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自分の備忘録としてのものなので 本のネタバレ的内容も多々あり。
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31Z5G7N4T9L__SL500_AA300_.jpg発行年月:2005年3月


チェックイン・・・日没後
チェックアウト・・・日の出まで
最高の眠りを提供するホテル・・・
オテル・ド・モル・ドルモン・ビアン

ホテルのフロントで働き出した希里が知る、優しい対峙の仕方。


                                           (本の帯文より)

いつもちょっと不思議な雰囲気を描く作家さん。
過去の作品が気になり、図書館棚で見つけた1冊。
表紙の絵からして、ちょっと期待できるかんじなのも◎。

23歳の希里が、初めて職に就く。
面接に行くまでの様子もなんだかちょっと不思議。
そして、めでたく採用されホテルのフロント係りとしての日々が始まる。

ホテルは少し変わっている。
会員制で一見さんはお断り。
地下にあり、最下階は13階。客室数は99。
一泊8400円で食事提供はなし。
特に宣伝もしていないのに、稼働率は99%を維持し、リピ-タ-率は88%という。

ホテルのモット-は最高の眠り、最良の夢を提供すること。

そんなホテルでのあれこれ。


ホテルの従業員らしき人は、面接官であった客室係り兼、ホテル営業者の外山さん以外出てこない。
希里と外山さんのやり取りも、ほのぼのしていて、ちょっと不可解で、なんとも言えないかんじ。
その感じそのものが眠りを誘うような心地よさ。

希里の家庭環境は、ちょっと複雑なものを抱えていて、そのことで希里自身にかかる負担も多そうですが、このホテルで働き始めたことにより、そんな問題も少し良い方向に向かいそうな気配。

これは、ちょうど、寝る前(1時間ちょいで読了)に読んだので、その後、なんだか気持ちよく眠れた気がする(笑)。


★★★★


 
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発行年月:2011年8月

愛は要らない、と言える狡(ずる)さも愛が欲しい、と叫べる強さもその女にはなかった。それでも――。

父親の酒と暴力に支配される愛のない家――。北海道の開拓村から奉公に出された百合江(ゆりえ)は、旅の一座に飛び込む。「歌」が人生を変えてくれると信じて。押し寄せる波に翻弄されながら一切の打算なく子を守り生き抜いた女の、他人の価値観を寄せつけない「見事」な生が、息もつかせぬ圧倒的な筆力で描かれる。新感覚のストーリーテラー北に現る。


                                          (新潮社HPより)


すごい物語だった!
一気に読ませる力にも脱帽!

物語は、最初は現代の話。
それから・・・そこで出てきた女性二人・理恵と小夜子のル-ツを知らされるような物語へと移る。

理恵と小夜子は、母親同士が姉妹。
それぞれの母親である百合江と里実の幼いころからの話が始まるのだけど、百合江の話が中心かな?
二人の両親は北海道の開拓村に住み、一家の暮らしはとても貧しい。
父親は酒癖が悪く、母親に暴力を振るうことは毎日。
幼い弟たちの面倒を見たり、家事を手伝ったりの百合江が不憫。
進学したいと思っていたのに、奉公に出されることになる。
そして今度は自分が家のなかでしていた苦労を里実が引き継ぐ。

やがて成長した姉妹は、それぞれ家とは疎遠な状態になり、自分たちの働き場所で懸命に働き、それぞれ伴侶を得る。
里実は奉公先の理髪店での働きを認められ親方の息子と結婚。
店の経営は順調で里実の采配が一家を支えるまでになる。

一方の百合江は偶然、目にした旅芸人の歌や踊りに惹かれ、その一員になる。
そして知り合った女形役者の宗太郎との間に女の子・綾子を産むが宗太郎は姿を消してしまう。

その後、知り合った役所勤めの高樹春一と結婚。
姑との同居が始まるが、この姑がとんでもない意地悪!
おまけに春一には多額の借金があった!
二人の間の子を出産時、長女の綾子を姑に預けたのだが、とんでもないことになり・・・・
春一は外で遊びまわり家には帰らない日が続く。
全部、百合江のせいだと言う姑。ホントに鬼のような人だ~。

とまあいろいろと苦労の連続の百合江。
妹の里実が居なかったら、もっと大変なことになるところだったけど、姉妹っていいな。
心強い味方としていつも里実がそばに居てくれて、読みながら、姉妹はずっと離れないで~なんて思った。

時々、大人になった理恵と小夜子の話に変わるのだけど、この二人は従姉妹という関係だけど実質姉妹と変わらないかんじ。

終盤、理恵と小夜子が百合江の二番目の夫だった高樹から話しておきたいことがあると連絡を貰い、老人ホ-ムに入所中の高樹を訪ね、聞いた衝撃の事実には驚いた!



苦労続きで幸せを掴んだと思えば、またその幸せを逃がして・・・・という百合江の人生だったけど、高樹の告白から知った事実には、百合江が知ったら、驚くかもしれないけどホッとするようなこともあって、少し最後は救われた。


兎に角、すごくよく出来たスト-リ-で最初から最後まで頁をめくる手が止まらないかんじだった!

やはり、この作家さんは凄い!
まだ作家デビュ-してからそんなに年数立ってないけど、これからの作品も大いに期待したい!!

これは、また暫くしたら、絶対、再読したいと思う!!


★★★★★
 
8a61af9d.jpg   発行年月:2011年7月

   科学に翻弄される人間の滑稽な姿を描く、現代の黙示録

   レアメタル入りのウナ ギ、蘇生した縄文時代の寄生虫、
   高性能サル型ロボット……
   科学技術発展の先に人類の幸福は本当にあるのか 
                           

                           (文藝春秋HPより)   



4つの短編からなる。
どれもとても面白かった!


「深海のELL」
駿河湾沖の漁に出た漁師たちが引き上げた大量の巨大うなぎ。
そのうなぎは異様なかんじで、目が異様にキラキラ。
体内にパナジウムを取り込んでいることがわかる。
プラチナと同様、希少価値の金属(レアメタル)をなんとか資源として使えないか?
パナジウムをうなぎから取り出す開発チ-ムが組織される。

「豚と人骨」
マンション建設予定地の地下で、見つかった大量の骨。
かなり昔の人骨と何やら獣のような骨。
調べた結果、獣は豚と予測される。
そして、骨の発掘調査に関わった者達に広まる異変。
大量の骨と一緒に蘇った寄生虫。

「はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか」
自分で判断して行動する猿のロボットに追い掛け回される女性の話

「エデン」
気づいたら異国の地でトンネル掘りの重労働をさせられることになった青年。
新世界を求めて63年間そのトンネルは掘られるのだという。


どの話も実際にはない話・・・・でしょう。
でももしかしたらこれに近いことはあるのかも?

全部面白かったけど、後半の2つが好き。
「はぐれ猿・・・・」は、最初は、なんとも異様なかんじでぞわぞわするような恐怖を読みながら感じるのだけど、ラストはちょっとほのぼのした気持ちになれる不思議な展開。

最後の「エデン」も最初は、変な世界から早く逃げ出せたらいいなぁ~と主人公の気持ちで読んでいましたが、ラストは、そういう生き方もありかな?
と今までの緊張感が取れて良い意味で脱力。


短編集だけど、内容はすごく充実で読むのが楽しかった!



 

★★★★★

 

 


 

41UEx-86luL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年6月


怪物は死体を溶かす…緊迫のミステリー長編
物体を跡形も無く溶かせるという、最新鋭のゴミ処理施設の研究者・真崎。定年間近の刑事・香西は、真崎の部屋で強烈な「死の匂い」を感じる。頻発する失踪者たちと真崎との繋がりを探ろうとする香西だが…。



                        (集英社HPより)


初読みの作家さんかも?

なかなか面白かった!
後味の悪さが残るのは、ちょっと湊かなえ路線かも~?

最初は、定年間近の刑事・香西がずっと心のなか重く圧し掛かっている誘拐殺人事件のことが描かれる。
15年前のその事件の容疑者・堂島昭(当時20歳)は、ほぼ犯人に間違いないというところまで追ったが父親が警察庁の高役職ということからかいつの間にか容疑者リストから抹殺されてしまった。
そして、その堂島は近く衆院選に立候補するとメディアにも登場。
野放しにしていていいのか?
逸る気持ちでいる香西の元にメディアを通じて堂島を見て「15年前の犯人だ!」と連絡してきた女性・理紗。
彼女も15年前の事件被害者の一人だった!

おぉ~どうやって追い詰める?面白くなってきたぁ~!!

と思っていたら・・・・え?そういう展開ですか?と次なる怪しい人物登場。


堂島を追い詰めながら、とある失踪事件に出くわしたが為に知り合う正に怪物のような人物!

それからは、段々と善良な刑事・香西の思考がズレテいく。
そのズレ方は、自分が同じ立場だったら、同じ行動をしてしまうかも?と思えるような自然な流れで、それゆえに怖かった。

香西自身も怪物化してしまう。

なんとも哀しい物語でした。

でも話は面白かった!
文章も読みやすいし。

ちょっとこれからは要チェックの作家さんだわ!


★★★★
 
 
51ba9r2cFsL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年2月


オタク青年オスカーの悲恋と、カリブ海の呪い。ピュリツァー賞・全米批評家協会賞W受賞!

心優しいオタク青年オスカーの最大の悩みは、女の子にまったくモテないこと。どうやら彼の恋の行く手を阻んでいるのは、かつて祖父や母を苦しめたのと同じ、ドミニカの呪いらしい――。英語とスペイン語、マジックリアリズムとオタク文化が激突する、全く新しいアメリカ文学の声。英米で100万部のベストセラー、日本上陸。


                                          (新潮社HPより)

なかなか面白かった!
読むににすっごい時間がかかったけど・・・。

物語はドミニカ系アメリカ人のオスカ-・ワオの青春小説です。
140kgの巨漢でオタクのワオは、女の子に振られてばかり。
でもめげずに好きな子が出来ればアタックする、憎めないけど、ちょっと哀しい。

そんなワオは、母親と姉と住んでいて、ワオの行く末を心配した母親は、自身の故郷であるドミニカに送る。
姉のロラは母親と折り合いが悪かったので先にドミニカに渡っていた。
そこにはワオの母親・ベリを育てたラ・インカが住んでいてワオはラ・インカの元で暮らすようになる。
そして、自身のル-ツ、一族のル-ツを知る。

ドミニカは1930円から31年間、独裁者・トルヒ-ヨによって統治されていたそうで、トルヒ-ヨの残虐性に苦しんだ人々も多かったらしい。
そういう事実をしらなかったので、この書を読んで勉強させてもらった部分が多かった。

そして、ワオの出生に、この独裁者の存在が大きく関わっていたという設定。
女好きで残酷な独裁者・トルヒ-ヨの呪いのようなものを受け継いでしまったかのような、ワオの最期は哀しいけれど、それでもワオは、きっと幸せなときを過ごしたんじゃないかな?と想像できる事実が後からわかり、ちょっと救われた。


物語の途中、かなり膨大な注釈が度々出てくる。
その注釈を読むと、なるほど物語がよりよく判る!
なので、必死に読んだ・・・・・ゆえに一生懸命、読んでもなかなかペ-ジが進まず読了までに時間がかかってしまった^^;

でも読み終えたときは、すごい充実感!

日本の文学にはない面白さがあった!


★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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