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読んだ本の感想あれこれ。
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08eea922.jpg発行年月:2009年12月

経営難の劇団に現れた救世主とは!? 有川浩、完全描き下ろし!


とある小劇団「シアターフラッグ」――ファンも多い劇団だが、現在は解散の危機が迫っていた……お金がないのだ!! その負債額300万円! 劇団員も減り解散の危機に悩んだ主宰の春川巧は兄の司に泣きつく。兄に借金をして劇団は助かったが、司は巧たちに「二年間で劇団の収益からこの300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」という「シアターフラッグ」には厳しい条件を出す。
新星プロ声優・羽田千歳が加わり一癖も二癖もある劇団員が10名に。そこへ鉄血宰相・春川司を迎え入れ、巧は新たな「シアターフラッグ」を旗揚げるが……。
果たして彼らの未来は――!?

                           
(メディアワ-クス文庫HPより)



やっぱり、有川さんの小説は面白い!!
そして、出てくる人物たちが皆、愛すべきキャラクタ-で、この小劇団「シアタ-フラッグ」の今後をもっと知りたい!応援したい!
そんな風に思ってしまいました。

300万円の借金を抱えていた春川巧の抱える小劇団を兄の司が手助け。
300万円の借金を肩代わりするが二年で返済出来なければ、解散しろ!という条件。

司は厳しく、劇団の経理を監督したり時には乱暴な物言いをしたりするけど、弟がのめり込む劇団を一番応援してるんだなぁ~。
良い兄じゃないの!
格好良いよお兄ちゃん!

劇団員の女性陣も皆、可愛くて個性的。
それぞれ、劇団のため(巧のため?)自分の持ち味を発揮している。
看板女優の早瀬牧子が好き!
新加入した劇団員・羽田千歳に対して複雑な気持ちを抱きながらも、的確なアドバイスをしていて
これまた格好良い!


物語は舞台「掃きだめトレンジャ-」の講演準備の様子を描き、アクシデントもありながら舞台を終えるところで終わる。

あ~もっと続きが読みたい!!


いつか彼らの今後も読ませて欲しいなぁ~。

★★★★
PR
9b330fc9.jpg発行年月:2010年5月


作家になるまでの道程から、昔好きだった女の子の話まで・・・、
一篇一篇に驚きが詰まった、新感覚のエッセイ54篇。
初めて描いた絵本&戯曲も特別収録。


                         (ポプラ社HPより)



読む前から、ワクワクしてました。
で、読み始めたら、これが面白くて、アッという間に読み終えました。

道尾さんの日常で感じるあれこれ。
あ~こういう事、考える人なんだぁ~。なんて思ったり。

幼い頃の思い出を書いた話もあって・・・・授業中、トイレに行かせて貰い、なんとか間に合ってホッとして席に戻ったけど、「流してない!」と気づいて取った行動が、可笑しかった。
でも良いこと思いつきましたね・・・笑

ほかにもクスッと笑っちゃうことがあれこれあって、なんだか作品は、ちょっと暗かったりするんだけど、道尾さん楽しい♪

自分の頭のなかで、あれこれ想像して、笑ってはいけない場所(葬式とか)で、どうしようもない笑いがこみ上げてくるとか。
こういう想像力があって、いろんな作品が提供されてるわけなんだなぁ~。

特別付録の17歳のときに作った絵本「緑色のうさぎの話」と
19歳で書いた戯曲「誰かが出て行く」も、なかなか良かった。
戯曲の方をラストシ-ンで提示される謎がさっぱりわかりません。
どなたか教えていただけないでしょうか。
としていますが・・・・わたしもわかりません^^;
でも、わからなくてもいいんじゃないかなぁ~?

どの話も面白かったけど、第三章の「マナ-違反の怪奇現象」は、爆笑物でした!
ほんと!?
最後のオチも完璧!拍手!!
お笑いセンスもあるかも~。

笑える明るい話も案外、書いたら面白いんじゃないかなぁ~?

道尾さんの可能性は大きいぞ!

楽しいエッセイでした。
また暫くしたら、日常にあれこれをエッセイで書いて欲しいな♪

★★★★★
55ea668a.jpg発行年月:2010年3月


正義のために、良心を捨てた女。海堂史上最強の魔女、ふたたび降臨!

桜宮市に暮らす平凡な主婦、山咲みどりのもとをある日一人娘で産婦人科医の曾根崎理恵がおとずれる。子宮を失った理恵のため、代理母として子どもを産んでほしいというのだ。五十歳代後半、三十三年ぶりの妊娠。お腹にいるのは実の孫――この子はいったい、誰の子なの? 医学と母性の葛藤をせつなく激しく描く最先端医療小説!

                                            (新潮社HPより)


読みながら。。。。この女医さん、前に出てきたよなぁ~と思い、あれこれ調べたら「ジ-ン・ワルツ」で登場の曾根崎理恵だったんですね!
夫・伸一郎はゲ-ム理論の世界トップクラスの研究者として認められている人物。

理恵は子宮を摘出したため妊娠が出来ないからだになってしまう。
そこで実の母・みどりに代理母を依頼し、伸一郎もみどりにお願いの手紙を海外から送る。
みどりにとって孫の誕生は楽しみであり、理恵の子宮で妊娠が無理なら自分がその役目を勤めるのは当然と引き受ける。

この辺までは、まあ、それぞれの思いも理解出来た。

しかし・・・・段々「え?」という話になっていく。

自身が産婦人科医で体外受精のエキスパ-トだから、そういう事も思いつくのか?
ちょっと一般の人の常識では計り知れない考え方かも。

母親に受精卵を着床させる作業では、理恵の思惑が絡み、常識では考えられない事がされる。
医師の立場を利用しているようで不快感を覚えました。
キライだな。この女医さん。

結局、3個の受精卵がみどりの子宮に入りうち2個が着床し、双子が生まれるのだが、その子どもを巡ってのあれこれもなんだか、不可解。

その双子の名前が薫としのぶ。
あっ!「医学のたまご」で登場の中学生の曽根崎薫くんなんだ!これ!

じゃあ、もう一人のしのぶちゃんはどうなったんだろ?

どこかで登場してたかな?


物語はスラスラ読めて、なかなか面白いけど、理恵と伸一郎、みどりの考え方には、共感出来ず
なんだか読後感はよくなかったな。

でも代理母の日本の現状を知れたのは良かった。
今は、まだ法律で代理母で生まれた子どもは、実際に産んだ者が母親ということだそうで、それがどんな問題に発展し得るか?を小説で示したということかな?

産んだ者が母親・・・・う~ん。違和感あるね、やっぱり。
今後、何らかの法の改定があるのかな?


★★★
 
518f9957.jpg   発行年月:2010年5月

昭和6年、若く美しい時子奥様との出会いが長年の奉公のなかでも特に忘れがたい日々の始まりだった。女中という職業に誇りをもち、思い出をノートに綴る老女、タキ。モダンな風物や戦争に向かう世相をよそに続く穏やかな家庭生活、そこに秘められた奥様の切ない恋。そして物語は意外な形で現代へと継がれ……。最終章で浮かび上がるタキの秘密の想いに胸を熱くせずにおれない上質の恋愛小説

                            (文藝春秋HPより)


2010年 第143回直木賞受賞作品ですね。
中島さんの作品は、結構好きなので受賞は嬉しかったなぁ~(^^)


この物語は、タキが女中奉公をした時代の回想録のような話で進みます。
昭和5年に尋常小学校を卒業し、先ずは小説家の小中先生の家に女中として入り、その後、小中先生の知り合いの娘さんの居る平井家に女中として住み込み。
その平井家での事が主に語られる。
奥様の時子は穏やかで優しい人柄。
恭一坊ちゃんも可愛らしく素直。
二人とも女中のタキを信頼し、家族の一員のように接していて、読んでいて心地いい。
昭和の時代のレトロでお洒落な上流階級の暮らしを垣間見るかんじ。

しかし、時代は、段々と戦争を背景にした穏やかでない情勢へと変化していく。
史実に基づいた事件、昭和11年の2.26事件やらも語られ、そのときの話で、暗殺を逃れた岡田首相を助けたのは、女中たちの機転だったという話は、事実かどうかさておき、タキの気持ちになって読んでいたので、ジ~ンとした。

タキの記す回想録を時々、読んでは矛盾を感じる箇所に文句をつけるタキの甥の次男の健史が、後々、重大なことを成し遂げるのだが、それは読んでる途中には予想出来ない事で、
最後の方で登場したときには、前に書かれていた多くの事が少しずつ繋がっていたんだと気づき衝撃的だった。

タキが女中として平井家に仕え、奥様の時子やその周りの人達と接するなかで気づいたある秘密。
それは他言はしてはないないこと。

ラストの方で、語り手がタキから他の者に変わり、その秘密の真相が明らかになり、今までのタキが語った回想録を再び最初から読み返したくなった!

タキが抱えていた秘密を良い形で明らかに出来て、皆がそれを知り当時の事を懐かしく思い出す。
年月が経てば秘密も公にした方が、良いこともあるんだなぁ~。

読後感は、なんだか幸せな気持ちになれるお話でした。

表紙の絵も、読み終えてみると違った感動がありました。

★★★★★


7f0f51cb.jpg発行年月:2010年5月

美しい少女との目眩く日々。歪んだ愛の代償は?
気鋭の作家・近藤史恵が描く、禁断の長編ゴシック・ミステリー!

施設で育った内気な少年・博人は、進学への援助を得るため、同い年の樋野と陸の孤島にある屋敷で働き始めた。整った容姿の樋野には壮絶な過去が。博人は令嬢の小夜に恋心を抱くが、陰惨な事件で穏やかだった生活は一変する。それは悪意が渦巻く屋敷で始まる、悲劇の序章に過ぎなかった------。

真実はつねに、だれかの傷と繋がっている。もし、触れられて痛む傷を持たない者ならば、それを暴くこともできるかもしれない。――<本文より>

                               
(講談社HPより)

面白かった!
最初から不穏な空気が少しずつ後ろから迫ってくるかんじの物語。

物語は事故で5歳のときに両親を亡くした鈴原博人の回想録のような形で始まる。
実業家で金持ちの光林家の別荘に住み込みで働くことを条件に3年後には大学4年間の学費と生活費を負担してくれるという話に乗った博人。
そして同じように屋敷に住み込むことになった博人と同年17歳の樋野薫。
二人の過去には共通のものがあった。
理不尽で冷たい視線に晒されることに慣れてしまう哀しい過去。

どうして二人が光林氏に選ばれたのか?
その目的は何?
疑問は二人の少年にも常にあり、読んでいるわたしにも常にある。


そして最初の殺人事件が起こり、その後も事件が起きる。
犯人は誰なんだろう?と予想しながら・・・
段々に登場人物の過去の暮らしが明かされ、もしかして犯人はこの人かな?と
予測がつくのだけど、物語自体はどういう結末になるのか?は全く予測出来ず、最初から最後まで楽しめました。

そして、ラストは衝撃的!


残された者たちは、一見それぞれ満足の暮らしぶりでしたが、果たして本心から幸せだろうか?
自分の本当の気持ちを偽ってはいないか?
などなど読み終えても尚、いろいろな思いが残る物語でした。

この作家さん、前に読んだかなぁ?
覚えが無いけど、ほかの作品も是非、読んでみたいと思った。


★★★★
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