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読んだ本の感想あれこれ。
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d905c141.jpg   発行年月:2011年4月


   亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。
   それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。
   創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。
   そして書いたのは誰なのか。
   謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。

   圧倒的な筆力に身も心も絡めとられてしまう究極の恋愛ミステリー!

                                           (双葉社HPより)


最初から最後まで、この先どうなる?と逸る気持ちで読み続けたかんじ!
これは凄いミステリ-だ!


主人公の亮介はドッグランのある喫茶店を経営していて、恋人の千絵の失踪という事件を機に、父親が末期癌だと診断され入院し、その後、母親が交通事故で亡くなるという事態。

そして父親が一人暮らしていた家のなかに入り、見つけたものは、誰が記しかのかわからない連続殺人を告白するものだった!
その殺しの方法が・・・・なんとも残酷。殺人を犯す本人は、淡々とそれを行い、背筋が凍る。


その謎の手記のようなノ-トに書かれた内容を追う場面とそれを読む亮介の日常が交互に語られ、その二つに接点が段々と出てくる。


そして驚きの真実!

最後まで読むと、家族愛のようなものを感じる内容で、読み始めたときに感じた不気味なイヤなかんじが、温かいものも感じられるようになって、よく出来た話だった!

途中、亮介の言葉
年をとるというのは、たぶん混乱を混乱のまま抱きかかえて生きられるようになることではないだろうか。

が印象的だった。
なるほど・・・そういうものかもしれない。

★★★★
 
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7361cdeb.jpg発行年月:2010年4月


そこは世界にただひとつの完結した場所だった。どこまでも孤立しながら、孤独に染まることのない場所だった。

「1Q84」の世界に、もし愛があるなら、それは完璧な愛かもしれない----。刊行以来、日本で、世界で、空前の話題を呼んでやまない長編小説


                       (新潮社HPより)


BOOK3では、青豆と天吾に加えて、牛河の章が加わり、三者それぞれを中心にした物語が進んで行きました。

牛河は「さきがけ」のリ-ダ-の死の真相を独自に追っている。
そして、「セ-フハウス」のリ-ダ-である老婦人の存在、青豆というスポ-ツクラブのインストラクタ-、「空気さなぎ」のゴ-ストライタ-・川奈天吾、この三人が何らかの結びつきがあると判断し、天吾の居場所を突き止め、その行動を執拗に探る。

牛河の存在が不気味でした。
かなり良い線の推理をし、単独行動している。
この存在は、脅威だ!と思いながら、天吾、青豆の章に加わっても邪魔にならず読み進められた。

そして、アッとびっくりな牛河の最期。
安心したけど、なんか、もうちょいと青豆や天吾たちに絡んでいく様子をハラハラドキドキしながら追いたかったので「え?」と思ってしまった。


そして、BOOK3は、ハッピ-エンドというかんじで終わったのだけど・・・・
う~ん。このままじゃないよね?
ハッピ-エンドは勿論、嬉しいけれど、これでお終いは、なんとなく物足りないと思ってしまう。
村上春樹なら、もうちょい仕掛けてくれるんじゃないか?と期待してるから。

でもBOOK3は10月~12月の物語。
1984年は12月でお終い。

あっ!でも1Q84年なら12月でお終いじゃないかもしれない。

なんて、あれこれ考えている(笑)

でもコレだけ長い物語なのに、全く飽きずに読ませるのは、流石!!

BOOK4があることを期待してます。

★★★★
Another.jpg   発行年月:2009年10月


   気をつけて。もう、始まってるかもしれない

   夜見山北中学に転校してきた榊原恒一は、
   クラスの奇妙な雰囲気に違和感を覚える。 
   孤高の美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みるが、
   謎は深まるばかり。
   そんな中、クラス委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた!


                                           (角川書店HPより)


連続して綾辻作品を読みました。
この本、すごく厚くて、持って読んでいると肩凝りが酷くなるので、膝にクッションを置いてその上に
本を乗せて読むスタイルでした^^;

学園物ミステリ-というところかな?
ホラ-色はあまり強くないとお薦めの次女の弁でしたが、なかなか怖かった。
でも耐えられないほどでもなく、スト-リ-には惹き込まれる力があって結構、短時間で読めました。

父子家庭で育った、榊原恒一は15歳。
父親は大学教授でインド出張の期間、亡くなった母方の祖父母の家で暮らすことになり東京から転校する。
母親の妹である叔母の怜子も何かと恒一の面倒を見てくれて、かつては母や叔母も通った中学のことをあれこれ話してくれる。
しかし、その話のなかで、26年前から続く、ある不思議な話を聞き、自身もその謎の部分に深く関わることになってゆく。


ある事が原因で次々起きる不可解な死。

26年前から続く、忌まわしいことを食い止める為に行なわれる方法。

不気味な世界でした。

謎の美少女・見崎鳴の存在も最初は、不気味さに拍車をかけましたが、恒一と会話する様子は自然で二人の距離感も好感が持てた。
そして、終盤近くで明かされた<もう一人>の存在には驚いた!

なるほど・・・それが分かってから前の出来事を振り返ると伏線めいた事柄が巧く繋がる!

でも、なんだか切ないような哀しいような気持ちにもなった。

結局でも人が沢山、死ななきゃならない理由はなんだったんだろ??
よくわからない。
わからないけど、まあ楽しめた。


最初、不気味な存在に感じた見崎鳴が読んでいる途中から冷静な判断と行動をし、人を思いやる心も持った、凄く素敵な女の子だなと感じた。
表紙の絵は見崎鳴だと思うけど、この絵の雰囲気はピッタリ!

人が結構、死んだりするけど、淡々と過ぎていくので、わたしには有り難かった^^;


★★★

 
1379ae6c.jpg発行年月:2011年3月


怪談専門誌『幽』創刊以来圧倒的な人気を誇る新本格の旗手・綾辻行人による連作怪談、待望の第二集。作者の分身とおぼしき小説家の日常の風景がぐにゃりと歪みはじめる前作に引き続き、作中世界の変容に拍車がかかる。歪んでゆく世界を表現した、ブックデザイン界の鬼才・祖父江愼氏による話題沸騰の「表紙の裏表がひっくり返った」装幀には、さらにどんな仕掛けがほどこされるのか? 主人公の住む「深泥丘(みどろがおか)」の全貌は明かされるのか? 目眩(めまい)? 揺れているのは自分なのか世界なのか。人間の存在が根底から揺さぶられる、哲学的な問と奇妙な味わいをたたえた挑発的連作集。

                                     (メディアファクトリ-HPより)


次女が好きな作家さんで、前々から「面白いから読んでみれば~?」と言われていたのですが・・・・
怖い物が苦手で敬遠してました(笑)。

今回の新刊は、不思議だけれど、さほど怖くないとかで、わたしも読んでみました。
うん、これくらいなら平気!

そして、この雰囲気は、結構すきかも♪

主人公は推理作家で、日常のなかで度々出会う奇妙なことを短編形式で綴った作品。
10の話のどれも奇妙でなんとも言えない背中のあたりがゾワゾワするようなかんじ。

なかでも「狂い桜」が良かった。
小学校の同窓会のあとの三次会に集った男女7人。
途中、席を少し外す者について、その後「そういえば・・・〇〇君は亡くなったんだよね」という話になる。さっきまで居たはずなのに「?」と思う主人公。
自分もトイレに行きたくなり途中その席を抜ける。その後の皆の会話が気になり・・・・という話。

いろんな奇妙な体験を、必ず帰宅して妻に語る主人公。
それを聞いて、いろんな意見を述べる妻。
二人の会話の様子が、ちょっとほのぼのしていて、なんとも言えない奇妙な話の雰囲気を和らげてくれていて、ホッとした。


9つめの話「夜蠢く」は、わたしも実家では猫を飼っていたので、
「そうそう!わかる!」と思わず心のなかで叫んでしまった!
猫を飼っていた人なら、皆、共感すると思うけど・・・。
話としては、これも不思議だったなぁ~。


怖がりのわたしでも、なんとか楽しみながら全部読めました。

表紙の絵と本文中にもある挿画が美しく、ちょっと怪しげで本の内容にピッタリだったのも良かった!


綾辻作品、なかなか良いな。
今は次女、一押しの長編を読んでますので、綾辻作品をまた後日・・・。


★★★

 
8fabb4cc.jpg発行年月:2005年11月


大学を辞め、時に取り残されたような喫茶店で働く私。向かいの部屋の窓の中を覗くことが日課の私は、やがて夜の街を徘徊するようになり……。
ゆるやかな官能を奏でる第42回文藝賞受賞作。


                       (河出書房新社HPより)


好きな作家さんの一人、青山七恵さん。
図書館の棚を見ていて、ふと目に留まり、借りました。

この作品は大学在籍中に書かれ、文藝賞受賞し、作家デビュ-となったそう。

プロになれるかどうか?というときに書かれた作品なわけですが・・・
もうプロの作家さんの文章だと、わたしは思いました!

主人公の小森まりもは、飲み屋街にある店の二階に住み込みで働いている。
オ-ナ-は美しい女性・ミカド姉さん。
ミカド姉さんも店の二階、まりもの隣の部屋で寝起きしている。

まりもは自分の部屋から見える向かいのアパ-トの住人の様子を覗き見する習慣がある。
レ-スのカ-テンごしに見えるシルエットだけだったり・・・。
そして、夜の散歩でも窓ごしに見える人たちの暮らしを凝視する。
変わっている習慣だけど、犯罪に及ぶほどのものでもない。
覗き見る人々の様子は、その様子が頭に情景として浮かんでくるような描き方で、まりもと一緒に並んで見ている様な不思議な感覚でした。


物語の内容としては、大したものではないのですが、不思議な魅力がありました。
センスある人にしか書けない物語でしょう。

青山さんは、この文藝賞のあと作家活動に入り
2007年「ひとり日和」で第136回芥川賞
2009年「かけら」では最年少で川端康成賞を受賞。

まだまだ、今後も良い作品を沢山、提供してくれそうで、楽しみです♪
読んでいない作品も順番に読んでいこう!

★★★★
 
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