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読んだ本の感想あれこれ。
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8231675c.jpg発行年月:2011年4月

林真理子版小説『源氏物語』第二巻!

恋愛小説の神様、林真理子による小説『源氏物語』の第二巻です。物語は、光源氏が都を追われ、須磨、明石へと流浪をする運命の章を迎えます。六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)を語り部とする斬新な視点、オトコのいやらしさを全開にするリアルな光源氏などなど、従来の『源氏物語』とは一線を画す小説は、第二巻も林真理子節が冴え渡ります。「須磨」「明石」「藤壺の死」「六条御息所の死」「六条邸」「玉鬘」などを収録

                                          (小学館HPより)

第1章 光の章に引き続き、楽しませていただきました。
本当の源氏物語は、未だ読んでないのですが、これは読みやすく、スラスラ進みます。


亡くなった六条御息所の視点で語られていくので、光源氏の節操のない女性関係を呆れながら、でもそこに関わってしまう女性たちには、同情したりと、六条御息所の語りに共感しながら楽しめます。

いろいろな女性が光源氏と関わるのですが、都を追われて訪れた明石で出会った女性・明石の君が一番すきだな~。
妻である紫の上には、一応、気遣いもしながら、関係を持った女性との間に生まれた子は、なんとか自分が面倒をみようとする光源氏の優しい面も見られると、節操なく振舞う呆れる男だけど、完全には憎めない。


巻末の系図と年表も分かりやすく、これはコピ-して次の話を読む際に使おうかな?(笑)


★★★★

 
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KAGEROU.jpg   発行年月:2010年12月


   第5回ポプラ社小説大賞受賞作。
   「命とは何か?」「人間の価値とは何か?」という
   深遠なテーマに、ダイナミックな物語構成で鋭く切り込む。

                            (ポプラ社HPより)




水嶋ヒロが書いたと話題になった本なので、冷やかし半分で読んでみました^^;
評価もマチマチだったので、自身で確かめたいという気持ちも大きくて・・・。


すごく読みやすかった。
そして、意外と楽しめた。
悪くないじゃん!初めて発表した小説がこれなら今後も期待出来そう!


主人公の大東康雄は、自殺しようとしたところを、京谷に止められる。
京谷はドナ-レシピエント協会のコ-ディネ-タ-で、ヤスオに死んだ後の肉体の臓器提供を申し出る。

最初から、面白い展開になりそうだという設定であり、ヤスオはどうなる?と興味が沸きました。

死ぬと決めたヤスオの気持ちのなかに、変化が生じてくる少女との出会いがあって、この少女との会話の場面はなかなか良かった。


そしてラスト。
いろんな解釈が出来そう。
わたしは悪くない終わり方だと思った!


もっとダ-クな内容かと思っていたけど、意外と明るいかんじで「命」の大切さを著者なりに懸命に伝えようとしていると感じた。


期待半分で読んだけど、案外良い出来だと評価したい!
別に水嶋ヒロのファンじゃないけど、小説家としての「齋藤智裕」のファンにはなれそう。
次回作も是非、読ませてもらいたい(^^)

★★★
b12a4aa8.jpg   発行年月:2008年10月

   
   検索から、監視が始まる。
   漫画週刊誌「モーニング」で連載された伊坂作品 最長1200枚

岡本猛はいきなり現われ脅す。「勇気はあるか?」
五反田正臣は警告する。「見て見ぬふりも勇気だ」
渡辺拓海は言う。「勇気は実家に忘れてきました」
大石倉之助は訝る。「ちょっと異常な気がします」
井坂好太郎は嘯く。「人生は要約できねえんだよ」
渡辺佳代子は怒る。「善悪なんて、見る角度次第」
永嶋丈は語る。「本当の英雄になってみたかった」


                                            (講談社HPより)


面白くないわけじゃなかったけど、異様に読むのに時間がかかりました^^;

主人公のシステムエンジニアの渡辺拓海を取り巻く人物たちがユニ-ク。
特に妻の佳代子がいい!
最初は、浮気を疑って、かなり怖い拷問を人に頼んだりしていたけれど、夫のことが大好きだということで・・・なんだか可愛い。
ちょっと異常なかんじもするけど、こういう人は遠くで見てる分には面白くて好き。

しかし、パソコンで検索したある単語で、監視が始まる社会って怖い。
遠くない将来、こんなことも起こりうるのか?
もしかして、もう既に?
そう思うとなんだかゾッとした。


面白くなかったというわけでもないけど・・・・
なんだか、何が言いたいのかよくわからない話ではありました。


よって、★の数少ないです。

★★
 
8a13edc8.jpg   発行年月:2007年9月


   オール讀物新人賞受賞。異彩を放つ6つの短篇!

   哲彦が疎開先で出会った喬史の顔の左半分を覆う黒痣。
   村人たちはスナメリの祟りと忌み嫌うが、
   喬史の左目にはそれ以上の秘密が……

                            (文藝春秋HPより)


最近、気になる作家さんの一人、乾さんのデビュ-作を読んでみました。
6編からなる短編集。

表題作の「夏光」は、一番最初。
時代は戦争末期の昭和20年。
伯母の家に疎開している哲彦が顔に痣のある喬史との友情を結ぶ物語。
皆と違うものを排除しようとする人間の無情な言葉や態度がとても嫌なかんじでしたが
二人の少年のお互いを思いやる気持ちには温かいものを感じ、ラストは
この先にある希望のようなものを感じた。


「夜鷹の朝」は、誰からも気づかれず孤独に耐えるように屋敷で暮らす少女が哀れだった。
一時でも少女に気づいて接した青年の存在が少女には、きっと救いだったでしょう。

「百焔」は美しく優しい妹に嫉妬する姉の企て。
でも、そんな姉さえも最後まで慕う妹の気持ちに姉も心を動かされる。
姉妹が今後は支え合って生きていくのかな?

「は」は、完全にホラ-です!
ちょっとこの6編のなかでは異色的。
怖い展開になっていくぞと思いつつも先が知りたくて、予測がつくけどそれが予測どおりだと驚いて・・・。金魚飼ってる人は怖いかも~。

「Out of This World」は、切ない話でした。
マジシャンの父を持つタクは東京から転校してきた。
そしてマコトと仲良しになる。
タクの体には無数の傷があるが、父と新しいマジックを練習しているから出来るというタク。
他人から見たら逃げてもいいんじゃない?という状況なのに、こどもにとっては側にいるのが当然の父親なんだ。なんだか切なくなった(/_;)

「風、檸檬、冬の終わり」はタイトルからすると綺麗だけど・・・・
話は重たくて暗くて嫌な話でした。
でもそんななかにも少し希望があるのが、この著者の作品の良さかな?
暗くジメジメした話のなかでの「檸檬の香り」がすごく活きている!!


どの短編も読み終えると余韻が残るかんじで、これが「夏光」で賞を取り最初の単行本かと思うと
その質の高さに驚く!
いや~参った!


表紙写真のインパクトも凄いけど、内容は負けてないインパクトでした!

★★★★★
7b93ca0f.jpg発行年月:2010年4月


奇才・万城目学の第2エッセイ集!
ベストセラー作家・万城目学が北京、ロンドン、バルセロナ、大阪、札幌、国会議事堂…、世界も日本もあちこち巡って、驚きや感動を綴ったエッセイ集。全編に摩訶不思議なマキメ・ワールドが全開!


                      (集英社HPより)


相変わらず、面白い。
でも、今回はちょっとシリ-ズっぽいサッカ-観戦を追いかけながらの旅と
前作・万歩計にも登場の「渡辺篤史の建もの探訪」の話が多かったので、どちらもよく知らないわたしには、ちょっと興味薄の内容だったなぁ~。

そういう意味では前作の万歩計の方が楽しめたかも。
しかし気になる「渡辺篤史の建もの探訪」。
こちらでも放映されている番組だろうか?一度見てみたいものです。


静岡県民としては<しずお蚊>の話には、笑えた。
しかし・・・県東部には冬でも蚊がいるってホントかな?
西部在住なのでよくわからないけど。


森見氏とのやり取りは、可笑しい。
なんだか似たもの同士なかんじがする。
作風も不思議系だし。

それから・・・・授賞式会場での津村さんの発言にも笑った。
ほかの作家の素の部分があれこれ書いてあって、おもしろい。
人間観察力も長けている万城目さんというかんじ。


またエッセイ本出すかな?

でもやはり、新作の物語を早く読みたい♪

★★★
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