ただ、あの人を勝たせるために走る。それが、僕のすべてだ。
勝つことを義務づけられた〈エース〉と、それをサポートする〈アシスト〉が、冷酷に分担された世界、自転車ロードレース。初めて抜擢された海外遠征で、僕は思いも寄らない悲劇に遭遇する。それは、単なる事故のはずだった――。二転三転する〈真相〉、リフレインの度に重きを増すテーマ、押し寄せる感動! 青春ミステリの逸品。
(新潮社HPより)
全く知らないロ-ドレ-スの話ですが、非常に面白い!!
主人公の白石誓は、元陸上選手で現在はロ-ドレ-ス選手。
チ-ム内のエ-ス・石尾の走りに惚れ込み、彼のアシストに全力を注ぐ。
が、石尾にはある噂もあった。
以前、レ-ス中にチ-ムの選手にわざと接触し、相手を障碍者にしたと。
白石もその二の舞にならないように気をつけろと警告する者もいる。
そして、物語の終盤、外国遠征中に起きる事故。
予想外の展開に驚きました!!
ロ-ドレ-スって駆け引きが複雑そう。
今まで知らなかったスポ-ツですが、すごく興味が沸いて来ました!
そして、続きがとても気になるぅ~!
早く続きを読まなきゃ!!
琵琶湖畔の街・石走に住み続ける日出家と棗家には
代々、受け継がれてきた「力」があった。
高校に入学した日出涼介、日出淡十郎、
棗広海が偶然、同じクラスになった時、
力を力で洗う戦いの幕が上がった!
(集英社HPより)
今までの作品で、京都、奈良、大阪が舞台の奇想天外なお話を書いてきた万城目さん。
今回のお話の舞台は、滋賀県、琵琶湖畔でした。
そして、またまた不思議なお話。
いや~面白かった。
よくも次から次へと思いつくなぁ~。
高校進学を前に、日出涼介は親元を離れ、本家のある石走のお城へと移り住む。
日出家が代々受け継いできた「力」を涼介も受け継いでいる故。
城には、涼介と同年の淡十郎がいて、二人は毎日、高校へと舟で送り迎えをして貰う。
そして、高校には、日出家の宿敵である棗家の御曹司・棗広海がいた。
棗広海は長身で二枚目やることなすことがスマ-ト。
日出淡十郎は・・・・ぽっちゃり体型で飄々としていてつかみどころがない性格。
まだ敵対する相手の棗のことを知らない涼介は、広海と淡十郎の間で、やや不穏な状況に戸惑っているかんじ。
この日出家と棗家の対立が物語の軸なのかと思いきや、もっと強力な存在がいた!
そして、宿敵同士であった者たちが協力し合うようになっていく。
敵対しながらも、お互い特殊な力を受け継いでいる立場でしか理解し合えないこともあり
段々と絆が生まれていく過程は楽しかった。
そして読む前から気になっていた「しゅららぼん」とは?
これは物ではなく、両者の力が同時に作用するときに起きる現象のこと。
そしてその現象は・・・・・。
えぇ~っ!?笑える。実に可笑しい。
ほんとに万城目さんらしいけどね~笑
不思議なお話のなかにも、高校生の日常(例えば、理科の実験道具を作る場面とか)も描かれていて、ほのぼのしたものも感じられた。
日出家と棗家が、今後は助け合いながら栄えていけたらいいなぁ~。
★★★★
ヴィヴァルディはピエタ慈善院で〈合奏・合唱の娘たち〉を指導していた。
ある日、教え子のもとに恩師の訃報が届く。
一枚の楽譜の謎に導かれ物語の扉が開かれる
(ポプラ社HPより)
ヴィヴァルディと言えば・・・「四季」を作曲した人。くらいの知識しかないわたし。
まだ20代のころ、慈善院で音楽指導をしていて、そこの司祭までになっていたとは、凄い人だったんですね~。
そして、その当時、そこで学んだ少女たちが実際、名のなる音楽家に成長していく。
物語の主人公・エミ-リア自身も、かつてはヴィヴァルディの下で音楽を学んだけれど今はピエタ慈善院の運営を手助けする役目を負う立場になっている。
ヴィバルディが、ヴェネチアを去り、ウィ-ンに渡り、その後死去したと知らせを受けたエミ-リアたち。その経緯もきになるところだけど、貴族の娘・ヴェロニカが「先生が自分のために書いてくれた楽譜を探してほしい」と頼まれる。
その楽譜の在り処をつきとめる為、奔走するエミ-リアが次々、ヴィヴァルディと接触のあった女性たちを訪ねながら、幼いころには知りえなかったことを知っていく。
読みながら、なるほどそういう人間関係があったのかぁ~と私自身も興味津々で楽譜の在り処よりヴィヴァルディの交友関係の方に惹かれて行った。
高級娼婦のクラウディア。
クラウディアの元に通うのに利用していたゴンドラの舵取り・ロドヴィ-ゴ。
ヴィヴァルディの妹・ザネ-タ。
いろいろな年齢、いろいろな生い立ち。
この時代を生きた人々の暮らしぶり。
そして、ヴィヴァルディという一人の人を軸に繋がっていく人たちに絆が生まれる。
本の最後には、参考文献が多々並べられていました。
かなり史実を参考にされた物語なのかな?
とても面白かった!
奇妙な味とやわらかな幸福感の恋愛小説集
☆「一実ちゃんのこと」一実ちゃんは、「私、クローンだから」と言う。父がクローン研究に携わっていて、19年前亡くなった母を「母株」にして一実ちゃんは誕生したらしい。
☆「ユモレスク」17歳のハナのイイダアユムに対するコイゴコロは見事に破れた。「私、玉砕?」。
☆「エイコちゃんのしっぽ」「しっぽがあるんだ」とエイコちゃんは言った。エイコちゃんは女だけのガソリンスタンド、あたしは市場調査の会社で働いている。
☆「壁を登る」母はときどき「妙なもの」を連れてくる。最初はおばさんとその息子。次におじいさん。三番目に五朗が来た。「何者?」と聞いたら「わたしの弟」と母は言う。
☆「金と銀」治樹さんは泣き虫でのんびりしていた。彼とばったり出くわしたのは大学生のときだ。治樹さんは絵描きになっていた。
☆「夜のドライブ」40歳のわたしは、ある日、母を誘って車で温泉に出かけた。旅館に泊り、真夜中、母がわたしを呼んだ。「ねえ、夜のドライブに行きたいの」。
☆「天頂より少し下って」45歳の今まで、真琴は何人かの男と恋をした。今つきあっている10歳年下の涼は柔らかげな子だ。涼は真琴のことを「猛々しい」と言う。
(小学館HPより)
7つの短編集。
過去に発表されているものをまとめた1冊みたいだけど、幸いまだ読んでいないものばかりだったので嬉しかった♪
最初の「一実ちゃんのこと」は、驚きの設定。
ちょっとSFチックなかんじで可笑しかった。
将来、クロ-ン人間も誕生しちゃうのかなぁ~?
好きだったのは、最後の2作。
「夜のドライブ」と表題作の「天頂より少し下って」。
「夜のドライブ」は、母親と娘の話。
「天頂より・・・」は母親と息子が出てくる話。
わたしには娘が二人なので、「夜のドライブ」の話の方が感情移入しやすかった。
将来、娘とこんな風にドライブ出来る関係になれたらいいな。
娘に老いた自分を見て涙して欲しくはないけれど・・・・そういう優しさはいいものかも。
「天頂より・・・」の母親は、自分より11歳年下の恋人が居るという設定だし、息子に感じる気持ちもちょっと理解できない部分ではあったけど、45歳でこんな風に楽しく生きていられるのは、ちょっと羨ましいかも。
でも二つの話とも旦那は他界してるのよね。
そのあたりは、ちょっと寂しいかな~?
ササッと読めて面白い短編集でありました。
次は長編小説を読みたいな。
★★★
甲坂礼司、釜ヶ崎で働く青年。二谷結子を主人公に小説を書いてくれと頼まれる。二谷結子、二谷啓太の妻。神戸・三宮のホテルに一人で住み、つかみ所がない女。二谷啓太、チープ・ルネッサンスを標榜するホテルチェーンのオーナー。小説の依頼主。大輔、甲坂礼司に小説書きのバイト話を持ってきた大学生。礼司に神戸の住まいを提供。松ちゃん、釜ヶ崎の名物男。礼司が頼りにし、なにかと相談するおっちゃん。敦、二谷結子の弟。興信所経営。結子のためなら何でもする直情型の気のいい男。震災前夜、神戸と大阪を舞台に繰り広げられる冒険恋愛小説。
3年ぶり、著者の新境地を開く渾身の長篇書き下ろし。
(筑摩書房HPより)
物語の最初に語られること。
「この女」という小説を書いた主人公の男性は、15年前の震災で行方不明らしい。
15年前の震災というと、阪神大震災だろう。
そして、すぐにこの小説「この女」を書いた男性・甲坂礼司の物語が始まる。
どうして小説を書くようになったか?
それはすぐわかるけど、この偶然の頼まれごとが、礼司の生き方も変えていく。
「この女」と言われる女性・二谷結子の生い立ちは、重い。
けれど、そんなものに負けていない力強さがある。
礼司の生い立ちも結子と似ているものがあって、二人がお互いを支えにしていく様子は自然なかんじ。
大阪の釜ヶ崎地区が舞台になっていて、小説を読みながら、実際はどうなのかな?なんてちょっと考えてしまった。
著者は、実際、そこで野宿者支援活動をしている方に協力をいただいたと最後に述べていた。
過去に苦労した二人の男女が、新たな地で二人でがんばろうと決意したところで物語は終わる。
読み終えて・・・もう一度、最初に戻って読み返してみた。
震災後、行方不明というけれど・・・・どこかで幸せに二人で暮らしていてくれたらいいな~。
なんて思った。
★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
