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読んだ本の感想あれこれ。
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aae3a203.jpg発行年月:2009年5月


「こうであったかもしれない」過去が、その暗い鏡に浮かび上がらせるのは、「そうではなかったかもしれない」現在の姿だ。

「1Q84」の世界に、もし愛があるなら、それは完璧な愛かもしれない----。刊行以来、日本で、世界で、空前の話題を呼んでやまない長編小説。〈毎日出版文化賞受賞〉

      
                         (新潮社HPより)


今更ですが・・・話題になった本なので、読んでみました。
先に読んだ旦那が「面白いよ」と言ったので、期待しながら・・・・

読むまで全くどんな話なのか知らずでしたが、それが良かった。
おぉ~こういう話なんだぁ~!と変な感動があった。


以下ネタばれありなので、これから読む人は、ここで止めた方が良いかも。。。


物語は、二人の話が交互に進む。
一つの話の主人公は、青豆という30歳の女性。
本職はあるのだけど・・・・・殺し屋。
自然死にみせかけた完璧な殺しを見事にこなす。

そして、もう一つの話の主人公は、天吾という29歳の男性。
作家志望であり、予備校で数学の講師として勤務している。


この二人の話が1章ごとに語られ、終盤あたりで、なんとなく共通するものが出てきた。

・宗教法人「さきがけ」
・リトルピ-プル


以前、村上氏は、オウム真理教が起した地下鉄サリン事件を扱った、「アンダ-グラウンド」を書いていたけど、この物語に出てくる宗教法人「さきがけ」は、その教団を意識させるものがある。


BOOK2で、この続きがどうなるのか?
とても気になる。
早く読みたい!!

兎に角、先をどんどん読みたくなる物語。
売れている理由がわかった!

★★★★★
PR
a0b7be37.jpg    発行年月:2009年9月

横溝賞作家が贈る、ハートウォーミング・ミステリ!



夢を諦めた男が立ち上げたビジネス『付き添い屋』。
そこに集まる人々が織りなす、奇妙で切ない人間ドラマ。
情感豊かな筆致で綴り上げた、ハートウォーミング・ミステリ。

                              (角川書店HPより)



主人公の倉沢修介は34歳の元プロ野球選手。
敏腕投手として活躍していたが、危険球を投げ、それが当たった相手選手は、その怪我が原因で引退してしまった。
そして倉沢自身もプロ野球の世界から引退。

倉沢は、ある日、戸部という男と知り合い、彼が社長を勤める会社の下請け的役割の便利屋で働くようになる。
そしてやがて自らがオ-ナ-になり、かつて怪我を負わせてしまった西野真佐夫とその妹である晴香を雇う。



社長の戸部からの勧めで、便利屋の仕事の一環として付添い屋を始め、そこで出会う依頼人とのやりとりが以後、章を変えて物語として進む。

子どものサッカ-観戦に付添って欲しいと頼まれたり、
フィリピン人の女性を空港まで送って欲しいと頼まれたり、
長年貯まった資料や本を整理を、3日間泊り込みで付き合ってほしいと頼まれたり・・・・・

そして最後の章では、社長の戸部が依頼人となり、自分と娘に同行して、娘の母親の遺骨を撒きに行くのに同行して欲しいと言う。


ひとつひとつの話が良い話ですが、最終章で、今までの依頼人には、ある共通した思いがあるということがわかります。
その前にも、少し感じてはいたのですが、ここではっきり、それが解明されて・・・・驚きました。
なるほど~。
言われてみれば・・・・と前の話を振り返ってみたりして。


元プロ野球選手の倉沢がずっと抱えていた重荷。
贖罪のような気持ち。
普段の言動には、明るいかんじが現れていますが、ずっと苦しんでいたんだと気づき切なくなった。

でも、そんな気持ちを理解してくれる、晴香の存在が、これから二人を明るい未来に進ませてくれそうなラストは良かった!


感動の物語でした!

★★★★★
 
299d8ca3.jpg発行年月:2011年1月


戻りたい-----いちばん美しい季節の光の中へ

同じ誕生日、隣同士の家に生まれた美奈子と美耶。
互いに「特別」な存在だった。
11歳の夏、美耶の「ある能力」がふたりの関係に
深い影を落とすまでは……。
純粋な想いが奇跡をよぶ、「絆」の物語。

                                            (集英社HPより)


最近、お気に入りになった乾さんの新刊。
今回のお話も胸を打つ感動作でした!

美奈子と美耶の物語ですが、第一章から第六章まで、彼女たちを取り巻くいろいろな人の視点で綴られていく。
第一章と最終章は、美奈子が語る。
家が隣同士で、誕生日も同じの二人。
幼いときから、ずっと一緒の仲良しなのに、ある日を境に、二人は関わりを持たなくなる。

なんとも切ない(/_;)。
なんとか二人が元通りの関係を復活出来たらいいのに~と思いながら読みました。
けれど・・・一向に修復の見込みはなく・・・・・

美耶は優しい子で、関係を断ち切ったのは美奈子の方なんだけど・・・・
美耶がとても痛々しかった。
美耶の母親・恵子が語る第二章で、実の娘に嫌悪感を抱いてしまう複雑な心境が書かれていた。
母親も苦しんでいる様子がわかって哀しかった。


第三章の優等生・近藤史恵が語る章も興味深かった。
学校の成績は優秀、誰からも頼りにされる良い子。
でも、史恵はそれを努力してそうしているという。
特別であり続けるために、そうしないといけないと頑なに信じて毎日を送る史恵が
なんだか気の毒。
でも愛犬の死を機に、少し変われそうな予感が救いだった。

第四章~最終章は
少し年月が経って、二人も中学を卒業し、美奈子は看護助手として昼間働き、夜は定時制高校に通い将来、看護師になろうと頑張っている。

美奈子の母は美奈子が働く病院に入院していて、そこに美耶がお見舞いに来てくれる。

美奈子と美耶の気持ちが、顔を合わせることもあり・・・再び寄り添う最後は、泣けました。
美奈子の母親と同時にホッとした。


けれど・・・やっと二人の気持ちが再び通じ合ったのに、またまた涙を誘うことがあって・・・・
う~ん。どこまで泣かせるんだ~(;O;)

美奈子がこの後、強く生きてくれることを願います!

乾さんの物語は、ほんと、感動します!

★★★★★
 
79860bc2.jpg発行年月:2010年7月


幼い頃、毎年サマーキャンプで一緒に過ごしていた7人。輝く夏の思い出は誰にとっても大切な記憶だった。 しかし、いつしか彼らは疑問を抱くようになる。 「あの集まりはいったい何だったのか?」 別々の人生を歩んでいた彼らに、突如突きつけられた衝撃の事実。 大人たちの〈秘密〉を知った彼らは、自分という森を彷徨い始める-----。

親と子、夫婦、家族でいることの意味を根源から問いかける、角田光代の新たな代表作誕生。

<主な登場人物>
  樹里(じゅり)・・・イラストレ-タ-
  沙有美(さゆみ)・・・求職中、29歳
  紀子(のりこ)・・・主婦、一児の母
  波留(はる)・・・シンガ-ソングライタ-
  賢人(けんと)・・・広告代理店勤務
  弾(だん)・・・レコ-ド機器会社の次期社長
  雄一郎(ゆういちろう)・・・フリ-タ-

                                          (毎日新聞社HPより)


読み応えありました。
最初は、親たちに連れられて毎年、とある山荘に集う幼い子どもたちの様子が、とても微笑ましく幸せそうでさえあり・・・それゆえ・・・この後、どう展開していくんだろう?
ここから、どんな物語へと進んでいくんだろう?と期待感が高まりました。

微笑ましいサマ-キャンプに集う親子たちの姿を描きつつ、どこかで、何か不自然だな・・・という気持ちを読み手にも感じさせる
子どもたちも年々、成長し、自分たちはどうしてここに集まるのか?疑問に感じる者が出て来て
自分たちの出生の秘密を各自がそれぞれの場面で知る。

あ~そういう事だったんだぁ~と分かったときには、納得!


それぞれの子どもたちが、葛藤しながら成長していく様子が描かれ、やがて大人になった彼らは再びかつての仲間たちを探し会う。
生きることの意味を見失う者あり、事実を受け止めてたうえで前を向いて歩む者あり。

自分はどうして生まれたのか?
自分にとって家族とは?

う~ん、奥が深いテ-マを描いた作品だったなぁ~。

文章が巧いので、引き込まれるように最初から最後まで読ませてくれて、さすが!

面白かった!


ラストの沙有美が書いた手紙に、今、生きていることに意味があり、そのことに感謝したいという内容には胸が熱くなりました。


★★★★★
 
e2f0a518.jpg発行年月:2011年1月


日常の中にある異界への隙間……
すこしばかり耳を澄まし、目を凝らすと日常の中にある不思議世界への隙間が見えてくる。そこから異界を覗くとき、物語が生まれる。

著者の学生時代からを綴ったエッセイを収録。

   
                          (集英社HPより)


小川さんの日常には興味がありました。
倉敷にお住まいで、ご主人と中学生の息子さんと犬と暮らしている様子。

第一章 想い出の地から
第二章 創作の小部屋
第三章 出会いの人、出会いの先に
第四章 日々のなかで
第五章 書かれたもの、書かれなかったもの


各章には、短い話が沢山。
小川さんってこういう人?って今まで読んだ文章と、少しギャップがあって面白い部分が多かった。

なかでもかなりの方向音痴には、わたしも同じ経験、多々あるので、すごくよくわかった!

知りつくしている場所にも、目に見えない空気のゆがみがあって、その奥には秘密の世界が隠れている。そこに迷い込むことができるのは、方向音痴の人だけだ。

なるほど、巧いことを言うなぁ~さすが!!と思わず唸ってしまった(笑)


映画の話も興味深かった。
タイタニックを最近見たけど、最後、ロ-ズがジャックの死を認めた後、彼を海に押しやり、ボ-トに救助を求める場面がショックで泣けなかったと。
なるほど、言われてみればそういうふうにも感じる。
わたしは泣いたけど・・・・^^;

そして映画で一番好きなのは、「ギルバ-ト・グレイプ」だとか。
1993年のアメリカ映画で、主役はジョニ-・デップで、その弟役がディカプリオ。
観た事ない!
これは早々に見てみたい!!


第五章では、今まで書いた作品を年代順に並べ、その作品に纏わる話をしていて、面白かった。
こうしてみると、読んでない本の方が断然、多い!
一つ残らず読んでみたくなった!


楽しいエッセイであるとともにファンとして多くの情報を得たような本でした♪

★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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