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読んだ本の感想あれこれ。
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8071cf05.jpg発行年月:2010年6月

たった三分間のフィルムが私に見せた世界は美しかった。
私を打ちのめすには、充分すぎるほどに。(「しあわせのこみち」本文より)

T大学文学部二年生、清水あやめ。
「感性」を武器に絵を描いてきたという自負がある。
しかし、授業で男子学生・田辺が作った美しい映像作品を見て、
生まれて初めて圧倒的な敗北感を味わい……。
「しあわせのこみち」他2編を収録

                                          (講談社HPより)


3つの話は全て、過去作品のスピンオフだと後から知った!^^;
その過去作品は、ひとつも読んでないけど、楽しめた。

最初の話は「しあわせのこみち」・・・過去作品は「冷たい校舎の時は止まる」
大学2年生の清水あやめは、大学の文学部に在籍しているが、絵画教室で学び、絵画コンク-ルに提出の作品づくりに追われる日々。
自分には才能があると多少思ってるあやめが、大学で感じた始めての敗北感。
それを感じさせた同じ大学法学部の田辺くん。
二人の今後の関係も良い方向に向かいそうで良いな。
あやめの高校時代も気になるので、過去作品も近いうち読みたい!と強く思った。


次の話「チハラト-コの物語」・・・過去作品は「スロウハイツの神様」
嘘ばかりついてるプロのモデル、ト-コだけど、なんだか可愛い。
過去の人間関係を知れば、もっとト-コのことが知れるかな?


3つ目の話は「樹氷の街」・・・過去作品は「名前のない放課後」
中学3年生の合唱コンク-ル目前の話。
ピアノ伴奏をする倉田さんのピアノがイマイチの出来で元々クラスの評判も低い彼女に皆がついていけない状況。
この状況を何とかしないと!と焦る指揮者の天木くん。
そんな時、知ったほかのクラスだけど、ピアノで留学もしている松永くんの存在。
普段は目立たない松永君に倉田さんの指導を頼む天木くんたち。
男女が仲良くひとつのことに向かう学校行事っていいなぁ~。なんだか懐かしい。
彼らのほかの場面の姿も読んでみたい。


過去作品を読んでなくても、結構、楽しめたので、これはそれぞれの過去作品を読んでる人ならもっと楽しめただろうな。
わたしは、順番が逆になったけど、過去作品を後から読んでみよう。

3つのお話に登場の人達それぞれが、タイトル通り明るい未来に向かう終わり方でした。


★★★
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7ed306d0.jpg発行年月:2010年4月

恋愛の多彩な貌を描いて、深々と心にしみる短編集。


どば。ばりばり。どかんと恋に落ちて、あたしは、しわしわの黒豆みたいになる。-----「クウネル」の人気連載が本になった。絶賛を博した第一弾「ざらざら」につづく最新短編小説集。
今回の短編も、恋愛の情熱や欲望ではなく、恋愛関係のうちにある何かとらえどころのない心のゆらめきを魔術的といってもいい文章で描いた傑作ばかり。読み終えたあとに、また本を開きたくなる川上ワ-ルド。おなじみの、アン子とおかまの修三ちゃんも再登場。新たな主人公、誠子さんとコロボックルの山口さんの恋の行方にも注目だ。深刻な感情がユ-モアに転換され、そのあとに<しん>とした淋しさが残る22篇。

     
                                 (マガジンハウスHPより)

↑の解説が全て言いたいこと、言ってくれてる・・・・笑

22の短編集のどの話もよかった。
どこにでもありそうな恋の話だったりするけど、そこに描かれる男女の気持ちの表し方がいい。
「うんうんわかる」、上手い表現だな。とか思いながら読みました。

表題作の「パスタマシ-ンの幽霊」は、恋人の隆司の部屋で見つけたパスタマシ-ンの話。
料理が得意な前の彼女の物か?と思う、料理が不得意なあたしだったけど、
それは隆司の亡くなったおばあちゃんの物だった。
おばあちゃんが幽霊になって時々、現れて料理を教えてくれる。
恋のアドバイスなんかもしてくれる。
楽しいお話で、一番好き♪

川上さんのお話は、どれもいい。
ハッピ-エンドじゃないのもあるけど、それでおしまいじゃない。
まだこれから先、良いことがきっと起きるでしょうと思わせてくれるかんじもいい。

第一弾の短編集「ざらざら」もそのうち読んでみたいな。

★★★
25df2a25.jpg   発行年月:1971年6月


  夏の陽ざしの中をそよ風にのって走る12歳の少年ダグラス。
  その多感な心に刻まれるひと夏の不思議な事件の数々。
  輝ける少年の日の夢と愛と孤独を描ききった、
  SF文学の巨匠が贈るファンタジーの永遠の名作。

   
    
                        (晶文社HPより)


この書を始めて手にしたのは、中学生の夏休み。
そのときは、内容云々よりも美しい文章を書く作家だなぁ~と思った。
主人公は12歳の少年。
その少年が体験するひと夏の出来事あれこれが、キラキラした夏の陽射しを感じさせるような情景のなかで描かれていく。


「タイムマシ-ン」に人生を捧げているフリ-リ-大佐とその死は印象的なエピソ-ドですが他にもダグラスの周りで起きる大人達の日常の様子が子どもの目線で語られ、胸に響く。
またダグラスや弟のトムの会話も可愛いなかに感受性の豊かさを感じる。
全体的に受ける印象は詩的。

表題の「たんぽぽのお酒」は、ダグラスの祖父が摘んだたんぽぽの花で作ったお酒。
ダグラスにとって、夏の象徴。
そこにあるだけで夏を思い出させるもの。
そして、夏が過ぎた後も、それを少しだけ口にすることで鮮やかな記憶として夏を思い起させるもの。


わたしにとっては、この「たんぽぽのお酒」という本そのものが、夏を感じさせるものかなぁ~
(ちょっと格好良すぎ?・・・^^;照)


やっぱりブラッドベリは最高!!
★10個くらい付けたい!
★★★★★


168f175d.jpg   発行年月:2009年7月


   北海道警察捜査一課仙道孝司----現在、休職中

   道警の敏腕刑事だった仙道孝司は、
   ある事件をきっかけに療養中の身。
   やっと回復してきた仙道に、次々とやっかいな相談事が舞い込む

 
                         (文藝春秋HPより)


2009年 第142回直木賞受賞作でしたね。
図書館で予約し、かなり順番を待ちました。

勝手に長編小説かと思っていたので、短編集と知ったときには、少々面食らいました^^;
でも、主人公は休職中の刑事・仙道。
彼が休職することになった経緯が、やや薄くしか書かれていなかったので、どういう事件で、
心療内科に通うことになったのか、もう少し深く知りたかった。

そして、休職中の身でありながら、あちらこちらから仙道に捜査してほしいと願う者たちに応えようと過去の人脈や事件の記憶などを頼りに独自捜査する様子も面白かったけれど、それぞれもう少し、詳しい事件背景など知りたかった。

全部、やや消化不良気味なかんじが、読んでいてしたのが、残念だったかな?

表題作の「廃墟に乞う」は、衰退しきった旧炭鉱の町で成長した男の哀しい生い立ちを語りながら、彼の起した事件を振り返る物で、なんともやりきれない気持ちになりました。
でも、一番、心に残った作品。
この話だけを長編でもう一度、書いてほしいくらい。

この著者の書は、あまり読んでないけど、ここに登場の仙道刑事の元気に職場復帰した後の物語も読んでみたいな。
過去に仙道刑事登場の書はあるのかな?

調べて、あったら読んでみたい。
 


★★★

      

c27ff09b.jpg   発行年月:2010年3月


   全力で片思い、しちゃいました!
   苦しくって、ちょっぴりはずかしい……
   そんな不器用で切ない日々をかろやかに描く青春ラブストーリー


柴犬ベンジャミンの「近衛犬日記」
16歳 真弓子さん、あの人に片思い。
17歳 真弓子さん、あの人に激怒されて落ち込む。
18歳 真弓子さん、あの人を可愛いお嬢様に奪われる。
19歳 真弓子さん、地元で浪人。あの人は東京でキャンパスライフ、らしい。
20歳 その(1) 2浪中の真弓子さん、バイト先で可愛いお嬢様の浮気現場を目撃。
20歳 その(2) 真弓子さん、心の友のお嬢さんの代役で金粉塗れで舞台に立つ。
20歳 その(3) 真弓子さんの危機に、東京のサンチャで吠えちゃいました。
21歳 女子大生になった大好きな真弓子さんに膝枕されて……。

                                           (祥伝社HPより)

昨日に続いて、同じ作家さんの作品を読みました。
これは、ほんわかしたお話で良かった(^^)

小学5年生のとき、ペットショップで購入した柴犬のベンジャミン。
受験で忙しいときも欠かさず、散歩に連れて行く真弓子。
真弓子とベンジャミンの会話の場面がとてもほのぼのしていて良かったなぁ~。

真弓子は勉強も出来、しっかり者で優しく良い子。
高校に進学し、同じ放送部の大河原くんに初恋。
大河原くんと良い雰囲気なのに、何故かお互いが気持ちを伝い切れず、そうこうしてる間に後輩の蔦岡るいと付き合ってしまう大河原君。
なんでなのぉ~!?
蔦岡さんは、ちょっと嫌なかんじの子。
性格は悪くないのかもしれないけど、女子に嫌われるタイプなかんじ。

高校を卒業し、予備校生活の真弓子。
相変わらず、大河原君は気になる存在。でも彼は地元の大学でなく東京の大学へ。

二人の恋は平行線のままなのか?
途中でまた接点も出来るんだけど、上手くいかないのね、これが^^;
大河原君、最初は好青年の印象だったけど・・・・段々、ダメ男に思えてくる。

高校時代、ライバル的存在だった、藤枝さんは、相変わらずのぶっ飛んだ生活ぶりだけど、案外良い子みたいで真弓子とも友情を深めていくかんじ。
大人になるにつれ、本当のその人が理解出来ていくってあるよね?

この物語は、真弓子の大河原君を一途に思う切ないラブスト-リ-と思って読んでいましたが、最後に、あ~別の失恋延長戦もあったんだ!と気づいて、なんだかジ-ンとした。

こんな風に思われる真弓子は、幸せだろうな。
その気持ちに気づいてあげてるといいな。
★★★
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