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読んだ本の感想あれこれ。
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02642b0d.jpg発行年月:2009年4月


すべての強情っぱりたちへ心をこめて贈る物語

5歳の「わたし」と70歳の「おばあさん」。
似たもの同士の心が通い合い、小さな奇跡がおこった。
「わたし」がそのとき目にしたのは、
強情だった少女と、強情だった少年の、
ひそやかな歴史--------
 
                                       (本の帯文より)                                 
2つのお話が収められています。
表題作の「あの庭の扉をあけたとき」は、強情っぱりのおばあさんに出会った5歳のようこの話。
いつも父親と散歩に出かける先にあり「誰か住んでいるのかな?」と興味の対象になっていた西洋館。
そこにはおばあさんがいて、5歳のようことおばあさんの会話が繰り広げられる。
おばあさんの物言いが、ちょっと素っ気なく、小さい子どもを相手にしてるかんじでないのですが、それに応えて話す、ようこの物言いもまた5歳の子にしては生意気。

二人の強情っぱりさが表れているような、その感じはユ-モラス。

その後、二人は友達(?)のように親しくなって・・・・
おばあさんのまだ子どもだった頃の話を聞いたり・・・・

会話の中で、おばあさんが「・・・・わたしは70になったけど、70だけってわけじゃないんだね。生まれてから70までの年を全部持っているんだよ。・・・・・・・」という言葉が妙に響きました。

小さい子って、おばあさんは、元々おばあさんみたいな感覚持ってるものかも・・・。
でも、違うんだよって事が説明されてる。

う~ん。なかなか深い話でした。

もう一つの「金色の赤ちゃん」は、みんなから疎まれている、とも子ちゃんと関わる小学生のようこの話。
自分も一緒に遊ぶのはイヤだけど、とも子ちゃんのお母さんに頼まれて、イヤイヤ接していくなかで、ちょっとした不思議な出来事を一緒に体験して、とも子ちゃんに対する気持ちの変化が起きるというかんじ。

嫌いだと思っている相手でも、何かキラキラする体験を一緒にする事で、相手に抱く感情って変わるのかもなぁ~なんて思いました。


これは児童書なのかな?

大人が読む方が、ジ~ンと沁みるものがあるかも。


本の最後に
本書は1987年出版同名作品を新たに刊行したものとあります。
著者の意向にそって文章の一部、変更もありだそうです。

 
★★★★


 

                                                                            
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c5c957cb.jpg発行年月:2009年5月


『西の魔女が死んだ』の作者が贈る待望の最新長編小説。歯痛に悩む植物園の園丁がある日、巣穴に落ちると、そこは異界だった。前世は犬だった歯科医の家内、ナマズ神主、愛嬌のあるカエル小僧、漢籍を教える儒者、そしてアイルランドの治水神と大気都比売神・・・・。人と動物が楽しく語りあい、植物が繁茂し、過去と現在が入り交じった世界で、私はゆっくり記憶を掘り起こしてゆく。怪しくものびやかな21世紀の異界譚。

                     
(朝日新聞出版HPより)


『西の魔女が死んだ』も、少し不思議なファンタジ-でしたが、こちらも同じような空気感。
穴に落ちる前の出来事は旅先で歯痛のため、歯医者で応急処置を
してもらい、
「帰ったらすぐに歯医者に行くように」と言われる主人公の男・佐田豊彦。
しかし、旅先から帰ると辞令のため任地のf郷に向かう。

そして次の勤務先、f植物園。
植物の話がいろいろ。名前を初めて聞くものやら・・・・図鑑が欲しくなる!

転居後の住処は、大家の家に間借り。
そして、気になっていた歯の治療をしてもらうため訪れた歯科医院。
食事の為、立ち寄った洋食屋・スタ-レストラン。

これらに登場の人たちがちょっと変。
時々、動物(鶏だったり、犬だったり)に見えたり・・・。
そして、やけに「千代」という名前の女性が多く登場。

後半では、水辺で出会ったカエルのような坊や。

不思議なことだらけなのですが、これらの人々は、全部、自分に繋がりがあって、
その真相を知ったときは、感動!

なるほど!だから・・・で、・・・・なんだ!!


椋の木の巣穴の先に広がる異世界のお話・・・・楽しかった。

そういえば、前に読んだ『西の魔女が死んだ』でも、いろいろな植物が出てきたり、
この方のお話は植物が独特の世界を作ってる気がするなぁ~。

過去作品も読んでみよう。

★★★★★
 




9d67e8a1.jpg発行年月2009年9月


抱腹絶倒!妻と夫 究極のバトルスト-リ-

おちゃらけ者でシモネタ好きの夫。妻のイライラはつのるばかり。日常的に激しいバトルを繰り返すのだが、なぜか赤ん坊も生まれて・・・・・。


                   
(筑摩書房HPより)


最初から最後まで笑いっぱなしの夫婦のバトル話。

これが、フィックションでなくノンフックションだとは・・・・・。

椰月さんの作品は、「体育座りで、空を見上げて」を最初に読んで、いいな。と思い、その後、読んだ短編集「枝付き干し葡萄とワイングラス」もとても良かった。

でも、そんな作品を書いてる方の実生活が、こんなに激しいバトルを送っている方だったとは!
驚きです!!

シモネタ全開の夫・・・・いやだ~!耐えられない。でも、ちょっと可愛い。他所の旦那さまだから笑って読めるけど・・・・^^;

シモネタと言っても、これが小学生レベルの言葉を連呼するとかで・・・。
ここまで言われると、卑猥なかんじが全くないから可笑しい。
ただただ呆れるばかりだけど。

こんな事、暴露しちゃって、ご主人は怒らないのかな?と不思議に思ったけど、その辺の事もちゃんと書いてあって、それもまあビックリの反応なんですが・・・・。


でも最後の方に、ちゃんとご主人の良い所も(ほんのチョット)書いていました。
好きで結婚したんでしうから、そりゃ、良い所も書いてあげないとご主人が気の毒(?)


第二子誕生の話も可笑しかったけど、こんな両親の日々、激しいバトルの中で成長していく子って
どんな子になっていくんでしょ?
少々、心配だったりして・・・・大きなお世話ですが(笑)


椰月さんに対して勝手に抱いていたイメ-ジ(文芸誌のお写真が可愛らしいかんじだったと記憶)がガラガラと崩れる書でもありました^^;


★★★






4664b632.jpg  発行年月:2009年2月


  函館に住む高校三年生の真乃。東京の大学に進学が
  決まった彼女の前に、小学生のときに死んでしまった
  幼なじみ・速人によく似た青年が現れた。
  それから真乃の回りでは不思議なことが起きはじめ----


                    
             
                       (角川書店HPより)


たまたま、長女が図書館で長いこと予約していてやっと順番が来たと、読んでいたのが、昨日、記事にした著者と同じ・・・・これはどういうお話でしょう?と興味があったので、読み途中のを拝借して先に読ませてもらいました(ナイショ・・・笑)


表紙の絵からして、ロマンチョック。
そして、お話も最初はロマンチック。
小学生のときに亡くなった男の子の事を今も忘れられずにいるなんて~

好きだったけど、事故(?)で亡くなってしまった男の子・速人が忘れられない真乃。
速人の家族は、父親が運転する車と共に海に沈んだが、なぜか、速人の遺体だけがみつからないまま。
どこかで生きているのでは?と望みを捨てきれない真乃。

そして速人と同じように幼いときからの仲良しな男の子・亨。
明るくて、優しくて、格好いいし言うことなし!
以前と同じように一緒に出かけたりはするけれど、やはり亨は、幼なじみ以外ではない?


そんな、真乃の前に現れる、謎の青年・勇麻。

そして、次々、起きるちょっとした不可解なこと。

速人は、本当に死んでいるのか?今ももしかしたら生きている?

親友の琴美とシ-コと共に速人を探す後半部分はハラハラドキドキ

そして六年前の事故の真相が明かされて・・・・
衝撃的事実!


最初は、軽いミステリ-物?なんて思って読みましたが、結構、楽しめました(^^)
最初に一人の男の子をそんなに思い続けるなんて~と思いましたが、それには、予想外の
理由があったのですね!?

ちょっとその真相には驚きましたが・・・^^;

でもラストが明るく、乙女(中高生)には嬉しい終わり方かな?


昨日の「片耳うさぎ」とは、全く違う雰囲気で、この話もなかなかいいな。

また他の作品も読んでみよう。

★★★★

bbe760b8.jpg発行年月:2007年8月


片耳うさぎに気をつけろ。屋敷に入れるな。
入れれば人が殺される。

蔵波奈都は小学六年生。引っ越してきた父の実家は、古くて大きなお屋敷で、どうしても馴染めない。しかも、このお屋敷には不吉な言い伝えがあるというのだ。弱った奈都が頼ったのは、ひとりの謎めいた女子中学生だった・・・・。

                                      
(光文社HPより)

この著者の作品を読むのは、初めてかな?
新刊本が面白そうで図書館予約して、過去作品もちょっと読んでみようと、こちらを先に読みました。

主人公奈都は父親が友達と経営していた会社が倒産し、東京近郊のマンションから父親の実家に両親と共に引っ越して来た。
その実家は、とっても大きな古いお屋敷で、廊下を歩いていても物陰から何かが出てきそう。
怖がりの奈都には、全く馴染めない。

父親は仕事を探しに行っていて、留守。
そして、母親もおばあちゃんの具合が悪く様子を見に行ったけど、週末まで帰れないと。
お屋敷には、お手伝いさんのほか、親戚が住んでいるので、数日間両親がいなくても不自由はない。
けれど。。。。心細く学校の隣の席の男子にそんな事情を言うと、それなら・・・・と紹介されたのが
中学生のさゆり。
前々から、蔵波邸に興味があったらしい。

会ったばかりだったが、お手伝いさんには、お友達に寂しいから暫く泊まって貰うことを告げさゆりが屋敷に入る。
興味津々であちらこちらの部屋を隅々まで冒険と称して覗き・・・・

そんな時、近所のおばあさんから聞かされる一家の恐ろしい過去。
一家で不吉なモノとされる「片耳うさぎ」の真相を探る奈都とさゆり。
怖がりだったのに、結構、のめり込んでいく奈都のその様子は、ちょっと頼もしい。
そして、自身の記憶から、その謎のヒントも掴んで・・・

何か恐ろしいことが起きる!?
ちょっとハラハラドキドキしました。

でも、最後は、温かいかんじ。

一族の恐ろしい過去の真相が明かされたときは、スッキリ。

なかなか面白かった。

表紙の絵も可愛いけど、この物語の雰囲気に合ってる!

★★★
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