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読んだ本の感想あれこれ。
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9150f9b6.jpg発行年月:2009年10月

1992年7月、北海道釧路市内の小学校に通う水谷貢という少年が行方不明になった。両親、警察関係者、地元住民の捜索も実らず少年は帰ってこなかった。最後に姿を目撃した同級生の杉村純少年によると、貢少年は湿原のほうへ向かっていったという。
それから17年、貢の姉・松崎比呂は刑事となって札幌から釧路の街に帰ってきた。その直後、釧路湿原で他殺死体が発見される。被害者は、会社員・鈴木洋介34歳。彼は自身の青い目を隠すため、常にカラーコンタクトをしていた。比呂は先輩刑事である片桐周平と鈴木洋介のルーツを辿るように捜査を進めてゆく。
北の大地に生きる人々の戦後から現代に至る64年の業を描ききった畢生の大作。

                                       
(小学館HPより)


初めて読む作家さんでしたが、お気に入りの作家さんになりそうな予感!

物語の冒頭は1992年、小学4年生の男児が失踪する事件。
そして、次は1945年8月12日の日本終戦目前の樺太での壮絶な出来事へと飛ぶ。
さらに時代は飛んで2009年の北海道へと移る。

時代が前後しながら物語りは進むのですが、読みにくさは全くなかった!
どちらの話もそれぞれに惹き付ける要素があったから。

長部キクの生き抜いた歴史は、凄い!
この人の話だけでもひとつの物語になりそう。

被害者となった洋介の生い立ちは、なんとも気の毒。
本人に何ら非はないのに、あまりにも辛い。

洋介殺害の真相は・・・・・納得出来るような・・・出来ないような・・・。
どこまでも浮かばれない洋介が不憫・・・(/_;)

犯人も意外でしたが・・・そういう繋がりがあっての事でしたか!?


重苦しく、暗い話なんですが、文章は上手い!と思いました。
無理なく繋がる登場人物たち。

過去作品も是非、読んでみよう!
そして、これから出る新刊も欠かさず、読もう!


★★★★


PR
5f4fafd5.jpg発行年月:2009年2月


これぞ「物語」のドリームチーム。日本のエンターテインメント界を代表する7人が、読み切り小説で競演! 短編並の長さで読み応えは長編並、という作品がズラリと並びました。まさに永久保存版アンソロジー。どこから読んでも、極上の読書体験が待つことをお約束します。お気に入りの作家から読むも良し、新しい出会いを探すも良し。著作リストも完備して、新規開拓の入門書としても最適


                      (新潮社HPより)

図書館から借りましたが、結構待った!
人気作家さんが集結した本書なら、誰もが読みたい書でしょうからね(^^)

7人の作家さんの中で、初めて読んだのは
近藤史恵さんと佐藤友哉さん。
どこかのアンソロジ-で読んだかも?しれませんが、記憶にないので、初めてというかんじ。

このお二方の作品もなかなか面白かった!
近藤さんは「プロトンの中の孤独」・・・自転車ロ-ドレ-スの選手の話。ちょっと青春物語っぽくて結構好みでした。
佐藤さんの「333のテッペン」は、ミステリ-?東京タワ-のてっぺんでの殺人事件が元になりそこに関係してくる人たちの話。
殺人が起こっているのに結構、軽いかんじで読めて面白かった。

ほかの作家さんも文句なし!
米澤さんの「玉野五十鈴の誉れ」は後に発行された本で既に読んでいましたが、何度読んでも面白いので、退屈せず読みました。
はじめちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子が泣いても蓋とるな-----ゾゾ~ッ!

伊坂さん、道尾さん、本多さんは短い話なのによくまとまっていて、さすがの上手さ!

そして、やはり一番好きなのは有川さんの表題にもなってる「スト-リ-セラ-」でした!
とことん泣かせてくれました。
いろんな意味で泣けます。
泣きのツボ押しまくりです・・・・・笑


ホントに何処から読んでも面白い本でしょう!
わたしは、順番に読んでいきましたが、とっても贅沢な本だと思います!

これはシリ-ズ化?
ほかのも読んでみたいな。

★★★★★
ce7dfadf.jpg   発行年月:2009年11月


   サハラ砂漠を舞台にした傑作ロ-ド・ノベル!
   「死んだら遺灰をサハラにまいてほしい」。弟の遺言を叶えるため、姉は弟の友人や恋人らと共にモロッコを旅することに。葛藤を抱えた大人達が旅の果てに辿り着いたのは・・・・。多様な愛のかたちを描く長編小説。


                         
(集英社HPより)


前作の「ダブルファンタジ-」は、やや毒々しかった愛を描いていましたが・・・^^;
これは、ソフトでした。

青年・周(あまね)の死後、彼の希望である遺灰を空き缶に詰め、サハラまで旅をする男女4人。
女性二2人、男性2人なのだが・・・・中年フランス人男性は、周と亡くなる寸前まで同居していた仲。

そして、段々にわかってくる、それぞれの抱えている愛の憂い。

4人の同行するイスラム教徒のガイドの男性の視点もなかなか面白かった。

旅をする4人とそれに付き添う1人が、交互に語る形で物語が進んでいく。
そして・・・亡くなった周もまた肉体は無くなっても魂は残っていて、皆と一緒にいるかたち。
周が語る部分もあって、それぞれの人間関係がわかってくる。

サハラまでの旅の様子も情景描写が頭のなかに浮かんでくるようで楽しかった。
遺灰を撒きに行くのでなければ、楽しいグル-プ旅行という感じもあったかな?

イスラム教徒の暮らしも感じつつ、そこにある食べものも魅力的。
モロッコといえば、最近、流行のタジン料理。そしてクスクス。あとはミントティ-。
旅行記の要素もなかなか充実。
著者は過去に実際に旅したそうと知り、納得(^^)

それぞれが、抱える問題も少しずつ手がかりが見えてきたかな?という流れ。

しかし、フランス人・ジャンはちょっとこの先のことを考えると気の毒だな。

周は、多くの人に愛され、そして自身も愛したんだろうけど、サハラに辿り着き、やっとこれで安らかに眠れると感じるのは切ないな。

生まれた時から、一時も心が安らげなかったとしたら・・・。

大きな感動は、あまりないけど、静かに胸打つ物語でした。

★★★★★
e672c1f4.jpg発行年月:2009年12月


生きることは、選ぶこと----人生が二度あれば、あなたはどこから、やり直す?

人生史上、一番後悔している最悪の選択。その瞬間からもう一度生き直すことができます----死の直前、そんな魅力的な提案をされたら、どこからやり直したいですか。最高の恋を失った日? それとも、夢をあきらめたあの瞬間? 再びチャンスが与えられれば「より良い人生」を生きられるのか。〈バク〉が誘う〈二度目の人生〉の物語。

                                           (新潮社HPより)

7つの連作短編集。
それぞれの話の主人公たちは、死の直前に現れた獏に戸惑いつつも、それぞれのやり直したい事のために、自分の思い出と引き換えに、別の人生を歩む。

失いたくない人を取り戻すため、やり直したい恋のため、やり残した事をやり遂げるため、幸せな瞬間をもう一度体験するため・・・・

どの人たちも自分が良い思いをしたいからというより、誰かの為に何かをしようと懸命。
人を思いやる優しさをどれにも感じました。
主人公たちは、やり直して満足感を得るが、彼らの知らなかった事実がそれぞれ別の人から語られるのも面白かった。

人生をやり直す話なら、過去にもあったけど、その辺は上手い!
ややブラックなものもあったけど、最後の「すばらしきせかい」は、美談で気持ちよく読み終える事ができて良かった♪

小路さんは、音楽が絡んだ話が多いですが、この短編の各所にいろんなジャンルの音楽が、存在していました(^^)


★★★★
7b4dfc28.jpg発行年月:2009年11月


「すみません。はいどうぞ。シツレイしました。カシコリました!」

初めての着物。初めてのすき焼き。初めての恋-----。日本人と結婚した姉のきびしい監督のもと、十九歳の中国人留学生・虹智は高級牛鍋料理屋でアルバイトを始める。その純朴な目にうつる現代ニッポンの人間模様と日中韓の若者の姿。中国人初の芥川賞受賞で話題の著者が、おおらかな筆で描きだす、冬の鍋のように温かい物語。

                                      
(新潮社HPより)

楽しかった♪
そして、すきやきが食べたくなる!
自分で作った物じゃなく、お店の人が割り下を入れながら作ってくれるすき焼きがいいな~。

中国人留学生の虹智(コウチ)が可愛い。
一生権命バイト先で日本人の先輩たちの事を聞いて真面目に働く姿も可愛いけど、学校での交友関係も良かった。
韓国からの留学生・柳賢哲(ユヒ・ヨンチュル)の人懐こさに戸惑いつつも、友達として学校帰りに買い物に一緒に行ったり・・・

日本人のクラスメイトとの会話、バイト先のお店での出来事から、虹智が感じる違和感は、日本人には気付かないけど、外国の人はそう感じるのね?という面白さ。
前に書いてた作品でも同様なことを思ったけど、こういうのは日本人の作家では書けない内容でしょう。

可愛くて真面目でよい子なので、紅智は結構、モテてましたが、冷静に考えるあたりも好印象!

最後は、どうするの?っていうところで終わるんだけど、ちょっともイヤな終わり方じゃなかった。
あれこれ想像して楽しみました(^^)


この著者の作品は結構、読んでるけど、これが一番好き♪

★★★★★
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