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読んだ本の感想あれこれ。
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faa69cd6.jpg   発行年月:2010年10月


   小さくて最高にリッチな、いくつもの愛のかたち

   甘かったり、苦かったり、怖かったり。
   最高の日本語の使い手が腕によりをかけた、
   20余篇の恋愛がつまった宝石箱のような短篇集

                                   (文藝春秋HPより)



21篇の短いお話ですが、どれも良い!
変わっていて面白かったのは
「電信柱さん」・・・電信柱が主人公の物語で、ちょっと童話のようですが、なかなかシュ-ルです。
人間の行動を見ながら思う事は、笑えたり、なるほど~とうなずいたり・・・。
そして、さくら草との会話は、なかなか高尚。
最後は、ちょっと哀しい。

それから・・・
「涙腺転換」・・・泣き虫だった彼は母親から男子たるもの決して涙を見せてはなりませんと言いつけられ、それを守って生きて来た。
そして、母親が亡くなると体が変化して、涙は尿として流れるようになる。
笑える話だけど、当事者となれば、これは困るな・・・・。


短編の所々で登場の「GIと遊んだ話」が良かった。
「一~五」まで出て来て、それぞれが違う場所で違う人たちでの話。
共通するのはGIと遊ぶ女性たちの話ですが、自由奔放なにGI相手に遊ぶ女の子の話のなかに戦争の話があったり。
最後の「GIと遊んだ話(五)」は、辛いことを乗り越えて一緒に生きることに決めた二人の話で
これがこのタイニ-スト-リ-ズの最後の話で良かった♪


いろいろな話で楽しい短編集でした!

 

★★★★
 

  

PR
5909d470.jpg発行年月:2010年8月

物語に愛された人から、物語を愛する人へ。心を込めて、この小説を贈ります。

このままずっと小説を書き続けるか、あるいは……。小説家と、彼女を支える夫を突然襲った、あまりにも過酷な運命。極限の選択を求められた彼女は、今まで最高の読者でいてくれた夫のために、物語を紡ぎ続けた-----。「Story Seller」に発表された一篇に、単行本のために書き下ろされた新たな一篇を加えて贈る完全版!

                          (新潮社HPより)


Side:AとSideBの二編から成る物語。
作家の妻とその夫がそれぞれで主人公。

SideAでは、作家の妻が病死。
SideBでは、夫が交通事故後の検査で余命短い命と診断される。

二人の夫婦の関係は理想的。
結婚後も相思相愛を持続し続ける夫婦って、なんだか凄いな。
ちょっと羨ましいけど・・・笑

どちらかが余命が限られている設定なので、会話の所々で泣けます(/_;)。

でも・・・・はてこれはどこまでが作家である妻の創作?
ちょっと読み手に判断が委ねられるかんじ。

わたしは、悲しい箇所は作中作だと勝手に判断しました!
じゃないと・・・涙が止まらないから・・・。

なかなか面白い事考えるな~。
読み手に最大のサ-ビスじゃない?

この表紙もお洒落♪

★★★★
 
8ca7a617.jpg発行年月:2010年10月


『怖い絵』の著者が描く王族たちの光と影
アン・ブーリン、マルガリータ・テレサ、イワン雷帝…ほか、ヨーロッパの歴史に名を刻んだ王や王妃たちの波瀾万丈な一生を、独自の視点でたどる。肖像画など関連絵画のカラー図版多数掲載。

                        (集英社HPより)



以前、「怖い絵3」を読んだときも過去のヨ-ロッパの歴史を絵画を交えて解説する中野さんの話が面白く、また今の常識で考えたら、とんでもなく非道なことが日常的に行なわれていた事実に驚愕しました。
本書もまたそれに並んで恐ろしいヨ-ロッパの国々の王室の歴史が書かれていて、
今の時代の日本と言う平和な国の一国民として生きている日々がとても幸福なことだと再認識しました。

本書は5つの章に分けられています。

<第1章 メアリ-・スチュア-ト>
スコットランド王ジェ-ムズ五世とマリ-・ド・ギ-ズの長女。
スコットランド王女。
エリザベス一世と覇権争いの末、完敗。
長い幽閉生活の末、斬首の刑に処せられる。


<第2章  マルガリ-タ・テレサ>
スペイン王フェリペ四世の王女。
神聖ロ-マ帝国皇帝レオポルト一世の皇妃。
母親の弟である叔父レオポルト一世の元にただ跡継ぎを生むという目的のためだけとも思える結婚。
16歳で男児を出産するが赤子は1年で亡くなり、続いて18歳で女児。19歳で再び男児を死産。
21歳で女児を出産するが母子共に命を落とす。
若すぎる肉体に度重なる子作りは命取りとなった。


<第3章  イワン雷帝と七人の妃>
モスクワ公国大公。
ロシアの初代ツァ-リ。(ツァ-リとは英語のキングと同意)
次々と跡取りを生ませるため結婚。
しかし暴君で息子の嫁にささいなことで腹を立て妊娠中の嫁を叩きのめし、胎児を殺し、またそれに怒った未来の跡取りでもある息子と口論の末、撲殺してしまう。


<第4章  ゾフィア・ドロテア>
ハノ-ヴァ-選皇侯兼イングランド王ジョ-ジ一世の妻。
名ばかりの王女。
冷酷な王により長く幽閉生活を強いられ病死。
死後は公式な葬儀は無用との王の命令で鉛の棺に入れられ城の地下墓地に埋葬。


<第5章   アン・ブ-リン>
イングランド王ヘンリ-八世の二番目の王妃。
エリザベス一世の生母。
王に最初は愛されたが、女児(のちのエリザベス一世)しか生めず、その後流産し、跡継ぎの男児が欲しい王から非道な扱いをされるようになり最期は斬首の刑に処せられる。


わかり易い家系図やその時代に描かれ残っている絵画などもカラ-で載っていたりと
読みやすかった。
知らない事が多い世界史もいっぱいで今回も勉強になりました。


恐ろしいけど、とても面白かった!

★★★★
 
9cd91bf4.jpg発行年月:2010年11月


暗い過去を糧に成功を収めた男と
美しい心を持て余し生きる希望を失くした女。
父娘ほどの年齢差を乗り越えて2人が結ばれた時
・・・哀しい奇跡が起こった----。

                       (ポプラ社HPより)



話としては、何処かで読んだことあるような感じもしないではないけど・・・
48歳の聖人と21歳のそらが互いを求め結ばれて・・・・の物語は美しく哀しく
童話と呼ぶに物語でした。

聖人もそらも過去の生い立ちに共通するものがあり、成功者として生きる聖人だけど心のなかに抱える過去の贖罪のような重いものを、そらが少しずつ軽くして行き、年齢差など関係なく二人はお互いを愛する。

そらの発言やら行動には多少、ぶりっ子(死語ですが・・・・^^;)っぽいものを感じてしまいましたが、こういう女性像は男性の理想なのかもなぁ~なんて思ったりもして。

二人は独身同士だし障害もないわけで、幸せに二人で生きていけばいいのにと思っのですが・・・・
あ~そういう展開ですか?
とちょっとここもよくある話で、ガクッと来ましたが、話の流れとしては不自然なものではないし、ラストは感動もありました。

素直な気持ちで泣けるほどではなかったけど、良い読後感ではありました。

純粋な心を持った男女の物語でした♪

★★★
 
358426ce.jpg   発行年月:2010年11月


頼れる人間などいない、神からも見放された男と女が知り合った。
男はかつて人気作家だったが、最愛の妻を亡くしてからはリタリン中毒となり、社会の最底辺で命をつなぐ日々。女は風俗嬢。類まれな美貌を持ったがゆえに、義父から性的にもてあそばれ、男を敵視することしかできなくなっていた。血まみれになった男を女が助けたことから二人の物語は始まる。それは苛酷な運命を歩む始まりでもあった。二人に残された聖地、それは純恋しかなかった。

                               (徳間書店HPより)


最初からちょっと嫌な文描写が続きました^^;

二人(万里と昭司の純恋の物語?ということなのでしょうが・・・・
なんだか読んでいて、これが純恋???とよくわからなかった。

万里は、10代の頃、母親が再婚し父親として来た吾郎と3人暮らしが始まったが、実母は再婚後2ヶ月で交通事故で死亡。
吾郎との2人暮らしが始まるのだけど・・・・この義父が変態!
キモチワルイ。
そんな事があったせいか、どうかはわからないけど、万里は大人になり娼婦として生活している。
この安直な経緯もキライだなぁ~^^;

昭司は、以前は誰でも知っているベストセラ-小説を書いた過去のある作家だけど、最近はどん底の生活をしていて、サラ金に金を借りに行き、揉め大怪我を負う。
そんな状態で居るところを万里に助けられ、二人の物語が始まっていく。

ここにこう書くと、まあまあ面白そうな男女の組み合わせなんだけど・・・
物語のなかに、結構、頻繁に出てくる、万里の娼婦として知り合男性とのことが
どうにもこうにも気持ち悪くて・・・・・読むのがイヤになってきちゃって
我慢して最後まで読んだけど・・・・・・
う~ん。

このタイトルの意味もよくわかりませんでした・・・^^;

新堂さんって、もっと面白いもの書く人じゃなかったっけ??
なんだか、ちょっとガッカリな本でした(;O;)

★★
 
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