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読んだ本の感想あれこれ。
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4d6e4784.jpg   発行年月:2009年1月


   「なぜ星は流れるの?」「なぜ人は夢を見るの?」
   大人が泣き、子供が笑う。優しさが沁みる物語。

   漫才コンビ「キングコング」の西野亮廣の絵本。
   5年かけて生んだ渾身の一冊!

                
(幻冬舎HPより)


絵本なんですが結構、厚いです。
全て白と黒のペ-ジです。

この表紙の絵でわかるかもしれませんが、かなり細かいところまで丁寧に描かれた絵でした。
すごく沢山!
これはひとつの絵を描くだけでも相当な時間が必要でしょう。
それだけでも驚きでした!

絵の雰囲気は、ちょっとダ-クでグロテスクかも。
小さい子には、あまり受け入れられないかもしれませんが、わたしは結構、惹かれるものがありました。

物語は4つ。
「グッドモ-ニング・ジョ-」
「赤いはしご」
「ドンドコ山のバケモノ」
「Dr.インク」

3番目までは独立したお話ですが、最後の話でそれらが繋がって、なかなかの演出。

某所の読者レビュ-を見たら、賛否両論で、驚きましたが、わたしは、この本、とても好きです♪
なんとなく全体にこの本の暗くて寂しいかんじが漂うのですが、伝わるものはあるようです。
暗くて寂しいけど、温かくもなれる・・・・不思議なかんじ。

三番目の「ドンドコ山のバケモノ」は、特に切なくて泣けました(/_;)
カラ-だったら怖かったかもしれませんが・・・・^^;


最後のあとがきがまた良かった。
子供の頃、不思議だなぁ~と思っていたことを大人の自分なりに答えを出してみたとか。

よく知らない方ですが、テレビで見る印象がこれからはちょっと私の中で変わるかも。
(勿論、良い方です)


中1の次女も読んで、「へ~なかなか面白いね」と高評価でした。


これ1冊で終わらず、ほかにも素敵なお話を描いてほしいなぁ~。
出来れば、今度は、明るいかんじで・・・・^^;



★★★★
 

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73e27af5.jpg発行年月:1983年12月
     (単行本初版は1978年9月)


近畿商事に入社して十余年、壹岐正は、異例の昇進をしナンバ-・3となる。彼はエネルギ-資源のない日本の将来を考え、商社マンとしての最後の仕事に、イランのサルベスタン鉱区の石油開発に賭ける。戦後史の中で見過ごしてはならぬ《敗戦》とそれに続く《シベリア抑留の悲惨》と、日本経済を繁栄させ、支えてきた総合商社と政治家との国際商戦にともなう癒着を描いた社会派巨編。

               
(文庫本表紙裏の解説文より)

いよいよ最終巻。
石油事情開発に力を注ぐ壹岐。
石油を掘り当てることには、莫大な金がかかる。
掘るだけで、出なかったら、全ては損失。
博打のような事業に臨むには、どれだけの度胸がいるだろうか?
社長を説得し、国家へも再三、働きかける壹岐の意気込みは、凄い。

一企業の利潤のためでなく、国家の将来を見据え、成すべき事であるという思いが突き進む力となっているのでしょう。

商社の仕事って、今まで殆ど、知らなかったけど、凄いな~。


これは架空の物語である。過去、あるいは現在において、たまたま実在する人物、出来事と類似していても、それは偶然に過ぎない。

と冒頭にはありますが、この時代の人のこういう働きがあって、今日のわたしたちの平和な暮らしがあるのかなぁ~などとも思いました。
実際モデルになった人物がいらっしゃるのは有名みたいですが・・・・。


最終巻の中には、今まで「これはどうなる?」と思っていた事が、殆ど、良い方向で解決していて嬉しかった。
長い物語をず~っと読んできて、壹岐という一人の人間には尊敬しました。

物語中、いろいろな場面で哀しいこともあり、それについては思い出すと今も胸が痛いですが
それでも最後は、本当に清々しい。

過去に「大地の子」、「二つの祖国」を読みましたが、その読後感とは違うかんじ。
いわゆる戦争三部作をこれで全て読んだことになります。

そのなかではこの作品が一番好き!

ドラマを機に多くの人がこの原作を読んでくれたらいいなぁ~。

本当に素晴らしい作品でした!!


★★★★★



e0c3fa94.jpg発行年月:1983年12月
      (単行本初版は1978年8月)


黒いFX商戦から10年、日本経済は次々と襲いかかる貿易・資本自由化の嵐に直面し、第三の世界戦争<経済戦争>に突入する。アメリカの巨大自動車企業フォ-クが、虎視眈々と日本市場を狙う中、商社マンになって11年目を迎えた壹岐正は、アメリカ近畿商事の社長として、経営不振の千代田自動車とフォ-クの提携交渉を進める・・・・・・。国際経済戦争の最前線に立つ壹岐正の苦悩を描く。

                 
(文庫本の表紙裏解説文より)

大本営参謀から商社マンに転身した壹岐が、どんどん、会社の中で地位を確立して行く姿は頼もしい。
しかし、元から商社マンとして社長の側で家庭や家族を犠牲にしながら頑張ってきた者には、会社の為には必要な人材と思いつつも妬みの心が増大していく。

社長の大門がワンマンで壹岐の手腕を誰よりも高く評価しているから救われるが、なんだか会社内の立場は孤立しているようで辛い。

会社を離れた私生活の方で、お互いに好意を持っていた千里とやっと素直な心の内を明かしあえたのはホッとするところだった。
が、やはり息子の誠とは、しっくり行かずに、この関係は修復するのだろうか?
疎んでいるわけでもなく、何かキッカケさえあれば、和解しそうな気配はするのだけど・・・


三巻後半では、石油事業展開を早い時期から手掛ける、兵藤の動きが活発化。
壹岐も国家の為に、重要な仕事であると判断し、今後は壹岐自身も大きく関わっていこうとするところ。
自分の手柄を立てるというよりも常に国の将来を考えての動きは、好感が持てるなぁ~。

国内自動車・千代田のフォ-クとの提携には残念ながら破れるものの、そこで終わりとは考えてなさそうだし・・・

四巻では、自動車、石油その両方の商戦活動の展開が面白くなりそう!

そして、千里との恋の行方は、どうなるのでしょうか?


★★★★★
74afd767.jpg発行年月:1983年11月
       (単行本初版は1976年)


商社マンとして生き抜くことを自分の宿命と感じるようになった壹岐正は、防衛庁の次期戦闘機選定にともなう各商社・メ-カ-の受注合戦に巻き込まれていく。彼は戦闘機には携わりたくないという信条をもちながらも、次期戦闘機の決定が、次の総裁選挙の道具にされていることを憤り、国防のため<黒い商戦>に耐え、戦い抜こうとする

                 
(文庫本裏の解説文より)

近畿商事社長の大門に誘われた際、過去に関わった軍の地位を利用するような行動は慎みたいと申し出、その信条には変わらぬものがありながら、どうしても大本営参謀時代の繋がりを利用して動かなければならない事態に、悩む壹岐の心情を考えると、読みながら辛い。

そして、そのことで受けた代償もまた、ナンとも酷い。
信頼出来る友を失うことになるのですから・・・・。

どんどん精神的に追い詰められていく姿は、なんとも言えない。
でも皮肉なことに壹岐の商社マンとしての評価は、どんどん上がる。

仕事を離れた家庭内でも、長女・直子の恋人が、ライバル商社の鮫島の息子ということで、家庭内でも悩みの種が出来てしまう。
なんともはや・・・・・心のよりどころがないと壹岐自身が壊れそうと思っていると・・・・
その心のよりどころは、やはり女性なのですね。
奥さんもすごく賢く、謙虚で心から壹岐のことを大切に思っているのに・・・
壹岐自身もそんな妻を本心では、大切に思っているのに、心に余裕を無くすと言動も乱すのですね。
哀しいです。


で、最後には、まさかの悲劇!
えぇ~っ!気の毒過ぎる!


こんな事、普通の人じゃ耐えられない。

でも、壹岐は普通の精神力じゃないですからね・・・・・。

失意のどん底でも商社マンとしての道を進むしかないのですね。

こんな終わり方したら、三巻以降は、ドラマがもう少し進んでから読もうかな?
と思っていましたが、気になって続きを読まずにいられないわ!


★★★★★
75f0e193.jpg発行年月:1976年6月


元大本営参謀・壹岐正は、酷寒の極地シベリアの収容所で11年間の矯正労働に絶えぬき、昭和31年12月に帰還する。“第二の人生は誤りたくない”と願う彼は、近畿商事の社長大門の再三に渡る誘いに応じ、商社マンになることを決意する。シベリアで地獄のような抑留生活の傷も癒えないまま、彼は再び“商戦”という名の新しい戦いに身をおく。

         
                  
(新潮社HPより)


家にあった古書です。
フジテレビ開局50周年の記念ドラマとして、先日からスタ-トした放送を食い入るように見た後だったので、主演の唐沢さんの顔や、ほか出演者の方の顔が読みながら浮かびましたが、その分、わかり易かった。

初回のドラマは2時間でしたが、この第一巻には、その2時間分のことがほぼ全て収められていたかんじでした。

ドラマより更に詳しいので、あの言動の裏にはこういう事があったのか!と更なる驚きもあったりでドラマも素晴らしかったけど、やはり原作の方が凄い!

抑留生活の凄惨さは、特に・・・・。

シベリアの地でのソ連側からの辛い仕打ちに加えて、同じ日本人元将校達からも指揮していた側の壹岐には、この辛い仕打ちに追いやった責任の矛先が向けられるという二重の苦しみ。
自身もそのことには、強い責任を感じている壹岐にとっては、本当に辛い状況です。
肉体的にも精神的にも極限状態のなかでの11年間のこの生活は泣けます。

物語は、抑留時代のことと日本に帰還してからの事が織り交ぜて進みます。(ドラマも同じでした)

帰還後は、妻と二人の子どもとの生活がはじまります。
下の子(男の子)との関わりが、しっくり来ない事が、少し寂しい。

抑留時代に壊した体調もなんとか快復し、第二の人生は、どうする?という岐路に立ち、長女からの「もう戦争に関わる仕事は、やめて欲しい」の言葉もあり、商社の社長・大門の
誘いに応じ、商社マンとして第二の人生を歩もうと決めた壹岐。
何もわからない世界に進むその決心は、家族を思ってのことだったでしょう。
あまり感情豊かではない人ですが、優しい人柄も感じます。

しかし、入社の条件に自分の過去の経歴を使うようなことは断ると申し出るあたりは、壹岐らしいなぁ~。信念は曲げない。曲げたくないというかんじ。
社長は、その旨、心得たと承諾するけど、今後、どうなっていくのやら?
今から少々、不安。

長い物語ですが、面白くて、思ったより早く1冊を読み終えました。
続けて2巻を読みます!

重いので、軽い文庫本に変えようか?^^;


★★★★★
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