ノンキャリでありながら順調に出世を重ね、ついには警視庁捜査一課に配属された黒田岳彦。しかし彼はある事件で失敗、出世の道は閉ざされたと感じていた。いっぽうI県警上野山署捜査課係長の小倉日菜子は警官の夫を職務中に亡くしていた。I県の事件捜査で出会ったふたりは少しずつ心を通わせてゆくが、新たに起こる事件や東京とI県の「距離」に邪魔されて……。異色の遠距離恋愛・警察小説
(文藝春秋HPより)
黒田岳彦と小倉日菜子。
警察官として、それぞれの地で懸命に勤務しているが、過去に辛いものを背負っている。
日菜子は夫を亡くした今も結婚指輪を外さず、明るく職務に全うしている女性警官で、その振る舞いは好感が持てました。
捜査で東京から訪れた黒田岳彦との出会いが最初にあり、この二人が恋愛関係になっていくのだな~と容易に判断出来ますが、実にゆっくりと二人の関係が育まれる過程も良かった。
二人はそれぞれ別の地で勤務する警察官ですが、次々起きる事件が二人を偶然、結びつけていく。
それは、やや出来すぎな偶然なのですが、ま、許せました^^;
起きる事件の真相がわかると、なんとも言えない後味の悪い暗い気持ちになるのですが、その分、二人の関係がより親密さを増すので、後味の悪さは後を引かずに済みます。
でも、事件のことをよくよく考えると、やや辻褄合わせが雑?のような印象も・・・?
あまり突っ込まずに読めばいいんでしょうけどね。
事件のことより、これは二人の警官のゆっくり育まれる恋愛小説として楽しめばいいのかも。
そういう意味では、十分楽しめました。
早急過ぎず、相手を思いやりながら、自分の今後の事も冷静に考える二人。
大人の恋愛ってかんじで良いな。
特に日菜子の決断は、理想的なものでした。
別々の地で勤務の地方公務員の恋愛って、想像以上に弊害大きそうだけど、二人ならこの結びつきをより深めていくんだろうなぁ~と思えるラストも良かった。
いつか、二人の今後の話も読みたいな~。
★★★
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天命こそ、最高の勝負。
江戸、四代将軍家綱の御代。
ある「プロジェクト」が立ちあがった。
即ち、日本独自の太陰暦を作り上げること----
日本文化を変えた大いなる計画を、個の成長物語として
みずみずしくも重厚に描く傑作時代小説!!
(角川書店HPより)
江戸の時代に、こういう人物が実在していたのは、恥ずかしながら知らなかった。
そういう意味でも、この書は多くの事を学ばせて貰えた。
徳川将軍の前で碁の定石を披露する「碁打ち」の家に生まれた安井算哲。
しかし、定められた碁打ちの道を進むことにだけ満足せず、算術や暦にも興味を持つ。
そして幕府の命で、北極星の位置から緯度を計測する「北極出地」に参加する。
それが21歳。
そして、その後数々の有識者と知り合い、22年間かけて日本独自の暦(大和暦)を作り出すまでを描いた物語。
碁打ちとして父親の後を継ぎ、二代目算哲を名乗りながら、もっと別の生き方がしたいと自ら名前を「渋川春海」と名乗る。
そんな生き方を応援する人物たちが、皆、すごい大物なのも幸運というか当然なのかな?
数学の天才・関孝和 、老中・酒井忠重 、碁の天才・本因坊道策 、徳川幕府の陰の総裁・保科正之 、そして水戸光圀。
みんなが春海の成し遂げようとすることを応援している。
その関わり方が楽しかった。
春海と最初に出会った女性・えんとは一時は別れながら、再び巡り合いかけがいのない存在であったというのも素敵だった。
春海と言う人は、兎に角、皆に愛された人なんだなぁ~。
実在のあまり知られていない人物(私だけか?^^;)を、こういう形で、知ることが出来て良かった。
読み終えるのが惜しいと思える書でした。
ほかの歴史上の人物も、こういう風に小説に書いてほしいなぁ~。
★★★★★
たった三分間のフィルムが私に見せた世界は美しかった。
私を打ちのめすには、充分すぎるほどに。(「しあわせのこみち」本文より)
T大学文学部二年生、清水あやめ。
「感性」を武器に絵を描いてきたという自負がある。
しかし、授業で男子学生・田辺が作った美しい映像作品を見て、
生まれて初めて圧倒的な敗北感を味わい……。
「しあわせのこみち」他2編を収録
3つの話は全て、過去作品のスピンオフだと後から知った!^^;
その過去作品は、ひとつも読んでないけど、楽しめた。
最初の話は「しあわせのこみち」・・・過去作品は「冷たい校舎の時は止まる」
大学2年生の清水あやめは、大学の文学部に在籍しているが、絵画教室で学び、絵画コンク-ルに提出の作品づくりに追われる日々。
自分には才能があると多少思ってるあやめが、大学で感じた始めての敗北感。
それを感じさせた同じ大学法学部の田辺くん。
二人の今後の関係も良い方向に向かいそうで良いな。
あやめの高校時代も気になるので、過去作品も近いうち読みたい!と強く思った。
次の話「チハラト-コの物語」・・・過去作品は「スロウハイツの神様」
嘘ばかりついてるプロのモデル、ト-コだけど、なんだか可愛い。
過去の人間関係を知れば、もっとト-コのことが知れるかな?
3つ目の話は「樹氷の街」・・・過去作品は「名前のない放課後」
中学3年生の合唱コンク-ル目前の話。
ピアノ伴奏をする倉田さんのピアノがイマイチの出来で元々クラスの評判も低い彼女に皆がついていけない状況。
この状況を何とかしないと!と焦る指揮者の天木くん。
そんな時、知ったほかのクラスだけど、ピアノで留学もしている松永くんの存在。
普段は目立たない松永君に倉田さんの指導を頼む天木くんたち。
男女が仲良くひとつのことに向かう学校行事っていいなぁ~。なんだか懐かしい。
彼らのほかの場面の姿も読んでみたい。
過去作品を読んでなくても、結構、楽しめたので、これはそれぞれの過去作品を読んでる人ならもっと楽しめただろうな。
わたしは、順番が逆になったけど、過去作品を後から読んでみよう。
3つのお話に登場の人達それぞれが、タイトル通り明るい未来に向かう終わり方でした。
★★★
恋愛の多彩な貌を描いて、深々と心にしみる短編集。
どば。ばりばり。どかんと恋に落ちて、あたしは、しわしわの黒豆みたいになる。-----「クウネル」の人気連載が本になった。絶賛を博した第一弾「ざらざら」につづく最新短編小説集。
今回の短編も、恋愛の情熱や欲望ではなく、恋愛関係のうちにある何かとらえどころのない心のゆらめきを魔術的といってもいい文章で描いた傑作ばかり。読み終えたあとに、また本を開きたくなる川上ワ-ルド。おなじみの、アン子とおかまの修三ちゃんも再登場。新たな主人公、誠子さんとコロボックルの山口さんの恋の行方にも注目だ。深刻な感情がユ-モアに転換され、そのあとに<しん>とした淋しさが残る22篇。
(マガジンハウスHPより)
↑の解説が全て言いたいこと、言ってくれてる・・・・笑
22の短編集のどの話もよかった。
どこにでもありそうな恋の話だったりするけど、そこに描かれる男女の気持ちの表し方がいい。
「うんうんわかる」、上手い表現だな。とか思いながら読みました。
表題作の「パスタマシ-ンの幽霊」は、恋人の隆司の部屋で見つけたパスタマシ-ンの話。
料理が得意な前の彼女の物か?と思う、料理が不得意なあたしだったけど、
それは隆司の亡くなったおばあちゃんの物だった。
おばあちゃんが幽霊になって時々、現れて料理を教えてくれる。
恋のアドバイスなんかもしてくれる。
楽しいお話で、一番好き♪
川上さんのお話は、どれもいい。
ハッピ-エンドじゃないのもあるけど、それでおしまいじゃない。
まだこれから先、良いことがきっと起きるでしょうと思わせてくれるかんじもいい。
第一弾の短編集「ざらざら」もそのうち読んでみたいな。
★★★
夏の陽ざしの中をそよ風にのって走る12歳の少年ダグラス。
その多感な心に刻まれるひと夏の不思議な事件の数々。
輝ける少年の日の夢と愛と孤独を描ききった、
SF文学の巨匠が贈るファンタジーの永遠の名作。
(晶文社HPより)
この書を始めて手にしたのは、中学生の夏休み。
そのときは、内容云々よりも美しい文章を書く作家だなぁ~と思った。
主人公は12歳の少年。
その少年が体験するひと夏の出来事あれこれが、キラキラした夏の陽射しを感じさせるような情景のなかで描かれていく。
「タイムマシ-ン」に人生を捧げているフリ-リ-大佐とその死は印象的なエピソ-ドですが他にもダグラスの周りで起きる大人達の日常の様子が子どもの目線で語られ、胸に響く。
またダグラスや弟のトムの会話も可愛いなかに感受性の豊かさを感じる。
全体的に受ける印象は詩的。
表題の「たんぽぽのお酒」は、ダグラスの祖父が摘んだたんぽぽの花で作ったお酒。
ダグラスにとって、夏の象徴。
そこにあるだけで夏を思い出させるもの。
そして、夏が過ぎた後も、それを少しだけ口にすることで鮮やかな記憶として夏を思い起させるもの。
わたしにとっては、この「たんぽぽのお酒」という本そのものが、夏を感じさせるものかなぁ~
(ちょっと格好良すぎ?・・・^^;照)
やっぱりブラッドベリは最高!!
★10個くらい付けたい!
★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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