昭和の香り漂うアパートで、へんてこな住人に面食らい、来し方を振り返っては赤面、行く末を案じてはきりもなし……。40代シングル女子の転機を描く、ほのぼの笑える長篇小説。
(中央公論新社HPより)
楽しいお話でした。
主人公の花村茜は43歳、独身。
15年前に母が逝き、その後一人暮らしの父・桃蔵は、老後の支えにアパ-ト「花桃館」を経営していた。
その父も亡くなり、茜はアパ-トを相続することに。
古いアパ-トで取り壊したいと思うが、壊すにもお金が掛かる。
そこの住人たちを立ち退かせるのも厄介そうだと、最初は渋々、引き受けたアパ-ト経営の様子が、空いている部屋101号室に住み込み、住人たちと接するなかで、起きる諸々のことが愉快。
103号室の住人・雨宮季華からは父の知らなかった生前の様子を聞かされたり
201号室の住人・妙蓮寺一家は父子家庭(3人の男の子あり)ゆえ、母親みたいな助けもしたり
302号室の住人・玉井ハルオにはウクレレ演奏の場を同級生・尾木の経営するバ-に紹介したり
まだまだいろいろな関わりのなかで、生まれる新たな人間関係。
全体にほのぼのしていて、とても楽しい物語でした。
★★★★
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結婚は、人生最大のエンターテインメント!
企みを胸に秘めた美人双子新婦、
プランナーを困らせるクレーマー夫妻、
新婦に重大な事実を告げられないまま、結婚式当日を迎えた新郎……。
人気結婚式場のとある大安の一日を舞台に人生の悲喜こもごもをすくい取る。
(角川書店HPより)
面白かった!
老舗ホテル・ア-ルマティで、ある大安の日、4組の結婚式が予定されている。
その4組のそれぞれの1日の流れを交互に語る形で物語は進んでいく。
4組の結婚式を担当するプランナ-のうちのひとり、山井多香子が担当するのは、十倉家と大崎家。ワガママなお嬢様・大崎玲奈が新婦。
打ち合わせ時とは違う要求を急にされたり・・・プランナ-さんって大変な仕事だわ。
他には・・・
新婦が双子だという相馬家と加賀山家。
双子の姉妹は一卵性で、見た目はそっくり。
そして、この式で二人は新郎を試すビックリの企みをする。
東家と白須家は、新郎は新婦の7歳年下。
新婦は薬剤師で新郎は同じ薬局のアルバイトとして勤務していて知り合った。
鈴木家と三田家の新郎・陸雄は、実は結婚しているのに新婦に言えないまま、式に臨むことになってしまっていた!
それぞれのちょっと訳アリのカップルの結婚当日の式場でのあれこれが時間を追いながら描かれる。
白須家の親族の真空くんが語る章が面白かった。
お母さんの妹である新婦・りえが大好きで、親族たちが新郎のことをあまりよく思っていない事を知って、本当にこの結婚は祝福できるものなのか?と幼いながら(小学校低学年かな~?)に思いつつ式に出ている。
そして、ある推理をし一人慌てる様子が可愛らしい。
真空くんの推理が外れてよかった♪
それぞれがバラバラの話だけれど、ウエディングプランア-の多香子が時々、担当以外の披露宴会場の進行状況を語ったりするので、4組に接点はなくても同じ場所での物語だと認識できるのも良かった。
こういう話の組み立て方は巧いなぁ~。
そして、共通のある事件が起きて・・・・
でも、それがあって、それぞれの組の抱えていた問題も良い方向へと向かい
結果的には、みながハッピ-になれる物語。
後日談の話も良かった。
今まで読んだ辻村さんの作風とはちょっと違ったけれど・・・
こういう明るいミステリ-もいいなぁ~。
★★★★★
家族であることとはいったい何なのか
父や伯父の持っていた教養、亡き妻との日々、全ては豊かな家族の思い出。
「お兄ちゃんのとこも子供いないでしょ。私も全然そんな気ないけど、このままだったら誰もいなくなっちゃうんだねえ」
「そうだな」
「じゃあ、ほんとに私がこの家の、最後の一人なんだ」
省三の脳裏に「末裔」という言葉がよぎった。-----<本文より>
妻を亡くし、子供たちは家を出た。省三は、自らの系譜に思いを巡らせる
(講談社HPより)
58歳の富井省三は公務員。
ある日、家に帰ると・・・鍵穴がない!
そして、仕方なく家を後にする。
そんなバカな!?という出だしで始まる物語。
一人暮らしなのに家から追い出されたかたちの省三は、行くあてもなく途方に暮れる。
そんな省三の前に現れた不思議な自称占い師の梶木川乙戸治。
泊まる場所を提供してくれて、省三の今後のことについて忠告をしてくれたりする。
そして、ここには長く居座らないほうが良いと、またまた追い出されるかたちになって・・・
次に向かったのは、かつてよく訪ねた今は亡き伯父の家。
誰も住んでいる様子はなく、たやすく侵入出来た、その家で暫く生活をする省三。
夢なのか、現実なのか、不思議なことが度々、起きる。
自分が生まれて、ここに存在しているル-ツのようなものを考えたり、自分が生まれる前の先祖のことを考えたり・・・・
自分から遡り考えると、両親が居て、そのまた両親が居て・・・・・・とすごい数の先祖がいることに気づく省三に、読みながら、なるほど!!と思ってしまった。
そんなことあまり考えたことなかったけど・・・・。
自分がその系統の末裔になってしまうかもと考えたら、なんだか複雑な気持ちだろうな~。
省三には息子が居るから、自身が末裔とはならないだろうけど・・・・。
ラストは、入れなかった家にもなんとか入れそうかな?
省三にもまだまだ明るい未来はありそうだ!と思えるかんじで良かった。
主人公は58歳のおじさんなのに、女性の絲山さん、すごく見事におじさんの憂いを表現してる!
ちなみに絲山さんって何歳?と思ったら、1966年生まれだった!
それにしてもいつも面白い物語を書く作家さんだ!
次回作も楽しみです♪♪
★★★★
文学がなんであったとしても、化け物だったとしても、おまえは超然とするほかないではないか。
おまえはこの町に来て初めて知ったのだ。ここでは、夕日はいつも山の向こうに沈む----。
「妻の超然」「下戸の超然」「作家の超然」を収録。
異色の三部作。
(新潮社HPより)
超然って言葉は普段の生活ではなかなか言わないし、聞かない言葉ですが
意味は手元の国語辞典に「物事にこだわらず、平然としているさま」と書いてあります。
3つの話の主人公たちは皆違う人。
最初の「妻の超然」の主人公は妻。
5歳年下の夫の浮気を超然とした態度でやり過ごす日常が書かれていて、なかなか面白かった。
もう夫に対して今更どうこう言う気持ちもなく、気づかないふり。
でも、最後、夫の寝顔を見て思うこと・・・・・なかなか微笑ましい。
こういう夫婦が長く続くんだろうな。
わたしも万が一、こういう立場になったら超然として過ごすだろうけど・・・^^;
二番目の「下戸の超然」の主人公はお酒が飲めない下戸。
会社のコンパで知り合い同じ趣味で盛り上がった女性と付き合いが始まるが
次第に些細なことで衝突するようになる。
酒に酔う彼女の姿にも隔たりを感じたり・・・・・・。
ある日、彼女に言われる言葉「・・・いつまでも超然としてればいいよ。わたしはもう合わせられないけど・・・」
う~ん。リアルな男女の付き合いの終わり方。
三番目の「作家の超然」は、女性作家が主人公。
首の腫瘍摘出のため、手術を受けることになり入院。
その入院生活のなかで、思う今後の自分のあり方。
あれこれ周りの事を気にかけて悩んでも仕方ないって事に行き着き、超然としているしか仕方ないと思う。
なるほど・・・・超然って言葉、なんだかいいな。
絲山さんの文章は、ズバズバと突き進む感があって良い!
読みやすいし、共感もし易い箇所が多い。
かなり楽しめました♪♪
★★★★
「生まれる」ことの奇跡を描く再生と自立の物語
失踪した夫を探して南の島に来たまりあは、島の助産院で妊娠を知らされる。出生の秘密に囚われ、母になることに戸惑うが…。命を育み、自分の生を取り戻すまでの誕生と再生を描く感動の長編小説。
(集英社HPより)
主人公の女性・小野寺まりあは、夫が失踪し彼を探して以前、二人で旅した南の島に来る。
そこで、つるかめ助産院の院長・鶴田亀子に出会い、そこで働くことになる。
まりあは妊娠していることを亀子から告げられ、今後のことなどを考える日々。
亀子の大らかな人柄は好印象。
そこで働くスタッフたちや島の住人たちが皆、明るい。南の島というのどかな雰囲気もあって、始終和やか。
でも、段々にわかる普段は大らかな人たちにも過去には辛いものがあったこと。
まりあ自身の生い立ちも、結構いろいろ・・・。
助産院では、新しい命が誕生する。
神秘的な命の誕生の場面。
でも死産という残酷な場面もあり、喜ばしい誕生と哀しい死産を両方扱ったのは、良かったけど・・・
なんだろな・・・・
リアリティがない気がして・・・今ひとつ心揺さぶられるものがなかった。
職業柄、実際の現場を幾つも見てきた、わたし自身の問題かもしれないけど。。。。。
多分、多くの取材をして関係者から実状を聞いたんだろうけど。
ま、出産の場面はそんなにこの物語で重要視しなくて良いから、その辺は許せるけど。
物語全体を通しても、なぜか心が動かなかった。
話としては、面白くなくはないけど・・・。
多分、わたしはこの作者の物語が、あまり好きじゃないのかもしれない。
そのことに気づいてしまった。
以前、読んだエッセイのようなものは、楽しめたんですけどね。
多くのファンがいる作家さんなので、この作者の作品を好きな方には、なんだか申し訳ない気もするのだけど・・・・
個人のブログなので、ご勘弁を・・・・^^;
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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