(徳間書店HPより)
不思議なお話でしたが、ゆるゆるとした雰囲気が心地よくアッという間に読み終えてしまった。
蘆野原という故郷を離れて暮らす和弥とその妻・優美子の会話の様子も良いけど、和弥の同郷の友人・泉水とのやり取りも楽しい。
しかし、郷の蘆野原への思いは複雑なものがあり、長という立場にある和弥の抱えるものの重さもなんとなくわかりただほのぼのした雰囲気だけで語られる話ではなかった。
短い話が連作のように語られ、次々と不思議な現象が描かれるけど、不思議と自然に受け入れられる。
猫になったり人間になったりの妻・優美子に加えて登場の幼女・多美。
その多美もまた子猫の姿から登場で、なんじゃこりゃ?と思ったけど・・・・
よくわからないなりに、なとなくその雰囲気は受け入れてしまった。
不思議な力をもつ主人公の話は、過去にもいろんな作家さんで読んだけど、
こういう雰囲気は好きなので、面白かった。
表紙の猫の写真がすごくいい!
ここまで美しく、1人の女性を愛することができたなら
香奈子が死んだ――。男女の間に交わされたメールの文面から紐解かれる、至上の愛の軌跡。著者が全身全霊でとりくんだ恋愛小説!
(文藝春秋HPより)
久しぶりの村上龍の作品だったので、楽しみだったけど・・・・これは好きじゃない。
読みやすいけど・・・・同じような会話だったり描写が多くて飽きました。
物語は、離婚暦もあるが現在は妻と娘がいる50台の投資会社社長・西崎健児と
やはり離婚暦があり、今は独身で風俗業界で働く四条香奈子(サクラ)が出会い、恋愛関係になるところから、二人のメ-ルのやり取りを交えた恋愛小説。
香奈子は、20代半ばでⅠ型糖尿病を発症。
一般社会では認知度が低いけど、先天的な異常により体内でインスリンを生産できない為、慎重なインスリンの投与が必要な病気。
けれど、上手にコントロ-ルできれば、日常生活を送るには支障はない。
物語では、香奈子はそれによって、いろいろな重篤な症状を起こし、命を落としてしまうという哀しい結果になるのですが、物語の冒頭ですぐに亡くなったことが知らされ、過去の思い出を振り返る形で物語が進んでいく。
風俗で知り合った二人なので、そういう描写も多く、それはまあ、いいんだけど、
ちょっと何度も同じようなかんじの場面が出てきたり、あまり読んでいても楽しくなかったので
正直、飛ばし飛ばしでなんとか読み切ったかんじです(苦笑)。
そして、ちょっとがっかりしたのは、あとがき。
知り合いに香奈子と同じ病気で若くして亡くなった方がいて、この病気のことを知ってほしいこともあったとか。
え?知り合いにこの病気の方がいたのにこの内容ですか!?
あまりにも哀し過ぎる香奈子の最期。
もうちょっと希望がある内容でも良かったんじゃないかなぁ~?
個人的には、嫌いな話でした。
「あいつの走りが、おれを、もっと速くする」本能で走る碧李とレースの天才の貢。ライバルが対峙したとき、その走りに化学反応が起きる。
目もくらむスピードで突っ走る、著者史上最高最速小説。
(幻冬舎HPより)
「ランナ-」を読み終えて、すぐにこちらを読んだので話の流れがよくわかり感動した!
「ランナ-」では、家庭環境に悩み、自身の走ることへの執着の気持ちと一度味わった敗北からの不安など、いろいろな葛藤に苦しむ主人公の碧季だったけど、物語の初めから走ることを再び選び競技場に居る場面だったので、凄く嬉しかった!!
やっぱり復帰したんだ~!!と。
そして、碧季の出場する種目、5000mに同じく出場の他校の選手、三堂貢の登場。
何やら気になるかんじ。
本当は優しい心の持ち主みたいだけど、影がある。
まだ明かされない何か重たいものを抱えているかんじで、読みながらも碧季と似てるなぁ~と思った。
碧季と貢は、本番のレ-スで戦い、今後もお互いが意識し合いながら成長していきそう。
「ランナ-」では、碧季の母親と妹・杏樹の関係が、ちょっと心配だったけど、そちらは少しずつ良い方向に関係が修復されて来ているみたいで、ホッとした。
アッという間に読了の本書。
まだまだ、これは続きを読みたい!
家庭の複雑な事情を理由に陸上部を退部した高校一年生の加納碧李。
だがそれは走ることから逃げてしまった自分への言い訳だった。
少年の焦燥と躍動する姿を描いた、青春小説の新たなる傑作!
(幻冬舎HPより)
主人公の碧季の置かれた家庭環境が、深刻な状況。
両親が離婚して、母親と、5歳の妹・安樹と暮らしている。
母親は薬剤師として働き始め、経済的には困っていない様子だけど、両親の離婚の経緯、杏樹と母親との関係が複雑で、碧季は、そのことに神経を遣い、陸上部で走っているときではないと判断して走ることから距離を置いている。
心優しい、碧季が実に痛々しい。
そして、安樹も可愛そう。
母親の千賀子も心を病んでいる。
家族全員がとても緊張した状態で暮らしている。
あさのさんの物語だから、きっとこの先は希望の光が射すんだろうけど・・・と思いながらも少々気が滅入ってしまった。
碧季が所属していた陸上部の監督・箕月、友達・久遠、マネ-ジャ-の先輩・杏子たちが皆、碧季のことを気に掛けて接する様子が温かい。
碧季も部活ではないけど、走り始めた。
続きの物語では、碧季の家族の様子も良い方向に向かい、蒼季がランナ-として活躍する場面が読みたいなぁ~。
続きがまだあるとわかって、この本を読んでよかった。
これだけを読むと、ちょっと物足りなかったかもしれないけど・・・・
遠く隔絶された場所から、彼らの声は届いた----
慎み深い拍手で始まる朗読会。
祈りにも似たその行為に耳を澄ませるのは……。
しみじみと深く胸を打つ小川洋子ならではの小説世界。
(中央公論新社HPより)
タイトルを見たときから「どんな話なんだろ?」と読む前から興味が沸きました。
そして、最初に語られるショッキングな事件の様子。
とある旅行会社の企画したツア-に参加した8人が反政府ゲリラに拉致・監禁されたすえ命を落としたというニュ-ス。
そして、後から見つかった人質たちがそこで語っていたであろう物語。
8人の綴った物語が順番に語られる。
そこには、日常のふとした瞬間やら遠い過去の思い出だったりがあり、どれも心がちょっと温かくなるようなお話。
お話の最後には、その人の年齢と職業、そのツア-に参加することになった経緯のようなものが記されている。
それを読むと・・・お話の主人公がそのお話の後、どういう風に生きて来たのかが、想像出来て、まだまだこの先、やりたいこともあったでしょうに・・・・と途端に何とも切なく哀しい気持ちにさせられた。
自分もいつどんな場所で最期を迎えることになるのか、予測出来ないんだなぁ~なんてことまで考えてしまった。
何かを記しておくことは、自分が生きていたという証を遺すことになるのか!
ならば、こうして今、書いていることもずっと後で、家族とかがみて何か感じるだろうか?
などなど・・・・・。
8人の人質たちの物語とともに9番目の話では
事件現場で人質になっていた8人が語る言葉をヘッドフォンを通して聞いていた特殊部隊隊員の物語。
「ハキリアリ」というアリについて語ったもので、事件には一見なんら関係ないようだけど、ハキリアリを通じて知り合った日本人との思い出話であり、彼が感じた人質たちの様子が語られたときには泣けた。
人質たちが語ったお話のなかで特に好きなのは「やまびこビスケット」。
★★★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
