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読んだ本の感想あれこれ。
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dd6eda06.jpeg   発行年月:2009年11月


   青春のきらめきと痛みを静かにうたい上げる、
   道尾秀介の新境地。

   あの頃、幼なじみの死の秘密を抱えた17歳の私は、ある女性に夢中だった・・・・・。狡い嘘、幼い偽善、決して取り返すことのできないあやまち。矛盾と葛藤を抱えて生きる人間の悔恨と痛みを描く、人生の真実の物語。


                                         (角川書店HPより)

道尾作品は、全て読んでいるわけでないですが、ミステリ-作家のイメ-ジです。
が・・・今回は新境地というから、今までとは違うんだろうな・・・・とワクワクしながら読みました。

先ず、今まで読んだ道尾作品のような最初から感じる暗いかんじの怪しさが少なく、普通の日常を送る人の様子が結構、明るく描かれていました。
床下の消毒業者というちょっとした怪しさはありましたが・・・^^;
そこに出てくる人たちは、普通。

主人公の友彦の環境にはやや人と違ったものがありました。
両親がいるのに、引っ越す事になったとき、隣人の乙太郎家族の同居人となっている。
そこには二人の姉妹がいて、年は姉・サヨが友彦の2つ上とで妹・ナオは2つ下。
まるで三人きょうだいのように過ごす日々だったが、サヨが中学2年のとき、亡くなっている。

サヨがまだ元気だった頃のことを思い出しながら・・・現在の話が進んでいく。
サヨの死の真相が気になりつつ・・・この辺は少しミステリ-っぽかったかな?

17歳の友彦は乙太郎の営む「橋塚消毒」の手伝いである家の害虫駆除調査に行き、そこに住む女性に惹かれる。
そして、その出会いが発端となり、友彦を苦悩させる事柄を引き起こしていく。

自分を正当化したいために嘘をつく。またはふとした勘違いから相手に強く言った言葉がとりかえしのつかない事態を招いてしまう。

苦悩する人たちの心の奥にある重たい想いが描かれていて、なかなか読み応えがありました。

ミステリ-色はなるほど、殆どなかったけれど、わたしは、こういう作品、好きです!

スノ-ド-ム、星の王子さまの物語なども上手く物語のなかに取り込んでいて、うまいなぁ~と思いました。

ミステリ-好きでそれを期待する方には、あまり評価されないかもしれないけど、こういう作品もこれからは、書いて欲しいな!

書くものの幅が広がった!と思わせてくれてなんだか、嬉しかったな(^^)


★★★★
 
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d61861a5.jpeg   発行年月:2009年10月


   パティスリ-・ル-ジュは、
         天才パティシエ柳原さんの店。
   そこで働く、新米・晴香ちゃんの目を通じて描く、
   コミカルでスィ-ト、
         そしてドラマチックな恋と仕事の物語。


                
(角川書店HPより)

 
 
表紙の絵が可愛い♪
フランス菓子職人の柳原の下で働く晴香。
同い年で同僚の近藤くんとパティシエの柳原に憧れ、日夜努力。

いろいろなお菓子が登場して、楽しい。
ミルフィ-ユ、マカロン、ガト-ショコラ・・・・などなど。

各章、お菓子の名前になっているのも楽しく、女の子(大人の女性も含む)なら誰でも読んでいて楽しい要素がいっぱい(^^)

関わってくる人たちも、店のオ-ナ-兼スポンサ-の紅子や、女優でもある紅子のヘアメイク担当の森英次(通称・マシュマロ)などなど個性的で楽しいメンバ-たち。

兎に角、楽しそうな職場関係。

晴香には付き合っている恋人がいて・・・でも上手く行かず・・・・

最初の男の子との関係で悩んでるくらいは、可愛かったけど、ちょっとその後の展開は好きじゃなかったなぁ~。

若い子が読むには楽しいのかもしれないけど・・・・・^^;


この方ちょっと聞き覚えあるな~と思って調べたら・・・
子ども達が好きで図書館でよく借りた「パンダのポンポン」シリ-ズを書いた方でした。


この本も中学生くらいの子でも楽しめるかも。
娘に勧めてみようかな?




                                                    ★★★
cce12aad.jpeg発行年月:2003年4月


「あなたがその恨みをテ手放さぬ限り・・・」
助けた蟹が恩返しにやってきた事で前世の因縁を思い出すとうきち。やがてその思いを昇華する様を幻想的に描き出す。


        
                     (理論社HPより)


最初は、ただの蟹の恩返し?かと思った。
でも、そこから広がる壮大な過去の記憶。

とうきちが七衛門として生きていた時代のこと。

因縁の相手と現代で向き合う、そのとき・・・・・。

ラストの描写が美しい。

この絵が素敵。

暗い闇のような絵ですが、そこからいろいろなものを思い起こされるような力がある。
ラストの明るい光がより一層輝いてみえました。

梨木さんの絵本、初めて手にとりましたが、素晴らしい!!

ほかにも絵本、あるようなので、また見てみよう。


★★★★★




82c332bf.jpeg発行年月:2009年12月


霞かかった夜空の下で、1人だなんて寂しいでしょう。だから甘えたいだけなのに。

恋愛小説の名手・谷村志穂が描く「出会い」と「別れ」・・・
孤独な魂に響く7つの物語


                          (祥伝社HPより)

恋に悩む若者たちの心理描写がよかった。
7つの話殆どは、女性側の気持ち。
あまり上手く行っていない恋に苦悩する。

本当にダメになってしまう話もあれば、ちょっと考え方が変わったり、相手の見る目を変えてそこから新たな付き合い方を見いだすような話あり。

恋愛って、こういう風にあれこれ悩むものだったなぁ~なんて遠い過去を振り返ったりしながら楽しめました。

最初の「キャメルのコ-トを私に」は失恋しちゃう女の子の話でしたが、彼女の踏ん切りが付いたような様子が微笑ましく好きなお話でした。

あとは、7つの話のなかで唯一男性が語る表題作の「おぼろ月」が良かった!
付き合っている女の子とのちょっとした苦悩をある大人の女性と語ることで少しふっきれる話。

大きな出来事が起きるわけでもないけど、恋をするとあれこれ悩む事ってある。
そんな心理描写がうまく描かれていて、どの話も面白かった!


この表紙の絵もすごく好き!

★★★★
27cdf6ee.jpeg発行年月:2009年11月


美しく壮大な自然に囲まれた長野県安曇野。ここで生まれた少年が「いとこおば」にあたる同い年の少女に恋をした-----五感に響く描写で、生き生きとその姿を描く。



                     
(ポプラ社HPより)

流星とリリ-の初めての出会い。
安曇野の田舎で毎年、夏にだけ一緒に過ごす子ども時代。
広大な自然のなかを、生き生きと駆け回る様子は楽しかった。


流星にとってリリ-はいとこおばに当たる。
流星の父とリリ-がいとこ。

年は、流星が1つ下。とはいえ、3月生まれのリリ-と4月生まれの流星なので、学年が1つ違いなだけでほぼ同年。
けれど、子どもの頃から活発で男勝りのリリ-がのろまな流星をいつも引っ張るかんじ。
大人に段々成長する過程で、少しは対等になるけど、やはり大人なのはリリ-かな?


一時、親戚関係にあるリリ-との事に悩む流星にずっとソバで見守ってきたひいばあさんの菊さんの一言が流星を後押したんだろうな。
「従兄弟でも結婚できる時代。二人はそれよりずっと遠いんだし・・・」
菊さんが素敵でした。
作るお料理が全部、とても美味しそうでした(^^)

成長しながら、お互いの環境も変わり、何度か別れを繰り返す二人。
二人共、他にお互い以上に分かり合える人に巡り合えなかったのかな?と考えるとちょっと寂しいかんじもしちゃうけど、ま、ハッピ-エンドで良かったということかなぁ?

最後、二人で家系図を眺めながらの会話がいいな。
あと・・・

命日は亡くなった日でもあるけど、天国でのお誕生日なんだね。
全然、悲しい日じゃないんだね

ということばもよかったな。

生まれる命あり、逝く命あり・・・・どんどん血は繋がっていくんだな~。


★★★
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