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読んだ本の感想あれこれ。
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a1216983.jpg発行年月2009年5月


12歳の文学賞・大賞受賞の初の単行本化。
現役小学生の作家デビュ-!

’08年春、「ヘチマと僕と、そしてハヤ」(「12歳の文学賞~第二集」収録)で「第二回12歳の文学賞」大賞を受賞した三船恭一郎。破天荒な同級生との友情と別れを見事に描いたエンタ-テイメント小説は、審査員に「三島由紀夫レベル早熟さ」と言わしめた驚異の完成度。受賞後も着々と次回作を書き続け、総300頁にも及ぶ大作が完成しました。

                                   
(小学館HPより)

12歳の書く物語って、どんなのかな?
興味津々で読みました。

本書には「12歳の文学賞」大賞受賞作「ヘチマと僕と、そしてハヤ」が最初に、他「とびら」 「それからの、僕らの空」の三作品が収められています。

最初に「ヘチマと・・・」を書いたのは10歳のときと、あとがきで書かれていて、それを12歳で再度見直しし書き直したものが本書の作品だそうです。

5年2組のクラスの日常的な物語が実に楽しい。
今までの大人が書いた小学生とは、ちょっと違う。
正に現役小学生でしか書けない物語というかんじです。
同じ年代の子どもならきっと読んでいて楽しいでしょう(^^)

この頃の小学生がよく使う、ちょっと大人からみたら下品な言葉もいっぱいですが・・・^^;
でもそれだけで終わらず、ちょっと切なかったり、感動させてくれたり。

物語も良いけど、「はじめに」と「あとがき」の言葉がすごく良かった!
三船くんってすごくしっかりしてる!
頭も良い子なんだろうな~。

本のプロフィ-ルに・・・・・将来の夢は、まだ解明されていない難病の研究と治療もする内科医だが、「書くこと」は続けたいと語る。

とあって、あ~素晴らしいわ!!とまたまた感動しました。

デビュ-なんかしちゃうともう作家としての道だけを考えちゃいそうだけど、自分の未来にまだ他の事を求めて学んでいこうとする姿勢みたいなものがあって、いいな。

三船くんご本人に先ずは惹かれます。

そして・・・・あれこれ見ていたらブログも書いているのね?
これがまた楽しい♪
創作日記、最高です!

53009a96.jpg三船恭一郎くんのブログは・・・こちら


1997年1月生まれ。
現在、中学1年生。

                                 

★★★
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f28c703a.jpg発行年月:2009年9月


大学生の佐々木ましろは、小学6年のとき、何者かに連れ去られ監禁された過去からPTSDを抱えカウンセリングにより事件に関する記憶を封印されていた。犯人はその後も不明で事件の真相も明かされぬまま。
ある日、自分に何らかの危険が及ぶとその防御反応のように強い「殺気」を感じることに気づく。
過去の自分の事件を探るうち、ほかの事件の真相も知り、また新たな事件も起きるが・・・・


表紙の絵や表題から勝手に想像した何やら不穏な雰囲気は、最初の方で打ち砕けられたかんじでした。
結構、明るい青春小説のかんじ。

ましろの抱える過去が気になるし、彼女自身もそれを知りたい様子なので、どういう真相が隠されているのか気になり、読み続けました。

表題にもある「殺気」は、ましろ自身が感じる防御反応なんですね?
その力を使って、ちょっとした危機を回避できたりするのは、いいな。
そういう力、あると便利かも^^;

彼女の周りの友達やバイト先の店長など、結構、愉快でそのやりとりが楽しかった。

ファッションショ-に出場の場面は本題から逸れてる感あったけど面白かったからいいか?

後半、ましろの未解決の事件の真相、友人理美子の父親の死の真相が明かされ、そこに加わるように同級生・尾形の犯した誘拐事件の真相と、ややゴチャゴチャしながらも見事に解決したのは、スッキリ。
尾形の犯した罪は、友人たちの説得(?)で幾らか軽くなるのかな?


でも、理美子の父親の死の真相は、知らされてよかったのか?
真実を知ることは大事とは言い切れないような・・・・複雑な思い。


軽く読めるけど、読んですぐ感じた通りミステリ-というより、これは、やはり青春小説だな。
わたしは、嫌いじゃないから楽しめたけど、ミステリ-好きには、ややつまらないかも?

 

★★★

c703cbfa.jpg発行年月:2009年10月


便利屋コンビと愉快な仲間たちが帰ってきた!

指輪奪取作戦に“追憶のまほろロマンス”、由良と行天の奇妙な1日など、笑いと切なさを綯い交ぜに紡がれた「多田便利軒」外伝7篇


               
(文藝春秋HPより)


前作『まほろ駅前多田便利軒』のコンビ、多田と行天にまた会える!
読む前からウキウキ。

二人との過去には、ちょっとした辛いものを経験しているようですが、ここでも詳しくはわからなかったな~。
少しだけ、出ては来るけれど・・・・。
二人の関係も不思議。
仲良しとは言えないのに、ずっと一緒に居るし・・・。

便利屋の仕事は順調みたいで、お得意さんもいる様子。
家族の代わりにお見舞いに行ったり、お庭の手入れも定期的に頼まれていたり・・・
結構、好かれている便利屋の二人。

コンビの凸凹感もいいかんじ。
真面目に働く多田の横で、ややいい加減な行天だけど、肝心のところでは結構、役立っていたり。

依頼人とはちょっと違うけど、小学5年生の田村由良と行天の話はなかなか楽しかったな。

新たな登場人物と何やら新たな展開になるかも?なんていうところで終わったから、これは、まだまだ続きそうですね~(^^)

次回作もたのしみに待ちます♪


★★★★


45906bdf.jpg発行年月:2008年2月


このブックレスト(岩波ブックレストNo.718)は
2007年11月に行なわれたシンポジウム
「なくそう!医師の過労死」(主催:過労死弁護団体全国連絡会議)の内容を再構築したものである。


                  (本の表紙裏解説より)


5人の著者がそれぞれの立場で経験した医療の現場。
医師たちが、それだけ過酷な労働を強いられているのかを克明に述べた書でした。

著者略歴

岡井 崇・・・昭和大学主任教授。産婦人科。東京大学医学部助教授、愛育病院副院長を経て現職。
日本産婦人科常務理事なども務める

川人 博・・・弁護士

千葉康之・・・ちばこどもクリニック院長。小児科医。大学病院や公立病院などの勤務医を経て現職。
専門は小児神経学・睡眠学

塚田真紀子・・・ジャ-ナリスト。読売新聞記者を経てフリ-に

松丸 正・・・弁護士
過労死弁護団体全国連絡会議代表幹事

                             (2008年2月現在)

これを読むと、ちょっと怖くなります。
大事な命を預かり、その生死を左右する医師の勤務状況が、こんなに過酷でいいのか!?と。
ここでは、特に産婦人科と小児科の医療現場の様子がその現場を見てきた医師によって語られ、早くこの状況を何とかしなくては!という切実な思いが伝わってきます。

また同じように、そんな状況を追ったジャ-ナリストと弁護士の伝えた事もよく理解できます。

でも、一国民はどうしたらいいんでしょう?
国のお偉い方々に、この状況を知ってもらい、なんとか早い時期での対応をして貰わなきゃ!

先ずは、みながこの状況を知るべきだと思います。

丁度、岡井先生書「ノ-フォ-ルト」を元にドラマ化された「ギネ」が放送中ですが、そういう物をキッカケに多くの人に、今の医療(医師の過酷な労働状況)を伝わるといいなと思います。

世界的にみても、最悪な労働状況下での医師たちですが、産婦人科では、妊産婦死亡率、周産期死亡率ともに減少していて、周産期死亡率は世界一の低さという素晴らしい結果を残しています。
これは、著者の岡井先生の述べていますが、凄い誇れる事です!!

そんなに頑張っている先生方が、壊れてしまわないうちに真剣に何か策を講じて欲しい!!

娘達がその子ども達が出産したり、病気になったとき、安心して病院に行ける万全な体制を医療機関が取ってくれていないと、困ります。

医療の現場を全く知らない人たちに読まれるべき書だと思います。

★★★★★

 



              
2d7861d5.jpg発行年月:2007年9月


江戸の町で、女郎が次々と殺されていく。誰が、何のために?切れ者ゆえに世にいらだつ若き同心・信次郎は、被害者の一人が挿していた簪が、元暗殺者の小間物問屋主人・清之助の店『遠野屋』で売られていたことを知る。因果ある二人が交差したとき、市井の人々が各々隠し抱えていた過去が徐々に明かされていく。
生き抜く哀しさを、人は歓びに変えることが出来るのか?

      
              (本の帯文より)


前作『弥勒の月』の続きのお話でした。
物語は前作から1年半が過ぎた設定。

前作で登場の人々が再び登場で、同じ舞台で話が流れいくんだな~というかんじが嬉しい。
小間物屋の遠野屋が今回も事件に大きく関わってきました。

今回の被害者は、女郎たち。
そんな女郎の一人・おいとの物語が最初に出てきました。
女郎という世界に自ら入ったおいと。
幼い頃、兄と慕っていた信三と小間物屋の遠野屋で偶然、出会うところから、後の事件が起きてくる。
自分の今の状況を正直に言えない、女心の切なさを感じ、二人が幸せになれるといいな・・・
なんて思っていましたが・・・・・・・・


事件解決に走り回る同心・信次郎と岡っ引き・伊佐治の関係も前回と同じく絶好調!
今回も事件は相次ぎ、何人も酷い殺され方をする人が出るのですが
事件が起きると張り切る信次郎と伊佐治。
素直じゃないひねくれ者の信次郎に対して時に親のように意見したり・・・
人に対しての口の聞き方を時には横から咎めたり・・・・
まるで親子のような微笑ましい二人の会話の場面は、一時の癒しでした。

いろいろな人のそれぞれ背負って来たものが明らかにされていて、中には辛い生き様もありました。


清之助もそんな辛い過去を持ったひとりでしたが、小間物問屋の主人として、これからは安泰に暮らせるのかな?
一人、家族が増えた事が、その希望に繋がるといいのにな。

ちょっと変わり者の同心・信次郎にも家族が出来たらいいのになぁ~なんて思ったり・・・・。
結構、信次郎、わたしは前作から好きなので・・・(わたしも変わり者か?^^;)

物語は更に続くようなので、手元に来る(図書館本)のを楽しみに待っているところです。


★★★★

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