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読んだ本の感想あれこれ。
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3076288f.jpg   発行年月:2010年4月

2010年3月、鳩山首相がインターネットの選挙利用解禁について「やらねばならない時代の流れだ」と述べた。早ければ5月にも法案が成立し、7月の参院選からネット選挙が解禁されるだろう。

 2009年の総選挙による政権交代の最大の功労者はテレビだった。公職選挙法によって選挙期間中の情報伝達の手段が制限されているため、テレビによる情報が、有権者になによりも大きな影響を与えたのだ。

 インターネットの利用が解禁になれば、選挙運動の様相は大きく変わる。情報発信の手段は多様化し、双方向的になる。なによりその手軽さによってこれまで政治や選挙に興味のなかった層を取り込めれば、投票層や投票率が変わり、当選者も替わる。当選者が替われば政治が変わる。

 日本はこれからどうなっていくのか。ネット解禁による日本の選挙・政治の変化を考察する一冊。


                                         (PHP研究所HPより)

ラジオで著者が話しているのを聞いて、もっと詳しく知りたいと読んでみました。
丁度、明日は参議院選挙。なんともタイムリ-。

本書は第一部と第二部にわかれていて、第一部では、ネット選挙が解禁されたと仮定してのシュミレ-ション小説になっているのも面白かった。
小説になっていると、わかりやすい!
登場人物は、架空の名前だけど、容易に「あ、これは〇〇党の〇〇元総理だよね?」とかわかるので、自然に実在の人物の顔が浮かんで来ます。


第二部では5つの章にわけて、実際にネット選挙が解禁になると候補者の選挙活動がどう変わる?とか有権者にはどう影響するか?などが詳しく解説されていて、わかりやすく面白かった。

こうして読むと、有権者には良い事の方が多そうだけど、候補者は大変な面も多いな。
好感度が益々重要視されるのかも。

今度の参院選は従来通りの方法でも、早ければ2011年の統一地方選挙からネット選挙解禁になるかも?と選挙プランナ-の著者は語っています。
そうなるのが、少し楽しみのような。
政治に関心なく、投票に行かなかった若年層の票がグンと伸びることは予想出来る。
そうなると、何かが変わるかも?


余談:本書のなかで著者の経歴も少し触れて、キムタクが総理になったテレビドラマ「CHANGE」での選挙指導をしたそうです。


★★★

 
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0ae0ffa9.jpg    発行年月:2009年8月

 弱小地方球団・仙醍キングスの熱烈なファンである
 両親のもとに生まれた山田王求。
 “王が求め、王に求められる”ようにと名づけられた一人の少年は、
 仙醍キングスに入団してチームを優勝に導く運命を背負い、
 野球選手になるべく育てられる。
 期待以上に王求の才能が飛び抜けていると知った両親は、
 さらに異常ともいえる情熱を彼にそそぐ。
 すべては「王」になるために-----。
 人気作家の新たなるファンタジーワールド。


                                          (徳間書店HPより)


どんな作品が伊坂さんらしいのか、わたしにはよくわからないので、新たなる・・・と言われても?ですが、なかなか変わった雰囲気で、面白かった!
わたしは、好きだな。こういう話。


生まれながらに野球の天才として生まれた王求。
この名前の付け方、なかなか良いセンスじゃない!?
こういうところに伊坂さんの遊び心を感じるな~(^^)

ま、それは置いておいて・・・
この物語は野球に天才、王求の0歳から23歳までの伝記のような物語。
語り手が第三者なのでか、主人公の王求の心理描写がイマイチ、稀薄。
結構、凄い事件も起きるけど、そのときの王求の気持ちはどうだった?と思うほど、淡々とそこは素通りしていく。
元々、感情を大きく外に表さない性格のようなかんじもしましたが・・・。


まだ幼い頃(小学生くらい)までは、微笑ましい家族の場面もありましたが、段々と両親の考え方(特に父親)が異常になっていくのが怖かった。
そして、時々、出現する謎の3人の黒ずくめの女性。
女性たちが投げかける言葉も異様で不気味。
シェ-クスピアが出てきたりで、その様子もどこか戯曲調。

「お-く おおくをのぞむがいい」
「お-く フェアに生きろ」
「フェアネスを貫こうとする者は不幸になるぞ」
「お-く それでも王になるお方 めでたいね」


なとなく不穏なかんじが続き、プロ野球選手になった王求でそこでも天才ぶりは健在なのに、本人はさほどそれを喜んでいる様子ではなく、この人は幸せなのかな?と。

そうこうしてると・・・・・え?という結末。


そうか、王求が生まれた時も一人のかつて天才だった監督が亡くなった瞬間だったけど、また新たな王が誕生して・・・・この因果が繰り返されていくのだろうか?

う~ん、なかなか面白い!

もう1回パラパラと読み返したいな。

★★★★
7d9b288c.jpg発行年月:2009年12月


大好きなジイちゃんが亡くなった。
ジイちゃんが寝たきりになってから、あまり会いにいかなかったことを
後悔する武の前に、ふしぎな少年が現れて・・・。
第20回(2010年)椋鳩十児童文学賞


                       (ポプラ社HPより)

小学生中学年くらいから読める児童書ですが、良かったです。
主人公の風間武は小学4年生。

小さい頃から、本当のおじいちゃんのように親しくしていた隣の家のジイちゃんが亡くなるところから物語が始まる。

小さい時のように頻繁にジイちゃんに会いに行く事もしなかった近ごろの自分を後悔しつつジイちゃんとの思い出に浸る武。
お葬式の日、大人達は忙しく動き回る。
一人、所在無げに居る武の前に現れる少年・ヒサオ。
大人が読めば、ああ、この少年の正体は・・・・・と想像がつきますが、二人の会話や一緒に走る場面は、ジ~ンとしました。

絵も良いです!

後ろの解説を書いている川北亮司さんの言葉にも納得。
そこに書かれているように、身近な人の「死」に直面した少年の心の描写がとても上手く描かれ、そして「死」が中心にある物語なのに、とても穏やかで温かい物が感じられる素敵なお話でした。


こういう本は、多くの子どもに読まれるといいなぁ~(^^)
児童書、たまに読むと心が洗われる気がします。


★★★★★
36e1e264.jpg発行年月:2010年3月


 
それなりの教育を受け、
平穏な家庭を営む主婦由美子の悩みは、
20歳になる息子が中卒で定職をもたないこと。

格差社会の現実を描く最新長編。


                   
(毎日新聞社HPより)


福原家と宮城家の二つの家庭の様子が交互に描かれながら物語は進む。

<福原家(東京)>
健治・・・早稲田大学理工学部卒
由美子・・・地方の国立大学卒
可奈・・・名門女子大進学、その後、IT企業に勤務
翔・・・高校中退、フリ-タ-

満津枝・・・由美子の母。他界した夫は元小児科の勤務医
妙子・・・由美子の妹。産婦人科医と結婚し、子ども二人は名門大学付属の高校生


<宮城家(沖縄)>
珠緒・・・翔の恋人。地元の公立高校卒
亮太・・・珠緒の(母親が再婚して生まれた父親違いの)弟
洋子・・・珠緒の母親。中卒。飲み屋で働



フリ-タ-の翔が、同じくフリ-タ-の珠緒と出会い、結婚したいと言い出したことが発端で、由美子の画策があれこれ。
由美子のプライドの高さがイヤでしたね~^^;
人の価値を先ず、学歴や職業で決めてしまう人種ですね。
ま、学歴は高い方が良いし、仕事も安定したものに就いている方が良いのは当然ですが・・・。

自分の息子の現在の姿を棚に置き、珠緒の家庭環境やらを侮蔑する姿は、醜く滑稽。
品が無いのは、あなたでしょ!と突っ込みたくなりました^^;


比べられる珠緒の家庭は由美子からすれば、下流ということでしょうか?
でも、母親洋子のいう事は、理に適っていた気がする。
「あまりお金に執着して、それを追い求めるのは品がない」みたいな言葉は、ある意味そう言えるし。


物語として面白かったのは、由美子が思う下流の家に、最後自分たちが置かれることかな?
珠緒は、努力して上流の社会に向かっていくだろうし・・・。


この物語の中で、一番困った人は、翔。
向上心が全くない人って、イヤだな。
本当にこういう子に将来させないために、親はどうしたらよかったんでしょう?
健治が、もっと父親として、なんとか出来なかったのかな?

他人事として読むのには、とても面白い物語だったけど、なんだか後味は良くなかったな。
そもそも下流ってどのへん??


★★★



9cdc907b.jpg発行年月:2010年2月


母・乙美が亡くなった。
ある「レシピ」を残して。
それは、離れてしまった家族を再び呼び集め、
奇跡のような時間をもたらす処方箋。


                       (ポプラ社HPより)


最初から最後まで、面白かった。
2週間前71歳でこの世を去った乙美。
その夫・熱田良平の元に娘・百合子が戻ってくる。
百合子は夫・浩之とは離婚するつもりだと言う。

そんな父娘のところに突如現れた謎の女性・井本。
彼女は乙美が生前、ボランティアで教えていた絵手紙教室の生徒だったとか。

井本が愉快!
20歳代らしいけど、顔は真っ黒。紙は黄色。見た目は一昔前に流行った・・・ギャル風。
最初、奇妙な人物だと敬遠していた父娘も次第に井本を頼ることが多くなる。
家事はテキパキこなし、的を射る発言をし、乙美が井本に頼んだという49日の宴会までの事を一生懸命進めていく。

助っ人に男手が欲しいという事で、途中から登場のブラジル人青年・ハルミも愉快でした!
父娘と井本、ハルミの4人の関係には、ちょっとした因果めいた物もあったというのも
良かったな~。これも乙美さんの計らいかな?

そんな愉快な人達の話に混ざって、百合子の離婚問題は結構、深刻で夫の浩之のいい加減さに腹立たしい気持ちを抱きました。
離婚して実家に戻ればいいのよ!なんて思いながらも最後、百合子が下した結論にも
「あ~自分が同じ立場でも同じ道、選ぶかも・・・」なんて思ったり・・・。


乙美の四十九日までの間に、いろんな事があり、でも最後は、みんなハッピ-じゃないかな?という
終わり方で、綺麗過ぎるかんじもあるけど、読後感は良かった♪

レシピには処方箋という意味もあるとは、初めて知りました。
乙美さんはステキなレシピを残して、この世を去ったんだなぁ~。
ステキな女性だったんだな。


この作家さん、これが二作品目だそうです。
最初の作品、「風待ちの人」で第三回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞してデビュ-とか。
今度は、そちらも読んでみよう。

★★★★
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