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読んだ本の感想あれこれ。
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1ee89316.jpg発行年月:2011年4月


鳩レースに導かれた、少年少女の成長物語
1980年代。家庭でも学校でも居場所のない小学校5年生のみなと。同級生の悟とつかまえたレース鳩がきっかけで、オランダ人の父を持つ女の子・ユリカに出会う。彼女は「町を出たい」と打ち明け…。


                       (集英社HPより)


小学5年生のみなと、悟、ユリカが「鳩」を通じて友情を育む物語。
それぞれが胸に仕舞っている悩み。

みなとは、若い継母に馴染めない。
継母と連れ子の3歳の浩太が加わった家族のなかに居場所がない。

悟は、厳しい父親との暮らし。
母親は父と離婚後、離れて行った。

ユリカは、オランダ人の父と日本人の母を持つ。
日本人と外見が違うことで、いろいろな辛い目に遇ってしまう。


3人とも今の自分の状況から、ちょっと逃れたいと思っていて、そんな時、「鳩」を通じて知り合い、「鳩レ-ス」の存在が更に3人を結びつける。

鳩レ-ス・・・こどもの頃、近所でやってる人が居たような・・・
今は殆ど、やってる人を知らないけど。


後半は、35歳になった、みなとたちの話。
それぞれが、社会に出て、生きている姿が描かれる。

みなとと悟は、それぞれが鳩を所有し、レ-スに参加していて、大人になった現在までの経緯が簡単に語られる。
ユリカの悩みは、その後、良い方向に解決したこともわかってホッとした。
みなとと悟の抱えていたものも時が経って自然に解決した様子。


前半は児童向けの青春小説のようだけど、最後まで読むと、これは大人向けの物語だと思う。
スラスラと読めて面白かった。

★★★

 
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4a7bda69.jpg発行年月:2010年11月


デビュー以来の鮮烈な衝撃作
好意、愛情、執着、嫉妬、秘密……、人を好きになる気持ちのすべて。あるひとりの女の、恋愛大河叙事小説。
美緒とサスケは愛し合っている。
憎いほどに。
殺したいほどに。

                     (講談社HPより)


主人公の岡見美緒23歳は、前の会社の同期入社であった猫田健太郎と誰もが認める相思相愛のカップル。
しかし、美緒は、同じく前の会社の同期生であったサスケとも恋愛関係を築いていく。

健太郎とサスケの両方を愛し、それぞれに「愛している」と言えてしまう。
う~ん。こういう女性、結構、居そうな気がする。
と読みながら・・・・他の人も思い出す顔があるんじゃないかな?

美緒は女性からは嫌われるタイプの人かも。
容姿も良くて、明るくて、面と向かって「すき」と言われたら大概の男性は有頂天になるような女性?


美緒の恋人・健太郎が二股をかけられていることに気付き、あっさり別れを告げたのは気持ち良かった!
おぉ~健太郎やるじゃん!と拍手した(笑)。
お世話になったからと美緒の両親には丁寧にお礼を言ったり、律儀な性格も◎。
美緒の母親の気持ちはよ~くわかった。
自分の娘がこんな恋愛の顛末だったら、悲しい。

その後の美緒とサスケの恋愛もあれこれあって・・・
この二人は似たもの同士だから、こうなる事は予測出来たけれどね・・・。

美緒とサスケの周りの人たち、それぞれの同僚だったり友達だったりの恋愛の行方も、いろいろで
物語の全部にいろんなカップルの恋愛話がありました。
まさにこの物語は、「恋愛小説」!


美緒みたいな女性と付き合う男性は大変だ。
そして、サスケみたいな女性と付き合う女性も大変だ。


今までの作風とがらりと違う話でしたが、面白かった!!

★★★★

 
4d2a4a5b.jpg発行年月:2011年2月


ある日突然、私のそばから人や物が次々に消え始め、それらは最初から「無かった」ことになっていく…。当たり前の日常が孕む不確かさと、今ここにある世界のきらめきを色鮮やかに描きだす。

第34回すばる文学賞受賞、鮮烈なデビュー作!

                        (集英社HPより)


面白かった。
最初は主人公のサトミが勤める会社の面々とのやり取りが、和気藹々としていて楽しいなぁ~なんて思っていたら、事態は急変。
サトミの身に起きる不思議な出来事。

自分の身にそんなことが起きたら・・・・と考えるとちょっと恐ろしい。

こんな話をよく思いつくものだと感心。

これがデビュ-作なんだ~。
これからどんな物を読ませてくれるのか、凄く期待させる作家さんがまた増えたかんじで嬉しい!

この表題と表紙のイラストもセンス良し!


★★★★

 
e138e444.jpg発行年月:2010年11月


「短篇小説の女王」による、国際ブッカー賞受賞後初の最新短篇集!

子連れの若い女に夫を奪われた過去をもつ音楽教師。新しい伴侶とともに恵まれた暮らしを送る彼女の前に、自分の過去を窺わせる小説が現れる(表題作「小説のように」)。ほか、ロシア史上初の女性数学者をモデルにした意欲作「あまりに幸せ」など、人生の苦さ、切なさを鮮やかに描いて、長篇を凌ぐ読後感をもたらす珠玉の十篇

                       (新潮社HPより)


読み応え充分の短編集でした!!

10篇の物語、どれも良かった!
1つ読み終えると、暫くは静かにその余韻に浸っていたくなるかんじ。

一つ一つの物語に登場する女性たちのいろいろな人生。
そのなかで感じる、喜び、絶望、驚きなどなど、いろいろな感情を読みながら共感。

一番最初の「次元」からやられた!
夫の手によって3人のこどもを殺された女性・ド-リ-。
しかし、完全に夫を恨むことは出来ず、隔離されている夫の元に定期的に通う。
そしてそんなある日、バスに乗っているとき、そこに飛び出して来た少年を救助する。

その少年との出会いを機にド-リには今後、もっと明るい未来を歩んで欲しいと願った。


次のお話は表題作になっている「小説のように」。
これも面白かった。
学校で音楽を教えているジョイス。
大工の夫・ジョンと幸せに暮らしていたが、彼の元に見習いだという女性・エディが娘を連れて一緒に暮らすようになり生活が一変してしまう。
学校では、エディの娘はジョイスの教え子という環境。

やがて、ジョイスは家を出て、ほかの男性と幸せに暮らすようになるが・・・・
その後、エディの娘が小説家として書いたものを偶然、目にすると、自分がかつてジョイスとエディ母娘と暮らしていたことが書かれていて驚く。

自分のことを第三者が冷静に見つめていて、それを小説にされたら・・・・ちょっとイヤだな。
小説家が身内にいると、こういう事態もあり得るのか?なんて考えた。


ほかの作品も読むたびにいろいろ考えた。
ひとつひとつに思う感想がちゃんとあるので、全て書くとすごく長くなるので省略しちゃうけど

「深い穴」は、優秀だった息子が自分から離れたところに行ってしまい、どういう暮らしをしているのか心配していたら・・・・数人のわけのわからない貧しそうな人たちと貧しい共同生活をし、路上で施しを求める日々を過ごしていたという話は、母親の立場に立ったら、なんともやり切れない気がした。
こどもはそんな暮らしでも生きる意味を感じているのがせめてもの救いだったけど・・・。

最後の「あまりに幸せ」は、実在した数学者で小説家のソフィア・コワレフスカヤの人生を描いた物語だそうですが、実在した人物の話なのに、一番、フィクションぽかったという印象。
ロシア人ゆえに苦労したことが沢山あって、すごい人生だ。

この最後の話をもっと詳しく書いても1冊の小説になりそう。
そして、表題を「小説のように」でも通りそう。

あ~そうして考えると・・・・この表題は最後の話があるからそうしたのか?
なんて、あれこれ一人考えたりして・・・(笑)

さすが「短編小説の女王」と称されているだけある作品!!

ほかの作品も読んでみたくなった!

★★★★★
 
8231675c.jpg発行年月:2011年4月

林真理子版小説『源氏物語』第二巻!

恋愛小説の神様、林真理子による小説『源氏物語』の第二巻です。物語は、光源氏が都を追われ、須磨、明石へと流浪をする運命の章を迎えます。六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)を語り部とする斬新な視点、オトコのいやらしさを全開にするリアルな光源氏などなど、従来の『源氏物語』とは一線を画す小説は、第二巻も林真理子節が冴え渡ります。「須磨」「明石」「藤壺の死」「六条御息所の死」「六条邸」「玉鬘」などを収録

                                          (小学館HPより)

第1章 光の章に引き続き、楽しませていただきました。
本当の源氏物語は、未だ読んでないのですが、これは読みやすく、スラスラ進みます。


亡くなった六条御息所の視点で語られていくので、光源氏の節操のない女性関係を呆れながら、でもそこに関わってしまう女性たちには、同情したりと、六条御息所の語りに共感しながら楽しめます。

いろいろな女性が光源氏と関わるのですが、都を追われて訪れた明石で出会った女性・明石の君が一番すきだな~。
妻である紫の上には、一応、気遣いもしながら、関係を持った女性との間に生まれた子は、なんとか自分が面倒をみようとする光源氏の優しい面も見られると、節操なく振舞う呆れる男だけど、完全には憎めない。


巻末の系図と年表も分かりやすく、これはコピ-して次の話を読む際に使おうかな?(笑)


★★★★

 
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