりあえて書かなくともいいのだと全体の流れで思いました。
脅迫も嘘も相手を貶めるものでは決してなかったとわたしは思います。
皆が骸骨ビルで過ごした時代を心の糧にして、成長してきた事がわかったから・・・・。
人の温かい気持ちを描いた物語でした。
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性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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