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読んだ本の感想あれこれ。
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c1d3dd1f.jpg発行年月:2001年1月(単行本は1996年)

フー・アー・ユー誰だい、君は? テル・ミー教えて、私に。アイル・テル・ユー教えよう、君に----。秘密の裏庭から始まる孤独な魂の冒険。

昔、英国人一家の別荘だった、今では荒れ放題の洋館。高い塀で囲まれた洋館の庭は、近所の子供たちにとって絶好の遊び場だ。その庭に、苦すぎる想い出があり、塀の穴をくぐらなくなって久しい少女、照美は、ある出来事がきっかけとなって、洋館の秘密の「裏庭」へと入りこみ、声を聞いた----教えよう、君に、と。少女の孤独な魂は、こうして冒険の旅に出た。少女自身に出会う旅に。

                    
第1回 児童文学ファンタジー大賞 大賞
                       

                                            (新潮文庫HPより)

不思議な話でした。
幻想的だけど、リアルなかんじもあり、梨木さんらしい。



主人公の照美には、幼いときに亡くなった弟がいた。
両親は、揃って、レストランの仕事に忙しく、照美は一人でいる時間が多く一家団欒というものを長く経験していない。
そして、照美の母・幸江(さっちゃん)には、子どもの頃、母親に好かれていなかったのでは?と思っている。

照美の家の近くには、昔、英国人一家が住んでいて今は空き家となっているが、昔も今もその
バ-ンズ屋敷の裏庭は、子ども達が出入りしていた。

照美の弟が亡くなったのは、裏庭でのある事故の少し後。自分のせいかも。
両親はわたしを許せないのかも。・・・・幼い子がこんなに胸を痛めている様子が切ない(/_;)


そしてある日、バ-ンス屋敷の裏庭に入り込んだ照美は、裏庭の地下の世界(?)に
入り込んでしまう。
そこで起こる物語は、不思議で、少し怖い。
これはどういう意味なんだろ?と思いながら読み進めると、段々とわかって来ます。

バ-ンズ屋敷の今のオ-ナ-で、昔そこに住んでいたレイチェルおばあさんの話で
明かされる昔の話。
照美の母親がさっちゃんと呼ばれていた時代。
照美の母親とレイチェルとの思い出話。
レイチェルの若くして病死した妹・レベッカ。

過去に心に負った「傷」が裏庭で根を張り、世界を作っている?

レイチェルの言葉が印象的でした。
傷ついたらしょうがない。傷ついた自分をごまかさず見つめて素直にまいっていればいい


母親、祖母それぞれの心に抱えたものを冒険により体験して、照美の抱えていた何かも解き放たれたのかな?

いろいろな事柄の解釈を読んだ人なりに考えられる物語だと思います。

もう少し、時間が経ったら再読してみたい書です。

★★★★★
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a88ff62f.jpg   発行年月:2005年4月


   なぜ肥満の三人に一人が発展途上国に住んでいるのか? 
   具体的な数字から現れる意外な事実、その背景には驚くべき物語が! 
   世界のほんとうの姿が見えてくる書。


                            (草思社HPより)



著者がはじめに書いているように、先進国と途上国との、不平等さに何とも言えない気持ちになります。知らなかった事を知ったところで、どうしたらいい!?
個人の力では、何も事を起せない。
なんて無力感が沸いたり・・・。

でも「へ~そうなんだぁ~」と単純にビックリの項目もあって、面白くもあり。


宗教の違いで、行なわれる儀式めいた事実は、恐怖でした^^;
日本人に生まれてよかった!

項目が50個で、ひとつひとつが短く数値などでしっかりと事実を伝えてくれているので、解り易かった。
パラパラと項目だけ追うだけでも、十分、知らなかった事実がわかる(かな)?

★★★
 
40ad8df6.jpg   発行年月:2010年1月


  六本木界隈で組長狙撃事件が発生した。
  現場から立ち去ったのはロシア系の女と日本人の男。
  その行方を執拗に追う暴力団、警視庁組織犯罪対策部。
  東京、新潟、稚内。
  東日本をまたにかけた緊迫の逃亡劇、戦慄のラスト!

                              (角川書店HPより)


警察小説で有名な著者らしいですが・・・今回、初めて読みました。
この物語は、事件を追う警察側というより、事件を起した犯人側目線で描かれた物語。

先ずは、殺人事件。
その被害者のロシア人女性の姉・タ-ニャが復讐に日本に訪れて、そこで彼女の旅のお手伝いをする事になっていた日本人男性・関口卓也が彼女の復讐劇に巻き込まれていく。

最初は、厄介な揉め事に巻き込まれるのを迷惑に思う関口が、段々にタ-ニャの手助けを自ら買って出る。
そこには、やはり恋愛感情が徐々に芽生えたということか?

タ-ニャが復讐する相手は、いわゆるヤクザ。
復讐を成し遂げた後も執拗に追いかけて来て、ハラハラドキドキ。
タ-ニャも負けてないから凄いんだけど・・・

無事にロシアに戻れるのか!?

巻き込まれた卓也は、本当に災難。気の毒。と思ったのは途中までで・・・・
最後は驚きの展開でした!

一番可哀相なのは、卓也の妹さんでした(/_;)

途中、何度かタ-ニャから離れる機会があったのに・・・変に律儀なんだから!

ヤクザの藤倉が敵ながら(?)見事な勘で、タ-ニャを追い詰めるのも怖かったな~。

ラストはビックリでしたが、最初から最後まで、一気に読める面白さでした。


直木賞受賞作「廃墟に乞う」は、まだ手元に来ないなぁ~(図書館予約中)
早くそちらも読みたい!

★★★
344348c8.jpg発行年月:2008年12月

池上彰が、オバマ政権誕生と金融危機など最新ニュースを「世界一」分かりやすく解説。中学受験生、即効知識を得たいビジネスパーソン必見!

第一章 オバマ政権誕生
第二章 経済ニュース
第三章 政治ニュース
第四章 社会ニュース
第五章 海外ニュース
                                                           (毎日新聞社HPより)


本書は、「毎日小学生新聞」の連載「教えて!池上さん」07年9月~08年12月までの記事を元に加筆・編集したものだそうです。


なるほど・・・小学生用に書かれた文章なのね。
どうりでわかり易いわけだ。

毎日、ニュ-スが見たり、聞いたりしていますが、案外そのニュ-スの意味は大人でもちゃんと理解していないかも?
なんて思うのは、わたしだけか?^^;

これを読んだら・・・「あ~あのニュ-スはこういう事だったんだ!」なんて今更ながら、解ることが沢山あり、普段、ただ漠然とニュ-スを聞いてるだけじゃダメだな。
なんて大いに反省しました。


大人が読んでも、すごく良い本だと思います。
というか・・・わたしの場合、これくらいわかり易い本の方がいいです(笑)

池上さんの本、もっといろいろ読んで、ちゃんと社会のこと、学ばなくては!

★★★★
4af08c14.jpg   発行年月:2010年3月

  
   閉塞した日常、退屈な仕事、つまらない男、
         結婚への焦燥……。
   でも------。

   顔をあげ、風を感じてごらん、世界はやさしく豊かだ。

親元から離れたい娘、スキャンダルに巻き込まれたニュース・キャスター、他人の幸せを見送る結婚式場で働く女性、夢にもがき、恋に悩む……様々な境遇に身を置いた女性たちの逡巡、苦悩、決断を丁寧に切り取り描いた連作短篇集。

                                      
                                    
(PHP研究所HPより)


24の短いお話。
それぞれの中でキチンと物語が確立していて、読後はどれも清々しい。

次の話に前に出てきた人物が主人公として語られる。
どこの誰の近くにも居る人達の話。
そして、誰もがちょっとした心の痛みを抱えている。

考えてみれば、毎日がハッピィなんて人の方が少ないかも。
毎日、違った出来事があって、その中で悩んで、怒ったり、悲しんだり。

でも、人っていいな。
自分以外の人からの言葉とか、態度で、気持ちがフッと楽になったりするんだから。


21番目の「独立記念日」文中にあった言葉いいな~(^^)

『自由になる』っていうことは結局『いかに独立するか』ってこと。
ややこしい、いろんな悩みから・・・・・・



原田さんの作品は、やはりいいな♪
期待を裏切らない作家さんだ!
★★★★
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