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読んだ本の感想あれこれ。
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0f9c7175.jpg発行年月:2009年5月


心から一歩も外に出ないものごとは、この世界にはない。心から外に出ないものごとは、そこに別の世界を作り上げていく。

「1Q84」の世界に、もし愛があるなら、それは完璧な愛かもしれない----。刊行以来、日本で、世界で、空前の話題を呼んでやまない長編小説。〈毎日出版文化賞受賞〉

   
                                            (新潮社HPより)


BOOK1に続いて、持続する面白さ。
1984年ではない1Q84年の世界。

スポ-ツクラブのインストラクタ-であり、殺し屋の青豆と
予備校で数学を教えながら作家活動も続ける天吾の話が交互に語られるかたちはそのままに物語は平行に進む。
けれど。。。後半、二人に接点があったことがわかる。
小学生の頃、ある一時期だけ一緒だった二人がその後は別々に成長しながらもいつも大切な存在として忘れることがなかった。
そして、1Q84の世界で、お互いを求める。

まだ二人は再会していないけど、青豆は天吾を見つけた!
見つけたけれど、声をかけず・・・
ラスト、児童公園で月を見上げる天吾を見つけた青豆が、そばにいこうか迷いつつ結局は静かにその場を去る場面の描写が良かったなぁ~。

ある大物を始末した青豆は、どうなる?
ノンフィッションを書いたと思った「空気さなぎ」を現実のものと理解した天吾はどうなる?


二人は出会うのか?

気になることが増して、それを早く知りたい!!

本当に面白い小説だ!!
村上春樹って、凄いなぁ~

★★★★
 
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86666b5d.jpg発行年月:2011年3月


直木賞作家・井上荒野氏の短編小説集。アラフォー世代を迎えた、大学時代の同級生である4人の女性たちの微妙な人間関係を描く書き下ろし短編「ハニーズ」をはじめ、思いを寄せる同僚の既婚男性が住んでいる島を訪ねていく、惣菜工場で働く女性の淡い恋心と、やはり同僚のブラジル人との友情を描いた「他人の島」、ゲイカップルの別れを描く「きっとね。」、幼稚園時代の父への回想を描き、著者の父・井上光晴氏との思い出が重なる私小説的短編「泣かなくなった物語」など著者がこれまでに発表した作品のなかから選りすぐった全9篇。

                                           (小学館HPより)


スラスラと読める短編集。
どこにでもありそうな話ですが、そこに現れる女性たちの心理描写は、同じ年代の自分のなかで
「うん、うん、わかるぅ~!!」と言うものが多く面白かった。

面白かったのは5作目の「犬と椎茸」。
この題からして、どういう話よ?って興味あったけど、犬も椎茸も出てくる。
そしてその二つはこの物語の重要アイテム(?)。

30年ぶりにかかってきた電話の主は、かつての恋人と結婚した友人。
出来れば会いたくない友だけど、誘われて再会。
次に自宅の招かれ出かけると、友人の旦那である元恋人もいる。
複雑な胸のうちが巧く描写されていた。
けれど、友人の余命が短いことを知る。
そしてまた考えるあれこれ。

自身には、夫もいる。娘も同棲している恋人が居て、娘の住むマンションに出向いて、最近は夫が飼いたがっている犬、(自分は苦手な犬)に慣れるため、密かに娘の恋人が飼う犬に触れる訓練をしている。

元恋人とその妻である余命短い友人の事を思い悩んでも自宅に戻れば、全く異世界のような日常がある。

家族にはあえて言わないけど・・・っていう事、このくらいの年代にはあっても不思議じゃない。


ほかの短編も、少し秘めた想いみたいなものを抱えている人の話だった。


大きな出来事じゃなく、どこにでもある物語をこうして、書ける作家さんは凄い!と思う。
井上さんもそんな作家さんの一人です。

★★★★
 
412dXIndNIL__SL500_AA300_.jpeg発行年月:2010年12月


失恋ばかりの、私の体。ああ、でも、私は彼のことが、本当に、好きだった。

32歳。次は、凪の海みたいな恋愛をしたかった。なのに、彼と関係を結んでから、私は笑えなくなった。好きになるほど、苦しくなるのだ。すべての恋愛は狂気である、という。けれど本当にこの狂気を乗り越え、次の海へと漕ぎ出していけるのか----。行き場のない黒い感情と、その先に見えるほんの少しの希望を鮮烈に描いた会心作。

                                             (新潮社HPより)


なんて苦しい恋なんだろう。
32歳の夏目はアルバイトしながら絵を描いている。
そして、ある日、男友達・瀬田から「夏目が好きそうな絵・・・・」と個展に誘われ、そこでまず絵に魅せられる。
白い富士山の絵。
その絵を描いた間島という男に段々と惹かれてゆく夏目。
恋人がいるらしいと聞いているし、近づいたらいけない人だということを感じているのに、どんどん惹かれていく夏目。
とうとう自分から告白して恋人のような関係になるのに・・・・・。

夏目の理性が段々抑えられなくなっていく過程が、なんとも切なかった。

夏目だけでなく、間島も、また瀬田もそれぞれに苦境に立たされているかんじで、
もっと巧く自分を好きだという人と向き合えばいいのに・・・・なんて思ってしまった。
ま、それが出来ない人たちだから、こういう状況になっているんだろうけど・・・。

夏目が最後、願うように、皆の想いがどうか救われますように・・・とわたしも思った!


この作者の作品、あまり読んだ記憶ないけど、この物語を読んで、ほかの作品も読んでみようと思った!


この表題と表紙絵のセンスが◎。

★★★★
c16cc9e7.jpg発行年月:2011年2月


昭和の香り漂うアパートで、へんてこな住人に面食らい、来し方を振り返っては赤面、行く末を案じてはきりもなし……。40代シングル女子の転機を描く、ほのぼの笑える長篇小説。


                      (中央公論新社HPより)
 

 


楽しいお話でした。
主人公の花村茜は43歳、独身。
15年前に母が逝き、その後一人暮らしの父・桃蔵は、老後の支えにアパ-ト「花桃館」を経営していた。
その父も亡くなり、茜はアパ-トを相続することに。
古いアパ-トで取り壊したいと思うが、壊すにもお金が掛かる。
そこの住人たちを立ち退かせるのも厄介そうだと、最初は渋々、引き受けたアパ-ト経営の様子が、空いている部屋101号室に住み込み、住人たちと接するなかで、起きる諸々のことが愉快。

103号室の住人・雨宮季華からは父の知らなかった生前の様子を聞かされたり
201号室の住人・妙蓮寺一家は父子家庭(3人の男の子あり)ゆえ、母親みたいな助けもしたり
302号室の住人・玉井ハルオにはウクレレ演奏の場を同級生・尾木の経営するバ-に紹介したり


まだまだいろいろな関わりのなかで、生まれる新たな人間関係。


全体にほのぼのしていて、とても楽しい物語でした。



★★★★

 

1b608a87.jpg   発行年月:2011年2月


   結婚は、人生最大のエンターテインメント!

   企みを胸に秘めた美人双子新婦、
   プランナーを困らせるクレーマー夫妻、
   新婦に重大な事実を告げられないまま、結婚式当日を迎えた新郎……。
   
   人気結婚式場のとある大安の一日を舞台に人生の悲喜こもごもをすくい取る。


                                            (角川書店HPより)


面白かった!
老舗ホテル・ア-ルマティで、ある大安の日、4組の結婚式が予定されている。
その4組のそれぞれの1日の流れを交互に語る形で物語は進んでいく。

4組の結婚式を担当するプランナ-のうちのひとり、山井多香子が担当するのは、十倉家と大崎家。ワガママなお嬢様・大崎玲奈が新婦。
打ち合わせ時とは違う要求を急にされたり・・・プランナ-さんって大変な仕事だわ。

他には・・・
新婦が双子だという相馬家と加賀山家。
双子の姉妹は一卵性で、見た目はそっくり。
そして、この式で二人は新郎を試すビックリの企みをする。

東家と白須家は、新郎は新婦の7歳年下。
新婦は薬剤師で新郎は同じ薬局のアルバイトとして勤務していて知り合った。

鈴木家と三田家の新郎・陸雄は、実は結婚しているのに新婦に言えないまま、式に臨むことになってしまっていた!


それぞれのちょっと訳アリのカップルの結婚当日の式場でのあれこれが時間を追いながら描かれる。


白須家の親族の真空くんが語る章が面白かった。
お母さんの妹である新婦・りえが大好きで、親族たちが新郎のことをあまりよく思っていない事を知って、本当にこの結婚は祝福できるものなのか?と幼いながら(小学校低学年かな~?)に思いつつ式に出ている。
そして、ある推理をし一人慌てる様子が可愛らしい。
真空くんの推理が外れてよかった♪


それぞれがバラバラの話だけれど、ウエディングプランア-の多香子が時々、担当以外の披露宴会場の進行状況を語ったりするので、4組に接点はなくても同じ場所での物語だと認識できるのも良かった。
こういう話の組み立て方は巧いなぁ~。

そして、共通のある事件が起きて・・・・
でも、それがあって、それぞれの組の抱えていた問題も良い方向へと向かい
結果的には、みながハッピ-になれる物語。


後日談の話も良かった。

今まで読んだ辻村さんの作風とはちょっと違ったけれど・・・
こういう明るいミステリ-もいいなぁ~。

★★★★★
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