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読んだ本の感想あれこれ。
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e5781c85.jpg発行年月:2000年11月


「あなたはぼくを愛しているんだ」バリ-はそう言う。
「バリ-なんてそんな男、存在しないのよ」クラリッサは言う。
ぼくに執拗につきまとい、脅し、病的なまでに愛を乞う男の出現で、ぼくとクラリッサの生活は歪んでいった-----最悪なまでに。

ブッカ-賞作家が洗練され筆致でスリリングに、エレガントに描き切り絶賛を浴びた崩壊する「愛」という名の物語。

                                              (本の帯文より)

マキュ-アンの本は、読む前からワクワクします。
過去に読んだどの本も自分の好みだから♪

今度の話は、ジャ-ナリストとして社会的にもある程度認められているジョ-・ロ-ズが体験した悲運としか言えない気の毒な話でした。

恋人クラリサッサと一緒にピクニックを楽しもうと訪れたのびやかな草地の広がるだろう場所で、ある事故に遭遇してしまう。
気球に乗って、子どもが大空に飛ばされてしまう!
大変だ!
同じように、その場所に居合わせたジョ-を含む男性4人が気球を地上に引き止めておこうと必死にロ-プを掴む。
が・・・ずるずると引きづられ遂に気球は飛んでいく。
男たちは次々、力尽きロ-プから手を離したが、ただ一人最後までロ-プから手を離さなかった気球に乗っている子どもの父親・ロ-ガンは転落死してしまう。
なんとも痛ましい光景。
気球に乗って行った子どもはその後、無事、地上で保護され無事だっただけに、ロ-ガンの死が辛い。
ジョ-はロ-ガンを死なせず済んだ方法があったのに・・・と自責の念に苦しむ。

が、ジョ-をもっと苦しめるものが現れてしまう。

一緒にロ-プを掴んでいた男・バリ-から突然の求愛。
戸惑うジョ-。

バリ-の言葉がジョ-に言う言葉は、明らかに異常。

でも・・・・それはジョ-の語りだから?本当はジョ-の精神状態が良くないから、そんな風に受け止めてしまうだけ?と途中で考えちゃって、本当に異常なのは、誰??と混乱しました。
その辺、マキュ-アンの狙いでしょうか?

しかし、不気味で怖い話です。
一方的に好きだと言われるだけでも驚きですが、あなたもわたしを好きなはず。とか自分が全くその気がないのに、あの時のあの眼差しで愛を気づかされたとか言われちゃうと・・・ゾゾ~ッ(怖)

一緒に暮らすクラリッサとの関係もギクシャクして、一体、ジョ-はどうなっちゃうの?と心配になりましたが・・・最後は救いのあるものでホッとしました。


やっぱりマキュ-アンって、わたしにとっては、凄い好みの作家さんだ!

★★★★
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2b177814.jpg発行年月:2010年3月


藤巻大介45歳、あすなろ大学応援団長出向を命ず-----
存続危機の応援団を「合言葉は押忍!」でオジサン達が復活させる、
抱腹絶倒・落涙必至の快作長編。


   
                   (毎日新聞社HPより)



表紙の絵を見て、ん?おじさんの応援団?会社の?あれでも団旗に大学って書いてあるな・・・?
なんて読む前からあれこれ想像しちゃいました。

会社員の藤巻大介が社の命令で、あすなろ大学の社会人入試を受け、大学生になる。
そして、存続の危機にある応援団を建て直すのが使命。
大介の会社社長が元そこの応援団長だった事から始まった無理矢理な辞令。
大介がその大役に選らばたのは、入試を突破できる確実な人物だということ。
大介は早稲田大学の経済学部卒ゆえ。

学ランを着て学校に行く毎日が始まるわけだけど、その初日が笑えた。
45歳で学ラン・・・想像しただけで可笑しい。
そして、大学の応援部には、そこの大学応援部だったOBの山下と齋藤が居て、しごかれる。
彼らも大介と同年代。
おじさん達だけで応援部?と思っていると、普通の大学生も入部して来て、そのやり取りがまた
可笑しい!

ギャグの連発。下ネタも・・・・笑
重松さんって、お笑いのネタとか書かせたら案外いいかも!
お笑いのセンス抜群じゃないかな~?なんて思ったり。

でも、ちょこっとホロリと涙を誘う部分もあったりで、最後まで楽しく読みました。

最後にあった文好きだな。

・・・・応援して応援されて・・・・・そうやって、みんなは生きているんだ。
・・・・勝利は望めなくとも、負けない、あきらめない、その思いを信じる。



★★★

 
25eb0253.jpg発行年月:2006年8月


連続誘拐事件と信用金庫爆破事件。
すべてはジウとミヤジに仕組まれた事なのか? 
ジウを追う美咲と東。だが、日本を震撼させる大事件が発生し、
二人の前に基子が......!? シリーズ完結篇。


   
                   (中央公論新社HPより)


シリ-ズ完結編なので、Ⅰ、Ⅱと描かれて来たものがどう決着つくのか、
読む前から期待していました。

Ⅱで既に、自ら危険な場所に乗り込み、囚われの身になるつつ自分が生きる為に躊躇なく
3人を殺した女性刑事・伊崎基子。
基子の尋常ではない姿はⅢも続き、悪を捕まえるという使命以上の何か不気味な脅威を感じながらこの先、どうなっちゃうのぉ~!?なんて事も気になりながら読み続けました。

基子と対照的に、柔らかい感じの門倉美咲は、やはり登場してくるだけで、何だかホッとしたなぁ。
捜査で一緒に行動の東主任に好意を抱いてる姿は女性からみても可愛い♪

終盤、基子が潜入した地獄のような場所にも臆する事無く乗り込み、命を軽く扱う傾向にある基子の前で身を呈して、そうじゃないんだ!とわからせたような場面は、感動した!!

ジウとその後ろ盾であるミヤジとの対面の場面は、ハラハラ。
特にジウVS基子の対決シ-ンは迫力あり
残りのペ-ジ数が段々、少なくなるのを気にしながら、どうなる?どうなる?と。

でも、なんだかちょっとラストはあっけなかったな。

ジウの本心をもっと知りたかった。


ま、でも面白かった事に変わりはないし、読み始めると止まらなくなる文章の巧さはサスガでした♪

ジウが関わっていた事件は完結しても、今後の基子と美咲の今後は何かの形で
また読ませて欲しいな。


★★★
6862fe6a.jpg発行年月:2010年3月

家族は、ここまで憎み合えるのか。
同じ選挙区で議席を奪い合う、義父と娘婿の選挙戦。それは、母と娘の、姉と妹の、壮絶な戦い。
講談社創業100周年記念出版

連続ドラマ化の前作をはるかに上回る迫真のリアルフィクション、早くも登場!

政権交代を賭けた衆議院選挙。不遇をかこつ元大蔵官僚・有川崇はついに出馬を決意する。野党最大の目玉候補として。自分を飼い殺しにした義父への「刺客」として。
閨閥は真っ二つに割れ、憎しみをぶつけ合う。「平成の華麗なる一族」を描く欲望と権力のドラマ、過熱!


                                          (講談社HPより)

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京の続編。
前作は、テレビドラマを毎週、欠かさず見ていたので、難なく理解出来ました!

前作(ドラマ)では、政界でトップに立つ事を夢見ていた有川嵩だが、あるスキャンダル事件が元で政界を追われる事に。嵩の母・三奈、と嵩の妻・尚子の父・眞一郎は30年前、東大の学生の時代、安田講堂事件を共に経験し、二人の間には、深い繋がりがあった。
けれど・・・・・それゆえ、お互いの富と権力を守るため、譲れない事があり・・・・結構、憎しみあったり大変なドラマでした。


本書では、政界を追われた嵩が弁護士の道を進んでおり、嵩の実家の白川病院は次男・透が跡を継ぎそう。
そして、元々は嵩の恋人だった笹山宣子(ドラマでは小池栄子)のその後は気になっていましたが・・・渡米して幸せになっている様子でホッとしました(^^)

弁護士として平穏に過ごしていた嵩の元に再び眞一郎から出馬要請の声が掛かり・・・
再び政界へと進む決意をする嵩ですが・・・義父を裏切る形で敵対する党での出馬。

う~ん、面白くなってきた!!
父親を敵に廻すことを、嵩の妻・尚子が応援する形で、父親に対しての恨みを抱く過程もなかなか面白かった。(他人事なので・・・・^^;)

義父との対決は、まだまだ始まったところ。
これは間違いなく続編が出るでしょう!早く読みたい!!


そして、出来るなら、ドラマも再び始まって欲しいな~。(今秋あたりやらないかな?)

テンポ良く話が進み、実に面白い!
原作の1も読んでみようかな?

★★★★
b98d6728.jpg発行年月:1996年6月

前歯をかいて手首もねんざ。おまけに「4週間プールそうじの刑」。ぼくらの夏はサイテーになるはずだった……

[階段落ち]という危険なゲームをした罰として小学校最後の夏休みをプールそうじでつぶすことになった。ぼくと栗田。“ぼくらのサイテーの夏”はこうしてはじまった。

児童文芸新人賞/日本児童文学者協会新人賞

                                    (講談社HPより)

笹生さんの本。
前に読んだ「楽園のつくりかた」が良かったので、デビュ-作?を借りてみました。

主人公は、小学6年生の桃井君。
友達と他のクラスの子たちと対抗して遊んでいたところ、危険行為にて罰のプ-ル掃除を夏休み中やる事になってしまう。
成り行き上、違うクラスで口も殆ど利いたことのない、栗田君と二人だけで。

最初は、二人共無言。
でも、段々と友情が芽生えるというお話。

二人の少年の家庭には、それぞれ、事情があり円満とは言えないものがある。
が、お互いがその事をさらけ出して付き合うことで、少しずつ明るい兆しが見えてくる。

子どもって、逞しい!
子どもって素晴らしい!

これは児童書だけど、大人も楽しめるお話。

明るいだけじゃない話だけど、先には希望があると確信出来るラストの締めもいい。
学校の先生、特におやじ先生が良い!
ちゃんと子ども達の頑張りを見守ってくれていて褒めたり励ましたり。


笹生さんの本、いいな。
また何か借りて読もう(^^)

ちょっとコミックっぽいけど、挿絵も良いです♪

★★★★
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