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読んだ本の感想あれこれ。
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9e1018e1.jpg   発行年月:2009年9月


   なんにもなかった。だけどなんだか楽しかった。
   愛しい人々。

   『パレ-ド』『悪人』の吉田修一が描く、
   風薫る80年代の青春群像。


                         
(毎日新聞社HPより)

インパクトある名前。
井原西鶴の「好色一代男」の主人公と同じ名前とか。

インパクトある名前だけど、その暮らしぶりは平凡。
大学進学を機に東京(埼玉に近い)に来た世之介。

家賃4万のワンル-ムマンションに住む初日から、隣の住人と普通に会話して、仲良くなって・・・大学の入学式で隣に座っていた倉持ともすぐ友達になり・・・・
出会う人々を普通に受け入れていく男。

頼まれるとイヤと言えない。
倉持に誘われて成り行きで入ったのは「サンバサ-クル」。

大学生活の様子は、のどかで楽しそう。
これと言った大きな事件は起きず、この物語は、どういう結末を迎えるのやら?と思っていたら・・・・・

中盤あたりで「え?そういうこと?」と驚きが\(◎o◎)/!
なるほど、少し前にこれと同じようなニュ-スがあり、結構、胸が痛みました。
と同時に何か、温かい気持ちにもなりました。
こんな風に行動出来る人がいるんなんて!と。

物語は、世之介の大学生時代(80年代)と、世之介たちが40歳になった現在が入れ替わり語られる形式で進みます。

へ~あの子は、こういう道に進んだんだ~など、思いながら・・・・。

世之介はとっても素敵な大人になったとわかって嬉しかった。

読みながら最後はちょっと切ない涙が出ますが、世之介のお母さんが大学時代、一時、世之介と付き合っていた祥子に宛てた手紙の言葉はジ~ンと胸に沁みました。

平凡な日常の中で、出会った人と人の繋がりも後から考えると、その後の人生に大きな影響を与えていたとわかる。
出会う人によって、その後の自分の生きる道も変わっていくって事なんだと、これを読んで感じました。

「あいつと出会って得した気分」・・・そんな風に言われる世之介、とってもいいな。

軽い青春小説でありながら、強い印象が残る作品でした!


★★★★

PR
cc5484bb.jpg   発行年月:2008年6月


   本物の大人になるための
   人生帝王学62のル-ル

   地球上には鏡の法則が働いている/悪口を言わない/悲しんでいる人と接する方法/師をみつけよう/「包み込み」がベストの方法/相手がしてほしいことをしてあげる/成功の3条件を身につける/自分を一流と思ってマネる/だれでも努力と継続で天才になれる/本を読む、人の話を聞く、実際に経験する/やる気が1番。前列に並んだ人が勝つ!/即時処理と後手始末で時間を味方につける/一番をつくろう/長所をを伸ばし、使命、役割を果たす  他


                                      (マガジンハウスHPより)

子どもにも読ませようかな?と思って図書館から借りてきたら、この表題に惹かれたようで、13歳の長女がパラパラといくつかの項目を先に読んだみたいです。

「わかりやすくて、いいね!」と。

項目が62と多いのですが、1つの項目が2ペ-ジなので、ペ-ジをめくると次の項目で子どもには読みやすい。
本当に大事なことを簡潔に。
わかりやすい言葉で書かれているので、スラスラどんどん読めてしまいます。

大人では、もう既にどこかで聞いた事もあるし、当たり前過ぎることもあるのですが、どうしてそうしなければいけないのか?と改めて考えると難しいような事も実に簡単に書いてくれているので、子どもから似たような質問をされてもこれを思い出せばいいんだ!なんて思いました。

子どもが読んで理解してくれたら、一番良いですけどね・・・^^;

次女にも読ませようかな?(無理強いはダメですけどね)

★★★★
e549da22.jpg   発行年月:2008年11月


   これぞ、究極のどんでん返し!あらゆる予想は、
   最後で覆される。


   ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、
        短編の華であり至難の業でもある。
   本書は、その更に上をいく、
   「ラスト一行の衝撃」に徹底的に拘った連作集。
   古今東西、短篇集は数あれど、
収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ!


          
                               (新潮社HPより)

↑新潮社の解説、凄いな・・・笑
ラスト一行は、やや大袈裟なかんじがしますが、結構、当たってる。

5つの短編、それぞれが面白かった。
共通してあるのは、なにやら謎めいた読書サ-クル「バベルの会」

5つのお話、それぞれ違う語り部たちですが、皆、若い女性。
「バベルの会」に属する令嬢たちと、その周りで仕える使用人たちが多く登場。

お話の舞台は由緒あるお屋敷内であったり、主人所有の別荘だったり。
そこで起きる惨劇の数々。

真相は、最後の方で明かされて・・・・「えっ?」と驚かされる。

どれも面白かったけど、気に入ったのは
「玉野五十鈴の誉れ」・・・・玉野五十鈴とは、女中の名前。物腰は丁寧で申し分のない。その五十鈴に身の回りの世話をしてもらう五十鈴と同年の純香のはなし。
意外な展開で一番、驚いた。
五十鈴の誉れ・・・徹底していて恐ろしいほどに見事。


最後の「儚い羊たちの祝宴」も良かった!
ラストにふさわしい作品。
天才料理人・夏が天才とされる所以にビックリ!

金持ちの主人が申し付けた料理・アミルスタン羊の料理が出来上がった!
さてどんな料理?

成金の父を冷静に観察するその娘・鞠絵の語りが突如終わる・・・・この後は何が?

この終わり方の唐突さは計算なんでしょうね。

わけわからんじゃん!なんて言ったらダメなんでしょう。
想像して前の話を再び思い出して余韻に浸ればいいのかな?


十分に楽しませてもらいました(^^)

表紙の写真と装丁、いいですね・・・中を開いたところの写真も本の内容にドンピシャなかんじで
気に入りました!


★★★★


ebfc9a7d.jpg発行年月:2009年5月


あなたには、この時間を分かち合う相手が、確かに存在する-------。40代の恋愛、家族との穏やかな時間、日々のときめき・・・・。大人の恋のぬくもりを鮮やかに描く、充実の最新エッセイ61篇!


                         (河出書房新社HPより)


谷村さんのエッセイは、初めて読む記憶。
小説は、何作か読んでいて、好きなのですが、実生活はどんなでしょう?と興味津々で読みました。

ご結婚されていたんですね!?独身だと思っていました^^;
結婚されたのは、40直前だったそうで、ご主人は13歳(時に12歳)年下とか。
娘さんは6歳で、家族の微笑ましい様子がわかる話も幾つかありました。

61篇が
<日々>に恋して
<家族>に恋して
<食>に恋して
<北の地>に恋して
<旅>に恋して

の5つに分けて語られていました。
同い年などで、書かれている事にイチイチ納得!
「そうそう!」って思うことなどあったり・・・。
小説では、知りえなかった谷村さん、ご自身のことがいろいろ知れて、ファンには嬉しい本でした。

鮭がお好きなんですね~やはり北海道産まれですね!(^^)
そして、猫ずきで・・・=^_^=

とてもチャ-ミングな方だなぁ~と更に好きになりました♪

最後の方で、映画化もされた「海猫」のロケに監督から招待されてロケ地を訪れた話は楽しかった。
出演者の伊藤美咲さんや仲村トオルさんはすぐ見つけられたのに佐藤浩市さんだけ、すぐに何処に居るのかわからなかった話・・・想像して、笑っちゃった!

そして、映画も見たくなった!見たいなとは思っていたのに、忘れてたわ!

近いうちに見てみよう。

★★★
c0db9553.jpg発行年月:2009年5月


高校を卒業後の将来の目標が何もない勇気だったが、担任が勝手に決めた林業の仕事をすることになり横浜から一人神去村へ移り住む。林業研修生として「中村林業」の先輩たちに鍛えられながら逞しく成長していく日々を描いた物語。





林業なんて、周りに携わってる人がいないので、全く知らない世界。
でも、神去村の林業に携わる人たちの大らかな考え方は素敵でした。

自然が相手の仕事。
人間が太刀打ち出来ないこともあるけど、それは仕方ないこと。
「なあなあ・・・だな」
「なあなあ」とは、神去弁で「ゆっくりいこう」とか「まあ落ち着け」・・・ほかにもいろんな意味を込める言葉。いいなぁ~この言葉。

厳しいことも沢山あるけど、自然を楽しむ行事が幾つかあったり、季節を直に感じながらの日々。
冬は雪を払う仕事、春には杉の花粉に悩まされながらの作業、夏にはヒルやダニに悩まされ、秋には山火事騒動などなど。

林業はチ-ムワ-クでする仕事なんだということも初めて知りました。
花見の準備やら、大祭の準備やらは、なんだかすごく楽しそう。

村のひとたちが、みんな元気。
朗らかで、豪快で。

勇気が居候させてもらっている家のヨキ(飯田与喜)は、破天荒だけど、林業をするために生まれて生きたような男。

元気が良くて、頑張りやで自然をとても愛している。

都会で勉強して、良い大学入って、それから・・・・なんて思ってる若者の中にもひょっとしたら、自然の中で、体を使って働くこういう職種が向いてる人っているんじゃないかな?

こんな小説から、林業を知って、興味を持つのもいいかも。

三浦さん自身も沢山、取材をしたんでしょう。
林業のことが、少し理解出来る作品でもありました。

勇気のコイバナにもちょっと光が見えたラストは、よかったな。

山が舞台の今回の青春小説、とっても面白かった!!


★★★★★
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