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読んだ本の感想あれこれ。
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a000ff88.jpg   発行年月:2010年4月

         ハートウオーミングストーリーの名手、
   山本幸久の長編泣ける父子の物語!



   夏休みもあと数日。中2のシズオは、
   五ヶ月の赤ん坊優作を抱え託児所探しに奔走していた。
   優作はシズオの息子だった。
   親子関係を貫こうとする二人に世間の反応は…!?

                               (角川書店HPより)


14歳で父親になった静男は一生懸命に子育てをしていた。
それは、凄いことだけど・・・そうなるまでの静男の周りの大人たちの身勝手な行動が理解できず
実に不愉快。

静男の父親は、1年中あちこちを演劇(舞台監督)で廻り、お金だけ送金し殆ど留守。
そんな生活に嫌気がさして母親は家を出て、再婚。
そこに転がり込んで来た、父親の知り合いだという女・花音。

両親といい、この花音といい、なんでこんないい加減なわけ!?(怒)

静男は一人で生活するのもまだまだ大変な中学生なのに、子どもまで抱えてしまう。
世間的には、年の少し離れた兄弟にしか見えない幼い父と子。

2学期からの学校生活を前に、息子・遊作の預け先探しに奔走。
同級生たちが力を貸してくれるあたりは微笑ましく、良い場面も沢山あった。
静男の大変さを理解し、なんとか学校生活が送れるように動いてくれる大人も出てきた。


でも・・・・・やはり、こんな苦労をさせることになった原因を作った大人たちに腹が立つ!

もっと、違う設定の14歳の父なら、感動も出来たかもしれないけどなぁ~。
ちょっと残念な作品のような気がした。

★★

PR
c241cf33.jpg発行年月:2010年6月

挫折なんて突き抜けろ!

ある日突然、父親が逮捕!
東京の進学校から一転、変わり者のおばさん率いる
札幌の児童養護施設の居候となった14歳の陽介。
さまざまな出会いに彼は・・・。
時代の閉塞感を突き破る、痛快青春スト-リ-!

    
                                       (集英社HPより)

主人がどこかで書評を読んだとかで、図書館から借りたのを、わたしも読んでみました。

主人公は、14歳の陽介なんでしょうが、養護施設を運営する母親の姉のおばさん・恵子の事が多く語られる。
陽介の母・令子とは、実の姉妹だが、ずっと仲たがいしたままだった、おばさん。
それはおばさんの破天荒さゆえか?
陽介の父は大手銀行副支店長だったが、銀行の金を横領、しかも愛人に貢ぐというとんでもない不祥事を起し、逮捕。
受験を突破し、有名私立中学に進学していた陽介の暮らしも大きく変わることとなる。

仲たがいしていた姉しか頼るところがなく、陽介はおばさんの元を母親と訪ね、そこで居候の身となる。母親は、父親と離婚しないことに決め、借金を返済する道を選び働く。

養護施設には中学生が14人。
いろいろな理由があって、そこにいる。

そして、おばさんの知り合いで、陽介たちの相談相手にもなる石井。
石井の学生時代の後輩・和田。

いろいろな大人たちにも、過去には辛いものがあった。

心に傷を受けながらも、お互いが支えあって生きている人達が、明るくて時に語る言葉が沁みる。

おばさんが養護施設をはじめるまでの経緯。
おばさんの夫・後藤とのこと。
登場する人達の背景にある人間関係を描き、どの人の話ももっと深く知りたいと思うものだった。


陽介は、進学校で学ぶ事より、重大な多くのことを学んだじゃないかな?

おばさんのユ-モアある考え方、バイタリティ溢れる生き様は、素敵だなぁ~と思った。

最後におばさんが選んだ道。
本当に、やりたかったことに再び挑戦すると決めたことも、驚いたけど、おばさんらしい。

みんなが前を向いて明るく進む姿が、心地よかった!

この表紙写真もいい♪


★★★★
d53e1c07.jpg発行年月:2010年5月

SF・ファンタジー界の巨匠として半世紀を超える創作活動を経てなお、瑞々しくも壮大なヴィジョンを抱き続けるブラッドベリの最新作。イノセンスと生の再発見の物語「どこかで楽隊が奏でている」、メルヴィルの『白鯨』の舞台を宇宙空間におきかえて構想された「2099年の巨鯨」 -----永遠をテーマに、豊かな創造力に満ちた中篇二作を収録

                                           (晶文社HPより)


1920年生まれのブラッドベリ。今年で90歳!まだまだ健在は、ファンには嬉しい。

この作品は、未発表の2つの作品が収められている。
書かれたのは、若い頃かな?

どちらもブラッドベリらしい、不思議で壮大なものがテ-マの話だった。

「どこかで楽隊が奏でている」は、記者のカ-ディフが何かに導かれるように訪れた不思議な町・サマ-トンでの話。一見普通の町なのに、滞在しているうちに、違和感を感じる。
子どもが居ない。町の人たちは年を取らない。
そして、カ-ディフを追って、町を訪れた記者仲間のマッコイとのこと。
町にある希望記念図書館の真実。
どこかで「死」を意識づけさせるような気がした。

もう1編の「2099年の巨鯨」は、舞台が壮大な宇宙。
宇宙船のなかでの人間関係。
白い彗星が出てきたり、神が出現したり・・・・自分のなかでの想像が追いつかない^^;

ブラッドベリって、やっぱり何か凄い!
内容を正しく、自分のなかで消化しきれないんだけど、読んでる間は幸せ。
雰囲気に酔うかんじかな?
言葉遣いが、崇高なかんじも好き。
これは訳者の北山さんの力も大きいのでしょうが。

贅沢な願いを言えば、今度は90歳過ぎて書く新刊が読めるといいなぁ~

★★★
 
0e1b96ff.jpg   発行年月:2010年5月


小学四年生のぼくが住む郊外の町に
突然ペンギンたちが現れた。
この事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを
知ったぼくは、その謎を研究することにした。
未知と出会うことの驚きに満ちた長編小説。

                 
                         
(角川書店HPより)



森見さんといえば・・・京都が舞台で大学生とか大人が主役が今までの作品。
しかし、今度の舞台は、郊外の新興住宅地。

主人公は小学4年生のアオヤマ君。
アオヤマ君は、日夜、いろいろな研究に追われている。
研究の内容は、ノ-トに書き留めておく。

そんなアオヤマ君がある日、偶然、目にしたペンギンたち。
同級生のウチダ君、ハマモトさんと一緒に、不思議な現象を探る冒険を始める。

冒険と言っても、遠くに行くわけではない。
住んでいる街の少し奥にある森が冒険の舞台。
不思議な世界が、日常から少し離れたところに存在する不思議。

アオヤマ君たちの敵には、イジワルなスズキ君たちがいる。
でもアオヤマ君は泣かないと決めている。そして怒らないとも決めている。
小学4年生なのに、キチンとした自分のル-ルを守って生活しているアオヤマ君が可愛い。
賢くて、優しい。言葉遣いも丁寧。
スズキ君に、時には仕返しをしたり。。。。


小学生のアオヤマ君だけど、歯医者に勤めるお姉さんとも親しくて、そのお姉さんがまた不思議。
ペンギンの謎のル-ツがお姉さんだったりする。

二人の会話が、ほのぼの。

でも、最後は、ちょっと切なかったな。


またいつか大人になったアオヤマ君とお姉さんの再会があったら楽しいな。
なんて思った。


今回のお話は、ちょっとメルヘンチックで、今ままでの森見作品にない雰囲気もあったけど、
こういう感じもいいな。

表紙の絵も好みだなぁ~。
装画は、くまおり純 さんという方らしい。


★★★


                         

674e00a3.jpg   発行年月:2010年5月


  町でいちばん美しい三姉妹が死んだとき
  残ったのは(1,2,3悠久!)、
  愛するその「手」に抱かれて私は
  天国を見る(ジャングリン・パパの愛撫の手)
  
  ------ゴージャスな毒気とかなしい甘さに満ちた作品集。

                            (角川書店HPより)


ドキッとするような表紙。
怪しく美しい。
その雰囲気そのままの物語でした。

物語は短編形式で進みますが、ずっと繋がるある一族の物語。
最初は、町いちばんの美女が父親が周りの者には、さっぱりわからない4人の美しい女の子を産むが黄色い目をした男と共に何処かに行ってしまう。
少女たちは、美しさを利用し娼婦として生きる。

母親が黄色い目の男と、その男の間に生まれた男の子と戻ってくる。
母親は亡くなり、男の子は黄色い目の男に育てられる。

そして、男の子の名前がジャグリン(道徳)。
母親譲りの美しい顔を持つが、目は父親譲り。
ジャグリンは家の向いに住む雑貨屋の娘と仲良くなる。
けれど、戦争が始まり、ジャグリンは戦地へ。
やがて戦争が終わり、家に帰って来たが、両腕が無くなっていた。
父親はジャグリンの腕代わりを勤める・・・・・・・この腕代わりを勤める様子が怪しい雰囲気で少しゾッとした。

その後も不思議な雰囲気のなか一族の血が受け継がれながら、
何とも怪しい雰囲気のまま時代も現代に近いところまで移っていく。


薄い本で、スラスラ読めるけど、なんだろ?
ものすごく濃厚。

挿絵も綺麗なんだけど、ちょっとエロチックで、怪しい。
挿絵は野田仁美さんというア-ティスト。

この物語には、すごく合ってる。


人によっては、嫌悪感を抱くかも?な内容でしたが、わたしは好きとは言えないまでも
キライじゃないな。

話は面白かったし。

桜庭さんは実に個性の強い作品を書く人だな。

★★★
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