大好きだったおばあちゃんは
私たちに大切なものを遺してくれた。
3人の少女たちの青春が刻まれた西洋館
そこを訪れた私たちが見た光景は------
<さくらの丘>を満ちるたちに遺す-----。
遺書には、祖母が少女時代を送った土地を譲ると書かれていた。
一緒に渡されたのは古びた鍵がひとつ。
祖母の2人の幼なじみも、同じメッセ-ジをそれぞれの孫たちに伝えていた。
なぜ、彼女たちは孫にその土地を遺したのか。
鍵は何を開けるものなのか。
秘密をさぐり3人の孫は、祖母たちの思い出が詰まった地を訪れた。
(祥伝社HPより)
25歳のフリ-ライタ-の満ちるは、祖母が遺した手紙と鍵を母親から渡される。
自分が死んだら満ちるに渡してほしいと頼まれていたとか。
手紙には、、さくらの丘にある西洋館を譲ると。
祖母のほかに西洋館の持ち主になっていた祖母の友人2人も孫たちに同様のものを遺すと。
満ちるを含めた孫たち3人が集まり、それぞれの祖母が遺したものを見るため、何のためにそれを托されたのかを探るために、祖母たちの思い出が詰まった土地、西洋館へと向かう。
最初からどういう話の展開なんだろ?とワクワクしました。
満ちるたちと同様に、何の為の鍵?なぜ今ごろ、子どもにではなくそれぞれが孫に託す必要があったんだろうか?と不思議に思いながら読みました。
物語は満ちるたち3人の孫が真相を究明する話と、満ちるたちの祖母・ミツ(みっちゃん)、花恵(はなちゃん)、桐子(きりちゃん)の少女時代の話が交互に描かれる。
ミツたちが西洋館で、ある人物たちを匿っていた事実。
そこには、ちょっと切なくて哀しい事実もありましたがミツたちの優しい気持ちには心が温かくなりました。
そして、ミツたちが子どもにではなく、孫に託した理由もわかりました。
祖母たちが少女の時代。
日本は戦争中で身内にも戦死した者があったりした時代。
辛いことがいっぱいあった時代。
それでも人は、誰かのために、出来ることがあればしてあげたいと思う。
ラストは、祖母たちの想いを汲んであげることが出来て、良かった!と強く思いました。
切なくて哀しいことも過去にはあったけど、そこから優しい気持ちが受け継がれて
いったというお話。
良いお話でした。
★★★★★
老女の院内感染、母親による幼児虐待。ふたつの「死」の疑惑を追ううちに、世を捨てたはずの男の人生が動き始める----。
65万部突破のベストセラー『償い』の“ホームレス探偵”再登場。
(幻冬舎HPより)
『償い』の主人公・元医師でホ-ムレスの日高英介が主人公。
ということに途中で気づきました^^;
こちらでは、ちゃんとアパ-ト住まいをしてるので、ホ-ムレスではなかった。
そのアパ-トの大家さん・石岡華子とは、家族みたいな関係を築いていて、その大家さんの複雑な人間関係が結構、物語の中心になっていたようなかんじ。
元医師だという日高は、優しく面倒見が良い性格なんだなぁ~。
『償い』では、幼い息子が病死し、その後、妻が自殺し、自暴自棄になってホ-ムレス生活に突入したと記憶しているけど、この『赦し』の中では、妻子に対して罪の意識のようなものを抱えているのは、わかるけど、どうして?と思ったまま最後まで、その辺は明らかにされず、やや消化不良というかんじ。
主人公の日高より、その周辺で起きる諸々の事の方が、中心になっているので、
ややごちゃごちゃしてたかな?
話は面白く読めたけど、日高自身に焦点を当てた物語にして欲しかったな。
あくまでもわたしの希望ですが・・・・^^;
最後、妻子の眠る墓地に辿り着いた日高は、幸せな気持ちだったのかな?
自身もまた「赦された」と感じることが出来たのかな?
林真理子によるまったく新しい源氏物語の世界
「和の心を楽しむ」がテーマの月刊女性誌『和樂』にて連載中の林真理子さんの小説『六条御息所 源氏がたり』。その単行本第一巻が『光の章』として登場します。六条御息所を物語の語り部とする画期的な構成。そして、原文にない御簾の中での出来事の大胆な解釈。恋愛小説の名手、林真理子ならではの”小説源氏物語”の誕生です。「私の名をどうか聞いてくださいますな」という美しい一文ではじまる本巻は、桐壺帝と桐壺の更衣の異常な恋愛、光源氏誕生の謎、空蝉、夕顔との恋から、葵の上、藤壺をめぐる人間ドラマまでの全15話を収録。林真理子によって描き直された平安時代の貴族たちが繰り広げる恋模様は、究極の恋愛小説としても楽しめます。また、口絵には、日本画家千住博による源氏物語をモチーフにした作品を収録。
(小学館HPより)
源氏物語は、ちゃんと読んだことがありません^^;
この本の語り部は、表題にもなっている六条御息所。
先に亡くなった東宮の妻であり、東宮の兄が光源氏の父ということは・・・
血は繋がってないけど、六条御息所にとっての光源氏は、甥に当たる存在なんですね。
そうして考えても、この二人が東宮亡きあと、恋仲になったのは、いやはや凄い。
この物語では、既にこの世に生はない六条御息所ですが、怨念が残りあの世に行けず、生霊となってこの世に留まり、光源氏の様子を見ているのですね。
う~、怖い!
光源氏は、次々と女性を意のままに自分のものにしていくのですが、女性たちも理性では受け入れられなくても、いざそういう(どういう?^^;)事になると抵抗して大さわぎになるよりは・・・・と身を委ねてしまう。
ま、状況からして、仕方ないか?
しかし、まあ、光源氏の節操のなさは、ちょっと呆れるものがあります^^;
いろんな女性が現れ、恋仲になり、別れる。
その繰り返しの物語でしたが、読みやすく、現在の恋愛事情とは、異なるものの
なかなか興味深く読みました。
生霊となってこの世に留まっている六条御息所ですが、淡々とした語り口なので、さほど強い怨念めいたものは伝わらず、静かに見ているかんじで、少し怖いことになるのを期待していたので、拍子抜けしました。
が、同時にホッとしました。
続きがあるようですが、そちらでは、何かしかけるのかな?
★★★
OLが選挙のスピーチライターに!?
言葉のもつ限りない可能性をハートフルに描いた青春小説。
スピーチの極意もお教えします! お気楽なOL・二ノ宮こと葉は、密かに片思いしていた幼なじみ・今川厚志の結婚披露宴で、すばらしいスピーチに出会い、思わず感動、涙する。伝説のスピーチライター・久遠久美の祝辞だった。衝撃を受けたこと葉は、久美に弟子入りして……。
(徳間書店HPより)
面白かった!!
原田マハさんは、いろいろな経緯で作家になった方で、スピ-チライタ-として会社の社長のスピ-チ原稿なども書かれていたと以前、何かで知りました。
この物語は、そんな著者の経験があってこそ書かれた作品なのかも。
物語の主人公・二ノ宮こと葉は、普通のOLで、幼なじみの今川篤志の結婚披露宴に出席し、そこで衝撃的な出会いをしたのが、有名なスピ-チライタ-の久遠久美。
彼女の祝辞が素敵でした!
短いけれど皆の心を掴む言葉の数々。
言葉の力って凄いな~。
そして、こと葉は、スピ-チライタ-の魅力に惹かれ久美の下で修行をすることになり
幼なじみの篤志が、亡き父の跡を継ぎ会社員から政治家へと進む手助けをする。
ちょっと前の日本の政治が自民党から民主党に政権交代した、そのままをパロディ化したような話の展開で、なかなか面白かった。
政治の主導権を握るには、いかに国民を味方にするかにかかるのですね。
そのための街頭演説などのスピ-チはとても重要だと物語のなかでも感じました。
でも逆に言えば優秀なスピ-チライタ-が付けば、選挙には有利ということでしょうか?
その点、ちょっとしっくりこないけど・・・^^;
一OLのこと葉が、スピ-チライタ-として政界に関わるなんていうちょっとあり得ないようなお話でしたが、なかなか面白く読みました。
★★★
18人の作家の読書歴などをインタビュ-形式で訊ね、それを1冊にまとめた書。
柳 広司/畠中 恵/道尾秀介/有川 浩/乙一/米澤穂信/
高野秀行/宮田珠己/近藤史恵/宮本昌孝/小地真理子/
貴志祐介/阿部和重/モリ・ノリオ/坂木 司/中村 航/
中島京子/豊島ミホ
それぞれの作家さんへのインタビュ-形式。
「小さいときは、どんな本を読んでいましたか?」で、自分も同じ本を読んでいた!と思うと嬉しくなったり・・・。
ラブコメを書かせたら、一番でしょう!と思っている有川さんが幼少期に読んでいたという
「シ-トン動物記」や「赤毛のアン」「大草原の小さな家」などは、自分も読んでいたので、
おぉ~!!と思いました(^^)
読書歴以外では作家さんが作家を目指して物語を書くようになった経緯は、とても気になっていたので、それらもなかなか興味深く読みました。
米澤穂信さんは、書店員だったそうで、デビュ-作の「氷菓」が出た頃も本屋さんで働いていて自分の本に「カバ-をおつけしますか?」なんて聞いていたそう。
恋愛小説で楽しませてくれる小地真理子さんは、三島由紀夫の本はかなり前から読み続けていて、自決をリアルタイムで体験したときには、かなりショックだったとか。
いろいろな情報が満載の嬉しい本でした(^^)
Web 本の雑誌のHP上で、ほかの作家さんの読書道も読めるようなので
時間のあるときに、またそちらも読んでみよう!
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
