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読んだ本の感想あれこれ。
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47928507.jpg    発行年月:2006年2月

青いシートにくるまれ、放置されていた物体。それは、執拗に切り刻まれた惨殺死体だった。警視庁捜査一課の主任警部補・姫川玲子は、直感と行動力を武器に事件の真相に迫ろうとする。しかし、事件の全貌は、想像を超えて凄絶なものだった・・・。
熱気と緊張感を孕んだ描写と、魅力的なキャラクター。
新鋭、渾身の長編エンターテインメント!


                            (光文社HPより)


姫川玲子シリ-ズは、新しいものを読んだことあり、この話のなかで玲子がどうして警察官の道を選んだのかがよく解りました。
高校生の時、辛い体験があり、そこで出会った警察官に救われ、その警察官の言葉を胸に抱いて前を向いて進んで来たんですね。
その話にも感動しました。


そして、直面する事件。
それに関わる人物の生い立ちが先ず物語の始まりにあり・・・・う~暗そう。重そうだな。と思いました。

次々に発見される遺体の凄惨さ。
その手口は実にグロテスクでちょっと気分が悪くなるかんじ。

玲子をはじめ、警官たちの会話が明るく結構、楽しいので救われたけど・・・・^^;

終盤になると事件の核心部分に触れ出し、緊迫感が増しました!
危ないよ。そこに入ったらダメなんじゃない!?なんてハラハラドキドキしながら玲子の行動を心配してたら・・・え?あなたも犯人側の人間でしたか!?とビックリの展開!(+_+)

ヒヤヒヤドキドキ・・・・

でも最後は、ホッ。

玲子の天敵のような勝俣警部補だけど・・・・なかなか良いとこあるじゃん!
好きだな。こういうキャラクタ-。

玲子に好意を寄せる部下の菊田と井岡。
対照的な二人の様子も面白かったし、登場人物たちが、このシリ-ズはいい!

まだ読んでいない姫川玲子シリ-ズも読んでみよう!


★★★★


PR
8d26bb1e.jpg発行年月:2009年12月

あいつの人生が終わり、僕たちの長い旅が始まった。

背負った重荷をどう受け止めればよいのだろう。
悩み、迷い、傷つきながら手探りで進んだ二十年間の物語。

中学二年でいじめを苦に自殺したあいつ。遺書には四人の同級生の名前が書かれていた。
遺書で<親友>と名指しをされた僕と、<ごめんなさい>と謝られた彼女。
進学して世界が広がり、新しい思い出が増えても、あいつの影が消え去ることはなかった。

大学を卒業して、就職をして、結婚をした。息子が生まれて、父親になった。
「どんなふうに、きみはおとなになったんだ。教えてくれ」
あいつの自殺から二十年、僕たちをけっしてゆるさず、ずっと遠いままだった、
“あのひと”との約束を僕はもうすぐ果たす-----。

著者が生んだ数多の感動作の集大成であり、大きな覚悟をもって書き切った最高傑作!

          
                              (講談社HPより)


今回の作品は、今の時代にわたしたち誰もが直面する可能性のある闇のような問題がリアルに描かれていました。
ここでは、中学2年の少年がいじめによる自殺をしたところから物語が始まります。

いじめていた張本人たちが悪いのは当たり前ですが、その様子を見ていながら、何の行動も起こさなかったクラスメイトたちの罪について、亡くなった少年の父親の怒り、無念さから、それがとても重たい罪だと痛感します。
自分がその傍観者の一人だとしたら・・・と思いながら物語を読んでしまいました。

この物語を語る僕は、自殺した少年の遺書に「親友」として名前を書かれて「ありがとう」と言われた真田裕。
小さい頃はよく遊んだけれど、中学になると特別避けていたわけでもないけどあまり口も利かなくなり、親友と呼べる関係ではなかったと思う。
けれど・・・自殺してしまった藤井俊介(フジシュン)は自分事を親友と思っていたのか?
戸惑いつつも、助けてあげられなった、何もしなかった自分に罪悪感を募らせていく裕。

同じように遺書に名前を書かれた中川小百合。
百合子に一方的に好意を寄せ、亡くなる前に電話して拒絶された事を「ごめんなさい」と謝りの言葉を残している。
あのときもっと優しい言葉で断ればよかったと裕と同じく罪悪感を抱く。

クラスメイトたちのなかにも罪悪感を感じた生徒はいると思うけど、この二人の比ではないだろうな。

罪悪感を抱きながら大人になり、これからもフジシュンの事を忘れないで生きていくんでしょう。
でもフジシュンや家族たちには、覚えていて貰えることが何より嬉しいことじゃないかな?

フジシュンが学校の図書室から頻繁に借りていた旅の本。
いつか行きたいと思っていただろうスウェ-デンの「森の墓地」。
それは裕のいつか行きたい場所にもなっている。


辛い重い物語だったけど、最後は少し温かい気持ちになれてよかった!

この本は学校の先生にも読んで欲しいな。
勘違いや思い込みによる指導が子どもをより一層の窮地に追い込む危険もあるという事を知って欲しい。

いろいろ考えさせられる内容でした。
多くの人に読んで欲しい書です!

★★★★
544cc20b.jpg発行年月:2009年11月


ひきこもり青年の「悪魔祓い」を頼まれた男と、一瞬にして300億の損失を出した株誤発注事故の原因を調査する男。そして斉天大聖・孫悟空。救いの物語をつくるのは、彼ら・・・・・。


                      (中央公論新社HPより)



悪魔祓いを頼まれた青年・遠藤二郎が語る「私の話」と
証券会社が20分間に300億という損失を被った原因調査に挑む五十嵐真が主人公の「猿の話」
二つの話が交互に語られ、これはいつか繋がるのかな?なんて想像しながら読みました。

それぞれの話は、それぞれにまあまあ面白い。
「私の話」で語られる悪魔祓いについての話も興味深かったし・・・孫悟空が突如出現する「猿の話」もなんじゃ?と思いながらも結構、好きだった(^^)


そして、やはり途中からこの二つの話は接触するのです!
期待通りだけど、へ~こういう風に繋がるんだぁ~!なんて驚いたり・・・(^^)

ま、ラストはふ~ん。っていうかんじで特にすごい感動とかはないんだけど、途中途中の何気ない会話のひとつに「おっ!いいね~!」っていう言葉があったりで、
これは、また映像化されても面白いかもなぁ~なんて思ってしまった。

伊坂さんの作品は結構、映画化されているようなので・・・。

悪魔祓いを依頼される青年の誰かが発するのSOSの信号をキャッチしてしまう体質なんだそうで・・・
「どこかで誰かが泣いている」って思うその感覚は何か優しい気持ちでいいな~なんて。
でも、現実的には察知したから何が出来る?と考えると難しく、それを悩む青年の苦悩が伝わってきた。
気付いたけど、気付かなかったことにしたり・・・
う~ん、わかる!自分がその立場なら同じこと思う!

SOSは・・・何の略?という話もちょっと記憶に留めておきたいからここに残しておこう。
Save our ship(わたしたちの船を救って)
Save our souls(わたしたちの魂を救って)
の意味からじゃないか?と。

なるほどね~前者は身体的救済、後者は精神的救済を求めているのかな?
奥が深い解釈だな。

ラストは、特に感慨深いものがあるものではなかったし、「結局・・・・はどうなった!?」みたいな感じもあるのですが・・・・全体的な雰囲気は好き♪
面白かった!

★★★★

22701448.jpg発行年月:2009年12月

女性の「幸せ」について投げかけた衝撃の長編小説!

かつて人気アナウンサーだった美季子は、
現在、チーフという立場で若い女子アナたちの管理職として
日々働いている。
独身であるがゆえに、
42歳という年齢にテレビ局内はもちろんのこと、
周囲の反応はさまざまだ。

ある日、大学時代の友人・兼一と再会したことで、
彼女の心の中に何かしらの波紋が生じる……。

親友の美里と離婚後、再婚して幸せになったはずの兼一に
起こるさまざまな問題。
そして美里は病気が再発して……。

若いころとそれほど変わらないと思っていても、
明らかに違う40代。
それでも輝きを失わない40代の生き方を描く、
林真理子の恋愛文学の「真髄」!

                                     

                                        (光文社HPより)

女子アナやテレビ業界の中身も知れて面白かった。
主人公の美季子の周りで起こることが、平凡なわたしには非日常的だけど、美季子の考え方には結構、共感できる部分もあって、好感も持てたな~。

大学時代からの親友・里美と兼一、双方に起こる事に苦悩しながらも親身になって動く美季子。
男女間でも、こういう風に友達関係がずっと続くのはいいなぁ~なんて思った。
でも兼一の再婚した妻には、不愉快な関係でしかないのよね~。
当然といえばそうだけど・・・。

美季子にも最後の方、幸せが訪れて、あ~よかった!と思ったら・・・・
う~ん、波乱万丈な人生がこの後も続くのかな?

けれど、どんな状況になっても、自分で幸せを見つけていけそうな美季子!
がんばって!!と応援したい気持ちになりました。

このタイトル・・・いいな(^^)

★★★

d56fb1d8.jpg発行年月:2006年10月


講談社児童文学新人賞受賞作家のやさしく、すこやかな、感動作。

そうか、少年って、こんなふうにおとなになるのか。

夜の神様が、どうかどうかぼくが今話したことをすっかり飲みこんでくれますように。
第45回野間児童文芸賞受賞
第23回坪田譲治文学賞受賞

                                     (講談社HPより)

主人公の少年・光輝の小学5年~の思い出話を綴る物語。
母親と二人で暮らす光輝は、控えめで空気のように存在感のない子どもだった。

が、5年生になりクラスメイトから初めて遊びに誘いを受ける。
お調子者で人気者の押野から「野球しようぜ」と。
その日から、彼とは親しくなり、毎日の学校生活にも変化が起きる。

母親の仕事の関係で引っ越し、転校が決まったときは絶望感から他者を受け付けないようになってしまい、どうなることか?と心配になったけど、担任の先生の助言があって、事態は好転する。

新しい環境で暮らしながら、またその暮らしぶりも楽しそうだったなぁ~。

押野は良い子(^^)
良い友達がいるって子どもにとってすごく大きな事だと思う!

おじいさんとの関わりも良かったな。


ラストは、大人になった少年が昔を振り返ったような形で終わる。

関わった人たちのその後も語られるけど、大人になってまで友達との交流が続いたわけではないんですね。
しかし、振り返ると、彼にとっては深く思い出として刻まれている日々だったのでしょう。
そして、この先もずっとその思い出は薄れることなくいつでも蘇らせることが出来る大切な思い出の日々。

わたし自身にもそんな日々・・・あるな~なんて思いました。
多分、誰にでもあるんでしょうけど。


子どもが読んでも楽しく読めると思いますが、大人でも十分、楽しめるお話でした。
椰月さんの少年・少女を扱ったお話はやはりいいな♪


★★★★
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