いつもと同じ日々の中、忘れたくない光がある
美しかったり、謎めいていたりする、私の隣の人々。
芥川賞作家にして史上最年少の川端賞作家による
「これぞ小説」な味わいの6篇
どの話にも別れがあるけど、恋人や家族とかの大袈裟な別れではない。
主人公たちが日常のなかで、ちょっと接点を持った人たちとの話でした。
こういうなんでもない日常の一こまのようなものをちゃんと文章にして読ませる事が出来る作家さんは好きだ!
6つの話どれもよかった。
「新しいビルディング」
入社して3ヶ月のマミコ。同じ部屋で毎日一緒に働くフジワラさんが妊娠し近く退職するという。
毎日近い距離で過ごしているフジワラさんとは殆ど話しをしないで過ごしている。
「お上手」
靴が壊れてしまい、思い出した地下広場の一角にある靴の修理屋に寄る万梨子。
後輩が買ったばかりの靴のヒ-ルに傷が付いたというので、その修理屋のことを話す。
早速行った後輩からその店員のことを「万梨子さんの好きそうな人」という。
「うちの娘」
大学の学食で働く雪子。
毎日同じような時間に来て、必ずわかめうどんを注文する女子学生が気になる。
結婚前妄想好きだった雪子は、女子学生を追いながらあれこれ妄想して楽しむ。
「ニカウさんの近況」
突然、届いた二飼という男性からの退職を知らせるメ-ル。
全然、心当たりのない二飼という人物だが、あえて返信することはせずにいる。
その後は転職先が決まったという報告メ-ル。
「役立たず」
配送ドライバ-の阿久津。
数々の女性と交際したが、途中でその女性といることに苦痛を感じてしまう。
結婚まで考えた理沙も荷物をまとめて部屋を出て行く。
そして、学生時代ちょっと気になっていた弥生から久しぶりに連絡が来る。
「ファビアンの家の思い出」
15年前の夏、イギリスに留学中の友人・卓郎からスイスに住む友人宅に行くが一緒に行かないか?と誘われジュネ-ブの空港で待ち合わせる。
卓郎の友人はナディア。彼女が連れて行ってくれた家はファビアンという知り合いの家を仮住まいさせてもらっているという。
卓郎の友人宅で2泊させて貰うが、その間、食事に出たチ-ズでお腹を壊してしまう。
吐き気と腹痛が時々、襲うが家の居心地はよく友人宅の人たちにも良くしてもらう。
今もスイスで知り合ったナディアとは文通を続けている。
一番面白いなと思ったのは
「うちの娘」かな?
勝手に一人の女子学生を自分の娘だと仮定してあれこれ思う女性。
付き合ってる男性が気に入らなくてヤキモキしたり・・・
着ている服が似合ってないなぁ~と思ったり・・・
でもある日、とうとう付き合ってる男性に言ってしまった!
ま、その後どうなったかは語られてないんだけど。
ほかの話もそれぞれ楽しめました。
すぐ忘れてしまいそうな些細なことを書いているのだけど、読んでいるときは楽しい。
この表題もよく考えたものだと思う。
別れじゃなくて「お別れの・・」っていう響きがいいなぁ~。
★★★★
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爆発不可避----身構えても、吹き飛ばされる、“怪物的”傑作、誕生!
母の愛人だった男が、私の夫。愛なんて最初からなかった、はずなのに。夫の事故ですべてが狂い始めた----。善悪の彼岸へ近づく日常。私たちの“仮面”は崩壊し“怪物”が顔を出す。死ぬって、恰好悪いこと? 忘却不能の最後まで、あなたの心は震え続ける! 2010年必読のミステリー。読み逃せば、後悔する。間違いなく!
(新潮社HPより)
前に読んだ「凍原」が面白かったので、この著者の新刊は楽しみにしていました。
自分で買えばいいのに・・・・図書館にリクエストをして借りました。
文章は読みやすく、面白いのですが・・・
謎が多く読み終えた後、なんだかスッキリしたかんじがせず・・・・^^;
先ず最初に、物語の主人公となる女性・幸田節子が自身でガソリンをかぶって亡くなったと推測される事件が出てくる。
その後、物語は節子の生前の話に遡って展開される。
節子の夫・喜一郎は元は節子の母・律子の恋人だった。
この関係だけでもタダならぬものを感じるけれど、節子の周りにいる人たち全てと言っていいほどの人たちがタダならない^^;
節子の恋人・澤木(税理士)は節子が亡くなる直前まで行動を共にしていた人物。
不倫関係は長く、節子の夫が経営するラブホテルの今後の経営方針などの相談にも乗っていた。
澤木と付き合いながら、母親の恋人の喜一郎と結婚を決めた理由はなんだったんだろう?
それが最後までわからなかった。
そして、喜一郎が事故で意識不明の状態が続いた後、亡くなるけれど、喜一郎の死に対しても淡々と受け止めていたように思えた。
それがなぜ、自身も死を選ぶことに繋がったのか??
う~ん。わからない。
読解力のなさかなぁ?
節子のやる事、考えることが不思議でした。
歌詠みの会で知り合った佐野倫子とその娘・まゆみを暴力夫から守り、その後、犯した罪にも驚いた!
怖い女!
真相はよくわかないけれど、まあまあ楽しみながら読めた本。
でも「凍原」の方がわたしは好きだったなぁ~。
読ませる文章力は十分にある作家さんなので、次回作も期待はしてます!
過去作品をその前に読んでみようなか?
★★★
時代を超え、小さなタイムトンネルで結ばれた
二人の少女の心の交流を描く、心温まる、少し不思議な物語。
著者初の児童文学作品。
(ポプラ社HPより)
林真理子さんが児童書!?
どんな話を書くのかな?ととっても興味がありました。
読み終えたら、とっても温かい気持ちになれました!!
児童書もこれから、バンバン書いて欲しい!
秘密のスイ-ツの意味は、なるほどこういうことだったんですね?
現代(平成22年)に暮らす理沙が、あるとき、ママの携帯電話を通じて偶然知り合う雪子。
雪子は昭和19年に暮らす女の子。
神社のある場所は、過去と現在を繋ぐ場所だということを発見した理沙。
昭和19年がどういう時代なのかは社会で少し習ったけど雪子の話で実際の暮らしを知る。
日本は戦時中で食べるものも不足していて
甘い物などは貴重で殆ど、手に入らない時代。
戦争は終戦間際で、どうなるのか行く末を知っている理沙と、日本は戦争に負けるはずがないと信じている雪子の気持ちのすれ違いは辛い場面でした。
しかし最後は、偶然の奇跡のようなものも手伝って明るい終わり方で良かった!
やはり児童書はハ-ッピ-エンドがいいな。
★★★★
女子大生・瑛は、恋人から逃れて、南の町のホテルにたどり着いた。そこで、ホテルの部屋の電話機に残されたメッセージを聞く。「とても簡単なのですぐわかります。市電に乗って湖前で降ります。とてもいいところです。ボート乗り場に10時でいいですか? 待ってます」そして、瑛とニノは出会った。ニノもまた、何者かから逃げているらしい。追っ手から追いつめられ、離ればなれになってしまう2人。「1人で行っちゃだめ。私も行くから」
(講談社HPより)
21歳の瑛は、恋人の元から南の町に逃げてきた。
そして出会った、寡黙な少年・ニノ。
灰色の人から逃げて来たと語る。
ニノは、日本人の父とフィリピン人の母を持つらしいが、母親は自分を出産後祖国に帰ったとか。
そして父親は行方知れずで、施設で育った。
灰色の人は、ニノを外国に住まわせようとしているらしい。
二人の逃げている者同士が出会い、一緒にあちこち住む場所を変えていく。
最初、南の町というのは、沖縄か?と思ったけど・・・・読んで行くと
辛子レンコンやら、ざぼんやら出てきたので、これは九州なんだ!と気づく。
でも、なんだか異国っぽい描写もあったりして不思議。
二人の逃避行の話も面白いけど、途中途中に語られる逸話も面白かった。
最初に二人が出会った子守町で、瑛は最初、ホテル暮らしをしていたが、その後おばあさんが一人で店を開いている石松砂糖販売で暮らすようになる。
子守町に伝わる子守地蔵の言い伝え。
日本に砂糖が伝わった話。
なるほどなるほどと思いながら本筋の話をちょっと置いといて語られる話がその後も沢山!
こういう書き方面白い(^^)
「森のくまさん」の歌詞の不思議も言われてみれば、妙だと気づく。
逃げる瑛の話とこういう風に繋がるとは・・・感心しちゃいました!
瑛とニノは、逃げたままじゃいられない。どうなるのかな?と心配しながら読みましたが、
最後は、ホッと出来る結末だったのも良かった。
★★★★★
もっと我慢せず、自分のために生きればいい。
君川小麦は、26歳のパティシエール。東京での修行を終え、ケーキショップを開くため故郷の北伊豆に帰ってきた。小麦の兄・代二郎と義理の姉・道恵の間には、叶夢(かなむ)という6歳の息子がいる。叶夢には、レイモンドという天使の友達がいるらしい。ケーキショップ開店のため小麦が見つけた店舗物件に対し、叶夢は「ここ、はやらないよ」「レイモンドがそう言ってる」と口にし、小麦、代二郎夫妻を戸惑わせる。しかし、結果は叶夢の言うとおりに…。さらに、帰京した小麦には家族にも明かせない秘密があった。君川家の人々は様々な困難を乗り越えながら、ケーキショップの再起を目指す。
(小学館HPより)3年前に手術した癌が再発し、再び治療を開始した小麦。
けれど、夢であったケ-キ屋を開店し、一所懸命ケ-キづくりを行なう日々。
開店時には、そこそこの集客もあったが、段々と客足が遠のき、店を一緒にやっている母親や義姉には病気の事が知れてしまう。
けれど・・・そこからが良かった。
義姉との関係も修復したし、再びケ-キ屋開店し頑張ろうと団結力を強めた家族。
小麦の兄・代二郎も妹思いで、温かい。
兄夫婦の息子・叶夢(かなむ)くんも可愛い。
叶夢くんは、ちょっと変わっていて、あまり友達と積極的に関わらず一人、別の世界を見てるかんじですが、叶夢くんだけに見える天使のレイモンド(通称レイ)の存在が、この家族を方向に導いていた。
天使の存在なんて非現実的なことだけど、それがあるからこそ、この物語が温かい物語として成り立っていたかんじ。
心が弱っているとき、信じるものの存在って大きい。
小麦の周りの家族以外の人たちも温かい人ばかりでした。
ラストは予想通りでしたが、哀しい気持ちよりも穏やかな気持ちの方が大きかった。
素敵なお話でした(^^)
★★★★
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自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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