忍者ブログ
読んだ本の感想あれこれ。
[482]  [483]  [484]  [485]  [486]  [487]  [488]  [489]  [490]  [491]  [492
51ecd354.jpg発行年月:2010年10月


僕の奥さん、咲子が家出して1カ月。
僕は姉の月夜さんと咲子に会いに、新幹線に乗る-----。
温かな気持ちに包まれる表題作他、
切ない恋、禍々しい恋、淡い想い、忘れられない痛みなど、
珠玉の短篇連作集。


                    
(河出書房新社HPより)



5つのお話は、それぞれに良かったと思う。
全部植物に因んだタイトルがついているお話。

・銀杏
・椿
・羽衣草
・欅(けやき)
・昼咲月見草


主人公は主に30代くらいの女性。
最初の話「銀杏」では、大学時代からの友人が銀杏を手土産に訪ねて来て、その友人と会話しながら、自分のもう暫く会ってなくて、別れることになるんじゃないかという恋人のことをあれこれ思い出す話。
なんでもない会話の様子が好き。

「椿」は娘のピアノの教師との不倫の話。

「羽衣草」は、母より11歳下の叔母の亜津子の家を訪問する女性。
小さい頃から、この叔母のことが好きで、年の離れた姉のような感覚で接することが出来る。
叔母のつくる手料理はちょっと斬新なアイデアだけど、美味しいと。
実際、美味しそうだった!
この話が一番好きだったなぁ~。
こんな叔母さん居たらいいな。

塩せんべいにポテトサラダの組み合わせは、試してみたい(笑)


「欅」は66歳で亡くなった叔母の葬儀で疎遠になっていた従姉妹達に会い、叔母や従姉妹達で過ごした夏の日の思い出を巡る話。


「昼咲月見草」は、浩介は妻の姉・月夜と家出した妻を迎えに新幹線に乗り、その途中で思い出す、妻の姉と同じ名前の月夜さんのこと。
その月夜さんはおばあさんで、浩介が予備校生時代、一人暮らしをしていたアパートの真上の部屋に住む人だった。
そのおばあさんから貰った千円札が、ここ一番というときに自分を精神的に助けてくれた。
この話も好きだった。

そして、表紙のイラスト、昼咲月見草の絵が素敵!
装画は波多野 光さん。
波多野さんのイラストももっといろいろ見てみたい!
イラスト集とか探してみようかな?

★★★
PR
6ee4ac9c.jpg   発行年月:2010年10月

   特別な誰か、ではない私の普通で愛しい十年日記

   夫のため田舎に移り住んだ梨々子が妻、母、女として
   迷いながら進む日々を丁寧に綴る。
   注目の著者がすべての女性に贈る“私の物語”

                             (文藝春秋HPより)


ある日、突然、夫が会社を辞めて田舎に帰ろうと言う。
夫との出会いは、会社の上司の紹介で、会った途端に好きになった。
何もかもが格好よくて、理想的だった。
夫の間には、息子が二人。
幸せだった・・・・・でも・・・・
夫は、鬱と診断されて、下の息子は、コミニュケ-ションを上手く取れない。

ちょっと重く暗い設定なのですが・・・
夫が望むように、夫の実家のすぐそばの田舎に東京から移り住み、そこでの生活をスタ-トさせる梨々子。
30歳のときから、2年後ずつ話が進み、段々と田舎暮らしに馴染んでいくかんじ。
夫の鬱病もさほど深刻な状態にはならず、社会生活も普通に送れていて、ホッとした。

夫の実家との付き合い。
ご近所さんとの付き合い。
子どもの学校でのこと。

主婦なら、多少なりとも同じような事を感じる場面があるんじゃないかな?というお話でした。

梨々子が途中、芸能人・アサヒと出会い、二人だけで会うことがちょくちょく。
この辺、ちょっと現実離れしてたかんじですが、何もかも捨ててついて行きたいと考えることはあっても、ちゃんと理性的な結論を出したのは偉かった!!

ラストは田舎に住んで10年目の話。
回り道の一歩一歩が自分の人生・・・なるほど・・・。

地味な話でしたが、所々で「そうだよね~」とか「なるほどね~」と思ってしまった。

最初、笑わない人は苦手だと良い印象でなかった同じマンション住人の塩原さんが結構、好きだった。
病院のボランティアを梨々子に勧めた時、梨々子が「人の役にたてるなら・・・」みたいな話をした際に「そんな期待はしないほうがいい・・・人の役に立てるかはわからないけど、自分の役には立つ」みたいな事を言ったときは、何だかよくわからないけど、感動した。
ボランティアって「人の役に立つ」なんて、上から目線の人には向いてないことなのかもね。

このタイトル、ちょっと長くて面白いけど、
ちゃんと話のなかに出て来て、最後までそれが活きていました♪

ハッピ-エンドと言えるのかはよく分からないけど、梨々子は田舎に移り住んだ10年前より随分、逞しくなった様子。
何も状況はかわらなくても年を経た分だけ、人はいろいろな事を人から吸収して気持ちに余裕を持ちながら生活を続けていけるようになるのかも。


★★★


 
3e1ed067.jpg   発行年月:2010年10月


   小沢優、18歳♀。
   映画エキストラのバイト面接に行ったら、どうも様子がおかしい。
   と思ったら、行った先は男性アイドルを数多く輩出している
   芸能事務所だった!
   ひとりではできないけど、仲間とならできることもある。
   そんなメッセージをこめた青春小説。
   最後はもちろん、泣かせます。


                                           (双葉社HPより)


サラッと読めて、結構面白かった。
特別感動はなかったけど・・・^^;

少し前にやっていたドラマ、「イケメンバラダイス」とかいうのに似てたな。
自分は映画のエキストラ募集で面接に行ったつもりが、芸能事務所のオ-ディション会場に引き込まれて、オ-ディションに見事合格しちゃうという所は面白かった。

デビュ-を賭けて、ダンスレッスンに励む様子は、ダンスに詳しい人なら楽しめるような内容だったでしょう。
結構、詳しくダンスのステップなど書かれていたから・・・。
でもダンスに何ら興味も知識もないわたしは、ちょっと飛ばし読みしました^^;

元々は女の子の主人公・優。
周りが男子ばかりということで、当然ながら恋心も芽生え、その結末は?と思っていたら・・・
はは~ん、最後はこういう風に来たか~。

あり得ない設定だけど、物語としては、まあまあ楽しめました(^^)
ドラマ化したら面白いかも?


★★★
 
73c110de.jpg   発行年月:2010年10月


   街を走ることは街を知ること。新しい自分と出会うこと

   人気作家3人によるNY、東京、パリの
         シティマラソン・アンソロジー。
   爆笑あり、切なさあり、爽快感ありの
         豪華ヴァラエティ・ボックス

                                                                 (文藝春秋HPより)


場所は違うけど、3人三様の走ることに関わるお話。

三浦さんの「純白のスタ-トライン」は
不動産会社勤務の阿部広和は、社長の命令で、ニュ-ヨ-クシティマラソンの場に向かう。
社長の娘がマラソンに出場するけど、その文通相手の外国人男性と接近しないかを見張るのが目的。
広和自身も学生時代は長距離選手だった過去がある。


あさのさんの「フィニッシュ・ゲ-ムから」は
スポ-ツシュ-ズメ-カ-勤務の南野悠斗は、高校時代は陸上でオリンピックも目指すほどの記録を持っていた。
が、怪我で走ることからは遠ざかっていた。
高校時代は、自分より記録は下だった友人・湊が東京マラソンに出場することを知る。


近藤さんの「金色の風」は
パリでの留学生活をスタ-トさせた夕(ユウ)。
実家の両親はバレエ教室を開いていて、自身も1年前まではバレエをしていた。
妹の朝美は17歳でドイツにバレエ留学中。
いつも愛犬とジョギングしている女性アンナと知り合い自分も街中を走り始める。


3つの話の主人公たちは、それぞれに挫折を味わっている。
しかし、ちょっとした偶然から走ることに関わり、今までの自分とは違う何かを得て前に進み出すようなかんじのお話でした。

どの話も良かった!

本の最後に、
本書収録の3作品は、株式会社アシックスが2008~10年にWEBサイト及びモバイルサイトで実施した期間限定キャンペ-ン「マラソン三都物語~42.195km先の私に会いに行く~」のために書き下ろされたもの

と説明がありました。
なるほど、こういう主旨で書かれた物語でしたか・・・納得しました!

この表紙絵もお話にピッタリで素敵!

★★★
37a20b3b.jpg発行年月:2009年9月


驚愕と衝撃!圧倒的感動!
「僕とコジマの友情は永遠に続くはずだった。もし彼らが僕たちを放っておいてくれたなら----」

涙がとめどなく流れる-----。
善悪の根源を問う、著者初の長篇小説

「苛められ、暴力をふるわれ、なぜ僕はそれに従うことしかできないのだろう」
彼女は言う。苦しみを、弱さを受け入れたわたしたちこそが正義なのだ、と。彼は言う。できごとに良いも悪いもない。すべては結果にすぎないのだ、と。ただあてのない涙がぽろぽろとこぼれ、少年の頬を濡らす。少年の、痛みを抱えた目に映る「世界」に、救いはあるのか----。

第60回芸術選奨新人賞受賞

                                            (講談社HPより)

ちょっと前に話題になって、読みたかった本を図書館の棚で見つけ借りて来ました。
胸が苦しくなるほど辛い苛めの場面が続く物語でした(/_;)

主人公の「僕」は特定の苛めグル-プから殴る蹴るなどの暴力を日常的に受けている。
そしてある日、<わたしたちは仲間です>と書かれた手紙を受ける。
差出人は同じクラスの女子たちから苛められている「コジマ」。

二人は手紙のやり取りをするようになり、時々、待ち合わせて会って話す。

お互いがお互いの存在を感じながら何とか日々の苦しみから耐えているかんじでしたが・・・
最後の方で、同じように苛められているけど、その受け止め方には、違いが生じる。

「コジマ」の方が苛める側に対して思う気持ちが強かったのかな?
ただ黙って抵抗出来ずに暴力を受け入れているだけではなく、芯の部分で思っている気持ちは強いかんじだったなぁ~。

苛める側の百瀬と僕の会話は、読みながら腹が立った!
百瀬の言い分には、かなりショック。
こんな考えで苛めが発生するのだとしたら、恐ろしい。


ラストは「僕」には明るい兆しが見えるような事が起きたけど、「コジマ」はどうなったんだろう?
コジマのことが凄く気になって、読後は、何やらモヤモヤ感が残ってしまった。

結局、この物語で著者は何を言いたかったのか?
僕の身体的なことも最初から気になった。
今の医療では容易に治るだろうことだしなぁ~と。
そしてラストはそれが手術により治り・・・・・ヘヴン??

苛められる側と苛める側の心理描写は、すごくリアルなかんじがして、衝撃的ではあったけど・・・・。
評価が意外と高いけど、わたしにはちょっと???

子どもも読んでいる途中なので、感想を聞いてみたいと思う。


・・・・・・子どもの感想を聞こうとしたら・・・ラスト近くで急に読む気力が失せたそう・・・^^;


 
★★
 
カレンダー
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 3 4
6 7 9 10 11
13 14 15 18
20 22 24
27 29 30
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]